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安保法案は違憲。立憲主義の視座ーわかりやすい長谷部教授の論。


 

 

以下、安保法案について、6月4日の衆院憲法審査会で「集団的自衛権の行使は違憲だ」と発言した自民党参考人の長谷部恭男・早稲田大学教授に高知新聞がインタビューした記事です。

実にわかりやすいし、これこそ立憲主義の視座であると感じました。

 

ぜひご一読を。

 

 

集団的自衛権丸ごと違憲 高知新聞が長谷部・早大教授にインタビュー

2015年06月10日07時58分

解釈変更の拡大懸念 

 国会で審議中の安全保障関連法案について、6月4日の衆院憲法審査会で「集団的自衛権の行使は違憲だ」と発言した自民党参考人の長谷部恭男・早稲田大学教授(58)が高知新聞のインタビューに応じ、「憲法9条があるのに集団的自衛権の行使を認めることはあり得ない」と述べた。行使には憲法改正が必要と強調し、解釈変更によって進める安倍政権の動きを「末期的だ」と厳しく批判した。 

 長谷部教授は集団的自衛権の行使に従前から反対している。 

 インタビューの中で長谷部教授は、安全保障関連法案の成立を目指す自民党の推薦ながら国会で「違憲」と述べた理由について「聞かれたから、自分が思う通りに話した。集団的自衛権に関しては丸ごと違憲だ」と語った。 

 現行憲法では集団的自衛権が行使できないのは「歴代の政府が言ってきたこと。(今回の安保法制は)次元が全く違う。まっとうな手段じゃない」と反対の立場を強調し、「安全保障環境が以前より危険だというなら、日本の限られた防衛力を地球全体に拡大するのは愚の骨頂だ」と指摘した。 

 解釈変更で事実上の憲法改正を進める現政権の動きを「異常だ。変な国になる」と強く反発。仮に集団的自衛権が行使可能になったとしても、「イスラム国の掃討作戦には参加しない」とした首相発言に対し、「今の首相がそう言っただけ、という話になる」とし、時の権力者によって解釈変更が拡大する懸念を示した。

 ホルムズ海峡にイランが機雷を敷設するという想定も「考えられない。全くのファンタジーだ」と述べた。 

 長谷部教授はさらに「憲法が再び根本的に変われば大戦争が起きる可能性は常にある」「憲法のことを日々考えずに済む国民は大変ハッピーだが、今回は根幹を変える話。いずれ日々考えるようになるかもしれない」と述べた。 

 また、審査会後に与党から「人選ミス」との声が出たことについては「99%の憲法学者が違憲との立場。(人選ミスと言うなら)合憲だという学者を探してください、という話。立憲主義について語る素養があって、かつ、合憲だと言える人がどこにいるのか」と強く反論した。 

 取材は8日、東京の早稲田大学で行われた。 

  はせべ・やすお 憲法学者。憲法学の権威と言われた故芦部信喜・東大名誉教授の門下生。1979年東大法学部卒。学習院大教授、東大大学院教授などを経て、2014年から早稲田大学法務研究科教授。議論を呼んだ特定秘密保護法には賛成し、特定秘密保護法案の国会審議では自民党推薦の参考人として意見を述べた。著書に「憲法と平和を問いなおす」「憲法とは何か」など。広島市出身。58歳。 

異常な解釈改憲 

 「集団的自衛権の行使は違憲です」。憲法学者の長谷部恭男・早稲田大学教授(58)は高知新聞のインタビューの中で、4日の衆院憲法審査会と同様、集団的自衛権行使を可能にする安全保障関連法案を「違憲」と断じた。一内閣の解釈変更によって憲法を事実上変えていく動きを「異常」とも言う。衆院審査会での発言の真意や安全保障関連法案の問題点、立憲主義とは何かなどについて、じっくり語ってもらった。  

▼集団的自衛権 9条で認められず 

 ―4日の衆院憲法審査会に自民党の参考人として出席し、安全保障関連法案については「集団的自衛権の行使が許されるとした点は憲法違反だ」と述べました。自民党側から(発言内容に関して)何か事前に要請はありましたか。 

 「あまり知られていませんが、参考人が何党の推薦を受けているのかは、実ははっきりと分からないことが多いのです。(衆院の)事務サイドから連絡が来るので。特定秘密保護法のときも参考人として(国会審議に)出席しましたが、自民党の推薦だと言われたのはその場です。今回も『自民党かもしれない』ぐらいのことは、ぼんやりとうかがっていましたが」 

