3月議会。19年度予算に反対討論
3月議会が昨日で終了。19年度予算、また条例案に対して反対討論をおこなった。
また、市長は、4月1日から、2名の副市長を発表。
一人は元総務部長の佐藤智氏、もう一人は元温海町長の佐藤清明氏。
私は、以前の行政顧問同様の矛盾として、副市長2人制にまず反対。
そして、人口減少時代の過疎対策への対応を理由としての副市長任命に理解できないと反対。
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3月議会19年度予算について
反対の立場で討論をおこないます。
● 「美しい国 日本」をかかげた、安倍政権が発足し、年末には強行採決で教育基本法が改正され、年明けにはこれも議論不十分なまま、防衛庁が防衛省になりました。今、憲法を改正しようという動きがどんどん高まっております。国会は農水省大臣の事務所費の問題、「ナントカ還元水」とかと答弁をはぐらかす姿勢など、美しさというよりも最近は特に醜さが際だっていると感じるのは私だけではないでしょう。
小泉政権で突入した米国の新自由主義路線を追随する安倍政権は、更に格差社会を助長するものになっております。また環境を破壊する無駄な大規模公共事業もまだまだ多く残り、脱脱ダムなどと再びモラルハザードを想起させる利権政治が国政、県政の現場で見られることはゆゆしきことであります。
新自由主義路線のあおりをうけ、19年度は「戦後農政の大転換」として品目横断的経営安定対策によって、多くの中小・家族農家が切り捨てられ、地域農業の衰退が危惧されております。
このような状況の中、当市は、合併後1年半を迎えました。
19年度予算は、19億円もの財源不足を基金をとりくづして組まれたものであります。
今般、当局は19年度予算見込みで実質公債比比率18.2%になることを明らかにしました。また、一般質問の中で、当局は、特別会計や第三セクターを含める市がかかえる借金総額を17年実績値で1795億円、また、18年度末では1755億円の借金となることを明らかにしました。
これは鶴岡市民一人あたり、約122万8千円の借金を抱えているということであります。そして、指摘したとおり基金の減少にともない、ここ数年で赤字転落の危機さえあるのであります。
こうした厳しい時に何を抑制し、何に重点投資するか、又、その方向性が住民の声に答えるものになっているかは大きな課題であります。
主な点を挙げていきたいと思います。
第一に、財政運営上の疑問であります。
▼私は、一般質問の際にこの見通しを示せと問いましたが、当局は5年間の見通しも一切示さず、そうした見通しをつくったとしても内部的な資料にするとの見解を述べたのであります。私はこうした姿勢がまず納得いきません。
これは、昨年6月の夕張市破綻の徹をふまぬようにと、今後5年間の見通しを示し「財政危機宣言」をおこなった静岡県熱海市などとは、まるで正反対の姿勢であります。
熱海市では、こうした宣言をしつつ、今後の厳しい状況をきちんと住民に示すことで市民と行政との意識の共有化を図り、財政再建のための具体的な施策を官民が一体となって議論する場として財政改革会議が設置されております。
「厳しい」「厳しい」といっても財政状況や見通しを行政内部だけでしかその情報をもたなければ、住民もそして、議会も、十分なチェックができません。
市長は、「人口増加、右肩あがりの時代だったら、こうした情報は示せるが、人口減少、右肩下がりの時代に示すのはむづかしい」と答弁しておりましたが、これは全く逆であって、難しいからこそ、また厳しいからこそ、最悪の状況を回避するために、見通しを示して、住民や議会のチェックをいれながら進んでいくべきなのだと思います。
当局の「都合の悪い、格好の悪い値は示さぬかのような隠蔽体質は、自治体破綻の要因になりかねないし、早々に今後5年間の財政見通しは公開していただくことを強く求めるものです。
●次に今年度予算でも3億1千5百万円の補助金の投入と、重点施策である。慶応大学先端研についてですが、
