加茂風力発電所計画とラムサール条約湿地 9月一般質問
原稿と書き起こした答弁です。(9/15 1;30更新)
草島 市民の声・鶴岡 草島進一です。
質問いたします。
先ず、加茂地区風力発電所計画について
今回は、野鳥の問題に絞って質問します。この間、ラムサール条約湿地であり、水鳥の集団渡来地としては県内唯一の国指定鳥獣保護区 特別保護地区 の大山上池・下池の野鳥の現況について、環境省の調査員の方にうかがいました。
コハクチョウ3千羽、マガモ 2万から3万羽の他、
国の天然記念物に指定されている 準絶滅危惧種 オオヒシクイ 1000羽、
絶滅危惧Ⅱ類のヒシクイ200羽 準絶滅危惧種 マガン200羽
珍しいものとしては、
絶滅危惧ⅠA類ハクガン30羽 まれにIA類 シジュウカラガンが観測されているとのこと。
又、高舘山と荒倉山の中間の建設予定地には絶滅危惧ⅠB類であるクマタカの営巣地があること。又、秋ごろからいずれも国の天然記念物の絶滅危惧ⅠB類 イヌワシ、絶滅危惧Ⅱ類のオオワシ、オジロワシが周辺で頻繁に見られるという事を確認しました。
現在 計189種の野鳥の生息が確認される国際的な特別保護地区であります。
風 力 発 電 が 鳥 類 に 与 え る 影 響 は 、2020年3月末時点で国内で580件発生しているバードストライクの問題。 生息地などの放棄。 渡りルートの変更など移動の障壁(しょうへき) と国内でも実例がある、3つの問題が指摘されています。
日本野鳥の会 山形支部からは、
●ハクチョウ類、ガン・カモ類の渡りルートとなっているため、飛行の際のバードストライクが発生する可能性がある。
●風車が飛行の障壁となり、渡りルートが変更になったり、越冬地が放棄される可能性がある。
●ミサゴやオオタカ、オジロワシ、オオワシといった 希少猛禽類が餌場として利用しており、特に猛禽類のバードストライクは、オジロワシで今年3月までで国内で70羽発生しており、クマタカでも国内事例がある。バードストライクや、餌場としての利用が減少してしまう可能性がある。
との見解をうかがっております。
日本野鳥の会からは、現在計画が進む 矢引風力発電事業に対して、「計画地は5k離れたラムサール条約湿地で越冬する野鳥たちが集結し、採餌する区域にあたり大きな影響を与える」との意見書が提出され、環境大臣 及び 経産大臣意見でも、想定区域の周辺には大山上池・ 下池が存在し、衝突事故など、影響が懸念される。鳥類に関する適切な 調査、予測及び評価を行い、その結果を踏まえ、鳥類への影響を回避 又は 極力低減すること。と要求されています。
今般の計画は条約湿地から2キロから3.5キロに8本、高さ最大で182m 出力6000kwと、三瀬の2倍の巨大な風車が立ち並ぶというものであります。
矢引の計画よりもさらに近く、更に大型の風車の建設は、バードストライクの発生する可能性が格段に高くなることが懸念され、「どれほど、野鳥に脅威となるか計り知れない」 との見解を野鳥の会の方から頂きました。
国内53箇所あるラムサール条約湿地に近接している風車について、環境省のご担当者に伺いましたが、「3例ほど、2012年に風力発電事業が環境アセス法の対象になる前にはあったものの、それ以降は、条約湿地から5k未満の建設はほとんどない」事を確認しております。
そこで質問します。
●先ず、今般の計画が、条約湿地に全国で最も近い場所での開発計画だという事への、市の認識をお尋ねします。
市民部長 事業の計画予定地につきましては、平成24年3月に公表された、山形県再生エネルギ-活用可能性報告書におきまして、大規模発電の候補地として抽出されているものの、ラムサール湿地が近傍であり、望ましくない。と注意書きを付して公表されております。
本市としても県の注意書きを踏まえ、しっかり鳥類等、自然環境や景観への影響を精査していく必要があると認識しております。
草島 現在、条約湿地から5kで計画が進む矢引の計画で、環境大臣 及び 経産大臣より意見された、条約湿地の鳥類への影響の回避には、どんな環境保全措置が示されたのか、伺います。
市民部長 次に三瀬矢引風力発電事業に関する質問にお答えします。