 ―長谷部さんは以前から、著書などで集団的自衛権の行使に反対していました。 

 「その点は変わっていません。今回の安保法制も、集団的自衛権に関しては丸ごと違憲です。条文の形になっているのは法案の一部ですが、核心的部分ですからね」 

 ―具体的には。 

 「自衛隊法改正案がそうです。『存立危機事態』でも防衛出動を命じることができる、というのは、明らかに集団的自衛権の行使を想定しています」 

 ―「後方支援」についても、戦闘地域と非戦闘地域の線引きがなくなる、と言われています。 

 「従来の政府見解として、いわゆる『大森4要素』があります。現場指揮官がその場その場で判断するのは困難なので、『戦闘地域』と『非戦闘地域』に明確な線を引き、後者の範囲内で活動すると。そうすれば武力行使との一体化の恐れはないとされてきました」 

 「今は国会で『弾薬も提供する』とか、『発進中の航空機の給油もする』とか言われますが、常識的に考えれば一体化してますよね。『戦闘現場でのみ自衛隊は後方支援活動をしない』と言うだけでは、一体化を避けるのは無理です。戦争とは生き物。どんどん動きますから」 

 ―これまでも憲法解釈を通じて自衛隊活動は広がってきました。過去の問題と今回の安全保障関連法案は、どう違うのでしょうか。 

 「全く次元が違いますね。憲法9条によって(日本の)武力行使は原則ゼロになっています。しかし国民の生命、財産も守れない、というわけにはいかない。それはどこの政府も最低限やる活動だろうということで、『9条の範囲でどこまで許されるのか』で個別に法律を作ってきました。その際も9条があるから、認められるのは個別的自衛権。わが国が外国から攻撃されて、ほかに手段がないときは最低限の実力行使は認められるという話でした。これは憲法の原則が広がったことを意味しません」 

 「しかし、集団的自衛権は早い話、他国の防衛のために武力行使をすること。9条があるのに、これを認めることはあり得ない。いや、これは私だけが言ってるんじゃなくて、歴代の政府がずっとそう言ってきたのです。集団的自衛権を行使するなら憲法を改正しないと駄目だ、と繰り返し確認されてきた話です。解釈を変えるのは、まっとうな手段とは言えません」 

 ―長谷部さんは「現行憲法に改正すべき点は見当たらない」と著書で述べています。 

 「今のところはそう。与党の皆さんは『安保法制が通れば日本はより安全になる』とおっしゃるけど、そんな保証は全くない。仮に安全保障環境が以前より危険だと言うなら、日本の限られた防衛力を地球全体に拡大するのは愚の骨頂。サッカーで自陣のゴールが危ないのに選手を敵サイドに分散させるチームがありますか?」 

 「米国に軍事協力をすれば、日本の安全保障にも参加してくれると希望的観測を抱く人もいるようだけど、それは甘い。米国は自分の国のためにしか軍隊を動かしません。どこの国もそうです。さらに米国は本格的な軍事行動に連邦議会の承認が必要で、大統領制下では議会が政府の言うことを聞くとは限らない。日本の国会承認とは全く違うものです」 

 ―安全保障関連法案が成立すれば、軍拡競争につながるという懸念の声もあります。 

 「与党の方々は『抑止力を高める』とおっしゃるが、こちらが高めると、向こうはさらに軍備を増強するかもしれない。第1次世界大戦も第2次世界大戦も、抑止力競争の結果として始まりました。『抑止力を高めれば平和になる』というのも希望的観測です」 

 ―歴史を振り返っても抑止力競争の行き着く先は、戦争ということでしょうか。 

 「抑止力を高めても安全になる可能性はない、とは申しません。より危険になる可能性も少なくとも同じ程度あるということです。日本周辺の安全保障環境はそんなに変わっていないはずですがね」 

  【大森4要素】 自衛隊の海外派遣に際しては、他国軍の武力行使と一体化するのではないか、との懸念がある。その一体化に関する政府の判断基準を示したもので、1997年に大森政輔・内閣法制局長官が国会で答弁した。「大森4要件」とも呼び、①自衛隊と他国軍の地理的関係②自衛隊の活動の具体的内容③他国の武力行使に当たる者との密接性④協力相手の活動の現況―の四つを総合勘案し、個別に判断するとの内容。憲法9条の下で、海外へ自衛隊を派遣する場合に用いる、とした。 

