2021 12月議会 総括質問
202112月議会 総括質問
草島進一
市民の声・鶴岡を代表し て市長説明、また今期提案されている事項につ いて総括的に質問いたします。 初めに、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。
初めに、ワクチン接種の副反応についてお伺いしたいと思います。
新聞報道によれば、新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては全国民の約7割が接種を完了したが、
10月24日現在で接種後に1,325人が 死亡しているとのことであります。厚生労働省 によれば、このうち99%の1,317人がワクチン 接種との因果関係を評価できないということで ありますが、注視すべきことだと思います。 1,325人の死因は虚血性心疾患、また心不全、 出血性脳卒中などが多く、65歳以上の高齢者が 84%を占めているとのことであります。私の周 りでは、2回目の接種で38度の発熱が3日ほど 続いたという方がいらっしゃいました。
そこでお伺いしますが、市内で重篤な副反応の報告などがなかったのか、その状況をお伺い
します。
次に、コロナ禍で影響を受けている事業所へ の経済対策、特に真水対策としての鶴岡市小規 模事業者経営継続支援金についてですが、第1 回目、またこの10月29日で受付終了した第2回 目、また第3回目の申請状況はどうか、その成果をお伺いしたいと思います。
また、コロナ禍で傷ついたこの市内経済を再生させる経済対策として、市内全域に波及する経済喚起策も今後必要と思いますが、現在検討されていることをお伺いしたいと思います。
次に、農業関連、米価下落に対しての支援についてお伺いします。
市内約半数の農業者が栽培しているはえぬきで、前年比2,200円も下落するという今般の米 価の概算価格の下落は大変深刻であり、農家を はじめ、それだけではなく市内全域の経済に大 きく影響を及ぼすのではないかと懸念をしてお りました。今般の市の支援策について、実際に 稲作農家の方の声をお伺いしまして、大変助かると、市独自の支援として歓迎する、そうした声をいただいております。
昨年は、当市では、主食用米から加工用米、飼料用米、非主食用米や園芸作物に転換する際のきっかけとなる支援としての補正予算が計上
されていました。今般の市の独自支援策として、水稲種子購入費の支援、また県の災害経営安定対策資金へ上乗せしての利子補給という支援策に至った経緯、また効果の見通しをお伺いしたいと思います。
次に、観光振興についてお伺いします。
市長説明では、9月の観光入込者数は対前年 度比6.2%減少していると説明がありました。 コロナ禍で観光業については厳しい状況が続い たと思いますが、10月は宿泊者の予約が戻り始 めているとの情報もあります。本年は出羽三山 が丑年御縁年であり、週末やうしの日は結構に ぎわっていたと伺っております。
まず初めに、上半期の実際の入込数はいかがだったのかお伺いします。
次に、この10月1日から来年1月16日までの 期間で、予約不要で1,000円で乗車できる定期 観光バス、また定額観光ハイヤーが稼働してお ります。既存観光拠点の再生・高付加価値化推 進事業、交通連携事業ということですが、二次 交通が課題の当市の観光にとって大変有効な事 業と思いました。現在どのような利用の実績の 状況か。また、今後どのように生かしていこう と考えているのかお伺いします。
3点目に、以前、令和2年3月の地元紙に掲載されたものでありますが、DEGAMの事業でQRコードを使っての観光客の行動調査を行ったようであります。その記事では、静岡県立大経営情報学部の渡邉教授の研究室と共同で鶴岡を訪れる観光客の行動を調査し、今後それを基礎データとするとありました。
観光のマーケット戦略としてそうした調査は大変有効ではないかと思うものですが、その成果はいかがだったのか。現在もその調査情報は
活用されているのかお伺いします。
4点目として、先日、県内や宮城県などの修学旅行で出羽三山神社などが利用されており、 コロナが大分落ち着いてきた9月頃から相当数 のバスが訪れたとお伺いしました。昨年、令和 2年は98件の教育旅行の受入れがあり、教育旅 行の誘致活動には今年度取り組んできたと思い ますが、そうした教育旅行の動向はどうか。今 後も期待される旅行形態だと思いますが、市の考え方をお伺いします。
