25年3月総括 1)給食 2)農業 3)新図書館 4)地方大学交付金事業
市民の声・鶴岡を代表し、 総括的に質問をいたします。 まず、給食センターについてであります。 今般、新学校給食センターの整備基本計画案 が2月19日に発表になり、DBM方式で建物と 維持管理を民間事業にする、また調理について は民間委託とのことでありましたが、本日市長 から民間委託を決定したものではないと御発言 いただきました。私、大歓迎であります。給食 の発祥地であり、ユネスコ食文化創造都市の給 食として、昨年9月議会にも自校給食などに切 り替えるなどして日本一の給食を目指すべきで はないかとこれまで私は主張してまいりました。 今政府は、給食無償化を打ち出し始めておりま して、今後の自治体政策として、給食はより安 全・安心なオーガニック、無添加食品などに全 国の自治体が向かうことは想定できます。より 機転の利く対応が求められると考えます。私は、 食材選定、調達や調理、そして児童・生徒の口 に運ばれるまでとろとん日本一と言える給食に していただきたいと思うわけですが、例えば自 治体直営の自校給食にも負けない、それを上回 るような日本一の給食をどのように担保できる のか、また実現できるのか。民間委託ではない ということですが、どんな方法を考えていらっ しゃるのか、鮮明にお話ししいただきたいと思 います。
次に、農業についてであります。 この2月11日かいわいでは、「時給10円とい う現実~消えゆく農民~」という45分特集番組 が全国で放映されました。また、この3月30日 には、農民に欧米並みの所得補償を掲げ、令和 の百姓一揆としてトラクターデモが企画されて おります。この代表者の菅野芳秀さんは、県内 長井市の有機農業者で、長井のレインボープラ ンの立て役者であります。鶴岡JAでも先日御 講演された東大の鈴木宣弘先生も、以前は全予 算の12%あったが、今1%になっている現在年 2兆円の農業予算を年5兆円にするなどして直 接補償を行い、小農、家族農業であっても持続 可能な農業経営ができ、食料安全保障が担保で きる農業政策が必要と説いておられます。今の 農政は、抜本的に転換が必要。2月18日の百姓 一揆の院内集会には、舟山康江議員をはじめ、 32名の国会議員が集い、その必要性を説いてお られましたが、私も全く同感であります。我が 市の基幹産業である農業の政策であります、農 業先進国では当たり前の戸別所得補償を国に求 めていくとともに、持続可能な農業のモデルを ぜひこの鶴岡からつくり出していただきたいと 思いますが、いかがでしょうか。お伺いします。 また、新年度の支援政策、また新規就農支援 としてはSEADSが5周年とのことですが、 ここまでの成果をお伺いします。 また、今後の展開方針をお伺いします。
私は、12月議会で脱ネオニコ農薬、有機農業 の提言をさせていただきましたが、この1月に はコウノトリの里、兵庫県豊岡市を視察し、県 と市とJAと三位一体となって、無農薬や75% 減農薬のコウノトリ育む農法に取り組み、無農 薬面積を全米農家面積の7%、減農薬米面積を 14%達成、そしてコウノトリは2005年の放鳥の 後、460羽自然繁殖している、そのことを確認 してまいりました。我が市は、現状0.6%の有 機農業でありますが、来年度の取組はどうかお 伺いをいたします。
次に、農福連携についてであります。 1月31日、市も共催をして、先駆的農福連携 事例に学ぶ研修会が行われました。福祉、農政、 商工の市担当者がまさに縦割りを超えて横断的 に、国際村ほぼ満員に集っておられましたが、 鶴岡市政史上、あれだけ横断的に職員が集まっ て行った研修会は初めてだったのではないかと 思います。自死対策やひきこもり支援対策や障 害者支援、生活困窮者、社会的に支援が必要な方々と農業の現場をつなぎ問題解決に当たる、 大変有意義な農福連携の取組と感じました。高 知県で実際に自死対策と農業の現場等をマッチ ングさせて取り組まれている現場の話を私も感 動しつつ聞き入ったのでありますが、農水省か らいらしてプレゼンをいただいた担当官は、農 水省時代の市長の部下の方でありました。市長 は、この農福連携のシンポジウムについてどの ように評価をし、今後の市政でどのようなビジ ョンを持って取り組もうとしているのかお伺い をしたいと思います。
