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一般質問。鶴岡市の財政力は類似自治体中最低レベル。


草島一般質問 メモより。今回の6月議会での一般質問質疑内容です。

250億円赤字収支でも、びくともしない慶応大学に、財政力が、類似自治体中最下位クラスの鶴岡市が、毎年3億円の市税を注ぎ続けている。
委託研究でもない研究に年間3億円も市税を投入する、特殊な補助金投入なのに、合併後、特に18年からの第二期目に、市が3億円、県とあわせて7億円もの補助金投入について、広報での特集号一回も発行せずに、「市民は大方理解している」と言えるのか。 



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▼ 草島
●前回に引き続き、市長が推し進めてきた、肝いりのプロジェクトであり、今、その結果責任が問われている、慶応大学生命先端研、バイオ関連の質問をいたします。
諸々説明していただいておりますが、官僚的な上から目線の方々には理解できるのかもしれませんが、日々の暮らしを営んでいる住民の視点、生活者の視点で改めて考えてみますと、まず2点において、到底納得がいかないので質問します。

1点目は、今の鶴岡市の財政上、こうした補助金投入が許される状況なのか。ということであります。
前回、私は これまで、慶応に40億円を超える補助金を拠出している分、「自治を放棄しているのではないかと申しました。つまり、財政的余裕がないなかで、年間3億もの補助金を出しているために、本来の住民サービスが削られたり、チャレンジが我慢させられているのではないか。という問題提起をしたわけです。

市長が、いいかげんなこととかといわれましたので、この間、私は、自治体財政に詳しい識者もまじえて調査をしましたので、ご紹介します。まず、今の市の状況ですが、総務省の平成19年の財政比較分析表で「財政力」が類似団体の平均0.71に対して0.45と低く、類似団体39あるうち、順位が38位。と。ビリ手前。つまり、類似団体中、財政力が最低レベル、危機的状況といっていい状況であることがわかりました。
そして将来負担の健全度も32位、財政構造の弾力性も、経常収支比率96.2%と類似団体34位。と最低のレベルで財政は、きわめて硬直化している。ということであります。

識者からは、
_財政分析比較と歳出分析比較を見ると、かなり背伸びした行政を行っている。
約3億円の研究委託でもない慶応先端研の誘致維持費用は現財政上ではあまりにも大きな費用に値する。
 現状として、マイナス5%シーリングが全部署に合併後毎年かけられていても、この財政力だとすれば、年間3億なんていう補助金を他団体に使える余裕なんて全くないのではないか。
結果的に、慶応大に、もううちの経営状況では、こんな補助金は支払えない。ムリだと伝えるべきなのではないかというご指摘をいただきました。

改めて、質問しますが、当局は、財政上何を根拠に、年々3億円出し続けることができると判断をし、その補助金の投入をおこなっているのでしょうか。うかがいます。

2点目は、財政がこれだけ厳しくなる中、税をお支払いいただいている市民が、先端研に年間3億円の補助金、一人当たり2300円。4人家族で毎年約1万円弱という税を投入し続けている事実をしっかり受け止めて、その分、ともすると住民サービスが抑えられているということを納得されているのかということです。

_ 今般地域を回る中で、この話をすると「そんな話は初めて聞いた、立派な研究については、ニュースで知っていたが、私たちの税金が年間3億もいっているとはまさか思わなかった。」そんな声をたくさんうかがっています。
多くの市民の方に、事実や実態を知らせないまま、このプロジェクトが進められてきたのではありませんか。

基本的に、この私立大学の研究所に、委託研究でもないのに、14万人規模の自治体が毎年3億円もの補助金を、研究費、人件費として投入する地域戦略は、極めて特殊なプロジェクトであります

前回も今回も「世界的な研究所」がこの地域にある特殊性が自慢げに語られていましたが、それを実現するための市税投入の特殊性は語られずじまいでしたので指摘しておきます。