▼平和主義 憲法の根幹変わる 

 ―憲法改正をめぐっては、いかに適正な手続きを踏んでも、改正できないものがある、との考えがあります。例えば、人類が積み上げてきた基本的人権の尊重などです。 

 「それはそうだと思います。(どんな改正があるにせよ)平和主義の原則は入るべきでしょうね」 

 ―集団的自衛権の行使を可能にする憲法改正は。 

 「それはできます。集団的自衛権はアメリカもイギリスもフランスも行使していますしね。極めて限定的なものなら、集団的自衛権も平和主義の大原則と両立する、と言う人もいるかもしれません。国民投票で承認を得ようとするなら、過去の戦争の歴史も含めて一生懸命説明し、それで集団的自衛権を行使しようとなれば、憲法学者がどうこう言う話ではありません」 

 ―現状はその過程を飛ばし、解釈で事実上の改正をしようとしています。 

 「憲法とは、そのときたまたま首相になった人の考えで、やたら動かしてはいけない。そのための憲法です。だから、なかなか変えにくくしているのです。安倍首相は今のサミット(先進7カ国首脳会議、ドイツ)で『人権、民主主義、法の支配を守る』とおっしゃったけど、法の支配を守るなら、今の憲法を守るべきです。自分で破っておいて『守る』とは。言ってることと、やってることが違います」 

 ―長谷部さんは「戦争とは憲法と憲法の戦い」だと述べています。 

 「憲法が違うと、最悪の場合、戦争が起きるのでね。どの国と仲良くするかを決めているのは憲法なのです。かつて、憲法の違いから(日本は)アメリカと戦争をして、ポツダム宣言で『戦争を終結したいなら憲法を根本的に変えろ』と言われたわけです。憲法が再び根本的に変われば、大戦争が起きる可能性は常にあります」 

 ―一方、私たちは日常生活で、そこまで憲法を深く意識していません。 

 「日々の生活との関係は薄いし、もっと大事なことだってあるでしょう。『夕飯の献立の方が大事だ』と。私もそう思います。実は、憲法のことを日々考えなくて済むのは大変ハッピーな国民なんですよ。ただ、安保法制は憲法の根幹を変えるという話。いずれ、憲法のことを日々考えることになるかもしれない。今は夕食の献立が大事だけど、5年後はそんなこと考えていられない、となるかもしれません」 

 ―選挙で政治家を選ぶ際の基準も、憲法は上位ではありません。 

 「まず経済。どこの国もそうです」 

 ―経済に引っ張られて最終的に憲法が変わり、国が変わったという例はありますか。 

 「まさにヒトラーがそう。政権を取って景気が良くなりました。大規模な公共工事をやって、失業率はどんどん下がった。でも、日本では国民1人当たりの所得はここまで上がっているので、再び独裁制になるとは思いません」 

 ―それでも、ふと気付くと、深刻な変化に気付くことはあり得るのでしょうか。 

 「ああ、あのときだったか、とね。今回は一つのポイントだと思います」 

 ―憲法の事実上の改正を解釈変更によって行うことが、なぜ駄目なのか。あらためて聞かせてください。 

 「要するに『変な国』になっちゃう、ということ。憲法は他国と交渉する際の、最後のよりどころです。『憲法にこうあるから無理だ』と言えてきたのを『いや、それは自己都合で変えられる』って天下に示したわけですから。今後は『じゃあ解釈を変えればいい』と言われますよ」 

 ―憲法のありようは私たちの内面と関わっているのでしょうか。 

 「人の生き方、考え方はそれぞれだから、それを公平に認めようというのが今の日本国憲法です。しかし残念ながら、与党にはその考え方自体が気に入らないという方々がいらっしゃるようです。だから憲法を変えて、人々に同じ考えをしてもらおうとするのは困ります。また戦争をしないといけなくなるので」 

 ―人の心を縛るような改正もあり得るということですか。 

 「人の内面を縛るのは一種の革命信仰です。制度を変えれば人民の精神を革新できる、皆が『正しい人』になるという信仰は、実はどの時代にもどの国にもあります。マルクス主義もフランス革命時のジャコバン独裁も、ナチズムもファシズムもそうでした。そんなに珍しくなくて、特にエリートの中に結構いるんですよ」

