NPOとデモクラシー
チャイルドラインつるおかの講座。廣岡守穂 中央大学法学部教授 の「NPO ボランティアの果たす社会的役割」を聞く。
NPOの本質的な意義とは、「自分育てと仕事おこし、まちづくり、人おこし」を行う。
本当の生き生きとしたデモクラシーのためのものだということ。ただ、選挙制度があるからというのが民主主義ということでなく、何かを変えたい。問題を解決したいという一人一人の熱い想いと行動によって、社会のシステムをつくる。そこに本当の民主主義の意味がある。ということ。
廣岡さんの身近な体験として「市民外交センター」のエピソードをおうかがいしながら、僕は神戸元気村、中越元気村などでの体験と重ね合わせていた。もちろん、同じ思いでやっている一本の清流を守る取り組みもだ。
一見、何事もないかのように流れている時間の中で、新聞であれだけ取り上げられる問題が社会には存在している。その一つ一つの事件のたった一つとっても、大きな問題だ。その一つでもすくい上げ、拾い上げ、自分の真正面で受け止めて、なんとかしようと立ち上がれるかどうか。僕とて、全てを受け止められるわけではない。
でも、誰かが動けば、未来の惨状を変えることができるいろんな問題が社会にはある。
廣岡さんが事例でとりあげた、富山の保健士3人ではじめた「この指とー
まれ」はその後、全国で展開され、長野では特に広げられた宅幼老所のモデルだった。
想いをもって行動する。そんな人がもっともっと多く居るということが、この鶴岡市の本当の活性になるだろうし、山形県とて、また日本とて然りだろう。
民主主義を実現するためのNPO やNGO。 これは以前、仙台のフォーラムで当時の浅野宮城県知事も同様の主張をされていた。当時、浅野さんは、民主主義を実現する3つの柱として、情報公開、議会改革、NPO を掲げてらっしゃった。
デモクラシーのためのNPO やNGOというのは、世界中の常識なのだけれど、こうした社会をつくろうとすると、都合の悪い人たちがいる。だから、日本のNPO事情というのは今、まだ「なかなか食っていけない」状況ということになっているのだろう。
改めて考えさせられた。