持続可能な鶴岡ブログ

持続可能な鶴岡ブログ
トップページ > 持続可能な鶴岡ブログ > SLOW WATER -改めて水道インフラを考える。

SLOW WATER -改めて水道インフラを考える。


水は命の源であり、地域のインフラの根幹です。
この水道インフラについて、ずっと考え続けてきました。

9月3日か4日まで、長野県上田市での緩速濾過ー生物浄化法のセミナーに参加しました。
NPO地域水道支援センターの主催。理事長の中本先生は、その道の第一人者であり、全国の緩速濾過方式の浄水場の再評価をし、更にその管理方法について様々な提言をしておられます。上田市の染屋
浄水場は先生のまさにフィールドであり、実際にここを通じて様々な実験をおこなった成果を伺うことができました。
上田市では染屋浄水場と石船浄水場の二つで10万人の給水人口に対応しています。給水戸数4120戸。1日平均34000トンの水を供給を2つの緩速濾過浄水場でおこなっています。

浄水場にいってみると池があり、1日3〜4メートルの速度で砂を漉す方式で濾過がおこなわれています。中本先生曰くその中で、多様な微生物が水の中の様々な菌や毒素を食べ、とても安定した飲料水を作り上げていくということで、先生は緩速濾過というよりも生物浄化法として改めて発信をしています。
その方式は、特に発展途上国への水浄化システムの支援として評価され、今般のセミナーでもサモアでの支援策が発表されていました。

急速濾過方式のように薬品を使わないので、余計な維持管理費用が発生しない。更に膜濾過のように効果ではなくカートリッジを買い求める必要もない。ということで、コスト面からも更に維持管理が容易ということでも、実際の現場で最も喜ばれているのは、生物浄化の浄水施設と伺いました。

さて、山形県の村山広域水道の断水事件は全国の水道関係者に衝撃を与えており、今回あつまった方々も大変興味を持っておられました。高濁度の原水処理に浄水場が追いつかなくて結果断水に至ったという問題。全国に普及している急速濾過方式の浄水場の脆弱さを見せつけた事件のように思えます。

断水事件が起きたとき、私は原水の源である寒河江ダム周辺、また、その下流域の支川などを写真を撮りながら踏査しました。至る所で土砂崩れがあり、その土砂がダム湖に流れ、濁水となっており、少し多めの雨が降るとその濁度がぐっとあがるような状況が続いていました。

8月補正予算では、濁度対策の補正が組まれ、それについては承認をしましたが、これは対処療法でしかないことをお伝えしたいと思います。補正では、薬品をより多量に入れるためにポンプを数台増設するということでした。薬品を多量に入れた場合、凝集物(フロック)がより多く発生し、その除去についても処理が通常のように除去できず、沈殿槽にあふれたり等するとのこと。ここについての対策は未だ不鮮明のようでした。

更に、、、次に続く。