◎市民部長(五十嵐浩一) ゼロカーボンシティとしての地球温暖化防止対策について、初めに鶴岡市地球温暖化対策実行計画についてお答えをいたします。
議員御紹介のとおり、本市は今年4月17日土曜日に公益社団法人鶴岡青年会議所と共に、かけがえのないふるさとを次の世代につないでいくため、豊富な地域資源の最大限の活用と市民や事業者など多様な主体との連携により、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロとするゼロカーボンシティに挑戦することを宣言いたしました。
市の取組といたしましては、議員の御発言にもございましたように、今年4月に稼働したごみ焼却施設での廃熱を利用して発電を行い、自家消費以外の余剰電力を売電し、その電力を市内小・中学校などの市有施設に供給する電力の地産地消事業に取り組んでおります。
また、自家消費分に含まれる再生可能エネルギーの環境価値を電気そのものと切り離して、グリーン電力証書という形で必要とする企業に提供するという新しい取組を始めております。
このグリーン電力証書につきましては、購入者が再生可能エネルギーによって発電されたグリーン電力を使用しているとみなすことができる仕組みとなっておりまして、再生可能エネルギーの発電設備を持たなくてもグリーン電力相当量の再生可能エネルギーの普及に貢献できる仕組みとなっております。
さて、本市では平成30年に第3次鶴岡市地球温暖化対策実行計画を策定し、温暖化防止のための目標を定めており、温室効果ガスの排出量につきましては、基準年度の2013年度と比べて市全体を対象とした区域施策編では2030年までに26%減、2050年までに80%の削減、また市の事務事業を対象とした事務事業編では2030年までに40%の削減を目標としております。
この削減目標につきましては、2016年に国が策定した地球温暖化対策計画に基づく目標でありますが、本年4月22日に開催された第45回地球温暖化対策推進本部において、菅総理が2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指すと表明しており、本市の計画についてもこの方針に沿った形で見直す必要があると考えております。
計画見直し手順といたしましては、現在策定中の第2次鶴岡市環境基本計画において、ゼロカーボンシティに向けた取組を重点施策と位置づけ、第3次鶴岡市地球温暖化対策実行計画でその具体的取組内容や削減目標を示せるよう進めてまいりたいと考えております。
計画の見直しに当たって、今年5月に成立した改正地球温暖化対策推進法では、地域の脱炭素の促進が盛り込まれたところであり、その内容は、市町村の地球温暖化対策実行計画において、その区域の自然的、社会的条件に応じて再生可能エネルギー利用促進等の施策や実施目標、地域脱炭素化促進事業の促進区域等を定めることが努力義務とされております。
また、今年6月9日に開催された国・地方脱炭素実現会議で公表されました地域脱炭素ロードマップでは、2030年度までに民生部門(家庭部門及び業務その他の部門)の電力消費に伴う二酸化炭素排出量を実質ゼロにする脱炭素先行地域づくりなどを行うことが示されており、このことについても今後の計画の見直しの中で検討してまいります。
こうした状況を踏まえ、また鶴岡市の地域特性に配慮し、具体的に必要な対策や削減目標など、第3次鶴岡市地球温暖化対策実行計画については国・県の動向を見極めながら見直しを進めてまいります。
次に、再生可能エネルギーの普及についてお答えをいたします。
2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロとするゼロカーボンシティを目指すためには、排出削減対策として再生可能エネルギーの普及を推進していかなければなりません。
本市では、平成25年5月に鶴岡市地域エネルギービジョンを策定し、本市が誇る自然や歴史、文化に立脚し、地域に根差した再生可能エネルギーの導入に取り組んでまいりました。これまで再生可能エネルギー設備を導入する方を対象とした国のネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業や、山形県再生可能エネルギー設備等導入事業費補助金なども併せて活用できる再生可能エネルギー設備普及促進事業補助金を設けております。平成25年度以来、374件の利用がありまして、地域のエネルギー供給力を高めるほか、地域経済の活性化に効果が期待されているところでございます。
また、国の補助事業を活用して、小・中学校の体育館など、災害時の拠点避難施設となる市有施設への太陽光発電設備や蓄電池などの導入を進めているところでありまして、これまで鶴岡第四中学校等19の施設に再生可能エネルギーの発電設備を設置しております。今年度も朝暘武道館、そして羽黒体育館の2か所に設置を予定しております。
今後、ゼロカーボンシティを実現するためには、このような取組を検証した上で、さらに再生可能エネルギーの導入促進を図り、二酸化炭素等温室効果ガスの排出抑制に取り組む必要があります。
2018年に公表された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の特別報告書」においては、二酸化炭素排出量を2050年頃に実質ゼロにするためには、社会のあらゆる側面において前例のない移行が必要であると示されております。また、このたびの改正地球温暖化対策推進法の趣旨や、現在国において策定が進められております地域脱炭素ロードマップ、この内容を十分に取り込み、国・県とも連携し、新たな手法も検討しながら再生可能エネルギーの普及に取り組んでまいります。
なお、住宅の省エネにつきましては、建設部より答弁をさせていただきます。
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