次に、新図書館構想についてであります。 この構想づくりについては、図書館ミーティ ング、講演動画のユーチューブアーカイブの公 開、また提案をしたデジタルプラットフォーム も活用して市民参加を図っていただいたことを 評価いたします。私もミーティングを通じて多 様な意見が飛び交う現場を体験しましたし、ま た改めて郷土資料館に石原莞爾をはじめ、貴重 な資料が所狭しと保管されていることを改めて 認識をいたしました。この構想を取りまとめる に当たっての成果と住民参加の評価、また今後 の基本構想から基本計画まで、場所の選定や機 能の取りまとめ、建築設計など、ここからが大 変重要と感じますが、今後の取組の方向性、見 通しをお伺いいたします。
最後に、地方大学・地域産業創生交付金事業 ガストロノミックイノベーション事業について であります。 これは、年間4億円、5年間で22億円の事業 と伺っています。山形大学と慶應大学が連携を して産業創出と食文化に取り組むということの ようで、12万規模の自治体で採択されるのはま れとのことであります。この採択まで市長を先 頭に頑張ってきた担当諸氏の尽力を評価いたし ますが、この事業の意義や目標、また市長のこ の事業にかける思いをお伺いいたします。以上 です。
○市長 皆川 治 草島進一議員さんからの総括 質問に対しまして、順次お答えをさせていただ きます。 まず、給食センターに関する御質問にお答え をいたします。 先ほど7番長谷川 剛議員さんへの答弁のと おり、新鶴岡市学校給食センター整備基本計画 につきましては、調理業務を民間委託とすると の記載については見直してまいります。新年度 に新たに運営準備委員会を設置し、調理を担う 主体はもとより、食材の調達を含め運営の具体 的な内容について、学校給食の確実な質の向上 と未来の調理現場をつくる観点から検討し、令 和7年度中に結論を得てまいります。
新たに設 ける運営準備委員会につきましては、先進的な 取組である武蔵野市給食・食育振興財団の運営 などを参考としつつ、調理や栄養分野の識者、 生産者、学校関係者や保護者などで構成し、調 理の内容を精緻に検討するとともに、在来作物 や安全に配慮した食材調達や本市の食文化を取 り入れた献立作成、児童・生徒への食育指導な ど、未来の調理現場をつくり、日本一の学校給 食センターとするよう取り組んでまいります。 日本一の給食は、新鶴岡市学校給食センター整 備基本計画案にも記載しているとおり、学校給 食発祥の地、ユネスコ食文化創造都市にふさわ しい鶴岡らしい特色ある給食を提供することと 考えております。
専門家と市民参画の下で行う 運営準備委員会での議論を踏まえ、栄養、味、 食育等の観点から、確実な質の向上が持続的に 実現できる仕組みを構築し、日本一の給食を実 現すべく取り組んでまいります。
次に、農業政策についてお答えをいたします。 農業は、気象変動のリスクに常にさらされて おり、また農業を通じた活動が国土や地域の文 化を保全するなど、多面的な機能を有するとい う特性があります。農業の振興に当たっては、 単に効率的な生産体制をつくるだけでは不十分であり、セーフティーネットや持続可能な再生産が可能な体制づくりへの政策的配慮がなされ べきだと考えております。EUなど諸外国で は、条件不利地域に対する支援が我が国より充 実しており、国家の食料安全保障に直結することであることから、米国を含め、農家を支える という点では与野党を超えて政策を立案すると いう姿勢が貫かれております。我が国において は、北から南まで、気候や地理的条件が多様で あり、それに応じた農業政策の立案が打ち出さ れることが強く求められております。鶴岡市は、 大規模な経営から在来作物や有機栽培まで多様 な経営体が共存し、地域の農地を守っている持 続可能な農業の先進地と自負しております。今 後ともこの特性が発揮され、誇りを持って農地 が継承される農業政策が企画立案されるよう取 り組んでまいります。
次に、SEADSについて、春に第6期生を 迎えることとなっており、この春就農する第4 期生を含めますと累計27名の新規就農者を育成 しております。その中では、朝日の東岩本地区 で花卉栽培に取り組んでいる方や、栄地区で夫 婦で新規就農された方、西郷地区で特産のメロ ン栽培に取り組んでいる方、藤島の渡前地区で 第三者継承した方などがおり、各地域に根差し て修了生が活躍しております。新規就農者の確 保が大変な中で、国や県の支援策も活用してお りますが、市独自の地域への定着システムが確 立されつつあることは、本市の大きな強みとな っております。今年秋には、SEADS設立5 周年記念事業を開催するとともに、農業委員会 など関係者ともより一層連携し、新規就農者の 育成、確保のシステムを構築してまいります。 最後に、令和7年度の有機農業支援の取組に つきましては、市の独自施策として有機・循環 型農業支援事業補助金を新たに創設することと いたしました。有機農業や堆肥散布等の循環型 農業に取り組む農業者の労力軽減に資する機械 導入を支援するものであり、今月24日には、オ ーガニックビレッジ宣言に基づく有機・循環型 農業促進協議会の総会を開催し、農業者をはじ めとする関係者の声を反映させながら、取組面 積が拡大するよう取り組んでまいります。
