鶴岡市合併5周年。課題は真の協働のための情報共有。
本日、10月1日で合併から5年たちました。
昨年の議会等でも指摘したことですが、(昨年は平成19年度の資料でしたが)平成20年度の財政比較分析表を提示します。
http://www.pref.yamagata.jp/ou/somu/020022/zaisei/zaiseizenpan/zaiseihikakubunsekihyoh20.html
これでみても鶴岡市の財政力は0.46で類似団体39団体中38番目です。
合併は行政改革だ。と当局は、合併の際によく言っていたものです。合併によって、事業の削減と、要は職員のリストラをする。それが、改革そのものだとの主張だったと認識しています。
しかし、僕は、合併を通じて、「あれもこれも」から「あれかこれか」の選択をしていくことや、新たな総合計画も行政評価手法を組み合わせたかたちでおこなうなどの事、そして情報公開、共有を徹底的にやって「協働」のしくみを構築をしないと本質的な行革にならないと主張し続けてきました。
この間、人口減少に転じる自治体の多くで、「行政評価」手法をとりいれたり、「事業仕分け」をおこなう自治体がどんどんでてきています。僕も「行政評価」のいいだしっぺの上山信一さんが主宰するフォーラムなどに参加し、そこで学んだ知見から議会で提案をするなどをしたものでした。しかし、富塚市長の下では、今、全国の多くの自治体がチャレンジしている本質的な行革は進まなかったように思えます。
先日、全国オンブズマンでおこなった情報公開ランキングでは、鶴岡市は県内で最下位という不名誉をいただきました。随意契約を結んだ相手の選定理由を「未公表」としています。請求を「住民のみ」とする。など、こうしたことも以前からほとんど改善されずに、今回の結果となっています。
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20100904ddlk06010024000c.html
今、議会では文化会館をどうするか。という課題が提示されています。合併して5年がたち、あと5年の合併特例期間の内に公共投資をどうするか。合併特例債で何を優先順位としておこなうのか。いよいよ迫られてきています。
今般の9月議会を傍聴しても、「相変わらずだな」と思ったのが、当局がそれを問われたときに「庁内で調整する」という発言でした。それを受けた議員も、それで納得するような姿勢だったので僕は疑問をもちました。このことこそ、今、問われなければならないと思うのです。
限りが見えてきた合併特例債で何をするか。相変わらず慶応先端研やバイオベンチャーに市税を注ぎ込み続けるのか。それとも文化会館の改築、改修に投資するのか。持続可能な社会形成のため、また地域で循環する経済をつくるため、低炭素社会のインフラ整備に投資するのか。合併町村の希望をどれだけ叶えるのか。
その優先順位の決定には、今一度、それらをテーブルに全部あげて、その「あれかこれか」の判断は、市民が徹底的に参画して意志決定されるべきだと思うのです。その際には、オープンな場で第三者的な仕分け人もともない、行政側が説明責任をはたしていくような、「事業仕分け」をともないつつ、今後の公共投資を精査する。など、新たな仕組みも必要に思えるのです。
これまで、市の事業は特に、決定についても、プロセスの過程も密室でおこなわれることが多かったと思います。できあがってから「え、そんなところにこんなものが!?」という事業を僕らはいくつも見てきたのではないでしょうか。T氏のモニュメントや橋も然り、つりバカ会館、そして、藤沢周平記念館もいまだに場所の選定などに疑問符がついています。市民参画の議論やプロセスが不十分なまま、進められた結果でしょう。
思えば 、僕らは10年前に「自分たちが支払って、飲む飲み水ぐらい、自分達の声で選択しよう」
と、月山ダムからの受水の是非を問う住民投票運動をおこないました。月山ダムと広域水道事業については、市民への説明責任が十分に果たされずにその事業が遂行された象徴的な事業だと私は感じています。