 ―憲法審査会で参考人が全員「違憲だ」と主張し、自民党委員が党幹部に「人選ミスだ」と怒られたとか。 

 「かわいそうに。『だったら、あなたが探してきてくださいよ』という話でしょう? そう簡単には見つからないはずです。立憲主義について語る素養があって、かつ合憲と言える人って、どこにいるのか、という感じですから」 

 ―そんな法案が国会で審議され、与党側はなお「合憲」と主張しています。 

 「末期的ですね。何の末期かは分かりませんが」 

▼審査会参考人 学者の99%「違憲」 

 ―衆院憲法審査会の後、政府・与党側から参考人の「人選ミス」との声が出てきました。安全保障関連法案を合憲という憲法学者もたくさんいる、と。実際、いるんでしょうか。 

 「圧倒的多数、99%の学者は違憲の立場ですよ。少なくとも集団的自衛権はそう。残る1%はどんな人かと? 私の口からは申し上げられない。あまり付き合いもないし、学会でも会わない…。かなり偏った立場です」 

 ―国会議員や閣僚には憲法99条で憲法の尊重擁護義務があります。その人たちが自らその枠をはみ出そうとしています。 

 「異常です。憲法の枠を外そうとして、それがどこまで広がるかも分からない。枠自体をなくす法案の審議は今までにないことです。例えば、集団的自衛権が認められれば、自衛隊はホルムズ海峡で機雷掃海ができると言う。しかし、それ以上のことはできないかというと、その保証は全くない。安倍首相は『イスラム国の掃討作戦には参加しない』とおっしゃったけど、今の首相が今そう言っただけ、という話になります」 

 ―ホルムズ海峡の機雷掃海は個別的自衛権で対処できる、という主張もあります。 

 「あり得ます。(4日の衆院憲法)審査会でそう発言した小林節先生(慶応大名誉教授)に対し、北側一雄さん(公明党副代表)が『国際法はそういう使い方はしない』とおっしゃっていたけど、これは日本国憲法の問題です。日本の憲法で個別的自衛権だと考えられているものだけが認められる、という話。日本を防衛している米国艦船が外国から襲撃を受け、日本が反撃するのは当然ありですが、それを『集団的自衛権だ』と言う人が『だから使えるように』という議論は全く説得力がありません」 

 ―ホルムズ海峡の一部はイランなどの領海です。他国内に置かれた機雷を、自国の個別的自衛権によって除去する行為は無理ではないのですか。 

 「両論あり得ると思います。ただ、イランが機雷を敷設する可能性はない。イラクで『イスラム国』掃討の力になっているのはイランの革命防衛隊です。今後、アメリカはイランと協力することはあってもけんかは考えられない。『日本に原油が来なくなったら?』なんて、全く非現実的なファンタジーです」

  「合憲という学者、どこにいるのか」と強調する長谷部恭男・早稲田大学教授(東京都新宿区の早稲田大学)

 

 



これは必見!安保法制「集団的自衛権を行使できる」とした安倍政権の根拠が、完全に崩れ去った。


安保法制 

このIWJのスクープと、動画は必見です。実にわかりやすく、政府のごまかし論法と読み替えのトリックが指摘されています。

どんどん広めましょう。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/246547

 

「集団的自衛権を行使できる」とした安倍政権の根拠が、完全に崩れ去った。

 安倍政権は2014年7月1日、個別的自衛権を認めた「昭和47年政府見解」を解釈し直すことで、集団的自衛権の行使ができると認め、これを閣議決定した。

 しかし、この「昭和47年政府見解」の新解釈を根底から覆す衝撃的な事実が発覚。2015年5月21日、IWJ事務所内で行われた「福島瑞穂×小西洋之×岩上安身による戦争法案特別鼎談」の中で、民主党・小西洋之参議院議員が明らかにした。

 



ネパール大地震ー吉村誠司君の報告とOPENJAPAN総会


6月9日、午後6時半から吉村誠司君に鶴岡に来ていただき、4月25日に起きたネパール大震災への支援活動の報告会を開催した。

カトマンズの状況はテレビで何度も流れていたが、吉村君らが行ったラップラック村などはカトマンズから10時間四駆の車で行き、その後、登坂10時間かかるとのこと。写真で大歓迎されている姿を見つつ、そうした村が星の数ほどあることを聞いた。世界中からNGOが入り支援が続いているが、村すべてをカバーするには相当の構えが必要とのこと。これは長期戦で臨むべきと吉村氏。今後、テント生活している人々の暖房をどうとるか。など、大きな課題を抱えていくとのこと。ロケットストーブを地元の素材を使ってつくれないか。なども検討。会が終わってからも会に参加したSさんは小型の発電機をつくっているので何か役に立てないかなど諸々相談した。今後OPENJAPANとして支援を呼びかけ活動していくとのこと。終了後若林へ。庄内魚の刺身定食堪能。

