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2024.3月一般質問1)避難所環境の改善2)観光CRM(顧客関係管理)3)浮体式風力発電


草島進一一般質問

まず初めに、避難所環境の改善についてお伺 いします。

本日で2か月となりますが、元旦発災の能登 半島地震を踏まえて質問いたします。私は、阪 神・淡路大震災の支援の経験から、2004年の中 越地震でテントを700張り集め提供するプロジ ェクトをはじめ、東日本大震災以降は新潟大、 榛沢和彦先生が会長の避難所・避難生活学会の 先生方と共に避難所の改善運動を行ってまいり ました。今般発災後、鶴岡市内の避難所、また 1月12日訪れた能登の避難状況を踏まえて質問 をいたします。

TKBと称される、T、清潔なトイレ、K、 キッチン、温かい食事、B、ベッド、家族単位 でプライバシーが確保されるテントとベッドが 提供される。これは、イタリアでは48時間以内 に行われることが法律で定められ、米国ではゼ ロ時間、可能なだけ迅速に提供されることが法 律で定められております。

今般の能登地震では、12日経過しても雑魚寝 で地べたに布団、1か月たってもベッドが配備 されない避難所もありました。また、冷たいお にぎりやパンだけの提供が続いており、12日の 寒鱈鍋の炊き出しは本当に喜ばれたのはいいの ですが、人道支援の基本であるスフィア基準も 満たさない、先進諸国の避難所ではあるまじき、 避難者に我慢を強いる状況がまた展開されてい るなと感じました。実際に、昨日まで避難所な どで亡くなるという災害関連死は15人発生して おります。

欧米では、この災害関連死というのは皆無で す。国には、災害のたびに経験を積み、NGOとも人事交流を通じて即時に対応できる緊急対 策庁が必要と考え、今議会に意見書提案をして おります。本日市政の質問としては、災害時の 避難所で目標としていただきたいTKBについ てお伺いをいたします。

まず初めに、トイレについてです。災害時公 衆トイレはあふれ、足りないのが常で、今般も 当初相当苦戦をしておりました。しかしながら、 1週間後ぐらいからトイレトレーラーなど全国 からも提供され、環境整備されたことは今般新 しい成果だったと思います。

そこで、質問をいたします。当市には、災害 時のトイレの確保・管理計画はあるのか、まず お伺いをいたします。

また、設置が想定される仮設トイレとしてマ ンホールトイレ、ラップポントイレ、国土交通 省の快適トイレの仕様を満たしている簡易トイ レなどをしっかり確保し、迅速に配備できるよ うにしていただきたいと思いますが、どうでし ょうか。お伺いをいたします。

今般の能登半島地震の現場では、大きめの避 難所で特にトイレトレーラーが設置され、活躍 をしていました。一般社団助けあいジャパンと いう団体のみんな元気になるトイレというプロ ジェクトに呼応して20自治体で配備し、災害時 には結集するようなシステムをつくり、今般各 地の避難所で活躍をしておりました。

このモデルのトイレは3部屋で仕切られ、1 部屋は車椅子のリフトもついていて、バリアフ リーで使うことができます。通常はイベント会 場や海水浴場などで利用し、災害時は全国から 駆けつけるシステムになっております。私は、 とてもいい取組だと思いました。トイレトレーラー、我が市でも配備してはどうか、まずお伺 いします。

○危機管理監

初めに、災害時のトイレの確保・管理計画についてお答えいたします。 す。 大規模災害では、避難所の劣悪なトイレ環境 ○2番 草島進一議員 ありがとうございます。

が元でトイレの回数を減らそうと水分摂取を控 え、健康被害を引き起こすおそれが指摘されて おります。衛生環境の整ったトイレの確保は、 水、食料の配給や避難場所の確保などとともに、 命を守る上でも重要な支援と捉えております。

