三川町議会合併反対を議決。
10月6日、委員会で、合併案件の審議をおこなう。
「いいがかり」とした根拠として、市としては、合併して16年後、どうみているのか、更に尋ねる。「ある財政学の先生は、『合併の財政措置が終れば地方財政は地獄』と指摘し、合併して10年の間によほどのリストラを進めないと破綻する。」と指摘しているがが、実際問題としてそうした財政危機についての捕らえ方はあるか」と聞く。すると総務部長「そんなどこの先生かしらないが、そうした論をこうした議会で発言されるのは 無責任ではないか」と発言した。「そうした指摘による不安を解消したいから質問をしている。それに根拠を示しながら答えられないあなた方こそ無責任だ」 それで、他の市町村では20年先のシミュレーションが出せているのになんでここでは出せないんだ? と再び尋ねると、「10年先までの建設計画を立てているからです」と答える。全然おかしい。あきれて、質問を終える。
以下、特に行政側の説明責任と、住民意思の確認の必要性を求めて、合併案に反対の立場で討論をする。大体の要旨を示しておきたい。
● 基本的には、この市町村合併は、はじめから、地域住民の要望からくるものではなく国の政治のこれまでのモラルハザードといえる公共投資から発生した700兆を越える借金をなんとかしたいというところからくる強制合併であると感じる。
しかしながら今後、少子高齢化で人口減少、右肩下がりの時代をむかえる中、在る程度、町村が合併をし、自治権をもって、自律的に財政力と責任をもって自治体を運営をすることについては一定の理解をしつつ、合併問題を議論してきた。
この市町村合併のプロセスの中で、数多くの行政情報が住民に共有され、現状のままではなかなかできないでいた、生活者の起点の自治運営のための意識改革や変革ができ、この地域では月山を起点に展開する自然資源の生態生命圏をいかしながら、新市をかたちづくることができるならば、合併も選択肢のひとつではないかと思いつつ、議論し、叉、協議手法などについても行政評価システムの考え方の導入や、住民参加の手法など、提案をつづけてきたものである。
改革をともなった合併としては、中長期的な財政計画など、展望を具体的に把握しながら、合併という手段を通じて、この地域のなんの問題を解決し、何を将来生み出すのか、住民全体で共有すべき目標が明確であることが大事だ。叉、行政スタイルを統治型から市民と行政が生活の場で協働する参加型の行政スタイルへ変える行政側の意識改革姿勢が必要で在ると考える。
しかし、残念ながら、協議会では、致命的な欠陥として、合併後の財政計画が、10年までしか示されず、現在多くの市町村で20年後までの財政計画が示されながら議論されている合併後の財政危機という状況については不安要素を解決するに至らなかった。
また、当市としても最も重要な改革として、新市ビジョンでうたわれている「協働」社会を実現するため、住民参加を充実させることをや行政情報の共有がおこなわれてきたか、住民自治を尊重しつつ、ありとあらゆる工夫をこらして、市民参画をはかり、徹底した議論の上で、新しい市の構想が、きずきあげられてきたか。みんながみんな納得できなくても、可能な限り議論をつくす姿勢やしくみは果たしてあったのだろうか。と疑問をもつ。
今、鶴岡市内の住民の多くは、漠然とした不安を感じている。こうした状況で、今後いずれにしても厳しくなると予想される時代の「協働型」の施策に、共に取り組むことができるのか、大いに不安になるものである。
これはこれまでの当局の説明の手法のまずさ、叉、究極の住民参加の手法である住民投票や、意識づけをしっかりとおこなった上でのアンケートなどをおこなわないできた事。まず、合併ありきで、一方的な情報しか与えなかったこと。叉、肝心の公共サービスについて、変化をともなうものの大半が先送りにされてきた事。などが原因である。
ハガキによる意識調査がおこなわれたが、項目も設けず、目的の意識づけもおこなわなかったため、回収率も悪く、アリバイ型の住民参加の手法であったと感じる。
また、新市構想の中での地域ビジョンは、合併する前の市町村の総合計画を最大限「尊重」するなどとたかたちで終始しており、地域全体として一体感のある地域像がなかなか見えてこないことと、その地域像づくりに、十分な住民の参加がはかられていないため、結局は役所起点でつくりあげられたものになっている。また、それを基にしたといわれる新市での主要事業であるが、これも地域の一体感のあるものがないため、それぞれの旧市町村ばらばらの発想で、地域全体の戦略が見えない形になっている。
また、新市の主要事業としては「多くは新市の市長や議会で」といっている中、鶴岡市のサイエンスパーク構想だけが特に先行されているようだが、バイオ企業の集積という内容自体がなかなか住民に理解されにくい状況で、これを十分な見通しも説明責任もなく進んでいることもあり、合併後の姿を更に分かりにくくしているのではないか。この事業自体には、厳しい財政運営上、公的投資について疑問があり、より正確な見極めを求める。
以上、
要するに、現段階での市町村合併は、肝心の事が住民に示されず、進められており、そのプロセスにおいて、住民の参加は不十分であり、また明確な意思確認することなく、進められた合併論議である
このままでは、今日的な自治体改革をともなった、志高い合併のあり方と判断することはできないし、叉、右肩下がりの時代の厳しい財政事情の中でも本質的に自律した、持続可能な、活き活きとした住民の姿や住民の側を向いて創意工夫をおこなう自治体像は描くことができない。
住民の参画をともなった本質的な改革を強く求め、もしも合併をするとしたら、
本来的な住民起点の合併を求めて、反対をする。
以上。である。
8日は、これを参考に、みどり21の討論として石川一郎議員が反対の立場で討論。
10月8日。7市町村の合併の議決がおこなわれた。
議会で