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介護福祉の現場に 1 年半。最も政治に遠い現場より


草島進一の近況をお知らせいたします。草介護写真2015 年 4 月の山形県議選後、地域福祉を学び直そうと、3 ヶ月間、地元の社協の介護職員初任者研修を受講。その年の8月より高齢 者デイサービスの福祉現場に勤務し 1 年半となりまし た。 要支援から要介護 4 までのご高齢の方、認知症の方、又、交 通事故の損傷などから生じる高次能機能障害の方、うつ症状の方と一緒に過ごしながら、ケアを実践する 日々です。

 毎朝の送迎にはじまり、レクリエーション 指導、トイレやお風呂、食事介助、ご家族とケアマネー ジャーなどとの調整。初めの頃はトイレやお風呂介助 に若干の動揺もありましたが、ベテラン職員の方々か ら諸々ご指導を頂き、だいぶ慣れました。お一人お一 人生活環境も身体の状態も違い、更に 体調も日々変化する利用者の方々が如 何に笑顔で過ごせるかを考え、対話、 体操やレクリエーション、ドライブで 季節の花や景色を見にいったりといった毎日です。


そんな中、高齢者施設に障がい者を 受け入れる、基準該当サービスを申請し 認定を受け、それまで自費利用の利用者を無償化し、現在2名の障がい者と、 スタッフの赤ちゃんが同居する共生型 デイサービスにほど近い環境を実現で きました。

 民家を改造した小規模の共生型デイサービ スは、少人数で利用者お一人お一人に気配りが効き、 若年の障がいの方がいるなど年齢的にも多様性がある 大家族のような環境であり、利用者同士が助け合う場 面も見られます。又、調理補助など、認知症に効くと される手続き記憶の実践もでき易く、ケアの場として、 とても有意義だと改めて実感しています。

90歳代の ご利用者の方から戦時中 20 代で上空 B29 の編隊を 観てぞっとした事や当時の苦労。シベリア抑留から終 戦後2年も戻れず大変な日々を過ごしていた事などの お話を伺ったり、又地域の祭事や食文化など、今まで 接することができなかった、「もうひとつの鶴岡」を 知る機会も頂きました。

介護草島共生型






 

 

 


2000 年にはじまった介護保険制度。度々の制度改正の中、最近の政府は処遇改善策を強調していますが、 そもそも 2015 年 4 月の介護報酬の切り下げによる施 設経営への悪影響は大きく、特に小規模施設の厳しさ を現場に入って改めて実感しました。 介護職の現場はほぼ最低賃金に近い給与体系であ り、その大変さも身にしみて感じています。又、市内 に車椅子の方をお連れした際、コンビニや公共施設で も、使う事ができるトイレが意外と少ないということ。 又、県内では比較的福祉が充実しているといわれる鶴 岡市であっても、不足している社会資源がある事にも 気づかされました。

介護職は、利用者の日々のいのちや暮らし又、人生に向き合いケアをおこなう有意義な仕事です。経験を積み、スキルアップすることによる専門性も高まりますし、それに伴い自信や、やりがいも得れる職種だと思います。なにより賃金等の処遇改善が大きな課題と実感しています。

今年 4 月から、要支援の介護予防対 象者は、国の介護保険対象から離れ市の 総合事業へ切り替わり、更に政府は介護 1,2の方々のサービスの切り捨てを検 討しはじめています。更に迎える超高齢化と人口減少社会。大きくしくみの改悪も予想される中、介護の現場と行政施策との矛盾を解決し、市としてよりよい地域包括ケアの体制、福祉、医療のモデルを如何につくるかは改めて大きな政策課題と感じています。

 介護の現場は政治からもっとも遠い場です。しかしながらそこにこそ政治が必要である事を実感します。
福祉現場の実体験を活かし、更に声を踏まえ、よりよいしくみに変えていく政治を志して参ります。

 

PDFでもご覧になれます。どうぞ印刷してご覧下さい。 草の根通信320 


草島は現在 市内伊勢原町 16-16 通所介護施設

「ハビビ伊勢原」の介護員、管理者、生活相談員と

して勤務中。福祉関連のご意見、ご相談もお待ち

しております 090-4388-3872