本市では、災害に備えて、避難所等に約3万 8,000個の携帯トイレと約200基のマンホールト イレを備蓄しているほか、仮設トイレにつきま しては地域防災計画の中で発災から2日、48時 間以内を目安として確保することとしておりま す。

市内業者がすぐに調達可能な仮設トイレは約 100基、うち2割程度が洋式であります。また、 市内で調達が困難な場合は県に応援要請を行い、 県内外から調達することとなります。 なお、管理については、災害状況や避難所の 状況等に応じて、避難者や避難所ボランティア などと連携し、実施することとしております。 続きまして、マンホールトイレ、ラップポン トイレ、快適トイレの簡易トイレなどを迅速に 配備していただけるようにという質問でござい ますが、議員から御紹介ありました各種仮設ト イレの確保、配備につきましては、その使い勝 手や有効性を研究しながら、災害時の備えとし て検討してまいります。 次に、トイレトレーラーにつきましては、こ のたびの能登半島地震の避難所においても全国 から集結し、避難所の快適なトイレ環境の確保 につながっていると承知しております。本市で 配備することにつきましては、整備費用ですと か維持管理、牽引体制の構築と平時の有効活用 など、管理や運用面の課題がございます。 災害時のトイレ環境に必要な市民ニーズや技 術の進歩も考慮に入れまして、コンテナトイレ のレンタルなど、ほかの取組とともに先進自治 体の事例を研究してまいりたいと考えておりま

災害時、避難所からトイレになかなか行きたが らないようなトイレが結構あって、行きたくな いようなトイレがあって、やっぱりそこが能登 の場合、暖房も完備してあって、ウォシュレッ トまでついているトイレがトレーラーとして提 供されていて、非常に私自身も、ああ、いいも のだなとすごく思いました。

これは、まさに今おっしゃったように災害関 連死までつながっていくことなので、ぜひこの トイレの整備、しっかりと……今でも非常にい ろいろ完備してあると思いますけれども、計画 をしっかり立てて配備できるようにしていただ きたいと思います。

次に、ベッドであります。段ボールベッドは、 地べたより10度体感温度が上がることが分かっ ています。身体の冷えやほこりの吸い込みを防 げることや生活不活性病、また血栓ができるの を防ぎ、エコノミークラス症候群の予防に役立 ちます。また、足音など音や振動の断音・断震 効果もあることが分かっております。

熊本地震で218件、能登地震でもこれまで 15件発生している災害関連死を防ぐための最低 限の対策と認識をし直す必要があると考えます。 まず、市で現在1,300基備蓄していることを私 は評価します。そして、元旦の津波警報により 最大2,400名が避難した市内の避難所で、市と して段ボールベッドを避難所に設置しようと決 断してくださったこと、そして現場で一生懸命 組み立てて、30名の方々にベッドの提供がかな ったことを、これも最大限評価をいたします。

我々の珠洲市での炊き出し支援のときは、3 台の市の提供を受けて、1つは珠洲市役所向か いの避難所の子供たちのスペース、2台は避難 者であり、支援者でもあった社会福祉協議会の 女性スタッフの仮眠用に実際に御利用をいただ きました。しかしながら、現場では段ボールベ

ッドは避難所の手前まで行っているのですが、 全員に提供しようとする意思とマンパワーがな く並ばない、そんな状況でありました。

これを踏まえて提案をしたいのですが、まず 災害があったら発災後、避難初日に段ボールベ ッドを提供し、地べたに雑魚寝という状況を避 けることを市のルールにしていただきたい。こ れは提案をいたします。

また、今般ほぼ全員被災している珠洲市の職 員は不眠不休で対応に追われておりました。寝 床も食事も我慢が常識というのが被災地の常と なっており、この支援者の環境改善も重要であ ります。支援に当たる職員がゆっくり休めるよ うに、簡易ベッド、キャンプ用コットの利用も ルール付けいただきたい。これも提案をいたし ます。

