嘉田知事の滋賀県方式に学ぶべき。
本日は山形県議会 本会議 代表質問など。
県政運営についてなど、県知事答弁でよく語られるのが、「東日本大震災を教訓に、、、」ということ。確かに、311、そしてその2万人の犠牲から何を学び、何を教訓に、何を今後行うのか。まさに私達に問われていると思います。吉村知事の「卒原発」宣言は、福島から避難されている1万3千名もの避難されている方々の気持ちにたちその思いに至ったとのこと。私も大いに賛同しています。
しかしながら、、、。
例えば、吉村知事と共に卒原発宣言をされた滋賀県嘉田知事は、「災害想定した開発」「治水対策」を以下のように示しているようです。とても興味深い記事なので、改めてピックアップしておきます。
毎日新聞 2012年1月4日 東京朝刊より転載。
リスクと向き合う:3・11を経て 災害想定した開発を 嘉田由紀子・滋賀県知事に聞く
◇「滋賀モデル」危険情報を共有
滋賀県の嘉田由紀子知事に「滋賀モデル」の狙いを聞いた。
--従来の治水政策は何が問題ですか。
◆行政に「知らしむべからず、よらしむべし」の哲学があった。ダムがあるから安心で、住民はリスクを知らなくてよい、と。政治家の影響力とハード整備で対策をしてきた。
--どんな影響があったのでしょうか。
◆04年の新潟県三条市での水害は、上流のダムで放流したとの連絡が市にあったのに、無防備だったため多くの死者が出た。市町村は県、県は国、住民は政治家にそれぞれ陳情していれば安心という状況が、治水を人ごとと考える住民や自治体を増やしてしまった。
--「滋賀モデル」の特徴は何ですか。
◆人命を救うためには川の外、つまり人が住むところのリスクを、皆が共有しなければいけない。そういう目で県内を歩くと、昔の人は水を逃がす工夫をして危ない場所に住まなかったことに気づく。今、浸水する場所を見ると新興団地がある。地価が安い田んぼを開発した結果、新しい住民が被害を受ける。これを避けたい。
--行政も、危険な地域の開発を容認してきたのでは。
◆都市計画に自然災害リスクがほとんど考慮されてこなかった。リスクが明らかになっても、首長は住民の苦情を恐れ、説得する覚悟が弱い。そして被害を受けたら「想定外」と言う。これは行政の逃げ。滋賀県は「開発するなら最悪のリスクも知って、あらかじめ手立てをしてください」と言っていく。
--一部市町は、「川の中の治水」が不十分になるのではと懸念しています。
◆河川整備もやる。県下全域の川の危険度をランク付けして重点的にお金を入れる。それでもハードの想定を超えソフトで受け止める場合は、「想定外」と言わず命を守ることを目標とする。ダムは環境や社会への影響が大きく、金も時間もかかり、1000億円のダムなら1000億円全額投入しないと効果が出ない。八ッ場など多くのダムが何十年もかかって効果がない。川の中と外、両方で段階的に安全度を上げる必要がある。
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120104ddm002040089000c.html
嘉田知事には昨年7月取材をさせていただいており、ダム問題の真相を思う存分語って頂きました。
「想定」を越えると全く機能せず、命を守ることができないダム、潮止め堤防。ハード整備という教訓から学んだ、「治水のあり方」、山形もダムに依らない治水への転換が今こそ必要だと考えるのです。