最後に、今後の観光振興策について、観光庁では、密を避け自然環境に触れる旅へのニーズの高まりや、大都市の若者が田舎に憧れを持っ
て関わりを求める動きがあることを踏まえ、言わば第2のふるさととして何度も地域に通う旅、帰る旅というスタイルを定着、推進させること
で新しい需要を掘り起こそうという動きがあります。我が地域にとってはチャンス到来とも感じるわけですけれども、今後の市の観光戦略を
どう考えているのかお伺いしたいと思います。
次に、GIGAスクール構想についてお伺いします。
子供たち一人一人に個別最適化され、創造性を育む教育ICT環境の実現に向けてと打ち出されたGIGAスクール構想。1人1台端末の
整備は3月末までに完了し、4月から本格稼働されていると思いますが、約半年間経過しての現在の状況、課題などをお伺いしたいと思いま
す。
今般の補正予算は、児童・生徒の家庭での通信環境整備などと聞いていますが、その内容についてまずお伺いしたいと思います。
また、導入の際に最も大きな課題とされているのは、実際に生徒と接する教職員のITリテラシーや運用スキルの不足とされているようで
すが、教員の習熟度を上げていく研修などはどのように行われているのか。これまでの成果と課題についてお伺いします。
文科省では、学校ICTの専門家であるICT支援員を配置することが必要とし、令和4年までに4校に1人の支援員を配置することを目指すとしているようですが、当市の場合はいかがでしょうか。支援体制についてお伺いします。
最後に、現在9,407台の端末利用が行われて いるわけですけれども、学校内、また学校外で のタブレットの破損の際の補償については、全国の自治体でばらばらの対応のようですが、当 市の場合ではどうなっているのか、確認をした いと思います。
以上、質問とします。
○市長 皆川 治 草島進一議員さんからの総括
質問に順次お答えをいたします。
本市における1回目、2回目接種の際の副反応の状況についてでございますけれども、新型コロナワクチンにつきましては、使用実績がな
いワクチンであることを踏まえ、これまでワクチン接種と因果関係が示されていない症状も含め、その疑いが認められる際には幅広く評価を
行っていく必要があるとされていることから、医療機関等において、その状況や症状、症状の程度等について記載した報告書を作成し、独立
行政法人医薬品医療機器総合機構に提出し、国に報告されることとなっております。
その後、県を通し本市に報告が来ることにな っておりますが、本市ではこれまで14件の報告 を受けております。症状としましては、接種後 間もなく現れるアナフィラキシー症状、かゆみ、 頭痛等が報告されております。これについては、 10代から50代の方で軽度から中等度の症状に関する者12件で、いずれも既に回復しております。 また、重い症状と医師が判断したのは14件の うち2件で、そのうち1例は90代男性で、翌日 に肺炎で入院し、その後にお亡くなりになった という事例。また、もう一例は60代男性で、接 種翌日に解離性大動脈りゅうにて手術後、加療 し回復されたという事例です。この2件を含む 14件全てが、ワクチンとの因果関係においては現時点では不明とされております。
続きまして、小規模事業者経営継続支援金の
状況についてお答えをいたします。 1回目につきましては、交付件数が1,365件、
交付額が2億7,300万円。2回目につきまして は、交付件数が1,606件、交付額が3億1,270万 円となっております。現在受付を実施しており ます3回目につきましては、11月19日までに交 付決定されたものとして、交付件数が486件、 交付額が9,530万円となっております。
次に、今後の経済対策についてお答えをいたします。
24番尾形昌彦議員の御質問にもお答えをして おりますが、本市では事業者の新型コロナウイ ルス感染症の影響やその支援策を検討するため、 10月に鶴岡商工会議所や出羽商工会と共同で第 5回新型コロナウイルス感染症の影響に関する 調査を行っております。
調査結果によりますと、今年9月においても 令和元年同月と比較して売上げが下がっている と回答した事業者の割合が68%となるなど、依然として厳しい状況が続いていると捉えており ますし、支援の要望につきましても様々なお声をいただいております。
今後の経済対策につきましては、ただいまの 調査の結果や11月に開催しました経済対策会議 で頂戴した意見等を踏まえつつ、現在国で予定 をしている補正予算にも対応しながら、効果的 な消費喚起策や支援策について検討してまいり たいと考えております。