また、もう一つ、Kのキッチン、食事につい てであります。元旦約40人の来館者の避難所と なった加茂水族館では、職員の方々が機転を利 かせ、温かいおにぎりとみそ汁が振る舞われた そうで、これはすばらしい行動で評価をいたし ます。

欧米先進国の避難所の食事には、特に非常食 というのはないそうでありまして、避難所そば にすぐ大型のキッチンカーが食のボランティア と共に現場に登場し、温かいなれ親しんだパス タやステーキが提供されます。

災害時の避難民や支援者のために、温かい食 事提供の体制づくり、これをイタリア並みの 48時間以内に供給するにはどうしたらいいのか。 一昨年の西目の土砂災害の際には、加茂水族館 のレストランとの連携でプロの料理人の食事が 提供されたモデルがありますが、ぜひ市内のキ ッチンカーの運営者や飲食店などとの連携も視 野に入れて、可能な限り温かい食事の提供のシ ステム構築とルール化を提案いたします。御見 解をお伺いします。

○危機管理監

段ボールベッドの運用 についてお答えさせていただきます。 本市では、約1,300台の段ボールベッドを保 管しておりますが、避難所となる施設へ事前に 配布することについて検討しております。また、 防災訓練などを通じまして、その組立てや寝心 地を体験していただくことで、災害時に積極的 に活用していただくための普及活動も実施して おります。今後も段ボールベッドの有効性を広 報していくとともに、活用のルール化について 協議してまいりたいと思います。

また、支援者の環境改善につきましては、継 続的な災害支援において重要な課題であると認 識しております。御提言ありました簡易ベッド やキャンプ用コットの活用も含め、支援者の休 息に関するニーズに合わせた標準となる対応方 法等について協議してまいります。

続きまして、避難所の食事提供につきまして は、地域防災計画に基づきまして、発災後24時 間以内におにぎりやパン等を協定締結しており ます地元スーパーなどから提供することとして おりまして、さらに発災から72時間以内を目安 として、市の委託や地域の自主防災組織、赤十 字奉仕団、ボランティア協力による炊き出し等 の食料提供を行うこととして計画しております。

冬の避難所生活におきまして、温かい食事は 体温を保ちまして、健康を維持するために必要 なものでございます。御提言いただきましたキ ッチンカーや飲食店との連携も含めまして、温 かい食事の迅速な提供方法について研究してま いりたいと考えております。

草島

このベッドについても、 国の法律の上でも書いてはあるのですが、努力規定になっているので、なかなかルール化でき ない。もう自治体裁量に任せられているような ことがあります。これは、本当にベッドって非 常に重要なものだと改めて感じていますので、 この鶴岡市では必ず初日に並ぶような、そうい うルール化をしっかり徹底をしていただきたい。 お願いをいたします。 また、温かい食事、この温食の文化というの もなかなか日本の避難所では常識にならないですね。今回の能登も、いつまでたっても冷たい おにぎりしか食べていない。温かいものを食べ ましたかと言うと、チンはしましたというのは たまにあるぐらいで、本当に炊き出しの重要性 というのを改めて感じました。

今回の能登地震を受けて、避難所となる学校 の給食室で炊き出しを行って、温かい食事を避 難者に提供することを町として決めた。これ神 奈川県愛川町ですけれども、こういうニュース がありました。これ自校給食なのです。もう一 つ、埼玉県北本市、人口6万5,000人の市です が、避難所の機能強化ということで、広域避難 所に指定されている小・中学校で緊急時に調理 室を使った炊き出しができるようにと、給食セ ンターから自校式への転換をしたというのがあ りました。

給食の議論も進んでおりますけれども、災害 時にいかに避難所となる学校で温かい食事を提 供できるのか、この対応のしやすさ、災害レジ リエンスという視点も入れて、給食センターの 議論、こういうことも頭に入れて検討していた だきたい。これは改めて、別部署ですけれども、 お願いをして、この質問をまず終わりたいと思 います。