次に、農福連携の研修会の評価とビジョン、 今後の展開についてお答えをいたします。 令和7年1月31日に開催された先駆的農福連 携から学ぶ研修会につきましては、本市が共催 者となり、農業従事者をはじめ、社会福祉法人、 JA、ハローワーク、行政機関など120名以上 が参加し、成功裏に終了できましたことに感謝 を申し上げます。この研修会では、農林水産省 の農福連携室長の講話や、高知県のNPO法人 こうち絆ファームの先進事例を学ぶ機会となり ました。農福連携は、農業の担い手不足と支援 が必要な方の就労支援や作業工賃の引上げを解 決するため、農業と福祉の分野が協力し、障害 者等の就労支援を行う取組です。こうち絆ファ ームの事例では、生きづらさを抱えた方々が農 業を通じて活躍できる取組を行っております。 こうち絆ファームの活動は、障害者に限らず、 高齢者やひきこもり、生活困窮者など支援が必 要な全ての人々を対象としており、地域共生社 会の実現を目指しています。また、多機関との ネットワーク構築や顔の見える関係の重要性も 強調されました。地域内の農業や福祉関係者に 農福連携の理解と今後の可能性を掘り起こすきっかけづくりになったものと捉えております。 市内の民間事業者では、国の民間公益活動連携 機構の助成を受け、農福連携による共生社会創 造事業を実施し、農福連携の中核を担う人材育 成や地域関係者との連携ネットワークの構築に 向けた検討を行っています。本市では、農福連 携が個々の取組から地域全体へ広がるよう、現 在取り組まれている事業者と協働するとともに、 農林水産分野や健康福祉分野だけでなく、商工 部門等とも連携し、令和7年度には就労支援サポーターの支援を実施してまいります。農福連携だけではなく、様々な分野の連携を進め、誰 一人取り残さない地域共生社会の実現に向け、 より多くの人々が社会に参画できる環境を実現 することを目指してまいります。
次に、新図書館についてお答えをいたします。 今年度は、新たな図書館の在り方を基本構想 にまとめ、3月12日までパブリックコメントを 実施しております。基本構想の主な内容としま しては、基本理念を学び、出会い、育つ、みん なでつくる鶴岡図書館とし、5つのキーワード、 学び、出会い、居場所、子供及び郷土に基づく 基本方針、必要な機能やサービスを整理し、新 図書館の延べ床面積を約3,500平米から4,500平 米程度としております。
また、5つの分館や移 動図書館、郷土資料館など本市独自の施設や機 能についても、その重要性を確認し、それぞれ の機能を拡充し、利便性を高めていくとしてお ります。 次に、構想策定に向けた住民との対話につい てでありますが、特徴的なものとして、有識者 や関係団体の代表者で組織する懇話会の開催に 加え、自由に参加できるワークショップ形式の 図書館ミーティングや、時間や場所にとらわれ ず参加できるデジタルプラットフォーム、また ウェブでのアンケート、地域対象別のヒアリン グなどを行いました。図書館ミーティングやデ ジタルプラットフォーム、アンケートなどは、 6 月 か ら 1 1 月 ま で 1 7 の 事 業 を 行 い 、 延 べ 4,026人の方に参加をいただき、多くの方の御 意見を構想に反映できたと考えております。来 年度は、引き続き市民の皆様との対話を重ねな がら基本計画を策定してまいります。また、市 民の皆様が抱える課題の解決や求める情報を発 信できる図書館を目指し、一層庁内各課と課題 を共有し、対応してまいります。図書館への関 心を高め、新たな利用者の掘り起こしなどを目 的に図書館リレー企画を開始したところであり、 引き続き市民参加型事業を継続して実施してま いります。
