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穴あきダム関連



朝日新聞より転載。

長野県知事の脱「脱ダム」、各地の論争に影響も

長野県の村井仁知事が田中康夫前知事の「脱ダム宣言」を事実上撤回し、8日、浅川(長野市)に「穴あきダム」をつくると表明した。地方での「政権交代」による百八十度の政策転換だ。「脱・公共事業」の流れを象徴した「脱ダム宣言」だったが、その「無効化」は、各地で続くダム論争に微妙な影響を与えそうだ。

 国土交通省の安富正文事務次官は8日の会見で「村井知事は現実的な対応をした」と評価したうえで、「(穴あきダムが)治水に有効であるとすれば、今後、色々なところで活用される方式ではないか」と述べた。

 淀川の治水をめぐって国交省と対立した経験を持つ今本博健・京大名誉教授(河川工学)も「穴あきダムが長野でも採用されたとなれば、ダム推進派の勢いは増すだろう」と予想した。各地で利水の需要が減る中、環境への負荷が少ないとされる治水専用の穴あきダムが「逃げ道として建設されている」と、今本さんは指摘する。

 国内で唯一完成している穴あきダムの益田川ダム(島根県)には、毎週のように全国各地の自治体から視察にやってくる。当初のダム計画より堰堤(えんてい)を約10メートル下げて小型化し、事業費も2割安くできたといい、「折衷案として、反対住民にも納得してもらえた」と県の担当者は言う。

 全国で計画中の穴あきダムは国交省の直轄・補助事業だけで現在九つ。このうち、山形県の斎藤弘知事は昨年11月、最上小国川ダムを「穴あき」で建設する方針を表明したばかりだ。反対派の沼沢勝善・小国川漁協組合長(70)は「就任前、斎藤さんは私に『脱ダム宣言』の文字が入った田中前知事の名刺を見せてくれたので期待していたのだが……」と話す。

 「脱ダム宣言」から6年。法政大の五十嵐敬喜教授(都市政策論)は、長野県の判断について「県営ダムの話とはいえ、国が手厚い補助金で支配する中央集権的な公共事業の構図に戻るということではないか」と指摘している。

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ここで漁協の沼沢さんが指摘している事は山形県民の多くが思っている事だろう。

斉藤知事は、選挙戦の際、長野県 田中知事に応援演説をさせ「市民派」「改革派」を強調した。しかし実際は、全く異なる姿勢をもつ人であった。昨年末の「穴あきダム推進」表明はその最たる事である。

長野県は、また、住民の声が反映されない、旧体制のモラルハザード状態に戻っている。山形県政はといえば、どうだろう。コストカッターは解るしかし、肝心の「利権」の構図はそのままといえるのではないか。だからダムなのだ。
 脱ダム宣言は、脱ムダ宣言だ。長期的なスパンでの「地域経済」を考えたとき、また持続可能な地域社会、人口維持を考えたとき、カネでは買うことができない地域資源としての清流環境や生態系を保全することがいかに大事か。それに比べて目先の利権で作られるダムによって、借金の山やコンクリートの山を増やすことがいかに愚かか。という指摘をしていた。特に、ダムなどを補助金目当てでつくったとしても儲かるのは中央のゼネコンとダム利権で肥える政治家であって、地元の利益にはほとんどならない。
田中さんは、よく ダム一件、9割が国の負担でできるというけれど、その費用の7,8割以上は中央のゼネコンの懐にはいる。地元の経済にはほとんど貢献しないのだと指摘していた。
ある研究者は、ダム一件でその総工費の15%が利権をむさぼる政党にはいっていたこともあると指摘していた。この辺りはもっと慎重に調査しなければと思っているのだけれども、そうした、本当の「ムダ」を止めることこそ「脱ダム宣言」だったのだと思っている。
 穴あきダムにごまかされていて、全国の県政、国政がまたモラルハザード状態になろうとしている。

 穴はあっても、ダムはダム! 
 長期的スパンで、流域住民の本当の公益につながる真の治水を叶えよう!


今日は午後、臨時議会の当局ヒアリング など。