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ようやく帰路。明日、シンポジウム


ようやく帰路。

● 京都でおこなわれた「川の全国シンポジウムー淀川からの発信」2日間。
● 京都の大山崎町 町長の取材 そして地下水利用セミナー 2日間。と、およそ一週間の研修を終えて帰路のいなほ号。ここまでつながったのはひさびさ。しかしながら、それぞれ、テーマは異なるが、僕らをとりまく水の話として、その根本は一緒であり、山形の水、鶴岡の水をかんがえる上で非常に貴重な学びの機会を得ることができた。

川の全国シンポジウムは、ダム、流域管理、など、治水の問題であり、河川工学者、弁護士、国会議員、NGO,そして歌手 加藤登紀子さんら。がずらりと顔を並べ、話題になっている淀川流域委員会、そして全国の川の問題のこれまでとこれからを問うものだった。その中で、私も7分間の時間を頂き、山形のダム事情とスウェーデンでかいま見た「持続可能な社会づくり」の判断規準 について述べさせて頂いた。特に、歴代の淀川流域委員会委員長が顔をそろえ、滋賀県の嘉田知事、京都府の山田知事、国会議員は、民主党から前原氏、、共産党から穀田氏、新党日本から田中康夫氏が参加し、それぞれ意見を述べた。民主党 前原さんは、
「政権交代したら、今計画されている全てのダム事業を一時的に凍結し、本当につくるべきかどうかを判断する」と明確に語った。
緑のダム構想。治水政策などは、今本先生にご協力いただいて政策を作り上げているとも語った。

また、嘉田知事は、治水の考え方として、県内のダム計画について、治水上の安全度について、18項目のファクターで安全度のランキングを作成中だと発表された。「生命と財産」とよくいうが、本当にそれが現実的にどうなのか。その川の氾濫によって、どれだけの人が命を失うことになったのか。調査をして並べてみているのだという。
 予算には限りがある。そして、治水策といっても まずは人命。人命が奪われるような状況だったら、それは早急になんとかしなければならない。それはわかる。しかし、今、まだダムがつくられていないようなところは、人命が奪われるような洪水被害を被ったことはなかったりするということのようだ。

このランキングは、今後HP上でも発表されるとのこと。

今般、もうひとつのシンポジウムは緩速濾過浄水施設や地下水に関わるセミナーだった。新潟県見附市。ここでは今、緩速濾過システムの実証実験プラントがつくられている。6日に現地視察、6,7日と、「生物浄化システムなどについて講演を聴き、参加者の皆さんと意見交換した。北は青森県 むつ市、南は沖縄県、自治体水道部の職員の方、事業者など30名、それぞれ抱えている問題を共有し、地下水の活用や緩速濾過、生物濾過による浄水方法。また脱マンガン、脱窒素などの手法などについて学ぶことができた。
 こちらでも、今年5月に取材してきたスウェーデンの水道事業について、30分の時間をいただき、お話を述べさせて頂いた。
 生物の多様性の有用性を考えたとき、地下水や観測濾過法の浄水場の浄化システムを考えると実にうなづけることが多いと思う。

元信州大学教授 中本信忠 先生によれば、多様な生物の食物連鎖により、水に含まれる不純物を浄化する。生物浄化方法。
 スウェーデンでも、ロンドンのテムズ水道でも、こうした 生物浄化の力を活用して水道水が営まれている。しかしながら、日本の水道は今、急速濾過浄水場が9割をしめ、その急速濾過浄水場だと、不十分な浄化しかできないため、高度処理として活性炭処理、膜濾過などがおしつけられている現状にある。
 塩素が0.1%以上含まれていないと水道水として認めないといったことも、実は日本で特異的な事なのだ。
 スウェーデンでは、塩素を加えない、水道水こそ、健康にいいし、おいしいのだ と水道部の職員が言って、塩素を加えなくてもいい浄化法として地下水を大切に保全し、活用し、まったく塩素フリーのおいしい水を供給していた。
「うちの水は、ボトルドウォーター」の水と変わらない水と自慢げに語るのだった。 もしも菌がでてしまう場合に備えて塩素滅菌装置はついているが、いつもは全く使用しない。というのが主流なのだと語ってくれた。
 北部のウーメオ、スンスバル、をはじめ、大都市であるストックホルム、ヨーテボリ、そして南部のヘルシンボリなど、訪れた都市で僕はとにかく水を飲んだが、どこも塩素臭のない美味しい水。住人に聞いてみると、「塩素? なんでそんな健康に悪いものをいれるの?」と言われる始末だったのだ。

今回紹介したスウェーデンの某市では、万が一のとき塩素をいれるのを嫌って、塩素ユニットをUV滅菌装置に替えてしまった自治体もあったのだ。それ以前に、基本的に地下水を使い、そして地下水が足りなそうだという状況に対して、近くの川の水、あるいは80km離れたところにある湖の水をもってきて地下水を涵養するということをやっていたのだ。
「なーんだ、こんな方法があったのか」と僕は改めて思ったし、自治体水道として、住民のニーズに徹底的に応えようと懸命にやっている諸々の施策を見させていただいて、僕はとても感動した。

まさに「技術の自治」をもった水道事業と思ったのだ。さて、日本の、鶴岡の水道事業はどうか。改めて考えたい。


さて、あすは、最上町で「守るべき山形の宝とは」と題して、ダムのフォーラムをおこなう。今回の京都のシンポジウムでも大変ご尽力されていた、京都大学名誉教授、京大防災研究所 元所長の今本博健先生、そして、話題の川辺川 から、矢上 元相良村村長を招いてのシンポジウムである。

滋賀県をはじめ、淀川流域委員会などでおこなわれている 先進の治水策。流域の経済の考え方。なぜ、川辺川ではダムにNOといったのか。など、
なかなかこの2人がそろってお話をうかがいできる事はめったにない。ぜひ、ご参加のほどを。最上町、舟形の皆様にはぜひとも。また、山形県内で環境問題に関心のアル方はぜひ。足をお運びください。パタゴニア日本支社環境支援プログラム。