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生物多様性ー生物多様性オフセット論。


本日は午前中大泉地区での市の総合防災訓練の災害ボランティアのブース。その後、宮下和男さんの講演会に。残念ながら若干しか聞けなかったが「弁当の日」の取り組み、なかなか興味深かった。
   さて、名古屋のCOP10 生物多様性国際会議がはじまった。NHKでも特番が組まれ、昨年来、東北大で諸々学ばせて頂いてる中静先生や田中章先生が登場していた。田中先生が言及されたミチゲーション、生物多様性オフセットは、米国、EU諸国先進諸国、途上国あわせて30カ国以上で制度として採用されいている。ある地域を開発をする際には、その開発によって破壊される生態系を近隣に回復しなければいけないという考え方だ。それができる場所とできない場所があるということ、安易に人間が「回復した」と思ってもそうでない場合のほうが多い。など否定的な声もある。しかしながら、実際に水辺環境などの生態系を回復させるのは相当大変なコストがかかる。基本的には開発者側に、開発して破壊する分の生態系を再生することがいかに大変なコストをともなうことなのかということを考えさせる結果となり、結果的には「開発抑制」につながっていると先生はおっしゃっていた。  
    土建立国と揶揄されながらも全国総合開発計画でとにかく開発を進めてきた我が国では、特に自然生態系の価値をほとんど政策のテーブルの上で議論してこなかった。ダム開発のコストといったとき、そのコスト計算はコンクリートの建設コストと立ち退く住民への補償、漁協への補償のコストは計算するが、その開発行為により、どれだけの価値のある生態系を破壊することになるのか。ということを考えずに開発が推し進められてきた。その結果として、次々と貴重な生態系、多様な生物多様性を失ってきたのがこの国だったといえる。
  これ以上の生物資本、自然資本を失うことのないように、ミチゲーションや生物多様性オフセットを制度化することは実際に必要なことだと思う。もちろん、希少生物が生息するHOTSPOTは、開発区域から除外する、ことは踏まえた上で。