次、観光CRMについてお伺いをいたします。

DMO、DEGAM設立、2019年7月から今 年5年になります。DMOというのは、地域の 稼ぐ力を引き出す経営、言わばマーケティング とマネジメントを行う機関ということでありま す。CRMというのは、カスタマー・リレーシ ョン・マーケティング、顧客関係管理というこ とであります。

私は、市のDMO立ち上げの前の2018年12月 議会で、気仙沼市視察の後、当時1万5,000人 の旅行者のデータを収集する気仙沼クルーカー ドの取組について、CRMというのを初めてこ の場で紹介をいたしました。

その後、2021年12月議会で再び気仙沼を訪れ た後、当時2万5,000人になった会員全体にア ンケート調査を行ってニーズ把握し、施策を展 開している状況を紹介し、関係人口を拡大する 仕組みとしての顧客管理のCRM、鶴岡のファ ンクラブをつくることを再提案しております。

そして、今2年経過しましたが、今この気仙 沼のクルーカードは導入7年となり、会員は5 万5,000人です。2019年12月からスマホのアプ リにもなって、今ハイブリッドで会員を拡大し ているところです。

気仙沼の市全体で顧客管理、エリアマーケテ ィングをしているという手法は、全国で最も経 営パフォーマンスが良好なDMOと関係者から 評価されているようです。成果としては、コロ ナ禍で日本中で49%、これ平均ですけれども、 収入ダウンしていたこのときに、気仙沼は17% と全国一下げ止まっておりました。これは、管 理している顧客データを分析して、仙台市在住 の方をターゲットに働きかけるなど、細やかな 具体的な戦略ができた、これはまさにマーケテ ィングの勝利ということでありました。

現在気仙沼は6万人人口ですが、利用者は3 万2,000人は観光客、2万2,000人が市民といっ た構成で、ニーズ調査、またアンケート調査な どで明確に気仙沼ファンの反応を把握し、クル ーズ付プランや星空観賞つき観光など、その声 を基に確実なマーケットインの観光商品の造成、 また顧客へのDM、またポイント特典、市民の 消費喚起も含めて、効果的なキャンペーンを展 開しております。

昨年10月、遠藤議員と一緒に視察をした兄弟 都市、鹿児島でも稼ぐ観光をKGI、これは経 営目標達成指標、こういったものを含む経済政 策として掲げて、鹿児島ファンアプリわくわく というので顧客管理を行い、観光客動向や消費

の実態把握を始めておられます。今日伺ったと ころ、現在2万5,000人の会員とのことでした。 昨年10月は2万人だったので、どんどん拡大し ているということだと思います。

また、年800億円市民全員で稼ぐと観光戦略 で定めた呉市でも、マイクレという同規格のC RMアプリを導入し、観光実態把握と顧客管理 を今年度から始めております。

こうした地域と比べますと、現在我が市のD EGAMのマーケティング方策は残念ながら大 変大ざっぱで、現状の実態把握ができていない というレベルではないかと感じました。今年2 月開催のDMO全国会議でも、下呂温泉のCR M、鹿児島、指宿のCRMアプリや活動実態な どが紹介され、デジタルの顧客管理で確実に観 光動向をつかんだり、ダイレクトにキャンペー ンを打つCRMの有用性を改めてまた感じさせ ていただきました。

そこで、提案ですが、改めてこの稼ぐ観光の 司令塔であるDMOのマーケティングとして顧 客管理、鶴岡ファンづくりのためのCRMの取 組を提案いたします。見解をお伺いします。

○観光物産課長 観世安司 それでは、観光CR Mと顧客管理についてお答えいたします。

観光CRMは、宿泊施設等の来訪者データを 収集・分析、これに基づきまして観光客のニー ズや行動理解するための仕組みで、本市のファ ンづくりやリピーターを増やす観点からは効果 的なものと認識しております。

一方、本市の観光マーケティングを担うDE GAMでは、令和2年3月から観光客動向調査 を実施いたしまして、性別、年代、居住地など の基本属性のほか、訪問先、宿泊費予算、満足 度などの情報を収集しているところでございま す。