この計画については、すでに環境アセスメントの手続きが進められています。事業者より国、県、市に対して、環境配慮書が令和2年6月に、環境影響評価方法書が、同年11月に届け出されて、公告、縦覧がなされております。この方法書に対する県からの意見紹介に対して、市では環境審議会や庁内関係者と意見を集約し、県に提出しております。これを踏まえ、県ではラムサール条約湿地の鳥類等への影響の回避について、専門家等の知見、及び最新の情報を参考に調査し、事業による影響を回避又は提言することと、国に意見しております。
国ではこの県の意見を含め、方法書の審査をおこない、事業者に対し、県の意見書を添付して勧告がなされております。この勧告を受け、事業者では更に調査、予測及び評価を実施し、環境影響評価準備書を作成する流れとなっています。鳥類への影響の回避などについての措置については、今後提出されるその準備書において回答されることから、公表された際には市のホームページ等でお知らせすることとしております。
草島 又、加茂の計画の、今般提示した野鳥や、ラムサール条約湿地への影響を市としてどのように捉えているのか、お伺いします。
市民部長 次に、絶滅危惧種を含む野鳥やラムサール条約湿地への影響についてでございますが 当該地の登録基準といたしまして、大山上池下池は、定期的に2万羽以上の水鳥を支える湿地に該当しております。このため、ご指摘のバードストライクの発生や、湿地への飛来ルートへの影響、水鳥などの減少、また、自然環境の影響などについて、国や県にも確認しながら検討していく必要があると考えております。
草島 市では2020年12月に、出羽三山と金峰山に関連する区域の風力発電所の設置を認めないとして、ガイドライン上で制限区域を定めました。私は、ラムサール条約湿地を中核として、自然保護行政を進めてきた市として、予防原則に立って、「ラムサール条約湿地については、野鳥へ重大な影響が及ぶと考え得る 5K半径のバッファゾーンを含めて、設置を認めない」と、ガイドラインに加えること。
そして、開発業者に対しては、計画中止を促すなど、早期に意志表明をおこなう事を求めます。 見解をうかがいます。
市民部長 最後に市ガイドラインに制限している対象地域に加えることと、計画の早期撤退を促す意志表明についてお答えいたします。
本市ガイドラインの制限対象区域として、具体的に例示している区域は、出羽三山および金峰山に関連する区域となっております。同じく、制限対象区域としては、本市の豊かな自然環境や、歴史文化的資源から構成される良好な景観を形成する地域としており、この度の計画区域につきましては、ラムサール条約登録湿地に近接していることなどから、その区域に該当する可能性がございます。したがって、住民の同意や鳥類などの生態系及び景観等への影響について、専門家等にも相談して慎重に判断ていく必要があると考えております。
本市の計画に対する意志表明といたしましては、先ずは、現在事業者が風況調査と環境アセスメントの実施にかかる住民同意を得るために、住民説明会を開催しておりますので、その動向を注視してまいります。
草島 この風車建設は、認めれば全国初の事例となり、もし影響が生じれば全国、又、国際的に、非難の対象となりかねません。条約委員会が発行する「生態学的特徴を損なうような変化が既に起こっている、または起こりつつある、起こるおそれがある条約湿地のリスト」である、「モントルーレコード」へ掲載される事例になるではないか、と危惧するものです。見解を求めます。
●市民部長 この度の計画区域につきましては、ラムサール条約湿地に近接していることなどから、その区域に該当する可能性がございます。従って、住民の同意や、鳥類などの生態系、及び景観等への影響について、専門家等へも相談して慎重に判断していく必要があると考えております
草島 先ほど調査が必要というお答えが部長からありました。この調査の考え方として一点、環境アセス上の調査を進める上での判断という見方もあろうかと思います。しかしながらですね。矢引の計画の時点で、環境大臣及び経産大臣の意見書で影響が懸念されるとあり、鳥類に関する適切な調査が求められております。既に業者には、このラムサール条約湿地周辺の生息状況、営巣地、飛行経路など、詳細の調査が既に課せられていると思います。市としては、この矢引の計画段階で、事業者にラムサール条約湿地周辺の調査を十分におこなわせ、その資料を公開することを、要求すべきと考えますが、見解をお伺いしたいと想います。
