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地下水の危機−WWN 12年。




斎藤川原 付近。3月14日撮影。1月の終わりに、福島大学の教授と訪れた場所の近くでまたも砂利採取がおこなわれていた。この界隈は、鶴岡市の上水道で使っていた地下水の井戸がある水源地の場所から約1Km上流にある、一昨年の議会で僕は市議会でこうした砂利採取の問題について指摘した。そもそもこの水源地付近には、元々、28本の井戸があって、100%地下水ベースの鶴岡の水道水として使われていたのだが、鶴岡市は、21本の井戸を埋めてしまった。しかし、今でも、緊急用の水源としてこの水源地にある井戸7本でこの地下水をくみ上げ、1万トンを確保することになっている。 「柴崎レポート」では、こうした砂利採取が、地下水の水脈に影響を与えることが指摘されている。水道水としてこの水源を使っていたときには、自主規制のようなかたちで、砂利採取がある程度規制されていたのだが、どうもそのたがが外され、杜撰な管理になっているように思える。以前、実際におこなわれ、問題視されたところがあるが、埋め戻すものに産業廃棄物や建築廃材など変なものが混じらないようにきちんと監視、管理されなければならない。
  砂利採取でとれる砂利は、コンクリートの骨材になる。道路開発や建築物のためにつかわれるのだろうが、特に水源地の近くでそれがおこなわれるとすれば、開発行為に関わる環境破壊の一つとして考えていいと考える。このようなことは、持続可能な社会を目指すインジケーターのひとつとしてとして「地下水の保全や持続可能な利活用」を掲げている北欧諸国では、ありえない事だ。2年前、スウェーデンのヘルシンボリ市の地下水100%の水道水供給施設と水源地を視察した。その際、井戸の周辺がいかに徹底して管理されていたか。またその土地がもつ自然の浄水、浄化機能をいかに管理をする人々が大事に尊重していたか。を思う。そうすると今、鶴岡でおこなっていること、それから市がこれまでおこなってきたことが、あまりにも愚行とも、暴挙とも思えてくるのだ。
  鶴岡の命の源を守るためにも、本来の食文化を守るにも、この地下水を守りたい。地下水とつながり続けてきた文化を次世代にも渡したい。
 改めて、この現場で強く思った。
月山ダム の開発のために、こうした、本来、この地域がもっている自然資本が失われてしまう大きな矛盾と向き合うところから、僕自身の活動もはじまった。ウォーターワッチネットワークは、12年前の本日、3月14日、この問題に向き合って桑原英夫先生の講演を開くところからはじまっている。
  2000年の住民投票運動  2001年の水源切り替え、そして井戸の強制的な埋め立て。そして砂利採取。
市政を含め、鶴岡周辺の政治の状況は、ダム開発を「正当化」したいがためか、これまでの鶴岡の地下水の文化を消滅させたいが如くの状況ではないか。
  改めて、僕はこの水の問題と向き合い、改めて鶴岡周辺、庄内地域の水資源について光とあて、本物の持続可能な社会形成のためのライフラインとしての水資源のあり方を追求し、政策として叶えていきたい。また、改めて日本の本来の水の文化を復権することに力を注いでいきたいと考える。

先日、「ブルーゴールド」という映画についてご紹介した。今やグローバル資本が、良質な水源を買い占める時代になっている。また水道事業体そのものを民営化の名の下に、そうした資本が国を超えて支配し、「命のための水」が「カネのための水」というかたちで利用される。そのために、世界中で悲劇が生じている。
  原則論で言えば、地域に一番近くにある水資源を、まさに「治産地消」というかたちで利用し続けることこそ大切なことといえる。そもそも鶴岡も日本の都市、集落のはじまりは、そこで井戸水が飲めたからだ。鶴岡のはじまりは、赤川の伏流水からの良質の井戸があったからなのだ。その良質の井戸があるところに人が住み着き、集落が広がっている。その町のおこりのようなことを、僕らは忘れてはならないと思うのだ。

 今、スーパーに行くと、水道水を浸透膜フィルターに通した水の自動販売機から、市民が次々と水を汲んでいく光景が見られる。町をまわって聞いてみると相当の数の家庭で、浄水器をつけている。10年前には考えられなかった話だ。水道料金は、約2倍となり、更に今後も料金上昇が避けられないような悪循環に陥っている。この問題を、真正面からとらえ、その解決のために僕は行動を起こしていきたい。

2010年、3月14日、Waterwatchnetwork 12周年の日に。

ドキュメンタリー映画「ブルーゴールド」、自主上映会を4月25日前後で計画中。鶴岡界隈で「見たい」、上映会を一緒にやりたい 協力できる。 という方を求めています。メールstern8@mac.com まで、ご連絡くださいませ。