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生態系サービス 月尾先生の講義


きょうは環境関連の打ち合わせや講座が午前中から、、夜鶴岡にもどってきておぼ1年ぶりの出羽修験塾、月尾嘉男先生の講義を聞いた。
 
  先生のお話は多岐に渡ったが、特に生態系サービスのところは、昨今の僕の関心ごとでもあり、ずいぶんと興味深く聞き入った。終わってからその算出方法は?と先生に伺いにもいった。
  生態系がありのままに維持されていることの価値ということについて、特に日本ではあまりにも「無料」と価値付けがされてこなかった。健全な水域、健全な森林、土壌。そうしたものがいかに私たちに幸せをもたらせてくれているか。ということについて、ほとんどの人々が関心を示さなかったし、政治的にも、それよりも開発のコストによる利権に重きがおかれていた。でもようやく、森林の価値、水田の価値が評価されはじめてきた。

月尾先生のお話では、日本の森林がもつ価値、70兆円。そして水田の価値、8兆2千億円。
10億円で釧路川の湿原でまっすぐになっていた川を、曲がった自然の川にする自然再生工事 10億円。
さらにアメリカでは、8000億円もかけて、エバグレース国立公園を再生しようとする試みがおこなわれている。ということ。

 生物多様性年の今年、改めて、この数十年で、日本という国が、そもそも持っていた生態系サービスをどれだけ失ってきたのか。しっかりと把握すべきだ。そして、その反省を元に、デビッドブラウアが唱える
CPR(conservation, preservation, and restoration )をいかにおこなっていくのか。持続可能な社会への転換をいかに果たしていくのか。考えるときなのだと改めて思うのだ。
 wikiによれば、現在この生態系サービスを経済的に評価する手法は以下。

代替法
そのサービスを人工システムと置換することができる場合の費用。例:キャッツキル水系の水浄化プラント建設費用[13]
トラベルコスト法
そのサービスを利用するために必要になる移動の費用。例:バードウォッチングやエコツーリズムの移動費用
ヘドニック法
そのサービスに関連して、土地・賃金など特定の商品に反映される付加価値。
仮想評価法(CVM・仮想市場法)
人々が付加価値を感じるかもしれないオプションの価値。通常、そのサービスにいくら支払うかをアンケートなどで調査し、価格を決定する。
Avoided Cost
そのサービスがない場合に必要となる経費として見積もる。例:廃棄物が分解されない場合に必要となる健康対策費
Factor Income
そのサービスが、収入の増加に関連する場合、その金額。例:漁場の水質改善は、漁師の収入増加につながる

どれも何か賛否両論あり、まだまだ確立していないような声も聞く。実際に日本の政策に反映されているという話はほとんど聞かない。
   もう、「もったいない」ことをしないために。また、生態系サービスに直に結びつく1次産業を環境の面からも光を当て持続可能なものにするために、こうした評価が今、強く求められていると考える。

こうした生態系サービスの、経済評価の良策、今のトレンドを知ってらっしゃる方はぜひ教えていただきたいと思うのだ。