2023年9月一般質問 1)湯野浜のトイレ改築 2)風車問題 3)放射線照射米
9月一般質問
1)湯野浜海水浴場のトイレ改築 県内随一の海水浴場のトイレが築30超 和式のみ?
2)クマタカのバードストライク問題は? 風車騒音で不眠症の訴えあり!(三瀬八森) 風車騒音のガイドラインを‼ 加茂も矢引も白紙に。
3)放射線照射米について「あきたこまちR のような事が山形の「つや姫」でも?
以下、メモから書き起こした物です。正式な議事録はHPの検索で。
湯野浜海水浴場のトイレ改築を。
○草島
質問させていただきます。 まず、湯野浜海水浴場関連であります。 まずは、コロナ明けとなった今年の鶴岡市内の全体の海水浴場の入込客数をお伺いします。
コロナ前の令和元年度と比較してはいかがだったでしょうか、お伺いをいたします。
今年は、湯野浜海水浴場に海の日ピークの8 月5日など6回ほど訪れまして、駐車場係の方 やレスキューチームの方々のお話を取材をいた しました。皆さん、今年はお客さんが少ない、 少ないとおっしゃっておられました。遊泳もジ ェットスキーのお客さんも双方が少ないとのこ とでありまして、実際に8月5日の午後2時ぐ らいに訪れても、600台の駐車場に330台という 駐車場の状況でした。この減少の原因は何と分 析されているのか、当局の考えをまずお伺いし ます。
商工観光部長 阿部
初めに、令和5年度 の市内の海水浴場全体の入込客数についてお答 えをいたします。
市内6か所の海水浴場の入込客数につきまし ては、今年度33万1,000人となりまして、昨年 と比較して23.9%の増となったものの、コロナ 前の令和元年度との比較では、4.9%の減とな っております。
そのうち、湯野浜海水浴場につきましては、 令和5年度、17万8,500人で、昨年度より25% 増、令和元年度よりは15.6%の減という状況で ございます。この元年度と比較をしました入込 客数の減少の状況につきましては、各海水浴場 の管理者から聞き取りを行ったところでござい ますが、熱中症警戒アラートが続いた猛暑とい う点も影響したのではないかと伺っているとこ ろでございます。
○草島進一議員
ありがとうございました。 減少の原因、ガソリンの高騰もあるのではない かというお話を私はお伺いをしております。
では、本題の湯野浜海水浴場のトイレについてであります。
湯野浜海水浴場の北側のトイレは、平成5年、 市が建設、30年経過。男女とも和式の大便器し かなく、多目的トイレ1基が洋式というのみで あります。北側のトイレの隣には、水道のシャ ワーが道路を隔てた露天にあり、見ていると、 トイレのホースで体を洗っている方が多く、ま た特に3時以降の帰り際のピークにはトイレに 女性が列をなしているという感じであります。
南側の宮沢トイレは、平成元年、山形市が建 設、35年が経過。男子大便器2基、女子大便器 4基が全て和式、双方に障害者用として洋式便 器があるが、ビニールカーテン式のため怖くて 使えない状況とのことです。シャワーは当初あ りましたが、整備後早々に壊れ、長年使用不可 とのことであります。
ちなみに、海の日正午ぐらいに北側トイレを見に行ったときは、唯一の様式の多目的トイレの水が流れず使用不可になっており、駐車場係
員の方々とともに、にわか修繕作業をいたしま した。こんな状況であります。山形県随一の海水浴場と言われ、仙台・福島・山形市方面から
最も人が来る湯野浜海水浴場がこんな状況でい いのかと改めて思いました。
この夏、新潟の瀬波温泉海水浴場を見てきま した。駐車場は無料、1キロぐらいの、これ湯 野浜と同じぐらいの海岸線ですけれども、トイ レは3か所あり、全て更衣室があり、シャワー が隣接していて全て無料で利用できます。キャ ンプ・バーベキューもしたい放題であり、訪れ た8月14日はほぼ駐車場は満車、大変にぎわっ ておりました。山形県内ナンバーも結構あり、 特にキャンパーなど県内からも訪れている人が いるようでありました。村上市に尋ねると、瀬波温泉海水浴場は、トイレや駐車場の整備を新 潟県が行い、村上市が直営で運営し、レスキュ ー人員なども市の会計年度任用職員として雇い 入れ、年間1,500万円程度の予算をかけている とのことでありました。
最近湯野浜海水浴場に来る人が減少している原因として、旅館の経営者からも「使いづらいトイレなどの問題もあるのではないか」との声