動画は以下。

https://youtu.be/4aVRrrnC1Po

 

6月10日 午後2時からOPENJAPANの総会が石巻で開催された。私はスカイプビデオでの参加となった。カーシェアリング協会の活動にはめざましいものがある。行政ともパートナーシップを組み確実に新しい社会モデルをつくりあげている。復興庁とも連携をとって事業を進めている。そのほか、銀行や企業とパートナーシップを組んでの石巻、福島への支援活動も継続している。古民家を地域のカフェにするIBUKIプロジェクトは今年10月をオープンの目標に邁進するとのこと。他、昨年度は水害があった山形、白馬、の支援、またネパールの支援。また、食品の放射能測定の件、私からは福島の子供たちの保養のプロジェクトをなんとか進めたい旨の説明をした。OPENJAPANは、非営利のホールディングカンパニーのようなかたちを目指していく。1)動く2)オリジナル 3)ひな形 4)育てる 5)助ける をモットーとし、東北の真の復興と新しい文化をつくる。本日、OPENJAPANの理事の一人として承認いただいた。東北の真の復興のために、新しい社会モデルの構築をしつつ、さらに力を尽くしていきたい。

 

 



安保法制ー戦争法案 なにからなにまで憲法違反! 撤回と安倍総理の退陣を!


安保法制の議論が続いています。この内容はまさに「戦争法案」です。

提案されている法案は2つ。

「国際平和支援法」と

「平和安全法制整備法」の2つですが、平和安全法制整備法は、以下の10本を一緒にしたもの。

1.自衛隊法

2.国際平和協力法 国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律 
3.周辺事態安全確保法 → 重要影響事態安全確保法に変更 重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律 
4.船舶検査活動法 重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律 5.事態対処法 武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和及び独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律

6.米軍行動関連措置法 → 米軍等行動関連措置法に変更 武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律
7.特定公共施設利用法 武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律 
8.海上輸送規制法 武力攻撃事態及び存立危機事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律 
9.捕虜取扱い法 武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律 

10.国家安全保障会議設置法

なんともこの提案の手法からして、「説明したくない」状況が見え隠れします。

政府提案のポンチ絵は以下。

http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/pdf/gaiyou-heiwaanzenhousei.pdf

これに対して、伊藤真先生ら憲法学者からなる安保法制懇は15日以下声明を発表しています。これが実に真っ当な視座と感じつつ国会審議を見ていました。

http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/pdf/gaiyou-heiwaanzenhousei.pdf

 

また、週刊金曜日では「何からなにまで憲法違反!」と論評が掲載され、とても腑に落ちました。

国会審議では、政府がまとも応えず持論を展開。ここまではぐらかし、ごまかすのか。という答弁が相次いでいました。辻元議員の質問に「早く質問しろよ」「大げさなんだよ」などと安倍総理がヤジをとばし、ニュースになっていました。

ーーーーーーーーーーーー法案審議は週をまたぎ、

6月4日。衆議院憲法審査会。与野党が推薦した憲法学者3人が立憲主義などをテーマに議論する場面で、今般の安全保障関連法案について質問すると、

自民党、公明党、次世代の党推薦の長谷部恭男氏、民主党推薦の小林節氏、維新の党推薦の笹田栄司氏全員が憲法違反と明言しました。

 長谷部氏は集団的自衛権の行使容認について「憲法違反だ。従来の政府見解の基本的枠組みでは説明がつかず、法的安定性を大きく揺るがす」と指摘。「外国軍隊の武力行使と一体化する恐れが極めて強い」

 小林氏も「憲法9条は海外で軍事活動する法的資格を与えていない。仲間の国を助けるために海外に戦争に行くのは憲法違反だ」と批判した。政府が集団的自衛権の行使例として想定するホルムズ海峡での機雷掃海や、朝鮮半島争乱の場合に日本人を輸送する米艦船への援護も「個別的自衛権で説明がつく」との見解。

 笹田氏は従来の安保法制を「内閣法制局と自民党が(憲法との整合性を)ガラス細工のようにぎりぎりで保ってきた。しかし今回、踏み越えてしまった」と述べた。ーー以上報道より