特に合併後、一度もこの特殊な地域戦略の市民負担や経過について、広報などでしっかりと市民にきちんと説明することなく進められてきました。私の議会質問の中で、はじめて補助金が研究者の人件費(助教授クラスで1000万円)ということが根拠になっていた事や、平成11年の当初、広報や議会で約束していた40億円の枠で支援するということを、途中でその支援の枠ぐみを20億円も上乗せするように変更していたことが明らかになったわけですが、これらを受けて、きちんと説明する姿勢も全く感じられません。

そして未だに、明確な成果目標も、補助金拠出のルールも、示されないままであります。

本来であれば、「慶応大学の研究に使いたいので、年間3億円分の住民サービスを我慢していただいていいですか。と全市民に問いかけて、大半の市民が納得して、はじめてできる。事業なのではないか。と私は改めて思います。
当局は、これまでの説明責任のあり方は、十分だったと思われておりますでしょうか。

また、市は、14万人市民の何パーセントが年間3億円の補助金が投入をはじめ、この特殊な、そして、財政上、すべての事業に影響を与えかねない地域戦略を理解し、納得していらっしゃると思われていますか。うかがいます。


▼先般、この5月27日に慶応大学の08年度の決算が、269億円の赤字だったという事が全国紙などに掲載されていました。
 この先端研の運営費として、当初の5年間で、市と県とで35億円の基金として慶応に拠出しており、更に、今年で9年目になりますが、3億を超える補助金を研究費などとして投入して参りました。
 この事件によって、慶応先端研の運営、また、投入された市民の税金、基金は大丈夫なのか、心配なのであえてうかがっておきます。

市は、この大学の資金運用の失敗による赤字収支について、慶応からどのような説明を受けているんですか。


▼成果、市民への還元について。うかがいます。

次に、成果、市民への還元について、うかがいます。さきほど、22番議員の質問に、新しい企業が立地しているといわれました。市、県の税金が最近は全体の75%が投入されている研究所、つまり第二公務員のような形で研究者が雇用されている研究所に1 50名。市が合併特例債で土地を購入し建物をつくった産業支援センターで格安の家賃で事業をおこなっているベンチャー企業が2社ですか。研究所も、ベンチャー企業も、市税からの補助金や、市の支援施設に依存したかたちの、一人前とはいえない企業じゃないですか。それを「新しい企業が立地している」などといっていいんですか。

まず、「補助金には「行政目的」が明確でなければ、拠出する事ができない事は当然と思いますが、この行政目的の当局説明がふらついています。

_ 前回は、地域再生計画で示された1000名の雇用創出の目標を挙げましたが、今般は、合併協議の際の資料などを見返してみました。市は、平成14年に各地域に説明した資料で、当時は、1兆3000億円の規模で雇用は69000人しかいないが、2010年には、市場規模、25兆円、雇用は100万人。と雇用や産業創出の面でもすごく、期待できる。だから、補助金投入にふさわしいのだ、と説明してきたのではないですか。

_それが、今となっては、「慶応がいるだけで、経済効果があるとか、意味がある」などといっている。これはおかしいんじゃないですか。

「市民への行政サービスとは関係のない研究をおこなう、私立大学に、全く還元を求めないで、ただ寄付しただけということでは市民は到底納得がいかないと私は思いますが、改めて市民への還元を尋ねます。
_