もいただいております。そんな声を踏まえつつ 御提案申し上げたいのは、海水浴場北側のトイレ、宮沢のトイレの全面改修であります。ウォシュレット式の洋式トイレ、ユニバーサルデザイン、ユニバーサルシートつきバリアフリー型 のトイレ施設とともに、温水シャワー、更衣室を完備した新しいトイレ、サニタリー施設にすることを提案したいと思います。県民の海を標榜する山形県とも協働しつつ、ぜひ実現していただきたいと考えますが、いかがでしょうか、
見解をお伺いします。
商工観光部長 阿部
湯野浜海水浴場内の トイレの改築の御提案につきましてお答えをい たします。
御質問のとおり、北側のトイレは市で設置を いたしまして約30年、南側のトイレは県で設置 をいたしまして約35年が経過しております。市 では、市内49か所にあります観光地公衆トイレ について、設置年数や利用頻度を考慮し、順次 改修に取り組んでいるところでございます。こ のうち、設置後30年以上経過した市管理の観光 地公衆トイレが17か所ございます。湯野浜海水 浴場につきましては入込客数が最多で、トイレ の利用率も高い状況でございます。市が整備を いたしました北側トイレについて、早急な全面 改築は難しいと考えておるところでございます が、洋式化が必要と考えており、改修の検討を 行ってまいります。
また、県が整備いたしました南側のトイレにつきましては、今後県と改修の方向性について協議をしてまいりたいと考えております。以上でございます。
○草島進一議員
使っている方の声を聞いてみますと、「和式のトイレって、うちの子供初めての体験をこの湯野浜海水浴場でやったんですよね」みたいな話がありました。今災害時の避難所も全て洋式になっております。有数の観光地のトイレがこの状況でいいのかということは、今御見解もいただきましたが、この課題を共有して、早期にこれ洋式については考えていただきたいし、あとぜひ瀬波の海水浴場のトイレを見ていただきたいのです。更衣室・シャ ワー、併設されています。非常に使いやすい形になっている。でも、それも結構以前にできているトイレなので、今またトレンドが新しくなっているかもしれません。なので、県や関係者を交えて、まず現場を見てきていただきたいし、新潟のトイレも見ていただきたいし、今どんな施設がトレンドで求められているのか、これ早期に全面改築についても御検討いただきたいと思うのです。
これもたもたしていると、さらに海水浴場のお客さんの減少につながりかねないと思うのです。なので、ぜひ問題意識を持って、洋式トイレには早急に改築をしていただきたいのですが、全面改築についてもぜひ検討委員会を早期に立ち上げて、リテールまできちっと協議をして、早期に改築をされることをこれ強く要望したいと思います。ぜひよろしくお願いします。
2)風車開発問題
○草島
風力発電の問題について お伺いします。まず、大きく報道もされました希少猛禽類、絶滅危惧1B類のクマタカのバードストライク疑い案件についてであります。
6月24日にJREは発見したが、市への報告 が7月28日でした。私たちは、議会のこの本会 議でJREの加茂の風車計画の請願に対する討 論を6月30日に行っていたわけであります。ま た、7月27日には加茂の住民への市の説明会が ありました。 その説明会では、市が全国照会した結果、バー ドストライクの懸念などの理由から、ラムサー ル条約湿地5キロ圏内には風車建設の前例はな いことを市長は何度も説明。それに対して、風 車より電線のほうが問題だ。まずは調査すれば いい。ラムサール湿地は鳥を守るための条約で はないなどの住民の声が上がっておりました。 私が参加したJREの大山の説明会でも、事業 者JREの説明は、バードストライクの質問に 対して調査しなければ分からないの一点張りだ ったと記憶をしております。
JREが市に報告のあったのは7月28日、加 茂地区への市の説明会が行われた後でした。何 だか意図的に報告をずらしたようにも思います。 このバードストライク疑い案件がしっかりと発 見段階で報告されていたなら、市の説明も加茂 住民はじめ市民の受け止めも違ったのではなか ったかと私は思います。要は、事業者JREが 調査をした上、環境省意見、経産省勧告を受け た後の環境保全措置として、風車の本数を減ら し、位置を変えたけれども、希少猛禽類である クマタカにヒットするという最悪の結果を稼働 して1年余りで実際にもたらしたということで あります。事業者の調査と環境保全措置の実態 というのはそんなものなのだということの実例が生じたのではないでしょうか。この問題は、いまだ調査が進んでいないようですが、市の受け止めと事業者の働きかけなどどのように対処されているのかお伺いしたいと思います。
