来年度も慶応先端研の7億円の支援?市は増額!?
新聞報道で、 慶応大先端研の支援が「来年度も7億円維持」のニュース。6日の記者会見で榎本市長が、慶応先端研への研究補助金について述べたものだ。
それも、これまで市は3億1500万円、県は3億8500万円という支援の内容だったのだが、今後は県と市もそれぞれ3億5000万円という支援になる方向とか。市は実質的に補助金を増額するということになる。
果たしてこれ、市民が納得できる話なのか。と私は甚だ疑問だ。
これは議会でも何回も議論してきたことなのだが、第一、7億円という支援が妥当だといえる根拠をこれまで市当局は全くといっていいほど説明してこなかった。なぜ、7億が6億であってはいけないのか。5億であってはいけないのか。全く解らないのだ。 ただ、「成長戦略だから」とか「未来への希望だから」と説明して、巨額の投資を続けてきた。
7億が妥当だといえる根拠、それがどうしても必要だというを今、市民に示すべきだし、そうでなければ、他の事業費や補助金をカットされている中でそれにあわせて見直しをはかるべきではないだろうか。
昨年の8月ごろ、これまで10年間の支援の評価について、県は検証をおこなうとのことだった。実際に県担当者に聞くと、委員についても議事録についても非公開。未だに検証にあたる委員は誰なのか、そして検証を行った結果どうだったのか。しっかりとした発表も説明もないままだ。
一連の研究の成果は理解する。しかし今後の公共投資のあり方として、検証をしっかりとすべきだし、改めて、これまで投入した市民の税がどのように還元されるか、市民、県民に対してわかりやすく示されるべきだと考える。
10年間の支援で補助金だけでも、2期10年、総額73億円(負担割合 県55%、鶴岡市45%)、これまで投入してきた。 他に土地を無償譲渡し、建物も建てている。 更にこれと同様、市としては補助金を増額して支援しようという今回の発表だが、僕は甚だ疑問を感じる。
さらに、こうした税の投入が地域の経済効果になるかどうかは、いかにそれに投入されたお金が地域にまわるか。いかに流出させないかということだと思う。この年3億円という投入は、地域に連環しているよりもすぐに外部に流出してしまうお金ととらえることができるのではないだろうか。
外部の委員もいれて、様々なファクターで、「研究としての検証」よりもむしろ「公共投資として適切かどうか」の検証がもっと必要なのではないだろうか。
市の財政改革推進委員会を何度か傍聴した際に、自治会やコミュニティに対しての小さな補助金が軒並みカットされる一方、この補助金については、「補助額を見直すべきでは」などの指摘はあがっていたものの、「都市戦略だから理解してほしい」などと市はいうばかりだった。私が繰り返し繰り返し議論してきた議会での答弁同様、あいかわらず何の答えにもなっていないままだ。
人口減少、超高齢社会に突入した今、市は1600億円もの借金を抱え、もう4年後には合併特例期間も終わる。「あれもこれも」よりも「あれかこれか」 の時代にきて、各自治体で「聖域」を排して行革が行われている昨今、この研究投資はやはり特異なものだと考える。特異であればあるほど、きちんとした説明が必要だ。
それもなしに、更なる補助金増額なんて、市民の多くは理解できないと思うし、私は許すことができない。