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スウェーデン・フォーラム。感謝。


7/26 山形、河北町出身、スウェーデン ストックホルム郊外に在住の矢作ルンドベリ智恵子さん、酒田市在住湯の太陽建築研究所の井山武司さんをお招きし、「持続可能なまちづくり」についてフォーラムをおこないました。お越し頂いた皆さん、ありがとうございました。
 3時間を超える集いになりましたが、ご参加いただいた方々の貴重な発言もあり、大変有意義なものになりました。ご協力頂いた皆様、ありがとうございました。
 本編の模様については、今後映像でアップデートしていきたいと思っておりますので、皆さん、お楽しみに。
 いずれにしても、Co2削減を京都議定書が議決された会議の時の1997年以降、ほぼこの10年で8.7%削減を果たし、なおかつ44%経済成長しているのが、スウェーデンという国です。僕はこのことを今般行った視察の中でスウェーデン環境省の温暖化対策担当から聞いて、まずびっくりしました。なぜ、そんなことができているのか。
 矢作さんも指摘されていましたが、社会システムを完全に切り替えているということが大きいのだということです。それをやり遂げている政治に、僕は学ばなければならないと強く感じました。
 矢作さんは、ひとつ、いい事例を紹介してくれました。ストックホルムでおこなわれている渋滞税のことです。ストックホルム郊外から市内に車で入っていくときに、日本でいうと、オービスのような装置が設置されていて、自動的に課金されるしくみです。
 この制度が住民に提案された時、ただでも、消費税は25%と高いスウェーデンで、また更に課金されるしくみというのは、、、。ということでストックホルム郊外に住んでいる住民から特に、大変な疑問が投げかけられて、反対運動もおこり、最終的に市民の住民投票で決定されたということをうかがいました。
 その際、行政側は、実際に試験期間を設け、数ヶ月テストをしてみたそうです。そしてその間にどれだけ渋滞が減るか、また、Co2 がどれだけ削減されたかを住民に提示したのだそうです。また、全体的な増税と受け取られないためにも、公共交通の値段を下げたり、また、エタノールカーや、バイオガスカー、ハイブリッドカーなどのエコカーであれば、課金されない。また、駐車料金も無料になる。などのシステムを提示したのだとうかがいました、結果としては住民に納得をしていただき、住民投票では賛成多数を得ることが出来、制度導入ということになったそうです。
 制度をよりよく変えていくために、政治や行政が何をどうするか。明快な道筋を示していただいたように思います。
 現地でスウェーデンの行政マンや国際会議でいくつかのスウェーデン自治体の市長とお話する機会がありましたが、皆、なにか希望をもって次の社会をつくりだしている。と言う感じがすごくしました。
 真の民主主義というのは、ナチュラルステップのシステム条件の4。「人々の基本的なニーズを妨げるような状況を妨げる状況をつくりだしていはならない」ということを叶えるための必要条件です。これがやっぱり日本の場合はあやしい。
 「大事な決定が、議会でも解決できないようにこじれてしまったら、住民投票でみんなで決める。」これが当たり前のようにスウェーデンの社会ではおこなわれていました。
 日本の場合はどうでしょうか。僕らが仕掛けた1万4千名もの直接請求署名による「広域水道受水の是非を問う住民投票」(2000.10月)の時、議会の議場で、反対され、住民投票すら行うことができなかった無念を思いだし、日本の制度のおかしさを改めて感じてしまいました。
 住民の納得と信頼の上で、住民のために、また将来世代のために制度やシステムをよりよく変える。これが政治だと私も信じています。
 その本質を僕はスウェーデン社会で見た気がしています。

今般初開催のSekom(スウェーデンエコ自治体)主催の国際会議では9カ国から自治体の首長、議員、行政関係者、コンサルタントなどが集っていました。皆、スウェーデン社会でおこなわれている持続可能な社会の方策を学びに来ていました。
 地方分権、自然享受権、そして持続可能な社会を定義する、科学的な分析から成るナチュラルステップの4つのシステム条件。こうしたものを基本的なベースに組み立てられた持続可能な自治体として、僕はこの鶴岡をとらえなおしてみたいと考えています。

今後も更にスウェーデンの自治体関係者や、スウェーデンに本部がある、ナチュラルステップのメンバーと交流しながら、報告会、学習会をどんどんやっていきますので、皆様よろしくお願いします。