小国川ダム問題 県との交渉
11月9日、今本博健京都大学名誉教授、アウトドアライター天野礼子さんとともに、県 土木部長と折衝。報道は以下。
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県と反対派 平行線
最上小国川 「穴あきダム」討論
最上小国川ダム建設問題で、反対派の「最上・小国川の真の治水を考える会」(押切喜作代表)と専門家らが8日、県と意見交換した。県が計画する「穴あきダム」案と、反対派のダムを造らない代替案について話し合ったが、議論は平行線。県は、穴あきダムによる河川計画を11月中に策定する方針だ。
県は反対派が示した代替案のデメリットとして拡幅は多くの建物の移転が必要▽放置された人工林を伐採して森林の保水力を高めても大雨による大洪水は防げない▽建物の耐水化は費用負担が大きいことなどを挙げた。
反対派の今本博健・京都大学名誉教授(河川工学)は「県は川底の掘削は湯脈を傷つけるというが、現在の技術なら可能」と主張。池田隆・土木部長は「硬い岩盤があり、影響がないように工事するのは不可能だ」と反論。
また、ダムによる温泉街への影響も議論。県が「ダムは景観資源として地元の活性化につながる」と主張すると、反対派は「ダムがある温泉に誰が行くか」と一蹴。県は「安全安心な温泉街はつくれる」と議論はかみ合わなかった。
アウトドアライターの天野礼子さんは「反対派と賛成派のそれぞれの立場の専門家が一緒に話し合うべきだ」と訴えた。
意見交換後、池田土木部長は「計画を変更する必要はないと思う。十分議論した」と話した。反対派は「改革派の斉藤弘知事は無駄なものはいらないと考える人。(脱ダム宣言した)長野県の田中康夫前知事とも振興がある知事ならわかるはず」として、近く知事にも面会を求める。
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山形新聞 最上小国川 穴あきダム案
県と反対派 平行線
県と反対派、平行線−最上小国川穴あきダム案
県と反対派、平行線−最上小国川穴あきダム案
に対してダムに代わる案の検討を求めた今本博健京都大名誉教授(左から3人目)ら=県庁
最上小国川で計画されている穴あきダム案をめぐり、見直しを求める市民団体「最上小国川の真の治水を考える会」と県との意見交換が8日、県庁で行われた。考える会側は、穴あきダム案で意見集約した最上川水系流域委員会を「十分に検討されていない」と批判し、再検討を求めたが、県は議論は十分と主張。議論は平行線をたどった。
考える会側から、淀川水系流域委員長の今本博健京都大名誉教授(河川工学)らが出席。既に提出している代替案をもとに河川拡幅や掘削、遊水地指定、間伐などを併用したダムによらない案を提唱したが、湯脈の調査技術、堆積(たいせき)土砂量のシミュレーションなど多くの点で見解の違いが目立った。
再検討を求める考える会に対し、池田隆土木部長は「議論は尽くされており、これ以上の検討は必要ない」と回答した。
今本名誉教授は「聞く耳を持たない行政の傲慢(ごうまん)さを感じた。自治体は補助金欲しさにダムを造るが、ダムが出来て栄えたまちはない」と指摘。県が今月中にも新たな河川整備計画を策定する方針のため、考える会は近く、斎藤弘知事に直接訴える場の設定を求めていくという。
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毎日新聞
最上小国川ダム問題
反対の市民団体との会合で県
最上小国川ダムの建設に反対する市民グループ(最上・小国川の真の治水を考える会」(押切喜作代表)と県は8日、県庁でダム建設の意見交換会をした。
県側は、10月28日に同会が提出した「穴開きダムによらない最上小国川の真の治水案」に回答した。河川掘削や拡幅▽赤倉温泉下流域の遊水池指定▽上流部の森林の伐採ーーーなどの提案に対し、いずれも否定的な見解を示した。
同会の今本博健京都大名誉教授は「穴あきダムの効果は温泉地区だけで、その下流域には効果はない。街づくりにも利用できる治水を検討すべきだ」と主著王した。
県側は5年、10年に1回の洪水でも被害が出る地域なので建設は急ぐ必要があり、穴あきダムは50年に1度の洪水でも耐えられるものになる」と反論し、議論は互いの立場に歩み寄りなく終わった
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土木部長は「議論をつくされた」などと主張していたが、
今般。ようやく今の時代の治水策にふさわしい本当の議論ができた感がある。
流域小委員会を4回の予定を6回やったというが、10人の構成メンバー中2回まで推進派9対、ダムに依らない治水1(漁協)、3回からはダム容認、推進派10だけでおこなわれてきた「委員会」。
最上流域委員会は「小委員会の議論」を再検討することなく承認するという「真摯な議論が感じられない」委員会だった。
部長は「風間先生が河川工学の専門家とはいっている。はいっている」と大きな声で主張したが、「ダム容認、推進の専門家」だけの構成では議論にならない。
また、最終の結論をだす流域委員会にその「専門家」は参加しなかった。
今本先生は「私だったら、この川の魅力、流域の魅力をそこなわないように慎重に考えつくす。議事録をみていて「なぜ、こうしたことが話題にならないのだろう」と疑問に思う箇所がたくさんあった。と指摘されている。
●今、タウンミーティングの「やらせ」問題が話題になっているが、この県でおこなわれている「流域委員会」は委員構成、から、「ダム推進」のアリバイづくりのためにおこなわれたものだととえられても仕方ない。
こんなことで、山形県内、唯一ダムのない天然河川のいのちが失われてはたまらない。
「小国川は山形が誇る天然資源」
真の治水をめぐる議論を求む。