。市民が直接支払う水道料金に重大な影響を与えかねない要素である水需要予測と実際のズレが大きかったことや、今後の人口減少時代に、訪れる危機について、しっかりと議論されず、説明も十分におこなわれず、根本的な解決策がとられませんでした。そればかりか、自分達が正しいとばかり、主張して疑問の声を寄せ付けないまま、以前からの事業を粛々とすすめたのでした。
結果、料金2倍、水質低下の水道水という事を招いています。そして更に今後、更に人口減少した際には延々と市民の水道料金をあげざるを得ない、大きな矛盾と破綻の危機を孕んだ事業となっています。
あのときの住民投票の署名運動は、今思えば、本当に大変な、しかし、このダムと広域水道の構造的な欠陥問題を全国に提起した、大いに意義のある運動でした。実際に大変だったのは市民と市民との対立と古い体質の政治との闘いでした。署名活動で訪問していると、党の立派な広報カーがあらわれて「署名をしないでください」「ダムの水はおいしい」と宣伝がおこなわれていました。きわめつけは、直接請求署名を集約する受任者の名簿を役所が公開をし、それに自民党議員たちが圧力をかけるという行動です。今も鮮明に覚えていますが、なんとも恐怖さえ覚える事態でした。ちなみにこれと同様の事をおこなった四国の大州市は、裁判で訴えられ違法と判断されました。
住民投票の署名活動を下に開かれた臨時議会の際の市長答弁、運動した市民に対して「反社会的行為」と指摘した言葉には、ああ、この市の民主主義はどこかにいっている。と改めて感じたものでした。
さて、これらの事はあらためて整理してみなさんにお伝えしていきたいと思うのですが、そうした、とにかく鶴岡市政では、「決めるのは役所」「議会は追認機関」「疑問をもつ市民は少数派だから仕方ない」という姿勢がずいぶんとまかりとおっていたように思えます。
合併特例期間を過ぎると30億円予算が減る。合併したとて年間1000人ずつ人口減少。これがわかるようになってきた今になって、財政難をのりきるためにも、官民の協働。という言葉をこの市でも聞くようになってきました
だとしたら、今のような情報共有のままではダメなのだと私は思います。
この市は、市民から住民投票運動をおこされるほど、大型公共投資事業の際の情報公開、情報共有、プロセス開示、説明責任の果たし方、意志決定のあり方に問題があったのだという反省にたって、役所の意識をかえる。そのことが今、必要なのではないかと思うのです。
合併から5年。今こそ、政治がきちんと仕事 を果たす時。
また政権交代をした国、県の政治も、覚悟をもってこれまでのダメなところを変えていかないといけません。
今のままでは持続不能な日本。
真に持続可能な社会づくりを鶴岡で、山形で叶えるために、僕は、政治をあきらめません。
先日、改めて湯殿山の瀧に打たれ、新たな生命力を頂きました。
神戸の3年間、人を救う事に喜びを覚え、その気持ちのまんまで、公共事業の問題、地域の問題解決や活性化に日々取り組んできました。
被災地のがれきの中で、笑顔を生み出す市民の絆の力。社会の問題解決のための全国、世界中とのネットワーク。もちろん、多くの声をお寄せ頂いている市民の皆さん。すべてが私を突き動かす力です。更に一歩。私も根底に今の社会の矛盾や理不尽への義憤をかみしめ、それを変革すべく、前進して参りたいと思います。
我は今、力と勇気と信念とをもって甦り、新しき元気をもって、正しい人間としての本領の発揮と、
その本分の実践に向かわんとするのである。
我はまた、我が日々の仕事に、溢るる熱誠をもって赴く。
我はまた、欣びと感謝に満たされて進み行かん。
一切の希望、一切の目的は、厳粛に正しいものをもって標準として定めよう。
そして、恒に明るく朗らかに統一道を実践し、ひたむきに、人の世のために役だつ自己を完成することに、努力しよう。
(中村天風 甦りの誦句より)
市制施行記念日 合併5周年に。 草島進一
1万人ヒアリング 始動!
合併5年、水源切り替え9年、慶応先端研10年。等々 1万人の市民の皆さんの声を伺って参ります。どうぞご協力のほど、よろしくお願いします。