次に、米価下落支援策を実施するに至った経緯についてお答えをいたします。
まず、米価下落対策緊急資金についてでございますが、令和3年産米の概算金の大幅な引き下げに伴い、当初予定していた収入を見込めな
い農家が増えることが予想されたところでございます。こうした農家は、ナラシ対策の交付金が入金されるまで支払いが滞るなど、資金繰り
の悪化が予想されることから、県が発動した米価下落緊急対策資金に市も協調して無利子資金を融通することとしたものでございます。
地元JAの金融部門には、これまで米農家か らつなぎ資金の相談が多数あり、JA自らの資 金を融資するプロパー資金の貸付実績が31件と 伺っております。本資金につきましては、JA のプロパー資金と重複して活用できるなど有利 な点もあることから、農家経営の維持・安定の ために活用していただきたいと考えております。
次に、主食用米生産緊急支援事業についてですが、今般の米価下落により、米農家の将来経営への不安や営農意欲の減退が懸念されたこと
から、米生産の継続を後押しするため、種子代金の一部を補助することとしたものでございます。
高齢化の進展や農業機械の更新などの負担に加え、今回の米価下落が重なり、農家は大変厳しい状況にございます。米価下落の影響を受けた農家の営農継続に向け、国・県の支援策とともに、本市としても、下支えの事業が必要と判断したところでございます。
続きまして、観光客の入込者数についてお答えをいたします。
市内の主要観光地直近の観光客入込状況であ りますが、令和3年9月単月期の本市の観光入 込客数は約36万人であり、対前年同月約6%の 減少であります。新型コロナの影響を受けてい ない令和元年同月と比較いたしますと、約40% の減少となっております。
なお、本年4月から9月までの上半期の観光 入込状況では約220万人、対前年上半期と比較 をしますと約20%の増加でございますが、令和 元年につきましては約369万人でありまして、 約40%の減少となっております。今年の上半期 については厳しい状況であるものの、10月以降、 首都圏等の緊急事態宣言の解除により、観光客 の回復に期待しているところでございます。
続きまして、観光庁既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業で取り組んでおります交通連携事業について、現在の利用実績、また今後
の活用についてお答えをいたします。
この交通実証実験事業は、民間事業者が二次交通の課題に対応した実証実験として、これは4つございまして、1つは温泉と観光地を結ぶ
定期観光バス、2つ目が定期観光ハイヤーの運行、3つ目が駅・バスターミナルと温泉の直行ハイヤー、これはまっすぐ温泉ハイヤーという
ものであります。4つ目に温泉から市街地への手荷物配送事業を行うものであります。
この11月25日現在の利用実績でありますが、 1点目の定期観光バス、この利用者は約60人で ございます。2点目の定期観光ハイヤーの利用 者は約20人でございます。3点目のまっすぐ温 泉ハイヤーは約140人でございます。4点目の 手荷物配送事業は7件となっております。
本事業は、民間事業者が温泉街や観光地をつなぐ新たな路線として実施する実証事業であり、特にこの3点目のまっすぐ温泉ハイヤーは利用
者も多く、今後効果測定を行い、次年度以降の事業に活用すると伺っております。
続きまして、観光マーケティングの成果についてお答えをいたします。
DEGAMでは、世界から認められる観光都市鶴岡の実現を目指し、観光に係る各種データを継続的に収集・分析し、会員等の関係事業者とともに戦略的な観光地域づくりを推進しております。
DEGAMでは、令和元年度から本市への訪 問客を対象にスマホ等のICTを活用した観光 客動向調査を実施しており、観光動向の分析を 行っております。令和3年度上半期をまとめた DEGAMリポートによりますと、アンケート 調査に回答した年代は40代から60代が約8割と なっております。また、居住地は山形県内と回 答した割合が約5割でありまして、昨年度から 増加傾向にございます。新型コロナウイルス感 染症拡大による緊急事態宣言の発令や、県をま たいだ旅行の自粛傾向により、回答に占める山 形県内居住地割合が増加しているものと分析し ております。
