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「総理や自民党は憲法の根本の解釈が間違っている」7月4日 発議15号 自民党提出の96条改正意見書への反対討論


発議15号 96条改正についての討論。

意見書の趣旨は、憲法改正の国会の発議を、国会議員の「3分の2」以上の賛成から「過半数」する96条改正を求めるものであります。

立憲主義の大原則として、憲法とは国民が時の権力を縛る法であり最高法規であります。それを変える際、法律よりも厳格な手続きが必要だからこそ、憲法なのであります。法律と同様にその時々の政治の多数派によってコロコロ変えさせてはいけない。一般の法律以上に改正ハードルが高いのは当たり前であり、硬性憲法といわれる所以(ゆえん)であります。

●現行憲法の発議要件2/3と国民投票の過半数という日本の憲法改正手続きは、硬性憲法として国際的に常識的なものであります。

米国は連邦議会の両院の3分の2の賛成による発議を受けて、全州の4分の3の州議会の賛成による承認をえておこなれます。日本より厳しいのであります。

国民も国民投票の際に、情報操作やムードに流されて正しい判断ができない危険性があります。そして民主主義には、多数欠の民主主義と少数・弱者の意見の価値を認める立憲民主主義があり、この憲法改正発議においても1/3の少数の意志の価値を認め、国会で熟議することが必要とするのが、立憲主義の精神であります。

もし、過半数にすれば、自民党は、昨年の特定秘密保護法の際のように政権与党だけの強行採決をおこない発議を乱発するのではありませんか。

また、憲法に縛られる側の権力者側が憲法改正のルールである96条を変えようとするなどと言うことはまさに本末転倒であります。「品がない」「改憲の裏口入学」「憲法破壊」と、改憲派の憲法学者からも批判された事をお忘れになったのでしょうか。

憲法を変えるなら正々堂々と国会の「3分の2」の多数の発議で改憲をめざすべきです。「国民投票をやりやすくして憲法を国民の手にとりもどす」は安倍首相の言い回しですが、そもそも憲法は国民のものであり、権力者を縛るためのものであります、根本の解釈が間違っていることを指摘申し上げ、発議15号の意見書に反対の討論といたします。