○市民部長 伊藤慶也
それでは、JRE鶴岡八 森山風力発電所におけるバードストライクの可 能性のあるクマタカの死骸が発見された事案に ついてお答えいたします。
本市といたしましては、種の保存法に基づく国内希少野生動物に指定されており、議員御案内のとおり、絶滅危惧種1B類に属するクマタカでございまして、大変重大な事案と受け止めております。また、この件に関しては、事業者に対しまして速やかに報告がなかったことは大変遺憾である旨申入れを行い、今後は市民調査
の結果も含め、速やかに報告するよう強く意見しておるところでございます。
なお、クマタカの死因につきましては、環境省東北地方環境事務所が特定することになっておりますけれども、現在東北地方環境事務所において、種の保存法の手続と解剖・検死の調査機関との調整中のため、死骸はいまだ事業者が冷凍保存して保管している状況でございます。
死因の調査が長引き、対策が講じられないと新たな衝突事案が発生する可能性も考えられますことから、早急に原因究明が行われるよう、東北地方環境事務所には要望しているところでございます。
○草島
答弁ありがとうございま した。しっかりと調査が早急に進んでいくよう に求めていきたい。先日も、市民団体から環境省に対して意見書も投じられました。今後の行方をしっかりと注視していきたいと思います。
この案件ですけれども、今回のクマタカの衝突疑いのほか、事後調査の中間報告にはコウモリの衝突事案もあったかと思います。私が心配しているのは、約1万匹が八乙女洞窟に生息する県指定文化財、天然記念物のニッポンユビナ ガコウモリにも影響があるように推測できるこ とであります。バードストライクではなくて、 コウモリバットストライクというのですけれど も、バットストライク問題に詳しい東海大の河 合久仁子先生によれば、ヨーロッパでは月10回 程度以上の死亡個体調査が推奨されているとの ことであります。現在のJREの事後調査とい うのは月2回しか死亡個体調査が行われておら ず、これは環境省からも指摘されているのです が、正確な調査になっておりません。少なくと も事後調査、最低月4回以上、バットストライ クを考慮すれば月10回以上、そして事後調査の 2年という期間については、今回の事案を踏ま えて、あと3年は最低でも延長を働きかけるこ とを要請すべきと思いますが、お伺いしたいと 思います。
それと、今般のクマタカのバードストライク疑いの事例では、事業者が調査の上で……調査、調査とおっしゃる方がいらっしゃいますが、調 査の上で、環境省や経産省に環境アセス上で示した環境影響回避策がもう完全に失敗しているということなので、まずは八森山については一定期間の停止措置、またクマタカの生息が確認されている加茂地区は無論であります。そして、矢引の風発も建設については予防原則をもって、ゼロベースで当然見直されるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。
○市民部長 伊藤慶也 それでは、事務調査の回 数とその期間延長の要請、三瀬矢引風力発電の 質問にお答えさせていただきます。
初めに、鳥類等の事後調査の要請につきましては、JRE鶴岡八森山風力発電所に関する環境影響評価手続の準備書におきまして経済産業大臣勧告がございまして、その中でバードストライクが確認されるなど、希少猛禽類や渡り鳥など重要な鳥類に対する重大な影響が認められた場合は、専門家などからの助言を踏まえ、稼
働制限等、追加的な環境保全措置を講ずることとされております。
本市といたしましては、今後もクマタカなどの繁殖や生息への影響が強く懸念されますことから、事業者による追加的な環境保全措置の検討内容に加え、バードストライクや天然記念物でありますコウモリ等のバットストライクの事後調査の回数や期間について、専門家の意見も伺いながらしっかりと意見してまいりたいと考
えております。
続いて三瀬矢引の風力発電につきましては、既に配慮書の中で経済産業省や環境省より風力発電設備への衝突事故及び移動経路の阻害等による影響について指摘を受けております。このたびの事案を踏まえまして、今後のアセスの手続の中で重大な影響や懸念事項につきましては、さらに専門家などからの意見を伺い、強く意見してまいりたいと考えているところでございます。
○草島
