日本の洋上風力発電は岸に近すぎる!(11.30日本科学者会議まとめ)
日本の洋上風力発電は岸に近すぎる!
(日本科学者会議 2024.11.30 第25回総合学術研究集会のまとめより)
2025.1.24
山形県遊佐沖 15MW×30基 、秋田県由利本荘沖 13MW×65基が離岸距離2km〜5kmに
建設されようとしている問題について
主に
●風車騒音による健康被害
●国際的に保護されている渡り鳥への影響
●オーフス条約(日本は批准してませんが)の意図に反するの法定協議会
という問題 が存在する。
5分でこの問題をまとめたものです。
この問題については、昨年11月30日、日本科学者会議 の総合学術研究発表集会で
風車騒音の研究者、野鳥の研究者とともに3時間のセッションをおこない、問題が
科学的に明らかな根拠を持って明らかになりました。
こちらは33分で概要をまとめた編集映像です。
全体はこちらになります。
この案件については国会質問として、参議院厚生労働委員会で2023年6月、参議院環境委員会で2024年6月4日 立憲民主党 川田龍平議員に質問いただいておりました。私は質問づくりに参画しました。
これまでの2質問で得られた成果は
参議院環境委員会2024にて
「海外で10MW以上の洋上風力発電で離岸距離10km以内に稼働している実態はない」
という環境省見解です。
動画
問題として、
●風車騒音の規制値について
風車先進諸国をはじめほぼ世界で41dB 38.5dBなど、風車騒音の上限規制値を定めているが、日本の規制値は
指針として「残留騒音+5dB」のみで上限がない。
この問題については、日本国内で1000人規模の疫学調査で41dBで不眠症リスクが5倍になる
と結論した疫学研究結果がある(元 国立環境研 影山隆之氏)がその論文が無視されている。
●陸上風車をはじめ、巨大化する洋上風車に対する騒音規制値を定める必要がある。
●洋上風力発電について
現行の促進区域、の離岸距離2km〜5kmは、世界に事例がない非常識であること。
●風車騒音問題では、遊佐の案件で250名の不眠症リスク。由利本荘の計画で1000名の不眠症リスクのシミュレーションが発表されている。(北海道大学 田鎖研究室)
●国際的に保護されている天然記念物 マガン、シジュウカラガン、オオヒシクイ を初め、コハクチョウなど日本海沿岸の渡り鳥の渡りルートと建設予定区域は合致しており、バードストライク、生息地の変更などが生じるおそれがある。
ラムサール条約指定湿地である。鶴岡市 上池下池、新潟市 佐潟 などに影響をあたえかねない。
●計画の策定の手続き、プロセスについて、法定協議会に参加できているのは、立地自治体の首長と漁業者のみであり、風車騒音の研究者も鳥類の研究者も席についていない。
国際的に批准されている「オーフス条約」に完全に違反している実態がある。
以上のような問題があります。
政策変革のポイントとしては、
●風車騒音の上限規制値を定めること。
●洋上風車の着床型の風車の促進区域を少なくとも10km沖以上岸から離すこと。
(浮体式にする必要がある)
●法定協議会を、環境NGO,風車騒音、鳥類の研究者も参画させるオーフス条約に批准したものにすること。
●EEZまでの洋上風力発電については、オーフス条約に批准したあらゆるステークホルダーが参画した上でのMSP(海洋空間計画)の策定が必須であること。
【関連記事】
朝日新聞 札幌支局 2024.11.1
●洋上風力は日本を救うのか、壊すのか。「情報屋台」 高成田 享 さん
●note(筆者)2024。6.2日本の巨大風力発電計画は、岸に近すぎる! これは持続可能な開発ではない。