2月10日故沼沢組合長の命日に。日本病と闘う志
「清流に殉じた漁協組合長」本人、故沼澤勝善組合長の命日が本日2月10日です。
この命日にあわせるようにこの本が出版されました。
「清流に殉じた漁協組合長」相川俊英著 コモンズ刊
「清流に殉じた漁協組合長」この書の冒頭に書かれたあの日の事が甦ります。本日、著書の相川さんのFBに以下のように述べられておりました。ーー以下 相川俊英さんのFBより引用
年に一冊、本を出版するようになって5年たちました。最新作はこちら「清流に殉じた漁協組合長」です。拙著の主人公は4年前の今日、お亡くなりになりました。その後、ひょんなことから身近にいた方からことの顛末を知らされ、黙っていられなくなりました。後先考えずに取材に取り掛かったのです。しかし、これほどしんどく、きつく、悩み苦しむ仕事になるとは思ってもいませんでした。なんとか初稿を書き上げたのは、昨年2月末のことです。その翌日に連れ合いの父親が亡くなり、大慌てで葬儀に駆けつけました。まともな食事をせずにパソコンに向かい続けていた当方の体もボロボロとなっていました。顔色のあまりの悪さを親戚縁者に心配され、すぐに病院に行くようきつく促されました。帰京して行きつけのクリニックで検査したところ、HA1cが11になっていました。重度の糖尿病で、かかりつけの医師に「どういう生活をおくっていたのか」と叱責されてしまいました。それから3か月ほどコメとメンと酒、そして執筆を絶つ生活を強いられました。HA1cが正常値に戻ってから、版元探しに取り掛かりましたが、こちらも難航します。8月ごろにやっと版元さんが確定したのですが、テーマがテーマです。売れるはずもなく、クラウドファンディングで出版経費の一部を募ることにいたしました。ですが、当方IT不如意なのでホントに苦労しました。クラウドファンディングの手続きが整ったのは、11月末でした。当方、何とかして2月10日の前に上梓いたさねばと思い、必死でした。お蔭様で全国の皆様から浄財が寄せられ、当初目標の2倍の寄付金額となりました。そして、1月末に「清流に殉じた漁協組合長」の出版に漕ぎつけたのです。皆さま、いろいろありがとうございました。なんとか出版することがかないました。ところで、当方、またしても体調絶不調となってございます。また二桁いっている感があります。やれやれです。なんの因果かと思います。あっ、そうそう、印税は取材経費に遠く及びません。当方、仕事をすればするほど、持ち出しが増えるというプロとして誠にお恥ずかしい状況におりす。 以上ー引用。
この本は、以前サンデープロジェクトの記者などで知られ、地方自治を30年以上足で歩いて取材して問題を掘り起こし続けてきたジャーナリスト、相川俊英さんが某大な時間を取材と執筆に費やし、力を尽くして取材し書いて下さった書。
そして、この本に書かれているのは僕らが直面している「日本病」そのものです。ぜひご一読ください。
私はこの病気と向き合い、変える事こそ、政治だと考えています。
これから沼澤さんへ、お線香をあげに行って参ります。
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2月10日、午後3時半。先日から取材に来られていた浦さんと舟形役場で合流して沼澤さんにお線香をあげに行きました。奥様と娘さんからお迎えいただき、手作りの料理でおもてなしを頂きました。話すこと2時間。「あの人はただ自然を守りたい一心だった。自分の為とか考えず。」ダムから小国川を守るために漁協組合長になり、20年ダムと闘った。今朝、相川さんとの会話のなかで、「ある人からダムを止めるなんて、戦争を止めるほど難しいことなんだよといわれた」という事をそのまんまお話しした。原発もダムも、基地も、ゴミプラントも、日本にはびこる日本病だ。それに真摯に向き合い、なんとかしようと闘い続けた沼澤さん。
「この本の冒頭部分、漁業権更新をタテに迫られてからやせ細ってみるみる骨とカワのようになっていった」と改めて伺いました。淡々と、当たり前のように官僚構造が市民を追い詰めていく。市民社会はまだまだ脆弱です。
僕らに何ができる? 先ずは、この事実を正確に読み解くことです。「清流に殉じた漁協組合長」相川俊英著を先ずは読んでいただきたいと思います。
この不毛すぎる構造は、持続不可能な社会にひた走っている、日本全国の自治体にはびこっているのではないかと思います。
僕らが政治で闘うべきはこの日本病ではないか。以前、自宅前で刺された石井紘基衆議院議員が闘っていたのはこれだと思います。
今、誰が闘っているのか。嘉田さんは闘っていました。田中康夫さんも闘っていました。中村敦夫さんも闘っていました。菅さんも、山本太郎さんも、枝野さんも、福山さんも、山崎誠さんも、辻元さんも、舟山やすえさんも、今、闘っていらっしゃいます。今、野党にいる多くの政治家が日々闘っておられることだとおもいます。
地方議会でも闘っている友人達がいます。今日、明日と総会を開く緑の党の市民派、環境派の議員の仲間達です。。
山形では、鶴岡では僕は一人なのか。いや違うと思います。心の中で闘っている同志が必ずいるはずです。その人達と草の根の力を蓄えたいとおもいます。
まだ根がはれていないけれど、地下水を吸い続け、いつか根をはり、芽を出し、土をひっくり返すのだ。花を咲かせるのだ。
沼澤さんの志を絶対に忘れない。
デビッドブラウアーさんの志も
山下弘文さんの志も。
前へ。 持続可能な日本社会へ。