ありがとうございます。 今もってJREも調査、調査といって、調査、 調査と言っている方もいらっしゃるようですけれども、サンクチュアリでーあるラムサール湿地7キロ圏にある三瀬八森山から加茂地区は、まさに貴重猛禽類や渡り鳥の密度が濃い地域であり、影響は避けられないということが今回のバードストライク案件でも実証されているような気がしております。これは予防原則をもって、未然に生態系への悪影響を回避する、これは国際的な保護機関であるバードライフ・インターナショナルなどの勧告でもありまして、これまでの詳細な生態調査や専門家の意見を根拠に、累積的影響と予防原則をもって判断をした、これはまず市の加茂の風車の中止要請は全く妥当だと思います。
さらに、矢引についても中止要請すべきと私は考えます。これは、ぜひ毅然とした姿勢を持って対処していただきたいと思います。これは要望しておきます。よろしくお願い申し上げます。
次に、風車騒音の件についてお伺いをいたします。
この5月に私は三瀬全域を網羅的に歩きまし て、アンケートを配付させていただきました。 このアンケートは、アテネ不眠尺度、AISと いうのですけれども、それによる不眠症の自己 評価アンケートに基づくものでありました。先 般それに対して1通、私にお手紙で回答があり、 その結果として不眠症を生じていることを示し ているものでありました。風車の低周波音と健 康被害については、秋田県で21例、睡眠障害や めまい・頭痛などの訴えがあることは以前議会 でもお伝えしましたが、今般、三瀬八森山でも 風力発電施設の騒音による不眠症の疑いが出て きたということであります。市として、このよ うなケースに対してどのように対処されるのか お伺いしたいと思います。
また、事業者に対してはどのように対応されますか、お伺いしたいと思います。
○市民部長 伊藤
それでは、風車騒音の問 題についてお答えさせていただきます。本市が7月から8月にかけて開催いたしました、(仮称)JRE加茂地区風力発電事業に関する加茂地区等住民の声を聞く会におきましても加茂地区に風力発電施設が設置されますと、将来にわたって風車騒音や健康被害、風車がもたらす精神的な負担や不安が懸念されるといった御意見もございました。
JRE鶴岡八森山風力発電事業における風車騒音の影響についてでございますけれども、本市で地元自治会に確認したところにおいては、苦情等は寄せられてはおりませんが、住民からの相談等を寄せられた際には、騒音規制法等に基づきまして調査を行い、基準値を超えている場合には原因者に対して法に基づき、改善を求
めてまいります。
一方で、風力発電に係る低周波等、健康への影響に関しましては、国においては現在のところ明確な基準値等が明示されていないということもございまして、現状といたしましては対応は難しいものと考えておりますが、今後の国が示す指針等にも注視しながら対応を検討してまいりたいと存じます。
○草島進一議員
この風車騒音については、 今年5月16日、国会参議院厚生労働委員会で立 憲民主党の川田龍平参議院議員による質問が行 われ、諸外国では騒音上限値が基準値として示 され、離隔距離が十分に取られている。その現 状に対して、日本国内では基準値も設定されて いない、離隔距離も定められていないというこ とを示し、北海道大学、田鎖順太助教のシミュ レーションで、例えば遊佐で15メガワットを52 基、2キロの離岸距離で建てると、250名の不 眠症が発生するというおそれを示しまして、風 車から民家までの離隔距離を十分取ることを指 摘しております。
それに対して、加藤厚労大臣は、騒音による健康への影響を防止する取組は重要であり、本年度に予定している睡眠指針の改定に当たっても、音を含めた環境づくりについて検討を行う予定で、関係省庁とも連携しながら対応を図っていきたいと答弁されておられます。
1,000人規模の疫学調査をされた大分看護科 学大学教授、元国立環境研究所主任研究員、影 山隆之先生は、風車に近いところに住居を構え る住民に、41デシベル以上の音圧の方々に対し て、疫学的に明らかに不眠症が発生していると いうことを、これは2016年に国際的に論文発表 をされておられます。先生いわく、環境省の 2017年の指針、直接的な環境影響は少ないとい う文言には大変問題があり、風力発電の騒音に よる睡眠影響は確実に存在する、そして睡眠影 響は確実に健康に影響すると捉えるべきだとい う見解でございました。これは市当局としてしっかりと踏まえるべきと考えます。
また、北海道大学の田鎖助教は、4メガワット級の風車であれば2キロメートル、6メガ級 であれば2.5キロメートルの離隔距離が必要と 科学的なデータによって見解を示されておりま す。昨今大型化する風車に対して、当市として のガイドライン、これも風車騒音についてもし っかりと離隔距離を定めるべきと考えますが、 改めて見解をお伺いしたいと思います。