自民党公明党の推薦の憲法学者も違憲と明言した、今般の安保法制。

やっぱり憲法違反なのです。また6月3日、173人の憲法学者、研究者も以下のような声明を提出し、会見をおこないました

安保関連法案に反対し、そのすみやかな廃案を求める憲法研究者の声明

 安倍晋三内閣は、2015年5月14日、多くの人々の反対の声を押し切って、自衛隊法など既存10法を一括して改正する「平和安全法制整備法案」と新設の「国際平和支援法案」を閣議決定し、15日に国会に提出した。
 この二つの法案は、これまで政府が憲法9条の下では違憲としてきた集団的自衛権の行使を可能とし、米国などの軍隊による様々な場合での武力行使に、自衛隊が地理的限定なく緊密に協力するなど、憲法9条が定めた戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認の体制を根底からくつがえすものである。巷間でこれが「戦争法案」と呼ばれていることには、十分な根拠がある。
私たち憲法研究者は、以下の理由から、現在、国会で審議が進められているこの法案に反対し、そのすみやかな廃案を求めるものである。

1.法案策定までの手続が立憲主義、国民主権、議会制民主主義に反すること
 昨年7月1日の閣議決定は、「集団的自衛権の行使は憲法違反」という60年以上にわたって積み重ねられてきた政府解釈を、国会での審議にもかけずに、また国民的議論にも付さずに、一内閣の判断でくつがえしてしまう暴挙であった。日米両政府は、本年4月27日に、現行安保条約の枠組みさえも超える「グローバルな日米同盟」をうたうものへと「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)を改定し、さらに4月29日には、安倍首相が、米国上下両院議員の前での演説の中で、法案の「この夏までの成立」に言及した。こうした一連の政治手法は、国民主権を踏みにじり、「国権の最高機関」たる国会の審議をないがしろにするものであり、憲法に基づく政治、立憲主義の意義をわきまえないものと言わざるを得ない。

2.法案の内容が憲法9条その他に反すること
 以下では、法案における憲法9条違反の疑いがとりわけ強い主要な3点について示す。
(1)歯止めのない「存立危機事態」における集団的自衛権行使
 自衛隊法と武力攻撃事態法の改正は、「存立危機事態」において自衛隊による武力の行使を規定するが、そのなかでの「我が国と密接な関係にある他国」、「存立危機武力攻撃」、この攻撃を「排除するために必要な自衛隊が実施する武力の行使」などの概念は極めて漠然としておりその範囲は不明確である。この点は、従来の「自衛権発動の3要件」と比較すると明白である。法案における「存立危機事態」対処は、歯止めのない集団的自衛権行使につながりかねず、憲法9条に反するものである。
その際の対処措置を、国だけでなく地方公共団体や指定公共機関にも行わせることも重大な問題をはらんでいる。
(2)地球のどこででも米軍等に対し「後方支援」で一体的に戦争協力
 重要影響事態法案における「後方支援活動」と国際平和支援法案における「協力支援活動」は、いずれも他国軍隊に対する自衛隊の支援活動であるが、これらは、活動領域について地理的な限定がなく、「現に戦闘行為が行われている現場」以外のどこでも行われ、従来の周辺事態法やテロ特措法、イラク特措法などでは禁じられていた「弾薬の提供」も可能にするなど、自衛隊が戦闘現場近くで外国の軍隊に緊密に協力して支援活動を行うことが想定されている。これは、もはや「外国の武力行使とは一体化しない」といういわゆる「一体化」論がおよそ成立しないことを意味するものであり、そこでの自衛隊の支援活動は「武力の行使」に該当し憲法9条1項に違反する。このような違憲かつ危険な活動に自衛隊を送り出すことは、政治の責任の放棄のそしりを免れない。
国際平和支援法案の支援活動は、与党協議の結果、「例外なき国会事前承認」が求められることとなったが、その歯止めとしての実効性は、国会での審議期間の短さなどから大いに疑問である。また、重要影響事態法案は、「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態」というきわめてあいまいな要件で国連決議等の有無に関わりなく米軍等への支援活動が可能となることから国際法上違法な武力行使に加担する危険性をはらみ、かつ国会による事後承認も許されるという点で大きな問題がある。
(3)「武器等防護」で平時から米軍等と「同盟軍」的関係を構築
 自衛隊法改正案は、「自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動に現に従事している」米軍等の武器等防護のために自衛隊に武器の使用を認める規定を盛り込んでいるが、こうした規定は、自衛隊が米軍等と警戒監視活動や軍事演習などで平時から事実上の「同盟軍」的な行動をとることを想定していると言わざるを得ない。このような活動は、周辺諸国との軍事的緊張を高め、偶発的な武力紛争を誘発しかねず、武力の行使にまでエスカレートする危険をはらむものである。そこでの武器の使用を現場の判断に任せることもまた、政治の責任の放棄といわざるをえない。
領域をめぐる紛争や海洋の安全の確保は、本来平和的な外交交渉や警察的活動で対応すべきものである。それこそが、憲法9条の平和主義の志向と合致するものである。

