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2020年6月議会 1)新型コロナウイルス感染症への市の対応について ●介護施設への対応●荘銀タクトへの振興策 2)インバウンド観光について 3)デジタルガバメントについて


◆6番(草島進一議員) 新型コロナウイルス感染症への市の対応について4点伺います。

 まず、介護施設への対応についてです。

 新型コロナウイルス感染症対策が進んでいますが、介護の現場では今後予想される第2波、第3波、長期化に備えた対応が求められています。依然として緊張した状況が続いていると考えます。そもそも介護は密着しての業務であり、常に感染のリスクと向かい合わせで、密になりやすい環境を抱えております。

 市内の高齢者介護事業所から伺いました。集団感染の不安を理由にデイサービスやショートステイの手控えというケースがあるとのこと、また面会制限があり、家族も本人もつらいとのことであります。

 また、コロナを過剰に恐れ、利用者がサービスを拒否する事例もあり、状態が悪化した方もいる。そして、施設は売上げ減であるとのことでありました。

 そこで質問をいたします。

 現在、マスク、防護服、手袋、消毒薬などの支給などは潤沢に行えているでしょうか。

 2つ目、高齢者施設での集団感染は地域の介護基盤を大きく揺るがします。集団感染が発生した場合はもちろんですが、現状、検査が必要と判断された利用者、介護事業者が迅速にPCR検査を受けられるようになっているかお伺いします。

 次に、感染のリスクを負いつつ、厳しい職員体制の中で利用者の生活を支えている介護事業所、介護従事者への財政面などの支援強化が必要だと考えてきましたが、今般、国の第2次補正で1人当たり5万円などの慰労金が支払われるということでありますが、現状把握と支援の在り方について伺います。

   

◎健康福祉部長(渡邉健) それでは、新型コロナウイルス感染症と市の対応についてというところでございますが、健康福祉部から福祉・介護施設への支援状況についてお答え申し上げます。

 まず、第1点目の介護事業所へのマスク、消毒液等の支給状況についてお答え申し上げます。

 国では都道府県に対し、介護施設等へ配付する消毒液等の一括購入に必要な費用を助成しており、県では市内事業所に対し、消毒用アルコールについては3月末と4月末の2度にわたり、必要量の全量に当たる延べ710リットルを配付しております。

 また、マスクにつきましては、施設職員と利用者、入居者宛てに国及び県で布マスク1人1枚ずつを配付しており、加えて不織布マスクを県で3月末から6月上旬までに11万3,000枚、それから市で5月下旬に4万6,800枚を配付いたしております。

 マスク等につきましては、需要調査を行いながら支給してきたということもございまして、潤沢に支給しているというところまでは言えないまでも、一定の必要量については賄われているものと認識しております。

 それから、2点目でございますが、高齢者施設で検査が必要とされた利用者、介護従事者が迅速にPCR検査を受けられるようになっているのかといった点についてお答え申し上げます。

 医療・介護等の施設従事者のPCR検査についてですが、5月25日の国の緊急事態宣言の解除の際に発出されました新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針においては、特に感染が疑われる医療・介護等の施設従事者及び入院患者等に対しては率先して検査を受けさせるようにすることが示されております。この点について庄内保健所に確認いたしましたところ、医療・介護等の施設従事者等が感染した際の社会的リスクを考慮し、これまでも優先して実施してきたということでございます。

 それから、3点目でございますが、介護事業所、介護従事者への財政支援などの強化が必要と考えるが、現状把握と支援の在り方についてといったところにお答え申し上げます。

 市内の介護サービス事業所におかれましては、感染予防対策に細心の注意が必要な中、各事業所と職員の皆様には大変な御苦労があったものと存じます。

 感染の不安に伴うサービス利用控え等により、介護事業所の収入減少の実態があるとのお話でございましたが、この点について複数の事業所に確認いたしましたところ、3月から4月にかけては新型コロナの出現により多少の利用控えの実態があったと伺っております。

 通所サービスについては、その代替のサービスを提供した場合には相応の介護報酬の算定が可能になるということが国から示されておりますので、そういったことも紹介しながら相談に応じております。

 しかしながら、複数の事業所を経営している大規模法人に比べ、小規模な通所介護事業所や訪問看護事業所のみを行っている法人につきましては、この利用控えの影響を受けやすく、収入減少につながっているものと存じます。

 この点につきまして、今般、県において、各事業所に対し、介護サービスの利用控えによる介護事業所への影響調査を実施することとなりましたので、市といたしましても、その結果を注視してまいりたいと存じます。

 次に、介護事業所、介護従事者への財政支援についてでございますが、まず事業所に対する支援といたしましては、国の持続化給付金の対象となりますほか、これを補完する市の経営継続支援事業でも支援対象とするところでございます。