○市民部長 伊藤慶也 風車との離隔距離をガイ ドラインに示すべきということに対してお答え させていただきます。
このガイドラインで離隔距離を定めることにつきましては、年々、風力発電施設の大型化や出力が増大しているといった状況がございますので、国の動向を注視しながら、風車の離隔距離を含め、本市のガイドラインの見直し等の必要性について検討してまいりたいと考えております。
○草島進一議員
ありがとうございます。 今般御紹介したのは、バードストライク疑い もある上に、風車騒音でも実害の疑いが今般の 私どものところに建っている風車で出てきてい るということであります。これも累積的影響や 予防原則に立てば、6メガワット級の加茂は無 論ですけれども、4.2メガワットで計画されて いる矢引も中止要請を早急に行うべきであります。 風車騒音と健康被害については、昨年12月から質問しているわけですが、国の指針がどうこうとかやっていると手後れになっていくと私は思うのです。ぜひこれもバードストライク案件と同様に、有識者の声、北大や大分の先生方と直接やり取りをして、市としての視座をきちっと持って、先陣を切ってこの解決策に当たっていただきたいと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○市民部長 伊藤慶也 ただいまの件についてお答えさせていただきます。市といたしましても、騒音等による健康への影響の防止については大変重要なことであると
認識しております。御紹介いただいた様々な知見等ございますけれども、そうした新たな知見等についての情報収集に努めながら、そしてまた今後国等においても検討されると言われておりますそういった指針、そういったところにも注視しながら対応を検討してまいりたいなと考えております。
○草島進一議員
ありがとうございます。 日本弁護士連合会では、この9月16日に風車 騒音と健康被害の問題について、ポルトガルの マリアナ・ペレイラ博士を招聘してオンライン シンポジウムを行う予定となっております。こ うしたものにもぜひ御参画をいただいて、しっ かりと知見を深めて今後の対応をしていただきたいと思います。これは要望いたします。
3)放射線照射米について「あきたこまちR のような事が山形の「つや姫」でも?
○草島進一議員
次に、放射線照射米につ いてお伺いをいたします。
秋田県では、あきたこまちを放射線照射育種 米のコシヒカリ環1号と交配することで、カド ミウム低吸収性のあきたこまちRを育種し、 2025年にその新品種に全面的に切り替えると発 表いたしました。この8月1日に地元の生産者 が有識者を交えてフォーラムを開催しておりま す。そして、地元紙でも8月30日に大きく報道 し、今生産者や消費者に動揺が広がっております。 国では、全国的に農産物中のカドミウム濃度 低減対策として、カドミウム低吸収性の水稲の 普及を進めているようであります。国の農業食 品産業技術総合研究機構、農研機構の次世代作 物開発研究センター、稲品種データベースを検 索いたしますと、山形県でも山形県農業総合研 究センター、水田農業試験場を育成地として、 2013年育成開始、配布開始年2022年、つや姫と コシヒカリ環1を交配させた山形157号、系統 番号、庄、庄内の庄です。庄5937の表記が確認 されました。これは山形県でもあきたこまちR と同種の育種試験を行っているということだと 思います。山形県として、この放射線育種を伴 うカドミウム低吸収稲の育種の実態、育種開始 が2013年ありますが、現在どの程度の量の育種 が行われているのか。また、今後あきたこまち Rのように、コシヒカリ環1と掛け合わせた、 言わば放射線育種のつや姫に全量切替えを予定 しているのか、またその発表をいつ頃と捉えて いるのかお伺いしたいと思います。
○農政課長 伊藤弘治 放射線照射による育種米 の交配によるカドミウム低吸収性稲の山形県に おける育種の状況についてお答えいたします。
議員御案内の秋田県におけるあきたこまちRという品種の全面切替えにつきましては、秋田県の公表などにより一定承知しております。
山形県から聞き取った内容でお答えをいたし ますが、カドミウム低吸収性稲である山形157 号につきましては、現在研究段階であり、品種 特性を調べているということでありました。ま た、品種特性を把握するための研究は、県の農 業総合研究センター内で実施しており、研究用 に供する種子はごくごく少量とのことです。