最後に、地方大学・地域産業創生交付金事業 についてのお尋ねについてお答えをいたします。 本事業は、山形大学と慶應義塾大学が連携し、 この春に新たな研究所を立ち上げ、新食材や付 加価値の高い食品、食産業の振興や食文化の保 存、伝承につながる新技術の研究開発を行うこ ととしております。加えて、国立・私立の枠を 超えた連携科目の開設やカリキュラムの改編な どの大学改革を行い、両大学が共同で研究人材 の育成を行ってまいります。本事業の推進に当 たっては、広く地域企業にも参画を呼びかけ、 両大学が持つ農学やバイオ、AIなどの技術を 活用した共同研究の推進によって、地域企業と 大学との連携強化を図ってまいります。また、 研究成果を地域の企業や農家などにも広く普及 させるとともに、観光業など食産業以外への展 開も積極的に検討し、地域全体の活性化を図っ てまいります。本計画は、内閣府の地方大学・ 地域産業創生交付金を活用するものであり、本 交付金事業への採択は中核市未満の自治体とし ては本市が初めてとなっております。今回の採 択は、地方創生の先頭を走る本市への期待でも あり、高等教育機関の集積のほか、農業や食文 化創造都市などの特性を生かした本計画の内容 が高く評価されたものであります。私は、常々 地方創生の本丸は食、農業だと捉えてまいりま した。本事業を推進し、研究成果の活用によっ て新たな産業と雇用の創出を図ることが重要で あります。育成した研究人材のベンチャー企業 や地域の中小企業への定着を推進し、若者に選 ばれる仕事、まちをつくり、地方創生の新たな る展開をリードしてまいります。
○2番 草島進一議員 まず、給食センターのこ とからお伺いしてまいります。 先ほど武蔵野市の方策のことについて出てき て、武蔵野市の給食は、今治市なんかも有名なのですけれども、大変有名で、まさに日本一の 給食と言える、そういう方策を行っているもの の一つだと思います。先ほどありましたが、一 般財団法人武蔵野市給食・食育振興財団という のを設立し、これ市が出資をして設立をし、こ こも民間委託かどうか迷った時期があったけれ ども、民間委託では市の特色ある給食を守れな いとの考えから財団設置を選んだと。設備から 人材育成まで一貫した運営の下において、独自 の安全基準の下、安全・安心、こだわり、手作 りの学校給食を守っているというところでして、 大変食材だとか調理にこだわっているところだ と認識をしております。ちょっと調べただけで も、有機栽培米、無農薬米、国産小麦、有機J ASの野菜、保存料・着色料など無添加、卵は 国産の鳥から採卵、遺伝子組換えは使わないと か、大変優秀な給食をよく捉えて、ある意味で は方針転換なのかもしれませんけれども、そう いう決断をしていただいた。これから検討とい うことでしたけれども、これは本当果たして民 間委託でどうするのかなという私も不安を持っ ていたものを1つ解消していただいて、有意義 な検討をしていただけるとのこと、私はもう最 大限評価をいたします。
1つそこでお伺いをしたいのですが、武蔵野 市の学校給食って、まさに献立の作成とか規格 基準とかきちっと決めてやっているのと同時に、 やはり民間委託ではなくて市が出資する財団法 人、財団によってやると、そういう検討もこれ から行われるということでよろしいでしょうか。 お伺いをしたいと思います。
○市長 皆川 治 学校給食センターにつきまし ては、学校給食の確実な質の向上と未来の理現 場をつくる観点から検討するということを先ほ ど申し上げたところでございます。この武蔵野 市給食・食育振興財団につきましては、当然食材は安全なものでなければいけませんし、また 食材本来の味を引き出すということも重要であ りまして、生産者とのコミュニケーションとい うようなことも十分考えて、調理を含めた学校 給食の運営の核となっている、そのような財団 だというふうに承知をしております。今後につ きましては、まず新年度に新たに運営準備委員 会を設置いたしまして、私どもとしての検討を してまいりますけれども、様々な情報収集をす る中で、今回私どもも参考にもさせていただき ました武蔵野市の財団の取組なども十分研究し てまいりたいというふうに考えております。
○2番 草島進一議員 ありがとうございます。 ぜひ武蔵野方式をまさに研究をしつつ、また鶴 岡モデルをつくっていただきたいと思います。 まさにそれが日本一の給食につながるものだと 思いますので、私は信じておりますので、ぜひ よろしくお願いしたいと思います。 農福連携のこともそうですし、今百姓一揆の お話もさせていただきましたが、農をめぐる食 文化であったり、農をめぐる環境、有機農業に ついても25%に向けてとかという大変に大きな 課題がかけられていると思います。これは、ぜ ひ農水省出身でもある、そして農業をやっぱり 基幹として捉えておられる、給食はまさに農業 のところから全てが始まると思うのですけれど も、ぜひ今後ともリーダーシップを取って、農 業の在り方、また食文化の在り方、給食の在り 方、しっかりと進めていただきたいと思います。 ありがとうございました。