ダムが日本を滅ぼすー今本博健 先生の記事
朝日新聞、大阪版で、5年ほど前から大変お世話になっている、今本博健先生の著書「ダムが日本を滅ぼす」についての記事が掲載されました。
http://mytown.asahi.com/osaka/news.php?k_id=28000001010010001
ムダなダム 一刀両断
2010年10月01日
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著書「ダムが国を滅ぼす」と今本博健さん=大阪市北区
国の諮問機関・淀川水系流域委員会の元委員長で、ダム計画を「ダム偏重」として批判している今本博健(ひろたけ)・京大名誉教授(72)=京都市左京区=が、全国のダム問題について記した初の著書「ダムが国を滅ぼす」(扶桑社)を出版した。「週刊SPA!ダム取材班」との共著となる。
今本さんは専門の河川工学の見地からダム問題に取り組んでおり、大阪府の槙尾川ダムの有識者会議では委員を務める。ここ数年は全国のダムの予定地を回った。「いかに世の中にいらんダムがたくさんあるのか、と思った」。治水の専門家として一つも必要だと思えるダムがなかったという。
ダム建設に反対する住民とも交流し、住民側の変化を感じた。「昔のダム反対団体と言えば、環境偏重か政党絡みばかり。ここ最近は普通のおばさんらが参加している。すそ野が広がった」。淀川水系ダムや八ツ場ダム(群馬県)問題などで一般住民の意識が高まってきたタイミングで、著書の出版を決めたという。
今本さんは著書で「いかなる洪水に対しても住民の生命と財産を守る」という治水の使命を強調する。一定の範囲内で起きた一定限度の洪水を封じ込めるダムに重点を置いても、予想外の洪水が起きたり堤防が切れたりしたら、壊滅的な被害を受ける、としたうえで、「ダムによって真に水害の発生を防止し得た例は皆無と言っていいほど少なく、逆に、ダムがありながら壊滅的な被害になった例は枚挙にいとまがない」と指摘し、堤防補強と避難対策を最優先にすべきだと記した。
2章以降は、全国的な注目を集める八ツ場ダムや予定を上回るスピードで土砂がたまっている二風谷ダム(北海道)の現状を紹介。大阪府が計画する安威川、槙尾川の2ダムや、淀川水系の川上ダム(三重県)、民主党のダム政策についても手厚く取り上げており、末尾には全国で計画中のダム事業の一覧データも盛り込んだ。
京大防災研究所長も務めた今本さんには、国や地方自治体でダム事業を担当している教え子も多い。「人の命を守るには、ダムより先にやるべきことが多すぎる。ぜひ、ダムにこだわる国や都道府県の河川管理者にこそ読んでほしい」と話している。四六判、327ページ。1400円(税抜き)。
ーーーーーーーーーーーーー以上引用。
この本は、まさにダム問題の真実が描かれていると私は思います。
今本先生には、これまで5回ほど山形にいらしていただき、穴あきダムの問題点などについて、非常に丁寧に説明をしてくださっています。
2008年の緊急フォーラムの際の動画。
http://homepage.mac.com/stern8/iMovieTheater48.html
また、この本の中には、最上小国川ダムの問題についてもとりあげていただいており、僕も情報提供をおこないました。
今本先生は
穴あきダムは環境にやさしい などということは欺瞞にすぎない。穴あきダムを口実に建設を強行することは、「歴史的愚行」にほかならない。と説いています。
ぜひ、県の関係者。自然と清流が大好きなみなさん。また、地元の土木建設業関係者の皆さんにもぜひお読みいただきたいと思っています。これまで旧来のまさに政治主導で作られ続けてきたダムの真実の姿とは。本当に地域に貢献する公共事業とは何なのか。おわかりいただけるはずです。