なお、先ほど申し上げたとおり、県では研究段階であるとのことでありまして、本県において今後いつ、どの程度切替えが進むのかにつきましては、現時点では情報をこちらでは持っておりません。以上でございます。
○2番 草島進一議員 ありがとうございます。 よくお調べいただきました。
8月1日のフォーラムに私も参加をし、取材をしてまいりました。識者からの見解をお伝え申し上げます。コシヒカリ環1号は、従来の放射線育種とは異なる重イオンビーム照射によって、コシヒカリ環1号のOsNRAMP5という遺伝子の1塩基を破壊してつくられた品種であり、従来のガンマ線よりもはるかに強い破壊力を植物のDNAに与え、その二重らせん構造を破壊するもので、ゲノム編集に近い。そのため、従来の放射線育種とは違う安全性の検証が必要。この分野の知見もほとんど得られていない。今回のケースは古くから行っている育種の方法であるということはできないということになる。また、1塩基を壊してしまうと、遺伝子のフレームシフトが起こり、違うアミノ酸になる。違うたんぱく質になり、アレルギーの原因になったり、毒性を持つ可能性がある。安全と言い得る科学的検証はまだ見ることができない。
カドミウムを吸収するとして、OsNRAMP5を破壊した結果、カドミウムはほとんど吸収されなくなるが、マンガンを吸収しなくなる。そのために、ごま葉枯病などの病気になりやすくなる。栽培する農家には、マンガンを水田に補うなど新たな負担をかけることになる。秋田県のあきたこまちRの大きな問題としては、コシヒカリ環1との交配により、放射線照射で遺伝子を破壊した形質を引き継ぐため、特許を踏まえた登録品種となり、自家採種が認められず、全農家が毎年種を購入する必要性が出てくるという点も懸念されている。
山形県の場合、つや姫は登録品種だが、一般品種であるはえぬき・ササニシキなどもコシヒカリ環1と交配されれば、種苗法により全て自家採種ができなくなる。
また、有機農業としてどうかという問題。EUの有機認証基準では、放射線照射した種子の使用を明確に否定している。政府は、放射線育種米も有機認証は大丈夫と言っているが、果たして世界でそれが通じるかが問題だ。日本の有機の信頼が落ちて市場を失うのではないかという問題がある。大体以上であります。
農水省の方向性としては、カドミウム汚染の地域の特定につながらないようにと、こういう理由で国内の全ての米をコシヒカリ環1の交配を検討し、現在203品種の米が作られつつあり、 ほとんど全ての品種の米が放射線照射米になろ うとしているようであります。
私は、つや姫など有機米としても優れた特性を持つ山形県の米の育種において、この全ての米が安全性が十分に担保されなかったり、EU
が有機として認めていない今般の放射線照射米への切替えには絶対に反対であります。市当局には、こうした問題を踏まえ、今後の県の動向、また国の動向をしっかりと見極め、当市の生産者、消費者にしっかりと情報提供・共有し、毅然とした姿勢で対処していただきたいと思います。これに対して、ぜひ御見解をお伺いしたいと思います。
○農政課長 伊藤弘治
市でも県へ確認を取り、 先ほどお答えしたこと以外は全く承知をしてお りませんが、今後の県の動向につきましては、 しっかり注視してまいりたいと考えております。
○2番 草島進一議員
ありがとうございます。 ぜひ市長からも今回のバードストライク関係 も非常に大きな問題でありましたが、その案件 と、このお米のことについてちょっと見解をお伺いできればと思いますが、いかがですか。
○市長 皆川
風力発電についてのクマタカ の死骸の案件、また騒音に関する問題についてのお話をいただいております。いずれも再エネを推進するためにも重要な問題でありますので、引き続き情報収集も行いながら、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
また、放射線照射育種米につきましては、このたび質問をいただいたことによりまして、私どももそうした動きがあるということを把握したところでございます。これがどの程度本県の農業に影響を及ぼすのかというようなことについても引き続き情報収集してまいりたいと思います。
○2番 草島進一議員
ありがとうございます。 どうぞよろしくお願いします。
これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。