長野ショック
田中氏の応援に1週間。車中泊を繰り返しながらの応援から開票結果、田中の敗戦の弁を聞き、月曜 日の朝に戻って公益文科大 大学院の公開講座SWOT分析の講座を受けて、ようやく眠って、今朝は辻立ち、今僕の 事務所からUPDATEです。
「ああ、もったいない」
僕の一言の感想です。
田中県政の6年間。財政再建団体手前の最悪の赤字状態で引きつぎ、この6年間で透明度などの、行財政ランキングでトップにした実績。923億もの借金を減らしてきた実
績、脱ダム宣言をおこなって、地域雇用のため、また、真の治水のためにはダムではダメなのだとい う発信をしてきた点。木製ガードレール。宅幼老所。
ガラス張りの知事室。知事会見の動画中継……..
日曜日、選挙戦のビラ配りを通じて 知り合うことができた渓流保護ネットワークの田口さんに案内 していただき、松本市内の砂防ダムを撤去し、渓流を再生させる事業を行ったところを視察しまし た。田口さん曰く「田中には、本能的に市民のサイドにつく姿勢がある」
脱ダム宣言以来の長野県では、それぞれのダム開発が検討されている現場で、流域委員会が設置さ れ、議論が展開されていました。構成メンバーも、ダムに依らない治水を唱える委員をダム推進派よ りも多めといえるぐらいいれて、基本高水についても徹底的に議論されてきました。
田口さんたちが取り組んでいる脱砂防ダム事業ですが、トップが、こうした砂防ダムを監視する姿勢があるおかげもあって、様々な対案を話し合うことができ、実際、砂防ダムの撤去、再生がおこなわれていたとのことでした。
これは、山形でもお手本にしないとならないと感じました。
また、木製ガードレールですが、これは間伐材を活用したガードレール。鉄製のガードレールは全国 で5社の会社で独占されているものだそうですが、これは森を健全化する間伐から生産まで地域雇用に貢献します。見た目も頑丈で、自 然の景観にマッチしていました。
森林整備予算を大幅に増やして、コンクリートのダムよりも、緑のダムとして森を健全にすることが 重要。こうしたことは、我々が想像する以上の集中豪雨が頻発する現在、治山、治水の新しい常識に しなくてはいけない本来のあり方であり、これも長野が最も進んでいると感じていました。
選挙最終日の午後11時55分。「あともどりはもったいない!」とお手製プラカードをもち、松本在住の川田龍平君らと松本駅前に立ち、呼びかけ、勝利を祈念しましたが、、、。
この長野ショックが全国に波及する影響は計り知れません。
コミットしてくれた皆さんには感謝します。おつかれさまでした。
しかし、静観者と評論家が多すぎましたね。 市民の盛り上がりという部分では不十分だったと思います。
政治はどんどん右傾化、官僚化の自民党にひっぱられていくことになります。
脱ダムの流れにもストップがかかっていくとも考えられます。
田中の敗北は、市民の敗北です。
この長野ショックを受けて、僕らは次をつくっていかないといけません。
僕は、田中康夫を政治家であり師の一人として支持し続けます。
村井という新知事ですが、公開討論会や街頭演説で「借金はやれるだけやれなければもったいない」とか、「岡谷の件は、脱ダムの罰があたったのだ」などと問題発言をくりかえし、聞いていたものの失笑を買っていた人であり、僕の周辺は誰もが「役者が違う」と感じていました。
おまけに、公開討論会で、最後に思いを4分間で語ってください といわれた村井氏は、住民の顔を見ずにA4の原稿用紙をとりだして、「11項目の課題」などというものを読み上げるという、なかなか公開討論会の歴史上、「えっ」ということをやってのけた方でありました。
なんだかんだ言っても、田中がおこなった6年間の長野県は、「市民の政府」というにふさわしい状況になっていたのだと考えます。長野県政ビジョンとしての「コモンズから再生する信州ルネッサンス構想」は、秀逸でした。
今回、自民党官僚体質に転じた長野県で、その「市民の政府」の何が壊されていくのか、壊れていくのか、僕らはきちっと見ていかなければなりません。
いきなり、ガラス張りの知事室が廃止になるそうで、、、。
長野ショック。
ああ もったいない!