東北自然保護の集い 小国川運動のワンステップ
16、17日と、山形県最上町 赤倉温泉にて、東北自然保護の集いが行われた。
山形県で髄一といえる清流 最上小国川。今回の集いはダムと公共事業と題して、小国川ダム計画をふまえつつ、おこなわれた。
基調講演は天野礼子氏。
岩手から、ツヅキダム、梁瀬ダムの反対運動を展開しているアクティビストがきていて、最上小国川に取り組んでいる漁協とともに、2日間、議論をし合った。僕はダム分科会書記や2日目の特別企画などを努めさせていただいた。梁瀬ダムは盛岡の郊外に計画されているダム。未だに盛岡の水道水とか、「利水」目的を含んだ、多目的ダムと聞いてがく然とする。強行されれば、月山ダムの二の舞いを踏むことは明らかだ。
ツヅキダムは、カキ養殖で有名な岩手三陸海岸へ注ぐ気仙川に計画中のダム。こちらも多目的だったが、さすがに利水利用はカットされて治水穴あきダムということで計画されている。 そして小国川ダムは、穴あきダムだ。
今、全国でこの「穴あきダム」が大はやりのようだ、堤体の底に近いところに穴が開いていて、普通のときは、その穴から水を流し、洪水時にだけダムで止めるといった治水!? 手法だ。利水の根拠がなくなったから、なんとか治水でダムをつくりたい「ダム信者」たちは苦肉の策として、環境にやさしい「穴あきダム」などといっていろんなところのダム計画をつくっている。
官僚の反省をもとに、「ダムの歴史は終った」宣言をしたダム先進国アメリカは、今、460ものダムを撤去して、自然の川をとりもどしている。「穴あきダム」などといってまだダムに固執している国の姿を彼らはどう思うことだろう。
ヨーロッパもとっくにダムに寄らない「総合治水」の時代を迎えている。
叉、海は森の恵みがもたらされもし、逆に森の栄養素としては、海から、サケの「ほっちゃれ」の養分がかかせない。
官僚がこねくりまわす、数値のマジックにのることなく、洪水や水害の情報を古老に聞いて回る。それが「総合治水」の第一歩だ。
今回の集いから、「脱ダムネットワーク東北」を東北全県に呼びかけること、そして、現地では「最上川・最上小国川の真の治水を考える会」を正式にこの10月17日、立ち上げた。いましがた戻ってきたところ。ふう。