市民部長 先ほども、環境アセスメントの手続きに関してはお答えいたしましたけれども、評価書の段階、それから方法書、ともに公表をされております。縦覧期間も終えておりますので、そこで一定の説明がなされたものと認識しております。尚、国からの勧告をうけまして、また、更にそれに対する回答がこれからなされますので、その際には住民の皆さんにもその事をお知らせしながら、ぜひその縦覧に対してよくご覧頂けるようにご紹介してまいりたいと思います。
草島 加茂の計画に踏み込む前にですね。矢引の段階でしっかりと調査を求め、判断の基準にしていただきたいと思います。
私は、市全体として、ラムサール条約湿地の認識不足を感じています。
現在、住民に対して開発側の説明はおこなわれていますが、ラムサール条約委員会や野鳥保護の立場での説明はおこなわれておりません。今後、市民や市が検討・判断をおこなうにあたり、環境審議会に環境省のラムサール条約湿地のご担当と、野鳥と風力発電の問題に精通した有識者を招き、審議頂く事。またその方々から市民への説明会を行なって頂くことを求めます。見解を求めます。
●市民部長 ただいま、環境審議会に有識者を招く事、それから市民への説明会についてご質問がございました。繰りかえしとはなりますが、現在開催しております、住民説明会の動向を注視しているところでございますけれども、議員ご提案につきましては、専門家とも良く相談しながら必要な助言を受けて参りたいと存じます。以上です。
草島 この問題は地元住民だけの問題ではなく市全体の環境政策の問題です。
今、提案した説明会も、今後の業者の説明会も、審議会も、多くの市民が関われるよう、完全公開、録画や配信などが可能な形での開催を求めます。
環境アセス上で、開発業者が依頼する鳥類の調査は、長期にわたって野鳥を網羅的に調査するものではなく、決して十分なものではありません。アセスに踏み込むなら、市独自の調査も必要です。又、アセス上の意見に対する配慮には「建設中止」というゼロオプションは想定にありません。所詮、意見書への配慮として、当初からの想定の中で、風車の数を減らすとか位置を変える等というのが常套手段、ということを、長年アセスに関わってこられた有識者に伺っています。
●要するに、環境アセスの前段階で意思表示をおこなわず、アセスに踏み込めば、事業を概ね認めることになる。というのが通例 ということです。
矢引の計画で湿地周辺の調査報告を提出させ、それも判断材料にしつつ、国際的な保護区としてのラムサール条約の主旨を踏まえ、アセス前に「予防原則」にもとづいて、ガイドラインの制限区域を設定する、いわばゾーニングで判断するということを大原則にしていただきたい。と考えます。
●又、昨年10月に風力発電開発の環境アセス要件が1万から5万Kwに変わり、加茂の全体で4万KWの開発計画には法アセスが適用されません。矢引の計画までのような手順は義務ではなくなり、環境大臣や経産大臣の意見や勧告もなくなり、野鳥への影響調査は簡易になる可能性がある。このリスクも踏まえるべきと思います。
●風力発電施設の設置にあたっては、重要鳥類生息地や、鳥類が集まる場所、渡りの経路上、保全上重要な種が生息する場所などの、環境保全上重要な地域を、「事前に避けるべき」、と言う「予防原則」が、国際的な野鳥の保護機関である バードライフ・インターナショナルの勧告であります。
以上、しっかりと受け止めていただくことを強く要望します。
2)草島 次にラムサール条約湿地 自治体認証などの取り組みについて伺います。
今般の風車計画問題で再認識された感があるラムサール条約湿地ですが、今年は国内で2つニュースがありました。一つは今年5月スイスで開催された59回常設委員会で「ラムサール条約湿地 自治体認証制度」に新潟市及び 鹿児島県 出水(いずみ)市 の認証が決定した。という事であり、もう一つは、絶滅寸前だったシジュウカラガンを復活させた「日本がんを保護する会」会長の呉地正行 (くれちまさゆき)さんが、日本人で3人目のラムサール賞を受賞された事であります。
