本日の山形県議会 初の草島一般質問 前半
本日 11時10分から1時間おこなわれました、山形県議会9月定例議会での
私、草島進一の一般質問であります。私の原稿メモからそのまま書き出したものです。
当局の答えは後日。また、正式な県議会の議事録や録画映像のアーカイブは 1ヶ月後ぐらいに発表されるとのことであります。
●前半です。
1)県政運営について
2)広域水道事業について
3)地下水資源 対策について
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9月定例会一般質問 (9月27日) 草島進一 議員
初の一般質問をさせて頂きます。質問の機会を頂きました事に
心から感謝申し上げます。早速質問させていただきます。
1 県政運営について(知事)
日本社会は、全国で年間40万人ずつ減少する人口減少社会、少子高齢化、莫大な国の財政赤字。経済危機、地球温暖化問題、更に今年3月11日の東日本大震災、福島第一原発の放射能汚染問題。と言ういくつもの難題に直面しております。
私は、犠牲になった方々、そして不自由な避難を強いられている福島の方々のためにも、この3月11日という日を、これまで持続不可能な道を歩み続けてきた日本を、持続可能な社会へ変える、ターニングポイントにしなくてはならないと考えております。
特に東京電力福島第一原発の事故では、メルトダウンと水素爆発による大量の放射能汚染を伴うレベル7の大惨事となりました。事故のリスクを想定できていない無責任な安全神話。活断層が数多く存在する地震国に54基もの原発をつくり続けてきた矛盾。電源三法交付金での誘導策による地域自治の破壊。放射能廃棄物の問題など、政治、官僚、業界、御用学者、時には報道機関の癒着の利権構造による「原子力ムラ」といった病理が、真実の議論を遠ざけ、問題を先送りし、ついに大惨事をひきおこしてしまったのだと考えます。
吉村知事におかれましては、今般の東日本大震災でいち早く福島の自主避難者を受け入れ、更にその避難者の立場にたって「卒原発」の表明をされたことを大いに評価、賛同するものであります。日本社会において、エネルギーシフトは今後の持続可能な社会への転換の柱と考えます。
「持続可能な社会」「持続可能な発展」サスティナブルデベロップメントとは、特に1992年の国連地球サミットで、中心的な理念として「リオ宣言」や「アジェンダ21」に具体化され、日本では93年制定の環境基本法の基本理念となっています。
スウェーデンの国際NGOナチュラルステップではこれを次の4つのシステム条件で定義づけています。
1)地殻から掘り出した物質の濃度が増え続けない
2)人間が創り出した物質の濃度が増え続けない
3)自然が物理的に劣化しない
4)人々が満たそうとする基本的なニーズを妨げることをしない。ということです。
1番は化石燃料など、枯渇性資源から再生可能資源への転換です。
2は、農薬、化学薬品、放射能汚染など、科学物質汚染の抑制と 循環型社会の構築であります。
3は生物多様性の尊重であり、昨年のCOP10の愛知ターゲットでも示されている、年間4万種もの生物の絶滅をいかに防ぐかということであります。 特にここ50年ほどの開発により水辺の生態系が深刻なダメージを受けています。私は山形では、指標を最上川におき、森、川、海、の連環とともに生物多様性を再生させるアクションプランを構築することと考えます。
4は、人々の基本的ニーズとして、衣食住などの生命維持、保護、愛情、理解、参加、創造、自由、休息、アイデンティティ、この9つのニーズを妨げないようにするということ。
情報公開、説明責任、住民参加を徹底させ、利権の「しがらみ」「なれあい」構造を解体し、健全な民主主義社会を実現していくことであります。
ちなみに原発はこの4つの条件全てに違反しています。
2008年、私が訪れたスウェーデンでは77の自治体が実際にこの定義を公共投資の判断基準にし、20年後、50年後の目指すべき社会像を組み立て、バックキャスティングアプローチにより、確実にそれに向かうまちづくりが進められておりました。
右肩あがりの経済成長の時代につくられた都市や地域の開発指向の考え方を、自然と共生し、環境・社会・経済がバランスした「持続可能な社会」にむけ、シフトすることこそ、3月11日を踏まえ、我々山形県が目指すべき道と考えますが、知事のお考えをうかがいます
2 広域水道事業について(企業管理者)
2001年10月20日、鶴岡市民にとっては忘れられない日であります。昭和8年から鶴岡市民が慣れ親しんできた地下水100%の水道水原がダムの水源に切り替えられた日であります。今年、丁度あれから10年になります。改めて月山ダムに伴う庄内南部広域水道事業について検証します。
(1)水道料金について
まず水道料金についてです。
平成22年の山形県の市町村の水道料金平均は10㎥では全国で最も高く2,099円と日本水道協会の統計資料にあります。以前、鶴岡はその中では安価な方でしたが、水道料金はダム水移行後、最大で切り替え以前の1.85倍 約2倍になりました。
計画の際、ダム建設工事費は780億円でしたが、完成時には1,687億円になりました。その金額が上乗せになったことと、庄内南部広域水道事業の算定の基準となる計画給水量として定めた基本水量10万9千700トンが当時の水使用量と大きく乖離していたこと、つまり水需要予測の失敗のツケが、値段の高騰につながったと考えます。
2001年切り替え当時、県は私が提出した公開質問状に、この乖離について
「計画給水量は、将来の安定供給を踏まえて、長期的な観点から計画された」と、あたかも将来的にはそれを満たすかのように応えていました。
しかし現状、鶴岡市地域は、年約1,000人ずつ人口減少する時代となりました。そして、水使用量は平成 6 年度をピークに結局この17年間減少傾向であります。この減少傾向は更に続き、給水量の増加は見込めない状況と鶴岡市水道ビジョンにも実際に記載されています。
庄内南部地域の水の使用量は、20年度で約5万トン。基本水量の46%にしか当たりません。
使用水量では、例えば20年の年間の実際の使用量と料金算定根拠の責任水量とで127万トンの差が発生しています。その分の水代、年間約2,150万円は実際に自治体は使っていないのに県に料金を支払っていることになります。