CRMの導入につきましては、宿泊施設の独 自顧客データを外部提供することへの抵抗感、 あるいは導入経費やランニングコストの課題も

あろうかと思いますが、一方でデータに基づく 旅行者の動向を把握することが今後さらに重要 になってくることから、CRMの観点に立ちま して、ウェブ等を活用して鶴岡に興味関心のあ る人を対象にしたマーケティングの強化に取り 組むことをDEGAMあるいは観光関係者と改 めて今後検討してまいりたいと思っております。 以上でございます。

草島 今懸念材料とかをお話し なさいましたけれども、これやっぱり現場行っ て見ないとこの有用性は分からないと思うので す。今回3度目なのですけれども、今までまだ 気仙沼で来たという話は聞いていない。

ぜひ気仙沼、それから鹿児島、鹿児島60万人、 気仙沼6万人、あと呉市22万人、指宿市5万人。 前は、気仙沼6万人だからできるみたいな話だ ったでしょう。60万の鹿児島でもやっているの です。鹿児島、兄弟都市でもあって、同じよう に観光戦略頑張ろうとして、ぜひこれ視察して いただけませんか。ぜひ現場を見ていただきた いのですけれども、いかがですか。

○観光物産課長 観世安司 ただいまCRMの観 点に立ったマーケティングの強化につきまして、 検討いたしますとお答えいたしましたので、そ の中で持続可能な観光地づくりに向けまして、 先進地の研究、研修、こういったものにつきま しても検討してまいりたいと思います。

草島

ありがとうございます。 続いて質問しますが、産業政策として稼ぐ観 光としての着地型観光メニューの造成、またそ れを担う人材育成というのは、このDMOの進 化とともに大変重要なことだと思います。これ も鹿児島市で行っているのですけれども、有識 者、また観光学を専門とする和歌山大学、また 東北公益文科大学にも1つ講座があります。こ こと、あと県とも連携をして、市民も行政も産 業としての稼ぐ観光のトレンドを学び、そして 新たな地域の観光人材を育成する観光塾、この 設置を求めたいと思います。見解をお伺いします。
○観光物産課長 観世安司 それでは、観光塾の 御質問についてお答えいたします。 観光塾は、観光のトレンドや先進事例等の情報獲得、それから各地域で活躍する観光関係者 とのつながりづくりなど、観光人材の育成に非 常に寄与するものと考えております。現在観光 塾に似た仕組みとして、東北観光推進機構が主 催するフェニックス塾、それから庄内観光コン ベンション協会が主催するセミナーなどがござ いますけれども、これらを利用しつつも、県や 東北公益文科大学とも稼ぐ観光の観点からどの ような連携ができるのか、今後検討してまいり たいと考えております。

草島

DMOもうかなり進化し ていると思っていて、トレンドをやっぱりしっ かり学んで、この最高の資源を生かす、そうい う方策をみんなで学び合うと。学び合っている 人たちがまたグループをつくって、そこから新 しい商材を生み出していくような、そんな新た な動きになったらいいなと思っております。

産業政策の観光というのは、顧客関係管理と か、このCRMによって明確な実態把握ができ てこそ目標の設定もできるし、産業政策、経済 政策になっていくと思うのです。まず、スター トラインとして、こういう実態把握というのが 必要だ。そういうことで鹿児島なんかもいろい ろ頑張っていると思うのですけれども、ぜひ鶴 岡でもやっていただきたいと思うのですが、こ れ最後に市長の見解を求めたいと思います。お 願いします。

○市長

これからの産業の強化に当た りまして、この観光分野は大変重要だと私も思 っております。今草島議員さんからも様々情報 提供もいただいておりますが、マネジメント、 それからマーケティング、その上でブランディ ング化がされていくと、やはりそういう流れなのかなと思っておりますので、まだまだこのD EGAM5年たちましたけれども、この顧客関 係管理という視点が弱いなと感じておりますの で、一層の改善に努めてまいります。

