森里海連環と日本の原風景
由良での自然観察会のサポートをした後、羽黒、いでは文化記念館でおこなわれた「森里海連環と日本の原風景」シンポジウムへ。安田喜憲先生をはじめ、経産省や環境省などの中央官僚の方々、地元の宮司、住職、商工会、商工会議所、また、近藤等則氏ら、セクターを超えた実にクロスオーバーなシンポジウム。森里海連環をいかに活かすか。また、この地域ならではの自然、歴史文化資源、地域資源をどうとらえ、いかに考えていくか。懇親会まで、実に有意義な意見交換。関係者の皆さん、本当にご苦労様でした。ありがとうございました。
京大の田中先生のお話の中、諫早湾の干潟締め切りの問題で、有明海の汚染や魚介類の減少などで25名もの漁業者の自殺があった。というルポは実にショッキングでした。森里海連環ということを考えれば、公共事業のあり方をいかに変えていくかは大きな課題である事を改めて感じさせられました。
「日本人の信仰の核は、自然を崇拝する心と、祖先を崇拝する心である。これは、民族を問わず、人類が健全に生きるための基礎となる思想であると共に、日本人の心の原風景である。、、、神仏和合の神仏とは、神道とか、仏教という宗教的、学術的なものではなく、神とは自然の神、仏とは祖先という素朴な考えなのである。そして神と仏との本性は異なるものではなく、一つになるのである。、、」
基調講演をされた千歳栄氏の 「日本人の心の原風景」ー神仏和合の実相ーより。
自然の神と、祖先の霊、即ち仏を畏敬する。神仏和合の祈り。出羽三山修験道にも神道と仏両方が残っている。また、 庄内地方の家では神棚が仏壇の上にあがっていることが普通なのですが、これは他の地域にいくと違うことを最近あらためて感じました。
まちがいなく、日本人、世界中の人の心の拠り所であり、この地域の精神風土の背骨でもある、出羽三山の文化。山伏の端くれとして、この地域だからこそ、深め、伝えなければならない事、そしてこれからのアクションを、一層考えていかなければならないと強く感じました。
今般のシンポジウムで数多くの刺激を与えてくださった皆さんに改めて感謝を申し上げたいと思います。
この夏は、1999年に一緒に「月山炎のまつり」を開催した、音楽家の岡野弘幹さんが、月山にいらっしゃいます。8月13日の柴燈祭の周辺で、三山で奉納演奏がおこなわれる予定です。