 また、介護従事者への支援では、国の2次補正におきまして、感染者が発生または濃厚接触者に対応した事業所に勤務する職員に20万円、それ以外の事業所に勤務する職員に対しては5万円の慰労金が支給される予定となっているところでございます。以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 支援の体制として、2次補正での慰労金はよかったと思います。今後も現場の声を酌み取って、有効な支援に努めていただきたいと思います。ありがとうございました。

 次に、荘銀タクト鶴岡の振興策について伺います。

 市民の芸術振興の要である荘銀タクト鶴岡ですが、コロナ対応のために実質的に利用できない状況であります。

 現在の取組や今後どのように事業展開をして再開させていくのか、自主事業、貸館事業、それぞれについてお伺いしたいと思います。

   

◎教育部長(石塚健) それでは、荘銀タクト鶴岡、現在の取組や今後どのような事業展開かということでお答え申し上げます。

 荘銀タクト鶴岡は、5月11日から段階的に再開しておりますが、政府の基本的対処方針を踏まえました山形県対策本部決定のイベント等の開催に関する基本方針に基づきまして、現在はイベントの開催におきましては、屋内では100人以下、かつ収容定員の半分程度以内の参加人数に制限されているため、自主事業の公演や貸館での利用は中止・延期となっているところでございます。

 このような中で、少しでも市民の皆さんを明るい気持ちにする取組といたしまして、館内の壁に桜の花びらでありますとか、こいのぼりなど季節のイラストのライトでありますとか、あと新型コロナウイルス感染症の対応に尽力されておられます医療従事者に感謝するブルーのライトを投影いたしまして、外からも眺められるようにしておるところでございます。

 さらに、自主事業の新しい試みといたしまして、荘銀タクト鶴岡のユーチューブチャンネルを開設し動画配信を行ったところでございます。

 内容は、舞台設備の裏側を紹介したり、鶴岡市民歌に振りつけをして、職員が大ホールのステージなどを使い市民歌の紹介をいたしたものでございます。チャンネル開設後は荘銀タクト鶴岡のホームページのアクセス数が伸びるなど、改めましてタクトの取組を紹介することができたと認識しているところでございます。

 今後は取組を紹介するだけでなく、市民の皆さんの発表の場として活用いただけますように、そのような企画を検討してまいりたいと考えております。

 イベント開催制限の段階的緩和によりまして、6月19日以降は1,000人以下、かつ収容定員の半分程度以内の参加人数まで緩和されますので、大ホールも500名程度までの催しが開催できますことから、自主事業につきましてはクラシックの小編成の公演のような500名程度の観客でも採算の取れる公演について検討してまいりたいと考えております。

 また、市民参加型事業でありますピアノリレーコンサートや、育成事業としての公共ホール現代ダンス活性化事業など、これらは昨年度に引き続きまして今年度も実施する予定でございます。

 貸館事業につきましては、7月までは公演の中止や延期などで大ホールの利用はございませんが、8月以降の利用につきましては、これまで延期していたものにつきまして再度の問合せがありまして、再開の動きが見られるところでございます。

 さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして市民の皆さんの文化・芸術活動が制限されている状況にあるため、この活動の継続に向けた取組を支援し、文化・芸術活動の振興を図るために荘銀タクト鶴岡をはじめ市が所管する施設の施設使用料及び冷暖房料の一部減免について検討しているところでございます。以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) 説明ありがとうございました。

 芸術に親しむ市民も芸術団体の皆さんも心待ちにしていることと思います。段階を追っての再開とのこと、難しい運営かと思いますけれども、着実に進めていただきたいと思います。

 次に、観光についてですけれども、相当重複がありますので、インバウンド観光だけについてちょっとお伺いしたいと思います。

 インバウンド観光ですが、先日発表された山形県内への昨年の外国人旅行客は延べ37万588人とのことでした。今回、コロナの問題で大変なダメージになっていることはうかがえますけれども、影響と現在の市の取組、今後いかに取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。

   

◎商工観光部長(佐藤正胤) インバウンドの状況につきましてお答えをいたします。

 本市では、第2次総合計画に国際観光都市の実現を目指したインバウンド誘客と認知度の向上を掲げ、情報発信の強化や外国語パンフレットの刷新及び2次交通の確保など受入れ環境整備に取り組み、インバウンド誘客の推進を図ってまいりました。

 本市の令和元年度の外国人延べ宿泊者数は1万2,000人を超え、5年前の平成26年度と比較いたしまして3倍に増加しております。

 また、昨年度の本市の観光案内所の外国人来所者数約1,300人のうち欧米諸国が約6割を占め、出羽三山や即身仏へのニーズが高い状況であることから、市といたしましては出羽三山を中心テーマに欧米諸国に向け、重点を置いた情報発信を行っているところでございます。

