1999年、鶴岡の水道問題の市議会での初質問ー再掲載
□9月27日の山形県議会での質問を前に、鶴岡市議会で10年取り組んできた鶴岡の水道問題について、一般質問での質疑を再掲載していきます。99年当初の議会より、人口減少時代へ突入する日本社会にともなう転換を投げかけておりました。また水質の事では、トリハロメタンの問題について触れ、議事進行がかかり、初っぱなからもめることに、、、。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一般質問:庄内南部広域水道計画の現状と今後の措置について
草島進一
1999年6月 16日
議会制民主主義に基づき、鶴岡市民2968名の志の代表として質問いたします。
庄内南部広域水道計画は、月山ダムの堤体工事が9月にほぼ完成する予定であり、また、広域水道の導水管も90%が完成していると聞いております。計画は、給水の開始に向けて着々と進んでいるといっていいでしょう。しかしながら、今、この計画が実現されるにあたって2つの重大な問題が、われわれ市民の前に立ちはだかっております。一つは言うまでもなく、今後長年にわたって非常に大幅な水道料金の値上がりを余儀なくされることであります。
もうひとつは、これまで慣れ親しみ大切にしてきた地下水からの水道用水がダムからの表流水にかわることによっての、水質、安全性、味の面での大きな変化の問題であります。
1、今後の水道料金の値上げについて
まず、水道料金の大幅値上げに関する問題について問うてみたいと思います。
鶴岡市の水道事業経営にとって現在、もっとも切実な懸案となっているのは、予定どおり行けば2年後に迫った平成13年度から始まる広域水道からの受水にともなう費用をどうまかなうか、ということであります。
市水道部が平成9年度に「水道料金協議会」に出した資料によりますと、平成13年度の受水費の総額は、24億4476万円と試算されております。その前年までまったくゼロであった経費が一気に24億円以上も激増するという、たいへんな事態が起ころうとしています。しかも、この負担額は、平成13年度一年こっきりのことではなくて、平成14年度も15年度も、それ以降毎年毎年、ずっと将来にわたってかかってくる経費なのであります。
現在、鶴岡市水道の年収はほぼ20億円です。これに対して維持費用、受水費併せて約45億円。24億円余りの新たな負担が今後ずっとかかってくることが明らかですから、このまま行けば当然のことながら、水道会計は毎年数十億円の赤字を積み上げてゆき、近いうちに経営破綻に追い込まれることは必須です。
そこで市水道部としては、「水道料金協議会」にはかり、まずは第一弾として昨年平成10年10月から平均30%の値上げの承認してもらう答申を得て、実際に、市民の水道負担は重くなりました。
現状、県からの受水費が明快に提示されておらず、水道料金の試算については、村山広域水道をもとに算出されていますが、それによると、値上げ前の2.5倍、平均家庭で使う水量20mlで2037円だったのが5092円になります。鶴岡市の平均水量の23mlだと、2285円だったのが、5712円。この値はほぼ全国トップクラスというべき水道料金負担です。
2、広域水道の人口・水需要計画について
水道料金協議会は、平成10年度1月に富塚市長に出した答申の中で、次のように述べています。諮問された49.53%という改定率についてですが、「市民生活への影響が大きく、また、受水前の改訂でもあり市民の理解を得ることが困難であると思料されることから、改定にあたっては市民生活及び低所得者層等へ及ぼす影響を十分に考慮し、水道財政の維持を損なわないことを考慮しつつ、35%以下に抑えるべきである」というものです。
実に、水道料金の値上げというものは、市民の生活への影響が多大であります。第1弾の値上げを35%以下に抑えたからといって、その後の市民負担が減るどころか、かえって後の負担増が大きくなるわけです。たいへん残念なことですが、鶴岡市民は今、水道料金に関してたいへん過酷な負担を新たに背負わされようとしていることだけは事実であります
では、なぜ市民にこのような過酷な負担を強いなければならない事態におちいってしまったのでしょうか。「庄内南部広域水道計画」の中身について点検したいと思います。
当計画は、昭和55年に県によって策定され、鶴岡市も55年の市議会でこれに参加することを決定しました。厚生省の認可も受けたこの広域水道事業計画の目標年は、平成17年、西暦2005年です。当初その時点での鶴岡市の給水人口は、11万5420人と見積もられています。その後、昭和60年に一度修正され、計画給水人口11万人とされています。
現在、鶴岡市の人口は10万549名人です。ここ数年、人口は10万人代をほぼ横這いの傾向をたどっています。
計画策定よりずっと前の昭和40年(1965年)ごろは、どうだったでしょうか。
9万5000人台です。ということは、この30数年間で鶴岡市の人口は、4000人から多くて5000人しか増えていないのです。
さて、この先はどうでしょうか。厚生省の人口動態予測をごらん下さい。全国の(グラフを提示)人口は、2007年にピークを迎え、年間60万人づつ人口が減少するということです。また、この青色のグラフは山形県なのですが、山形県の人口、約125万人の人口は、なんと、ピークが昭和25年だそうで、それからほぼ横這い。そして、95年からは、年間4000人あまりづつ、減少の傾向にあります。
このような全体的な傾向と、鶴岡市のこれまでの人口推移からみて、今後の鶴岡市の人口は、減ることはあっても11万人台に到達することは考えられません。仮に現状を維持できたとしても、広域水道計画だと給水人口が1万人余り、過大予測となるのではないでしょうか。
○計画給水量はどうでしょうか。一日最大給水量が7万2602トンと設定されています。これはいったいどれくらいの量かと言いますと、現在、鶴岡市の1日最大使用実績が多めの平成8年で5万3301トンです。1日ざっと2万トンもの水を、今よりも多く保有する勘定になります。2万トンの水の量というのは、現在平均的に鶴岡市で使っている1日の水量の半分弱にあたります。言ってみれば、この広域水道計画は、これまでの1・5倍もの水量をまったく新規に確保する、どう考えてみても過大な計画だといえましょう。
また、料金制