 以上のような憲法上多くの問題点をはらむ安保関連法案を、国会はすみやかに廃案にするべきである。政府は、この法案の前提となっている昨年7月1日の閣議決定と、日米ガイドラインをただちに撤回すべきである。そして、憲法に基づく政治を担う国家機関としての最低限の責務として、国会にはこのような重大な問題をはらむ法案の拙速な審議と採決を断じて行わぬよう求める。
2015年6月3日

 

憲法違反の法案であれば議論すること自体が全くムダです。一刻も早く廃案にすべきです。そして昨年の7月1日の集団的自衛権の行使を閣議決定で容認するなどという暴挙に続き、今般の立法改憲をおこなおうとする 憲法違反の安倍総理を一刻も早く退陣すべきです。

いのちの問題なのに全くおかしい戦争法案審議。みんなで声をあげていきましょう!

草島進一 6月6日 

 

 

 

 

 



本日午後7時。鶴岡の水再考。柴崎先生を招いて


カフェSolaiをはじめます。

元々私がこの市議、県議として使っている事務所兼自宅は喫茶店。

ロビンという喫茶店で私も常連客の一人でした。お隣にアウトドアショップを併設した当時としては画期的なお店でした。市議会議員時代、お店をおやめになると伺って、銀座通りの事務所をひきあげ、購入して、事務所にさせていただきました。一時、有効に使おうと考えて同級生のN君とケーキとカフェのSolaiと名付けてやっていた頃もありました。改めて、じっくりと様々な社会の問題を語る場として、また、未来を語る場として、また、美味しいフェアトレードのオーガニックコーヒーを広める場として、それとそうだな。いい音楽も味わっていただく場として開きます。

で、本日、午後7時から、オープン記念カフェトーク「鶴岡の水を語る」を開催します。天神祭の前日ということもあり、都合つかない皆様もたくさんいらっしゃるかと思いますが、この間、地下水調査にあたっていただいている柴崎先生が調査にいらっしゃるこの日を契機に、語る会の第1回を行いたいと考えました。

お知らせがなかなか行き届かないままで大変恐縮ですが、まずは鶴岡の諸問題を語る第1回としてまずはじめたいと思います。以下、趣旨と開催内容です。FBページのイベントになっております。


——–

鶴岡の水を考える。ー鶴岡市の地下水調査報告と福島原発の地下水事情 福島大学 柴崎直明先生を迎えて

鶴岡市の水源切り替えから14年が経過。「東京より高く美味しくない」などの声も聞かれるようになってきました

鶴岡の地下水源は、昭和52年から55年にかけて、当時地下水、水文学の権威である柴崎達雄先生らにより詳細調査がおこなわれ、全国有数の地下水資源であることが確認されています。そして2001年10月の水源切り替え。

 その後、WaterWatchNetworkでは美味しい水ファンクラブ、鶴岡コモンウォーター、など様々な地下水保全と利活用の活動をしてきました。その一貫として、福島大の柴崎直明先生の研究室による地下水の定点観測をおこなってきました。今般、調査報告とともに鶴岡の地下水資源について改めてお話をいただきます。
柴崎先生は、福島第一原発事故以来の福島県の地下水汚染の調査にも携わっており、福島の汚染地下水の問題についてもご報告をいただく予定です。
 食文化を支える鶴岡の大事な資源、地下水の話。ぜひ、聞きにいらしてください。

主催 WaterWatchNetwork   代表 草島進一

日時 5月24日 午後7時〜
場所 カフェ solai (そらい) 鶴岡市道田町21-29  
参加費 1000円。(コーヒー代込み)

https://www.facebook.com/events/774104439377800/

 

 

 

 

 

 

 

 



安倍政権の暴挙にモノ申す。


 

 

