彦根・長浜 協働のそれぞれ。
視察をしている彦根の町並みです。全体で40億円。この町の商店主の組合から5億円を投じて、全体的に景観をつくっています。こちらは江戸風、他に大正風の空間がありました。彦根の場合は、行政主導の会議では全く立ちゆかない状況になって、商店街の方々が独自に集まって会議を積み重ね、更に大学の研究者も交え、つくりあげた街区とうかがいました。それに対して長浜の「黒壁」は、まさに市民主導で、ひとつひとつ黒壁の改修を施して景観形成されたものとうかがいました。どちらも、「協働」という業だと思いました。特に長浜で強調していたのは、市民がどんどん仕掛け、行政は黒子に徹するようなかたちでやっていったということ。中心街には、「まちづくり役場」というNPOの拠点施設があり、(これは以前も取材をしました)FMスタジオになっていたり、独自で地図をつくっていたり、なかなか素晴らしい動きを感じました。いずれにしても、訪れる人の心を動かす景観づくりには、行政主導では決して成し遂げることができない。住民と対話をする長年の情熱と市民パワーが不可欠なのだと強く感じました。