私は大山の上池・下池のラムサール条約湿地登録の提案を2001年3月議会でおこなっているのですが、その頃、足繁く現地にいらして情報提供いただいたのが呉地さんでありました。提案後、役所の同意、地元合意まで時間を要しましたが、
2008年に韓国での締結国会議で登録され、あれから12年。
拠点施設ほとりあ も、開設から10年を迎え、又、当市も未来都市であるSDGsの目標15で、湿地の生態系や保全が重要とあり、改めて再価値化する必要性を感じております。
湿地自治体認証制度は、湿地の保全・再生、管理への地域関係者の参加、普及啓発、環境教育等の推進に関する国際基準に該当する自治体に対して認証されるものであり、「ほとりあ」でこの間実践してきた、湿地環境の保全活動、外来生物駆除による生物多様性の再生として、ザリガニやウシガエルを捕獲し食材として提供するなど、人と湿地の関係性の再構築に務めてきた活動を評価し発信することになると思います。
又、月山のちとうの、高原の湿地環境、西茨新田湿地、又、庄内平野に広がる水田の多面的機能にも新たな価値を与え、新たな国際的な自治体ネットワークの構築の取り組みとなると考えます。 ぜひ湿地自治体認証への登録を提案します。見解を求めます。
市民部長 ラムサール条約湿地自治体認証への登録についてお答えいたします。この自治体認証制度は、議員ご紹介のとおり、ラムサール条約常設委員会が湿地の保全再生、管理の地域関係者の参加、普及啓発、環境教育等の推進に関する基準に基づき認証をおこなうものでございます。国内では2市が日本ではじめて承認され、国外をあわせると13カ国、25都市が認証されております。認証を受けた自治体では自治体のブランド化、地域における湿地の保全や懸命な利用の更なる推進が図られるものと認識しております。本市としては、認証を受けた自治体の取り組みや課題なども情報収集につとめ、地域関係者の意向も確認しながら、ほとりあ等の取り組みも含めまして、今後どのような活動ができるのか、先ずは調査、研究してまいりたいと考えております。
草島 ぜひよろしくお願いします。
●草島 次に西茨新田湿地の保全について伺います。この件は、2016年6月議会で
故 渡辺ひろい議員が質問されています。
西郷地域、平地でミズバショウが見られ、原生のハンノキ林があり、
貴重なチョウ ミドリシジミ がみられる 約4ヘクタールのエリアであり、
植物274種、オジロワシなどの猛禽類をはじめ121種の鳥類、昆虫は137種類、が観察される「庄内の原生風景」をとどめた湿地であります。
当市議会では平成9年3月にここの湿地林を天然記念物として保護する請願が提出され、全会一致で採択。その後、教育委員会が天然記念物指定に動いたものの
地元地権者の同意が得られず指定を断念、その後、調査報告書を作成するにとどめたとのことでありました。
長年にわたり西郷小学校の子ども達が「ミズバショウの里づくり」として、保全活動、環境教育の場として利用し、今も続いていると伺っています。
保全施策の必要性が、地元や研究者などから、ほぼ40年前から求められ続けているにもかかわらず、現在も開発危機に直面する民有地のまま、市としての保全施策がとられないままで経過してきました。
改めて市で所得するなどし「庄内の原生風景」を活かした自然公園として、保全、活用がはかれないか。例えば風力発電の開発業者に対し、ミチゲーション手法での代替自然(だいたいしぜん)の回復といった地域貢献、を促すなど、民間資金の活用も視野にいれ、ぜひ再度検討を求めたいと思います。見解を求めます
市民部長 それでは西茨新田湿地の保全、活用について、お答えいたします。
西茨新田湿地は現在、民間所有となっておりますが、議員ご紹介のとおり、西郷小学校の六年生が、自然環境学習の場として活用しているとうかがっております。本市といたしましては、当該湿地について、市が所有して自然公園として管理することは考えておりませんが、地域住民の意向を伺いながら、地域での保全や活用方法、また、議員ご紹介の地域貢献としての民間活力の活用などについて、現状の把握と課題整理を先ずはおこなって参りたいと考えております。以上でございます。
