「7月1日の閣議決定は違憲、立憲主義の破壊」7月4日 集団的自衛権の行使容認への反対討論。
集団的自衛権の行使容認の閣議決定を認めないとした意見書の提出へ反対の立場での反対の立場で討論いたします。
既に、7月1日、この請願趣旨である安倍内閣は集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をおこなってしまいました。戦後日本国憲法の下で67年間平和を維持してきた、日本の「国のかたち」を破壊する暴挙そのものであります。
日本国憲法の根本は立憲主義にあります。
法律は個人の自由を国が制限して社会秩序を守りますが、憲法は国民が国家を縛る道具であります。
多数決でも変えてはならない人権の尊重などの価値を、前もって憲法の中に書き込み、民主的に正当性を持った国家権力であっても憲法で拘束するというのが立憲主義であります。
日本国憲法は、多くの犠牲を強いた戦争の反省から、9条で徹底した積極的非暴力平和主義・恒久平和を立憲主義の目的にし、平和の実現のために、国家にしばりをかけ続けてきました。
集団的自衛権について、政府解釈の変更とし閣議決定で容認するなどということは、本来憲法によって縛りをかけられるべき政府が、時の政権の閣議決定という手法でその縛りをなくすことを意味します。これまでの平和国家の歴史を築いてきた、立憲主義の破壊であり日本国憲法の存在そのものを否定する暴挙であります。
また、「平和憲法9条は、海外派兵を想定はしておりません。そこに踏み込めば憲法解釈の許容範囲を超えていることは自明であり、それをとっても憲法の破壊であり違憲であります。法治国家の政府としてあるまじき行為であります。
集団的自衛権は、その本質は同盟国のために海外派兵する点にあります。これまでアメリカや韓国のベトナム戦争への参加をはじめ、戦争を他国に行う大義として利用されてきた歴史があり、日本の「集団的自衛権」行使容認とは、「戦争ができない国から、戦争ができる国になる」という重大な問題です。戦争の前線に国民を送り出し、命を落とす危険にさらすことの是非について、安倍政権は、国会審議も国民的議論もほとんどおこなわず、与党密室審議で閣議決定したのです。
今、立憲主義をはじめ、平和主義、国民主権、基本的人権の尊重というこの国の基本原理が破壊されようとしています。積極的平和主義などと詭弁を使い最大の人権侵害である「戦争ができる国へ」次々と我が国を没落させる安倍政権の暴挙・暴走を、私たちはなんとしても止めなくてはなりません。
今、国会を包囲した4万人もの「憲法守れ」「撤回」を求める国民の反対の声、県内のデモなど、国民の力が着実に広がっていることを確信します。今後、安倍政権に歯止めをかけ、この閣議決定の撤回、関連法案の阻止をめざし。市民の皆さんと共に行動することを誓い、反対の討論とします。