「土地建物だけでなく、研究者の人件費、慶応に所属する先生方の人件費や慶応の高校生の実験費用まで、何十億円も、いづまでも、なんで市税から出し続けなばなんねな? という市民の声はこの研究所への支援の実態を知るにつけ、増大するばかりであります。
この事業の問題点について、本日は6点あげたいと思います。
▼ この問題の第一は、これまで市民に行政が説明責任 をはたしてこなかったことであります。特に第一期の5年間。25億円もの投資事業について、十分な評価や市民への説明がおこなわれておりません。多くの市民の理解が得られないまま、投資事業が継続されているということであります。
▼ 第二には、私企業に準ずる団体に市税が投入されているにもかからずその経済効果や市税への還元などの見通しなどが全く示されていないこと。であります。今般質問にも、税収での還元などについて示せないの一点張りであります。
公共事業である限り、先の見えない事業であれば、あるほど、また、こうした巨額な投資が必要なバイオベンチャー育成のような、投資リスクが高ければ高いほど、税金をお支払いになっている市民に、いつまでにどう還元できるのか。市長や当局には、しっかりと市民に示して説明をする義務があります。
こうした事ができないのならば、公共事業としてふさわしくない事業であるといわざるをえません。
なお、付け加えますが、当局が経済効果の根拠としている産業連関による経済効果の値ですが、こうした値は、これまでも巨大公共事業の現場でいいわけに使われてきましたが、いわば、いくらでも都合良く操作できる値で、信憑性にとぼしいものといわざるをえません。
特に、この研究所の場合、研究のために購入する一台数千万円もの機器や消耗品などはほぼ米国製などの外国製であり、地元消費ではありません。また一時的な滞在の中で地域経済にどれだけ貢献しているかは疑問であります。
いまどき、こうした値でごまかすのはやめていただきたいと思います。
▼ 第三に、この事業プロセスの不透明さです。この事業の展開については、役所の中でも担当者の数名しかわからないような状況なのではないですか。特に、バイオに特化した地域戦略構想の根拠といえる「バイオ戦略懇談会」の情報についても、「議事録をとっていない ので議事録が公開できない」という姿勢がつらぬかれており、その不透明性、隠蔽体質は大きく問題であります。
▼第4にこの補助金の運用への疑問です。
平成18年度から県と市で7億円の補助金が拠出されているわけですが、それ以前に積み上げた基金35億円からの運用益1億4千万円とあわせると年間8億4千万円、市税、県税から運用していることになります。
まず、この補助金額の妥当性であります。今回もこの金額が妥当だと示す根拠について尋ねましたが、全く答えになっていません。目安があるのか、ないのかも解らずじまいであります。目安が示されなくて、どうやってチェックしろというのでしょうか。
また、当局は、委員会の中で、当局は国などからの研究費は減少の方向にあるため、市県からの補助金の割合が多くなっていると一言いわれましたが、国際的、国家的に評価される研究プロジェクトならば、逆なのではないかとすらいいたくなります。
また、補助金の支出についてですが、研究所全体の運営費の中で公費の割合がどのくらいを占めるのか、さえも提示しない姿勢は理解できません。
また、慶応大学へ所属する教授、助教授についての人件費がこの補助金から支払われる根拠が理解できません。
また、慶応の高校生や予備校生の実習をするバイオキャンプなどを市の補助金で支払う姿勢はこれもまた理解に苦しみます。
▼5点目としては、この研究所での取り組みが、地域の資源にほとんど結びつく技術とは言い難い点であります。例えば農業への応用ということで遺伝子組み換え作物に応用し、開放系で栽培などをおこなうことはこの地域ではリスクが高すぎます。バイオマスの分野では一部に研究があるようですが、いずれにしても遺伝子組み換え微生物による研究であり、プラントをつくるにはこれもまたリスクがあります。
● さらに6点目として、こうした年間3億円という支出を住民サービスと全く関係のない事業に投資出来るほど、市には余裕があるのかという疑念をいだかざるをえません。特に今後2、3年間は、財源不足が予測される上、基金もほとんど底をつくことが想定される状況であり、非常に厳しい財政事情と考えます。行政職員の数を削りながら、住民の直接のサービスを削りながらも、この研究所の補助金を死守する姿勢には私は、理解できないのであります。
