年金問題について討論。
消えた年金記録の真の救済策を求める 意見書について 鶴岡市議会 6月本会議最終日26日の討論です。
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賛成の立場で討論いたします。
消えた年金記録の問題ですが、そもそも、「厚生年金、加入していたのに払っていないことになっている。払ったはずなのに、「未納」の扱いとなっている。そして、社会保険庁に行くと、証拠がないので認められないといわれ、自分で方々を探しまくらなくては成らない。また、そうした被害に気がついていない。少ない受給額のまま気づかずに亡くなっていった方もいる。」
そうした国民の疑問の声に答えて、民主党 長妻昭議員を中心として、1年以上前から調査がおこなわれ、宙に浮いた年金記録に関して、昨年の6月16日の国会、厚生労働委員会で追求がおこなわれました。その質問を皮切りに、おこなわれきた再三にわたる実態解明と政府への問題解決の要請によって、ようやく5000万件の数字が明らかになったのだと認識しております。
民主党では、この間、1年をかけて調査をした結果に基づいて、5月7日に衆議院に「消えた年金記録被害者救済法」を提出したのですが、私は、今の政府案よりもはるかに優れた法案であり、方策と思いましたが、委員会では、そうした法案はほとんど議論せず、与党が一日でつくった議員立法をたった半日の議論で強行採決しております。
5月31日、この案件を元に、厚生労働大臣向けて不信任決議案がだされておりますが、ここで長妻議員が論じた事が、ほぼ「消えた年金問題」の実態であると考えますので、これは、。14頁もありますから詳しくはぜひ記録でお読みいただきたいと思います。
消えた年金記録とは、4つのケースがあると指摘されております。
1) 物理的に社会保険庁、市区町村の記録が一切消えている。これは完全に記録が消えているもので、社保庁もに認めているが、これは5千万件には含まれていない。昨年の8月からことしの3月まで、社会保険庁に問い合わせされた方の2百万人の内2万人が証拠がないと門前払いされている。全体の1%とすればかなりの数であります。
2) 5千万件の内、データが欠落していてどうやっても本人と結びつかない。つまり本人が主張しても統合できないもの。実際、生年月日が30万件欠落をしておるということであります。
3) 統合漏れとして、本人が記録漏れを指摘して、漏れた記録の詳細を思い出せば統合できる可能性があるもの。
4) コンピュータには記録が全くない、あるいは、記録が不完全で検索がきない。しかし手書きの台帳には納付記録があった。というケース。
があると指摘していますが、政府は、こうした内訳さえも明らかにしておりません。
政府与党は、柳沢厚生大臣の下、現在も、コンピュータへの入力漏れ件数、などを隠し続けています。
また、年金の受給の申請を忘れている方、その申請忘れによる総額の金額というのはいくらなのか。もあきらかになっていません。
要するに、現状の政府の姿勢は、潜在的被害者を救済するための抜本解決から逃げている。いまだ、5千万件という数字が明らかになっただけで、本質的な実態解明もなされていない。ということであります。
また、与党が法案を提出した時効5年の撤廃は至極当たり前であるが「被害者と気づかない方、や被害者と認められない方々の対策をどうするのか。」その対策は盛り込まれていないのではないのかという事。
「今回の消えた年金記録に対する政府の対応は、実態や責任は明らかにせず、一部の解決策を出して、それですべてが解決するかのように見せかけて、ふたをするという手法です。でいつものやり口といわざるを得ない」と長妻議員は指摘をしております。
消えた年金被害者補償法、に示されている対策としては、
まずコンピュータのデータを訂正した上で、受給者、すべての被保険者に納付履歴を送って、緊急チェックをいただく。ということが必要だ。ということであり、これは、ようやく22日にこうした方策をとることを社保庁が認めたようであります。
また、大切なのは、立証責任として、第三者機関にゆだねる前に、被害者がどのような状況なのか。実態解明と公表がまず重要であるということ。納付の立証責任を加入者だけに求めるだけでなく、政府にも責任を負わせる。政府は基本的に加入者の証言を尊重して認定作業に努める という基本姿勢がなければ今と一緒だということであります。
それ以降、この請願を提出後も状況は変化を続けております。
この問題については、先般安倍首相は6月22日、5000万件の「宙に浮いた年金記録」について、「昨年の暮れから今年の初めにかけて、そうした問題があると知った」と語り、約半年前には未統合記録の問題を認識していたことを明らかにしましたが。
首相は2月の衆院予算委員会で、加入・受給者に納付記録を送付して点検を促すよう迫られると「年金そのものに対する不安をあおる危険性がある。従来から個別にご本人に年金の加入履歴を確認していただいている」と答弁。5月8日の衆院本会議でも「基本的な問題は解決している」と答え、政府として対策を示すことはありませんでした。
このことは、知っていたにもかかわらず、官僚と一緒になって隠していた、隠蔽(いんぺい)工作をしていたということだ」と強く批判されておりますが、私も同感です。
6/22、社保庁があきらかにし、新聞報道されましたが、年金記録に関して、新たな2つの問題点が判明しました。一つは社保庁による資料改ざんであり、もう一つは違法に廃棄てられた年金記録が83万件あるということです。
これにより、自公が主張する「消えた記録は無い」も、安倍首相の言う「一人残らず年金記録を統合する」も全く根拠を失ったことになるのではないでしょうか。
また、社保庁は資料隠蔽のみならず改ざんの動きをしていることが判明した以上、自公が強行採決しようとしている6分割民営化は疑惑隠しの疑いが深まった。との論評もあります。
一体どうなっているんでしょうか。と思いたいわけでありますが、国民の怒りは、更に増幅している状況であり、まずは、徹底的な実態解明が必要であると思います。
本意見書の趣旨は、こうした、年金問題の本質的な解決策を求めるものであり、妥当なものと考えます。
私は、こうした時期、市民の声に応え、こうした意見書をあげることは至 極当然であり、意義を強く感じるものであります。
以上、賛成の討論といたします。
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