●小林貢 企画部長

成果と見通しについて。ご質問をいただきましたので、応えます。これまでご説明申し上げていますとおり、権威ある学識者の高い評価をふまえまして、県、市、慶応の三者による資金規模を含めた合意を基本にいたしまして、そういった協定にもとづいて支援しているものということです。市の予算につきましては、この協定でのルールを基本にしまして、毎年度の予算編成の過程で、年度ごとの財政収支、および、財源確保の見通し、こういったものをしっかりと行った上で、市、全体の総合的な政策のプライオリティの中で必要な施策ということで慎重な検討をおこなって、責任ある政策判断にもとずいて 予算を計上し、議会におはかりをし、措置をおこなっているものでございます。で、補助金は、財政的にみて、限界ではないか。ということでございますけれども、中長期的な財政計画をたてて、この補助金を含めてご説明できればよろしいわけですけれども、ま、地方交付税をはじめとする、地方財政対策とか、景気に大きく左右される税収、それに、地方分権、こういったものがどうなるか。と、変化、変動する要素が多くございます。そういったことから、責任ある立場から、長期の財政計画を含めて、この補助について、ご説明できない。ということについては、ご理解いただけると、いう風に思います。
確かに、今後、国、地方を通じて財政非常に厳しいといったことは想定はされます。しかし、この慶応先端研のプロジェクトにつきましては、本市の未来を見据えた重要な施策でありますので、今後とも、毎年度、財政バランスの精査等、財源確保の見通しなどを含めまして、市の総合的な判断、施策のプライオリティ、そういったものによりまして、支援をおこなって参りたいと考えておりますので、ご理解をお願いしたいと思います、



●それから、説明責任、市民への広報ということでございますけれども、先端研に関する、市の広報を使ってのお知らせ、PRにつきましては、これまでも重要な方向性が定まった時点時点におきましては、特集をつくりまして、詳しくお知らせをして参ったところでございます。一連の大学プロジェクトでの段階、で市の負担フレームを含めた全体の概要を合計、3回、16ページにわたって掲載をしておりますし、先端研が設置されてからも、合計4回、20ページを使って、市の支援内容も含めまして、詳しくご説明をしてきたものであります。この他にも、祖の都度、動きをトピックということで、お知らせをして参ったということであります。
また、それぞれの年度におきましては、先端研の支援に関する支援や考え方、につきまひて、年度はじめに配布しております、市広報の予算特集号、をこれ、カラー印刷で16ページに及ぶものでありますけれども、これにおきまして、施策の大要の中で、述べさせていただいております。また、予算額につきましても、主な事業の説明の中で、金額を明示して説明をさせていただいております。
こうした、点からも、市民への必要な説明につきましては、責任回避といった指摘は当たらないという風に考えております。

また、市の広報以外でも、各、報道各位におきましては、先端研のことについて、毎回大きくとりあげていただいております。こうしたことから、先端研に関する情報につきましては、何か、特別に不足をしているといった現状ではないと、言う風に存じております。また、さきほど、22番議員のご質問にもお伝えしましたように先端研究の活動状況や意義を市民の皆様にご理解をいただくということで、昨年度から、鶴岡メタボロームキャンパス団体見学視察研修事業ということで実施をしております。これまで400名を超える市民の皆様からご参加いただいており、大変好評をいただいております。先端研について、非常に身近によくわかったと、こういったものが鶴岡に会って良かったと、そういったご意見をいただいております。先端研の現状、を直接見て頂く取り組みということで、今年度も引き続き実施をして参りたいと考えております。
あわせて、今後、市の広報の特集とか、わかりやすいパンフレットの作成、こういったことも予定しておりますので、市民の皆さんに広くご覧頂き、慶応先端研へのご理解を一層深めて頂けるよう取り組んで参りたいというふうに考えております。

14万人の内、何人が納得しているか、。と言う風なこともありましたけれども、何人ということは難しいと思いますけれども、大方ご理解いただいているのではないかと考えております。

●それから、慶応義塾の昨年度決算における支出超過の先端研への影響でございますが、公表されております、決算概要でも示されておりますとおり、この要因につきましては、もっぱら昨今の世界同時不況、経済状況の影響を受けまして、大学が保有する有価証券の時価が下落したことに伴ってその一部を評価損額ということで、支出計上せざるをえなかった。こういった理由によるものとなっております。
こうした、金融情勢の悪化による減少につきましては、慶応大学のみならず、他の有力な私立大学においても、