 これまでの情報発信によりまして世界中のメディアからの注目が高まり、昨年10月には世界的に人気が高い旅行ガイドブック「ロンリープラネット」の2020年訪れたい旅行先の第3位に東北がランクインいたしまして、その中でも出羽三山が東北の一番の体験として紹介をされております。

 しかしながら、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大による海外からの出入国の制限等によりまして、令和2年3月の日本国内への訪日外国人は、対前年同月比では93%減少しております。本市の外国人延べ宿泊者数は82人でございました。前年実績933人から91.2%減少しております。現在も入国制限が継続されていることから、海外からのお客様をお迎えするのには困難な状況でございます。

 市といたしましては、DEGAMで運営しておりますSNSアカウント「Tsuruoka:Land of Dewa」でありますとか、多言語版の鶴岡市観光情報ウェブサイトtsuruokacity.comなど多様なメディアを活用しながら、世界的な感染収束を見据え、継続的な情報発信をDEGAMと連携いたしまして取り組んでまいりたいと考えております。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございました。

 情報発信は大事なことだと思いますので、引き続き続けていただきたいと思います。

 インバウンドですけれども、戻り始めるまで1年から1年半ぐらいとか、新薬やワクチン開発、また集団免疫の獲得による安心感の醸成がされるまで厳しいというような状況だといろんな方が評論されておりますけれども、こういった時期に何をするかということが問われていくわけですけれども、こういった長期化するウイズコロナ期における旅の在り方として、車で60分以内に行けるエリアでの観光、マイクロツーリズムを重要視すべきだとは星野リゾート代表の星野佳路さんの発信であります。

 地元を巡る旅行を通して、地元の方に地域の魅力を知っていただくということは大事で、将来インバウンドが戻ってきたときに、地域の全体が地域の文化にプライドを持っているということは観光地の太さにつながると。いいネットワークをつくる時間でもあるのでということであります。これは参考にしていただければと思います。

 じゃあ、インバウンドについてはこれで終わります。ありがとうございます。

 次に、今後のまちづくりについて、デジタル・ガバメントなどについて質問をします。

 新型コロナウイルス感染症対策を踏まえて、企業はテレワークでの在宅勤務、大学ではオンライン授業が推し進められ、小・中学校では当市でもGIGAスクール構想が普及し、学校に来ることができないときはオンラインで課題・指導を出すことなどを進めようとしています。

 また、国の専門家会議が示した非接触で3密を回避する新しい生活様式の中では、市民がSNSで情報を得たり、Zoomで情報交換する人と人とをつなぐリモート会議などのほか、家などにいながら様々な行政手続を効率的に進めることができる政府のデジタル・ガバメントの動きなど、オンライン化やデジタル化の重要性が高まっていると思いますが、市としてはこうした動きをどういうふうに捉えているのか。積極的に支援し、まちづくりに活用してはいかがでしょうか、お尋ねします。

   

◎企画部長(阿部真一) 新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた今後のまちづくりについてお答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症を契機といたしまして、非接触や対面を避けるなどの生活の行動変容を求められる中、政府が定めた新しい生活様式の実践例には、働き方の新しいスタイルといたしましてテレワークやローテーションでの勤務などが推奨されております。

 ウイズコロナを踏まえ、職場や家庭におけるテレワークやIoT、高度移動通信の5Gの活用など、様々なデジタル技術を活用したオンライン化は今後ますます普及していくものと考えております。

 これに対しまして、国では厚生労働省の働き方改革推進支援助成金にテレワークコースを設けまして、職場にテレワーク用通信機器の導入を促す対応を進めております。

 また、昨年12月に閣議決定された社会全体のデジタル化を進める政府のデジタル・ガバメント実行計画では、マイナンバー制度の活用等により様々な行政手続の簡素化などを今後急速に進める予定としております。

 本市におきましても、国のGIGAスクール構想による児童・生徒1人1台のパソコン等の配置を図るため、小・中学校のデジタル化整備に関する補正予算案を今定例会に上程しており、子供のときからオンラインの環境になれ親しんでおくことも将来的には重要なことと考えております。

 また、昨年12月に本市と株式会社野村総合研究所では、デジタル化による構造改革事業に連携して取り組むことを定めた基本合意書を締結しております。

 本市では、この合意書に基づきましてデジタル化の一層の推進と市民生活の利便性向上を図るため、デジタル・ガバメントの構築とスマートシティーの推進を進めることとしております。引き続き、国のコロナ対策の動向やデジタル・ガバメント計画の実施状況を注視しながら、市民・企業等におけるオンライン化などの普及を支援し、さらなる市民生活の利便性や企業活動の生産性の向上に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございました。

 デジタル・ガバメントについて、先日この議会でも指摘されたデジタルディバイドの課題もあろうかと思いますが、その解消も含めて充実を願うものです。

 ウイズコロナ時代のまちづくりとして鶴岡で積極的に推進されることを望みまして質問を終わります。ありがとうございました。