草島

 来年度開催の和食展もそ うですし、また国際シンポジウム、食文化創造 都市10年の、大変いい企画をされていると思いますし、訪れる方々も増えていく時期だと思います。ぜひこれ早めに取り組んでいただければ と思います。最後に要望いたします。ありがとうございました。


それでは次に、浮体式洋上風力発電の質問を 行います。

昨年10月に、遠藤議員と会派で日本 で初の浮体式風力発電の実証実験と商用運転が 行われている長崎県五島市の2メガワット浮体 式風力発電を漁船から視察をし、メンテナンス 事業者などを取材、また浮体式風力発電事情に 詳しい長崎大、織田洋一先生を訪ね、取材をい たしました。

先般のCOP28では、2030年までに再エネを 3倍に増やすということが国際的なミッション となりました。再エネの普及は、風力と太陽光 が2強というのは世界の常識であります。しか しながら、鶴岡市の事情でいえば、陸上の風車 は今般天然記念物のマガン、オオヒシクイなど 数多くの渡り鳥が確認されたり、クマタカバー ドストライクを引き起した野鳥への影響や風車 騒音の睡眠影響などを考慮すれば、今計画が残 っている4.2メガワット風車の矢引も含め、認 められないと考えます。

また、洋上についても庄内沖の遊佐、酒田で の離岸距離2キロメートルに15メガワット、巨 大な風車が建ち並ぶ計画は、250名の不眠症を 引き起こすと試算された風車騒音の問題や国際 的なガンカモ類の渡りルート上にあること、ま た漁業への深刻な影響が懸念され、海外実例か ら見ても非常識ということは事実であります。

織田先生によれば、世界の実情は着床式の洋上風力発電が1991年に始まり30年歩んできた時 代が、2025年から本格的に着床と浮体式の時代 になる。浮体式は、2009年商用機、エクイノー ル社、これはノルウェーの企業ですが、これが 初で14年、2030年以降は15メガワットが90基と、 これ1ギガワット、このクラスのファームが世 界でぐっと増える。日本の洋上風力は、沿岸か らの海域60キロ以内だけで、今の日本の電力需 要の2倍を超えるポテンシャルがあるが、その 洋上風力発電が可能な海域の98%以上が浮体式 用の海域だということであります。

また、浮体式風力発電は着床型に比べ、イニ シャルで2割、3割高額ではありますけれども、 沖合は風速があり、発電効率がいい。風車の場 合、風速が2倍になると発電量は8倍になりま す。また、設備利用率として、着床式はおおむ ね30%なのに対し、浮体式は50%という実績が あります。また、今後量産化されることにより コストの差は解消に向かうということ。また、 技術的には浮体式の潜体部分は油田のプラント で60年の実績があり、もう基本技術は確立済み ということでありました。

そこで、普及の阻害原因、阻害要因は何かと いうことですが、国の制度に問題があるという ことであります。世界では、マリンスペーシャ ルプランニング、日本語で海洋空間計画といい ますが、各国政府は領海とEEZまで含んだ海 域を何に利用するのかを、国の責任で漁業、海 運、防衛、生物保全海域、ここは洋上風力可能 海域とゾーニングを行っております。欧米はほ とんどの国が行い、アジアでは台湾、韓国、ベ トナムで国主導でゾーニングをしている。台湾 は、日本より15年先を進んでいるということが 実態ということであります。

日本では、現状の法体系では、おおむね5キ ロ以内の共同漁業権以内のリーガルリスクの調 整しかできない。また、日本で現在行われてい る開発海域で事業者と漁業者と地元自治体が協

議・調整した後国が認可するような、今遊佐で やっていますけれども、こういうボトムアップ の手法というのは諸外国には存在しない、非常 識と言えるやり方だということでありました。