草島 生物多様性の全体量が減らないようにする、NO NET LOSS というのがあるんですけれども、どこかで開発をおこなわれたら、どこかで回復する。そういった発想の地域貢献を求めていく、新しい発想での取り組み、期待しております。
●草島 今年12月には国連生物多様性条約第15回締約国会議COP15がカナダで開かれます。2010年の愛知ターゲットの次の生物多様性の目標として、2030年までに損失をくい止め、陸と海の30%以上を保全、保護を目指す目標 30BY30(サーティバイサーティ)が決議される見通しであり、
国内でも、更に保護地域の拡充、生物多様性に貢献する場所の新たな認定、
が求められます。
高山帯から里山、湿地、海浜砂丘など、多様で豊かな生態系を有する当市として、こうした新たな目標も踏まえ、絶滅危惧の動植物の消滅を回避することは重要と考えますし、その為の基本的な計画である「生物多様性地域戦略」は必須だと考えます。
ぜひ自然度の高い各地域庁舎でも担当を決めるなどして調査をおこなうなど、策定に取り組んで頂きたいと考えます。見解を求めます。
市民部長 生物多様性地域戦略の策定、市民調査、情報収集などについてお答えいたします。 生物多様性の保全に取り組んでいくためには、市民の方に本市の多様な植生や課た、について知って頂き、身近な問題として理解を深めていただくことが、重要であると考えております。生物多様性地域戦略につきましては、現在策定中の第二次環境基本計画におきまして、一体的に策定することとしており、大きな柱の一つに位置づけることとしております。具体的なとりくみといたしましては、本市の生物多様性を身近に学ぶ事ができる、自然学習交流館 ほとりあ を最大限活用し、体験を通した自然学週を推進していくとともに、地域固有の希少種生物などの多様性の保全に取り組んで参ります。今後とも地域調査とも連携をはかり、地域の資源調査や、情報収集につとめるとともに、幅広い世代の皆様により本市の生物多様性について、触れて学ぶ機会を創設し、市民への意識啓発や醸成を図って参りたいと考えております。以上でございます。
草島 ぜひ、しっかりと取り組んで頂きたいと思います。1と2 ここまでの議論もふまえて、市長にお伺いしたいとます。
風力発電事業ですが、上池・下池から5Kmの矢引の計画の時点で、環境大臣も経産大臣も野鳥への影響を懸念し、調査を求めていますし、私も懸念しています。でも矢引までは、ぎりぎり認めたいと思います。再エネは進めたいですから。でもその先は絶対NGです。地域還元の薄い植民地型開発、という点でも、矢引までにしていただきたい。と思います。
国際的な保護地域であるラムサール条約湿地と半径5kmのバッファゾーンは、30 By 30を踏まえた新たな保全地域として認定登録するなどをおこない、善寶寺から高舘、荒倉、由良までを結ぶ ブナ林の自然豊かな14Kmを散策できる 通称 「庄内海岸アルプスロード」を、新しいハイキングトレイルとして認め、発信するなど、「ラムサール条約湿地がある鶴岡」だからこそできる生物多様性戦略を前に進めて頂きたいと思います。市長の見解をうかがいます。
市長 今、草島進一議員さんからご質問をいただいた点でございますけれども、今、議員が2001年3月議会でラムサール条約の指定について、提案をされていたということ、について、改めて敬意を表する次第でございます。国際的な動向、30by30のお話もございましたけれども、この生物多様性戦略、大変重要だと私も受け止めております。この度の計画はラムサール登録湿地の大山上池・下池自然休養林の高舘山に近接しておりまして、多様な動植物の生態系が活用されている大変重要な場所でございます。また、環境大臣、経産大臣についてのお話もありましたけれども、山形県におきましても、平成20年3月の報告書におきまして、ラムサール湿地が近傍であり、望ましくないというような注意書きを付して風力の候補地の抽出がおこなわれております。この現在ですね、地元の説明会、住民説明会がおこなわれているところでございますので、先ず住民の合意のゆくえも注意しつつ、そして、国や県、そして専門家にも十分ご意見を頂いて、この生物多様性ということに十分配慮した取り組みを推進していく必要があると認識をしております。