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20−24日 穴あきダムは環境にやさしい?


20日、島根県益田市 益田川ダム視察。
21日移動
22日、高野山 世界遺産への取り組みなど、高野町 を訪ね、視察。取材。

穴あきダムが今、大流行の気配がある。

そして今回訪れたのが、現代型の穴あきダムとして初めて島根県益田市につくられた益田川ダムだ。このダムがモデルとなって「穴あきダムだったら魚類に影響も少ないし、アユにもほとんど影響がないだろう」これが、県の見解だった。しかし、現場にいってみたら、どうも違っていた。

以下、レポートである。

   穴あきダムの実態について 益田川ダムを視察して。
  「穴あきダムが環境にやさしい」の科学的根拠は全く不明。
      
11月20日、山形県が「穴あきダム」先進地として紹介している島根県益田川ダムを視察し、また、流域の住民、高津川漁協らに話をうかがった。
以下、要旨。
1)益田川について
▽益田川にはダムをつくる以前に漁業権がなかった。
▽益田川は、高津川流域に紡績工場(ダイワ紡績)の誘致の際に(昭和のはじめ)、漁業権を返上。紡績工場の廃液が流れる川となっている。
▽高津川漁協センター長によれば、天然アユで有名な清流 高津川の隣にある益田川に、天然アユは若干遡上するものの、高津川とは比較にならない。又、益田川のアユは、食味が悪いので、食べることはない。とのことであった。
▽ 隣接する清流高津川とは比較にならないほど、濁り清流環境とはいえない川相であった。清流最上小国川の清流環境ともほど遠い。

2) 益田川ダム現地視察をおこなう。
▽ダムの下流部、本体とエンドシルの間には水がたまるプールがあり、水が滞留していた。また、よどんでいる箇所があった。この減勢工部分には、土砂も堆積していた。担当者も土砂は貯まると説明。洪水時にはおおむね流れると説明したが、洪水がおこらない場合、土砂、泥、枯れ葉などが堆積し、ヘドロとなる可能性も容易に考え得る。
▽ダムの上流部、本体と流木止めの間にはプールができ、水が滞留。淀んでいた。こ
▽ 穴から、シルト分が流出していた。
▽ ダム上流部の川沿いには土砂が堆積してできた州がところどころにできていた。

ダム担当安部氏は、

▽ ダム担当 島根県益田県土木整備事務所 ダム建設グループ課長 安部 徹氏 は「このダムはそもそも“環境にやさしいダム”として造ったものではない。」「そのため、魚類個体数の変化、濁水の変化など、モニタリングが全くおこなわれていない。つまり環境に対する影響などについて、なんらデータがない」と言及した
▽ 益田川流域住民 によれば、益田川ダム建設中の2年間は、川全体が濁り、魚影もみえず、住民は「川が死んだ」と嘆いていたとのことだった。
▽ 益田川の上流にある笹倉ダムは、昭和41年から稼働していた「穴あきダム」だが、今般改修工事により穴をふさぎ、貯水ダムに変更する工事がおこなわれていた。穴あきダムはいつも貯水ダムに変更できる。


▲考察。
県は「環境にやさしい」穴あきダムと主張するが、その根拠はどこにあるのか。「水を貯めない」というが、ダム上下流にプールができ、水が滞留。土砂も堆積していた。実際は、最新の穴あきダムでさえ、環境に対する影響などについて、全くデータがそろっていないことが確認できた。
 今般、実際に穴からシルト分が流出しているのを確認できたが、以前、県と交渉の際に指摘した、堆積土砂からシルトが流れ続ける可能性を裏付けるものとなった。
 
▲ 穴あきダムは、全国屈指の清流環境をとどめる最上小国川の精密な生態系のバランスを崩しかねない。特にダム上下流にできるプールより、濁り水が長期間流出する可能性がある。
▲ 「いまだ、穴あきダムの自然環境に及ぼす影響を軽微と判断される科学的根拠が示されていない」

写真も含め、ご覧ください。また、映像などもhttp:/www.ogunigawa.org にupしました。