昨年9月の海洋技術フォーラム、これは東大 で行われておりますが、先生方は、国は風況や 水深などの情報提供と、漁業、海運、防衛、外 交に支障を及ぼす水域を除外した調整候補水域 を示し、導入目標に関する全体像を示すことな ど、国が主体となってゾーニングするというこ とが提言されております。

これは非常に重要なことでありまして、ぜひ 今後の鶴岡沖、庄内沖の浮体式風力発電の普及 に向けて、我が鶴岡市からもこのことを国に要 望いただきたいと思います。これ見解をお伺い したいと思います。

そしてまた、織田先生がいらっしゃる長崎大 学海洋未来イノベーション機構というのがある のですけれども、これ海洋エネルギーの開発と 利用、また次世代型水産技術開発などの海洋分 野の人材育成の機関として設置されております。

また、2022年には産学のコンソーシアムによ る洋上風力発電大学教育カリキュラム等整備事 業として長崎大がリードし、秋田大学、また秋 田県立大学、千葉大学と連携し、九州大学、J ERAほか5つのエネルギー会社と共に産学の コンソーシアムを形成し、人材育成が行われて おります。

そこで、提案なのですが、今後この浮体式洋 上風力発電という地域の新たな産業人材の育成 の在り方として、東北公益文科大学や大学院で、 秋田県や千葉県のように長崎大との連携の講座、 またコンソーシアムの提案を県、また大学に向 けて行っていただきたいと思いますけれども、 見解をお伺いしたいと思います。

○市民部長

ただいま浮体式洋上風力 発電に関して2点御質問をいただきましたので、 初めに海洋空間計画とゾーニングについてお答 えさせていただきたいと思います。 浮体式洋上風力発電事業については、御案内 のとおり海洋再生可能エネルギー発電設備の整 備に係る海域の利用の促進に関する法律、ちょ っと長いですけれども、再生可能エネルギー海 域利用法に基づき、国が主導して進めておりま す。

現在国は、領海内において北海道石狩市浜益 沖、北海道岩宇・南後志地区沖、秋田県南部沖、 愛知県田原市豊橋沖、以上4つの海域を候補に 事業者の公募を始めております。このうち、2 つの海域で実証実験を始める方針を示しておる ところでございます。また、洋上風力発電の可 能性を広げるため、国においては排他的経済水 域への拡大も検討されているところと承知して おります。

議員からは、ただいま鶴岡沖、庄内沖での浮 体式洋上風力発電等の普及に向け、国へ要望してほしい旨の御提言ございました。まずは、国 のそうした動向を注視し、関連する情報収集から始めてまいりたいと存じます。

次に、長崎大や長崎海洋アカデミーとの連携 及び東北公益文科大学大学院の連携等、コンソ ーシアム設立に係る大学や県への提案について 答えさせていただきます。

議員紹介の長崎大では、秋田大学なども参画 しながら、洋上風力発電の導入促進に資する人 材を輩出するため、大学生、大学院生を対象に、 洋上風力の事業開発に携わる高度な専門知識と 現場実践力を備えた人材育成のための仕組みや カリキュラムを産学が連携して行っております。 また、アジアで唯一の洋上風力の総合的な社会人育成機構、長崎海洋アカデミーと連携して、 学生向けの講座開発や発電事業者が有するウイ ンドファーム現場と連携した学生教育、こうし たことの人材育成に取り組まれております。

東北公益文科大学におきましても、人材育成、 公益学の確立、そして地域競争ということを使

命とし、国際社会や経済、環境エネルギーの動 向や課題を捉えながら、産学官民連携による多 様な分野にわたっての教育がなされておりまし て、地域に貢献できる人材育成に取り組まれて いるものと存じております。

議員からは、東北公益文科大学の人材育成の 在り方として、長崎大や海洋アカデミーとの連 携やコンソーシアム形成について御提言をいただきましたので、今後の大学との意見交換の 場などで話題にしてまいりたいと存じます。