一般質問2、地下水政策について
水道水源について
水道水源が、地下水100%から月山ダムの水に切り替わってもうじき7年になります。 旧鶴岡市で昭和8年に当時最高の技術で地下水をくみ上げる井戸を集約して水道施設をつくり、それ以降地下水100%の水道水を供給してきた赤川に隣接する水源地の界隈には、浅井戸の他、28本の深井戸がありました。2001年、10月の月山ダムへの水源切り替えから、市は、我々の制止の声を無視したまま、次々と21本の井戸を埋め戻したため、現在は7本の井戸を残すのみではありますが、その井戸でダム水へのブレンド、災害時の緊急水源、又、地下水販売所のための計1万トンを確保し、現在も使用されております。
最近になって、赤川沿いの水源地周辺、斎藤川原、砂利採取がおこなわれております。以前は砂利採取は水源地隣接地では自主規制のようなかたちで、おこなっていなかったわけですし、現在も災害時用の水源の隣接地であります。砂利採取は農業委員会が設置する砂利採取協議会で決定されると聞いていますが、その中で水道水源への影響についての判断は水道部が意見を述べていると伺っています。水道部は、何を判断規準として砂利採取を許可されているのか。うかがいます。
● 水道部長
はじめに地下水政策についてですが
議員、お尋ねの趣旨は、現在、鶴岡水源周辺で砂利採取がおこなわれていることから、地下水への影響を懸念してのものと思いますので、そうした観点からお応えをさせていただきます。
平成13年、10月20日、県、広域水道用水受水までの本市水道事業の主な水源は、伊勢横内地区を中心とした周辺域の地下水で、その取水は、市有地の他に民有用地の一部をお借りしておこなっておりましたが、農地に設置された井戸が農作業の際、じゃまになるなどの理由から早期撤去を求められ、また、水源保護のため、周辺農家の方々から協力をいただき、自主規制とする、田所改良のための砂利採取についても、農業機械の大型化にともない、耕版の浅い水田などでは、ロータリー歯の破損や、摩耗が多いことから、早期改良が求められていたのであります。しかし、早くに計画されていました、広域水道用水の共用が遅れましたことから、当初、水源周辺農家の方々と約束しておりました、借地の早期返還、田所改良のための自主規制の早期対処についても遅れていたのが実情であります。
そうこうしている平成13年、10月20日、ようやく念願でありました、広域水道用水からの受水が実現し、安定した水量と、水質が確保されましたことから、平成14年には、砂利採取の自主規制を解除し、同年12月には借地井戸の撤去と、借地変換をおこなったところでございます。こうした成果を踏まえて、自主規制解除後、これまで鶴岡水源周辺におきましては、何件かの砂利採取がおこなわれておりますが、以前、水道部が依頼しました、鶴岡水源拡張計画の調査報告によりますと、地下水は地下何層かの水脈によって構成され、その間にはこれまた何層かにわたる不透水層、これは、水を通さない、もしくは、通しにくい粘土、シルト、岩盤の層でありますが、存在しているとされています。こうした中、鶴岡水源で最も上層に存在する不透水層、いわゆる第一不透水槽でありますが、これが下層の方にいきますと、第二、第三、第四、第五とゆう不透水槽でありますが、この第一不透水槽は、おおむね、10メートルを超える深さに存在しているとの報告がされておりますので、これを元に、水道部といたしましては、本市、砂利対策協議会の場において、砂利採取の深さを第一不透水槽にいたらない、10メートル以内にとどめていただくよう、お願いしているところであります。
なお、水道部では、鶴岡水源の水質と水位について、水道法にもとずき、定期検査と観測を現在も続けて行っておりますが、砂利採取前と、その後とは、変化がないことは、確認しておりますので、砂利採取の影響はないものと考えております。
▽
▽ まず地下水資源についてですけれども実際に今、掘削されている場所は深度が10メートルであります。
で、この場所で隣接する水源にある井戸のストレーナ(つまり穴ですが)の位置は深さ11メートルからとか、12メートルでありまして、これが干渉しないという根拠はどこにもありません。
それから、昭和55年に発表された柴崎レポートによれば、この地域は水源地今、7本ですけれどもこの井戸に向かう地下水のこの第一帯水層の水の流れで計算するとですね、上流部からはいってくる。まさに、今、掘っているところからはいってくる水をこの図は示しております。それから、赤川から来るものだけではないということもこの図は示していると思います。
このレポートには、砂利採取時の地下水の汚濁および、埋め戻しに使用した土砂の性質によっては、地下水を汚染する可能性が十分ある。現に、神奈川県、座間市の水道水源井戸では、周辺の砂利採取後の埋め立て土の影響で、水源に、鉄、マンガンが多量に含まれるようになり、水質処理に高額の費用を投ずるようになった事例がある。
水源地上流部の砂利採取は好ましいものではなく、規制が必要だ。と当時からご指摘いただいております。
このレポートで述べられている事を勘案しても、現在の水道部の判断は非科学的で乱暴なものであると私は思います。
この水源地で採取できる地下水は、鶴岡市内、赤川扇状地で最も良質な水源であります。対岸の企業がこの水をそのままボトルにつめて、ボトルドウォーターとして全国販売しておりますし、外内島にある今や全国的な人気店であるレストランもこの水源と同様の地下水あってこそ、食の都鶴岡にふさわしい料理ができるのであります。
更にこの水源は一部をとっても25万トンの持続性補給量があると推定された水源です。今、良質で大量の地下水が採取できる、この地域の貴重な地下水資源を失いかねない、行為がおこなわれはじめていると私は思います。
私は、この地下水資源こそ、先人から受け継いだ、市民の暮らしを支え、産業を支える、まさに、今後の持続可能なまちづくりに貢献する、この地域ならでは大切な資源であると考えます。
そこで、提案をしますが、
予防原則にもとづいて、水源地から、特に上流部、隣接地数キロの周辺での砂利採取は規制する。
また、掘削深度を、現状10メートルのところを地下水に影響を及ぼさない範囲。3メートル以内にするなど、そうした規制が必要と思いますがいかがですか。
▽ また、こ の地下水については、今般策定されている総合計画の上でも、とりあげられておりますけれども、
「環境被害を未然に防止する」としておきながら、今、現状は、環境破壊になりかねない現状ををかかえているということです。
現状ではこの地下水の持続可能な利活用について、この地下水源について長年調査をおこなってきた学識者も伴わず、地下水盆の継続的な調査もしないで、時には今般の水道部のような非科学的な判断が下されている現状と思います。
下流域と上流域が連携をして、地下水の涵養や保全につとめ、時には「農を守って水を守る」として農業者が地下水の涵養に努める。こうした熊本市をはじめとする地下水政策が進んだ地域と比べると、全く管理されていない。実に恥ずかしい状態であります。次の世代にこの地域の優秀な資源を手渡すためにも水文学者、又、地下水の水収支の研究者などをいれ、実際の調査も含めながら、この地域の、総合的な本質的な、地下水管理をすることはまさに次世代に対する我々の責務であり、急務であると思いますが、いかがですか。これをお尋ねします。
● 砂利採取の影響はないということでお話したわけですが、なお、議員は採取を規制する必要があるのではないか。深さは3メートル以内にすべきではないかということでありますが、まず根本的に、この砂利採取を規制する。現在の法律では規定されておりません。あくまでも自主規制ということで、水道部はお願いをしてきたという経過がございます。あともうひとつ。埋め戻し材の関係でございますが、これについては砂利採取法の中でその埋め戻しをする際には、赤土、岩土で地下水の影響がない条件が付されていることをご理解をお願いしたいと思います。