県営広域水道の料金の引き下げ
11月29日、広域水道の改定の知事会見があり、30日の報道などで目にした方も多いと思います。
「全国一高い水道料金の山形県」これは、WaterWatchNetworkをはじめた当初から、県に請願を出したり、時にはプレスリリースなどして、私たちが問題視してきたことです。
村山広域水道や置賜広域水道がどんどん水道料金を押しあげ、鶴岡ならびに庄内が広域水道化してそれは歴然とした事実となっていました。僕は06年の7月7日に開催された夢未来トークでも以下のように提言をしました。
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3点、問題提起をしたい。
1つは、全国で最も高い水道料金と悪名高き、水道問題の事。2001年の10月の広域水道への切り替え以降、鶴岡市民の水道をめぐる環境は一変している。「水道が高くなって、まずくなった」「ペットボトルを買って飲まざるを得ない」など。多くの市民の声がある。私が不思議なのは、県が施策をすすめておきながら、住民の声をもとにした事業の評価をしていないということだ。住民の声に耳を傾けていない。
そこでこの5年間をへた現状の水道のモニタリング調査を実施してほしい。
2)ダム事業の陰で、赤川扇状地の地下水資源が無視されている現状がある。月山からの赤川扇状地には、52年から55年まで東海大柴崎先生と山形大との共同で調査し、当時のシミュレーションで25万トンの持続性補給量があるとされる水源がある。
これが現在、県や庄内支庁のビジョンで無視されている現状である。
「食の都」を支えるのはおいしい水だ。これこそ、ここならではの資源であり、こうした資源を無視していることは許されない。地下水源について県としても水収支を再調査するなどし、有効に生かす姿勢をみせてほしい。
3)最上川の環境にも影響することなので、ここであえていうが、
最上川の上流に最上小国川という川がある。
この川は、年間鮎つりに3万人の人が訪れ、150万匹もの鮎が天然遡上する川で、最上川とともに私たちの財産。特に、ここでとれる松原鮎は全国に誇れる山形ならではの食の文化だと考える。
ここに県は今、穴あきダムとうことを計画しているが、これは、まさに従来型の公共事業の構造そのものだと思う。
また、流域小委員会の持ち方も、先日「つり人」というある紙面に「清流・最上小国川に無用なダム建設を推進する非民主主義的な会議の現状」として紹介されていますが、こうした旧態然とした公共事業のやり方だ。知事は改革断行といっているが、公共事業の姿勢は変えないんですか。ということだ。
長野では「ダム建設費用全体の約80%が国庫負担。されど国からの手厚い金銭的補助が保証されているから、との安易な理由でダム建設を選択すべきではない。よしんば、河川修復費用がダム建設より多額になろうとしても、100年、200年先の我々の子孫に残す資産としての河川の価値を重視したい」という趣旨の脱ダム宣言をおこなった。私は、こうしたスタンスこそ、こども夢未来宣言につながることであり、ここならではの環境資源を未来に手渡すことができる方策だと考える。
山形県内で、ダムのない中流河川はこの小国川一つ。せめてこの一本の川にこそ、ダムによらない治水を実現してほしいと思うがどうか。
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この時の広域水道への知事の応えは、凡庸なものだったけれど、
まあ、よく平均で25.4%も下げてくれたと思います。これは一定の評価はするとしましょう。
庄内はこれまで1m3あたりの単価が109.5円になっていたのが、26.2円さがって83.3円になる。これで、鶴岡地区でこの6年間で料金1.83倍になっていたものをどれだけ下げることができるかです。ここからは末端自治体の勝負といえるでしょう。
この改定で全国223府県営広域水道のうち8番目に安価ということになりました。供給市町の受水費は10年間で200億円減ると説明にあります。
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昨日、県からプレス用の資料をもらいにいきましたが、1)組織体制を見直し(人件費を削減)2)設備の更新時期を見直し(減価償却費を抑制)が経費の削減の考え方との事です。肝心の契約水量や責任水量の緩和がどうなっているのかは資料提出されませんでした。
今後、県議会の議論の中でだされるのかもしれません。みんなで注目していきましょう。
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受水団体からは受水費用の引き下げ要望は続いていたから、