とにかく、質問の際にも指摘をいたしましたが、
現在この事業に対して、十分な市民の理解は得られていないものと強く感じます。今のままでは公共施策として成立していない状況と判断します。
従来ベンチャー企業は、民間投資によって育まれるものでありますから、自治体の補助金で育む時期はこれまでの5年間で十分なのではないでしょうか。
当面こうした研究所補助金について当面の凍結する。また、融資に切り替える。などの措置を強く望むものであります。
次に
産業関連でありますが、まず、この地域の基幹産業としての農業政策についてですが、
平成19年度から、「戦後農政の大転換」として品目横断的経営安定対策、がスタートしますが、認定農業者の現状は、全体の3割、1653世帯。そのうち39才までの経営体はわずか5.2%であります。また、集落営農の実態は19年度6経営体たちあがるということでありますが、集落内の話し合いでなかなかまとまらないという声を多く聞いていますし、実際集落営農の方式は、更に農村を崩壊させるのではないかとの声もうかがっております。
こうした大転換の中で、
小規模、家族経営でも希望をもって元気に農家を維持できる。そうしたセーフティネットをいかに構築するかという視点での施策を当局にうかがいましたが、 国の指針への誘導策は多々みられるものの、セーフティネットと思える施策がほとんど見られず、大きな課題と感じました。
農業を営む人と消費者との顔と顔の見える関係を育む、産直や朝市などへの取り組みは、重要視すべき課題と思いますが、予算の充実がみられぬばかりか、支援金を減少させているところがみられ、疑問です。
また、有機農業施策についてや、特別栽培米への取り組みについて、本所支所間の横断的な施策目標の設定や、施策のばらつきがいろいろ観られました。
合併して1年半たとうとしているのに基本的な指針の共有さえ、できていないような感じをうけましたがこれは問題といわざるをえません。
● 次に観光についてですが、温泉地の誘客を増加させるという19年度の指針は理解できますが、新市の地域連携をした積極的な広報作戦や施策がまだまだとぼしいと感じました。ポスターなどでの連携などをもっと考慮すべきではないでしょうか。
また、修学旅行の農業体験についての問いに、当局は「多ければいいというもんじゃない」と答えましたが、こうした姿勢が、私は今の当市の観光施策を停滞させているのだと考えます。
農業体験は大きな観光資源としてとらえ、仙台圏をはじめとする学校への広報作戦、また、地元農家への受け入れ体制、グリーンツーリズムへの理解の普及がはかられるべきです。
また、山形大学の研究により40種類モノ在来作物が確認されたそうですけれども農業資源と観光を結びつけた取り組みなどを戦略的に取り組む必要があると考えます。
また、観光は、総合的な施策だと考えますが、行政と観光連盟、各地域の観光協会の連携の他に、各地域に暮らす市民との連携が不十分のように思えます。
こうした垣根をとりはらい、また、地域のまちづくり団体を育むなどの姿勢が様々な自治体でとりくまれているようですが、そうした取り組みはまだまだ不十分と考えます。。
●また、このところ利用者数の落ち込みの激しいスキー場についでありますが、冬祭りなど広報面での連携が不十分であると考えますし、この打開策として、市内の全小中学校でのスキー体験などを復活させるなど、庁内連携で一考を願うものです。
▼ 駅前再開発事業ですが、第三セクターとしては県内で最大規模の約15億円の負債を抱えた破綻ということでありますが、この失敗の検証を十分におこなうとともに、今後の方策として、「住民参加」を徹底してジャスコ撤退跡地を含め、活用策について検討していきただきたいと思います。
福祉についてですが、
「こころの健康づくり事業」が計上されておりますが、この分野について、全国トップクラスの自殺率にしては、後進的な立場にあると思います。自殺防止対策については、単にうつ病の対策だけ