旧鶴岡図書館。
今般の12月議会、条例案で、藤沢周平記念館を建設するにあたって、その敷地に現在ある歴史資料館や公園管理事務所の解体をするため、歴史資料を現図書館にに移設する条例が提示され、可決された。今回の討論で、この建物の保存、移設を熟考するようにとふれた。
●建物について、某会合で「この建物は貴重。壊されるのは惜しい。という方にお会いした。解説をお願いした。以下。
鶴岡公園内、大寶館裏の旧鶴岡図書館(大正14年10月5日竣工)
は、当時、大寶館が物産陳列所、図書館、集会所、と兼ねていた為手
狭となり、図書館新館として建てられたものです。
この図書館は木造下見板張りで、建築様式の特徴は切妻屋根の妻部
分の意匠としてハーフティンバー様式を採っていることです。
ハーフティンバー様式とは西洋で見られる建築で、“明治の洋館100選”
(講談社発行1992年)によると、
ハーフ(半分)ティンバー(木)は、木材をフレーム状に組んだなかに、土や
石、煉瓦などを充填して壁にする工法のことで、
それぞれの形式で、木の組み方に装飾的な工夫もなされる。——
骨組みの間に充填する材料やその様式も多様であろ。——
壁面の木骨のパターンが表れてうつくしい。—–
こうした点からこの鶴岡図書館を見ると、建物の西側部分(玄関口)の妻
飾りはハーフティンバー様式でないかと思われます。木骨(白)が装飾的で
す。ただ充填部(黒)の壁面材料は不明です。全体的に美しい飾りと言え
るでしょう。
このハーフティンバー様式は日本では昭和初期に流行した(“日本列島西
洋の旅”より)という記述もあります。
山形県内では山形市緑町にある旧山形師範学校音楽練習室(現山形
北高校講堂、明治17年竣工、県指定文化財)の壁面がこの様式になっ
ていますが、現存しているのは本当に数少ない様式と思われます。
なおこの旧鶴岡図書館は「山形県の近代化遺産」−山形県近代化
遺産総合調査報告書ー 編集・発行 / 山形県教育委員会 平成13
年3月発行 にも近代化遺産としてリストアップされておりますので移築して
でも保存すべきと考えます。
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みなさんのご意見をいただきたい。