今後もDEGAMの観光客動向調査による観光動向の把握に努め、「詣でる、つかる、いただきます」をテーマとした本市の観光誘客に活用し、新たな観光ニーズへ対応してまいります。
次に、今年度の教育旅行の動向につきまして は、DEGAMの聞き取り調査によりますと、 コロナ禍において教育旅行で本市に訪れる学校 が増加しており、今年度はこれまでに200校以 上が訪れており、昨年の98校から大幅に増加し ております。
教育旅行の誘致は、土・日に集中しない、旅行の平準化を図るといった意味でも重要と考えております。新型コロナ感染症により、行き先
や内容についても大きく変化しておりますので、本市の自然、歴史、文化、食などを生かした魅力ある、教育旅行にふさわしい観光ルートの設定を図るなど、関係機関と連携し受入れ態勢の整備を進め、その誘致に取り組んでまいります。
続きまして、今後の観光戦略についてお答えをいたします。
本市では、鶴岡市中期観光振興戦略プランに 基づき、精進落としを現代風にアレンジした 「詣でる、つかる、いただきます」をキーワー ドに、観光事業者と連携した観光誘客の取組を 進めております。
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コロナ禍における新しい旅の形として、家族など小グループで近隣の観光施設を体験し、改めて地元のよさを再発見するマイクロツーリズムや、仕事と余暇を組み合わせたワーケーションが注目されております。こうした新たな動きを的確に捉えた上で観光戦略の具体化を図ることで、地域の観光資源の磨き上げやワーケーション、体験型観光の受入れ態勢の整備を図ってまいります。
GIGAスクールについては、教育長から答弁をさせていただきます。
○教育長 布川 敦 それでは、GIGAスクー ル構想につきましては私のほうから答弁させて いただきます。
初めに、補正予算に係る事業内容についてお答えいたします。
1つ目は、校内通信ネットワーク整備事業で、 授業を行う教室におけるWi-Fi接続の不安 定さを解消するため、小・中24校にアクセスポ イントを124台増設するものです。
2つ目は、家庭学習のための通信機器整備支 援事業で、家庭にインターネット環境がない児 童・生徒480人への環境整備支援のためにモバ イルWi-Fiルーターを購入するものです。
なお、ルーターの購入台数は、令和2年度に 230台購入済みであるため、今回は250台の購入 となります。
続きまして、GIGAスクール構想推進事業の成果と課題についてお答えいたします。
成果といたしましては、児童・生徒の学習に対する意欲の向上が上げられます。また、端末のシステムを利用して一人一人の立場を可視化
し、考えを共有することで活発に集中して話し合う姿が見られます。さらに、教員の指導においては、以前よりも効率よく子供たちの意見や
考えを交流させることが可能となり、その結果、子供たちが学びを深めていく時間が増え、効果的に授業を展開することができるようになって
います。
課題といたしましては、第1にインターネットに安定してつながる通信環境の整備が上げられます。このたびの補正予算での整備もその一環ではありますが、インターネット回線の増強やアクセスポイントの数をさらに増やすなど、国が示している基準や本市の使用実態を踏まえ、安定した通信環境となるよう今後も必要な整備に努めてまいります。
また、2つ目の課題としまして、議員御指摘の教員の活用スキルのさらなる向上が上げられます。そのため、全ての小・中学校の教員を対
象とした各校2回の研修や、各校の情報教育担当教員を対象としたリーダー研修等を既に行っております。今後も、小・中別、教科別のミニ
研修や、各校の要望に基づく研修を実施するとともに、先進的に活用している教員の実践を共有する手だてを検討し、これまで以上に活用が進むようにしてまいります。
学校への支援体制につきましては、本市では、国が示しているICT支援員ではなく、学校の要請に素早く的確に対応するために学校教育課
内に各校の状況を把握するICT推進係を設けるとともに、業者とも、端末の不具合や故障への対応はもちろんですが、授業や研修のサポー
トも行う運用保守契約を結び、体制を整えております。
また、今年度は181件の修理・交換が生じて おりますが、本市は3年間の保証期間がついて いる端末を契約したため、学校や保護者が負担 することなく修理・交換することができており ます。今後も教員や子供たちが安心して使いや すい環境が維持できるように努めてまいります。 以上でございます。