11009201_975835675768815_6661815783940561550_n5月15日、八文字屋前に立ちました。昨晩つくったこのボードを持って。

憲法は、国民の我々が、時の権力を縛るための道具です。 私たち国民は法律を守る義務はあっても、憲法を守る義務はありません。憲法を守らなければならないのは、権力をもっている大臣や政治家、公務員たちです。平和主義、基本的人権の尊重、国民主権というしばりを権力者たちにかけています。

それが立憲主義。この「憲法は国民が大臣たちを縛る道具」という事が極めて重要なことなのですが、中学、高校の教科書で、また大学の般教でどれだけこれを習ったでしょうか。「法律の親分」みたいなもんだなーというぐらいのことは習ったような気がしていますが。僕は憲法学者、伊藤真先生らの書物やVTRで改めて勉強してこの重要性に気がつきました。この立憲主義ということこそ重要です。

「憲法は国民が大臣たちを縛る道具」ぜひ これを拡散してください。

そして自民党草案は、これと真逆に、大臣ら、権力者達が国民を縛るものになっている、アベコベなのです。近代立憲主義の憲法では国民主権が基本ですから、国民が縛られる憲法なんてあまり聞いたことがありません。

 

正しき視座のために、5月14日日弁連から発表された声明をここに記します。

 

安全保障法制改定法案に反対する会長声明

 
 

本日、政府は、自衛隊法、武力攻撃事態法、周辺事態法、国連平和維持活動協力法等を改正する平和安全法制整備法案及び新規立法である国際平和支援法案(以下併せて「本法案」という。)を閣議決定した。


本法案は、昨年7月1日の閣議決定を受け、また本年4月27日の新たな日米防衛協力のための指針の合意に合わせて、自衛隊が、平時から緊急事態に至るまで、地理的限定なく世界のどこででも、切れ目なく、自らの武力の行使や、戦争を遂行する他国の支援、停戦処理活動等を広汎に行うことを可能とするものである。


本法案の問題点は極めて多岐にわたるが、次に指摘する点は特に重大である。


まず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされる等の要件を満たす事態を「存立危機事態」と称し、この場合に、世界のどこででも自衛隊が米国及び他国軍隊とともに武力を行使することを可能としている。しかし、これは、憲法第9条に違反して、国際法上の集団的自衛権の行使を容認するものである。


次に、我が国の平和と安全に重要な影響を与える「重要影響事態」や、国際社会の平和と安全を脅かす「国際平和共同対処事態」において、現に戦闘行為が行われている現場でなければ、地理的限定なくどこででも、自衛隊が戦争を行っている米国及び他国軍隊に、弾薬の提供等まで含む支援活動を行うことを可能としている。これでは、従前禁止されてきた他国との武力行使の一体化は避けられず、憲法第9条が禁止する海外での武力行使に道を開くものである。


さらに、これまでの国連平和維持活動(PKO)のほかに、国連が統括しない有志連合等の「国際連携平和安全活動」にまで業務範囲を拡大し、従来PKOにおいてその危険性故に禁止されてきた安全確保業務や「駆け付け警護」を行うこと、及びそれに伴う任務遂行のための武器使用を認めている。しかし、この武器使用は、自己保存のための限度を超えて、相手の妨害を排除するためのものであり、自衛隊員を殺傷の現場にさらし、さらには戦闘行為から武力の行使に発展する道を開くものである。その危険性は、新たに自衛隊の任務として認められた在外邦人救出等の活動についても同様である。


これらに加え、本法案は、武力攻撃に至らない侵害への対処として、新たに他国軍隊の武器等の防護を自衛官の権限として認めている。これは、現場の判断により戦闘行為に発展しかねない危険性を飛躍的に高めるものである。


以上のとおり、本法案は、徹底した恒久平和主義を定め、平和的生存権を保障した憲法前文及び第9条に違反し、平和国家としての日本の国の在り方を根底から覆すものである。また、これらの憲法の条項を法律で改変するものとして立憲主義の基本理念に真っ向から反する。さらに、憲法改正手続を踏むことなく憲法の実質的改正をしようとするものとして国民主権の基本原理にも反する。


よって、当連合会は、本法案による安全保障法制の改定に強く反対するとともに、基本的人権の擁護を使命とする法律家の団体として、本法案が成立することのないよう、その違憲性を強く訴えるものである。

 

 

  2015年(平成27年)5月14日

日本弁護士連合会      

 会長 村 越   進 

 



憲法を考えるー佐高信先生のメルマガより


以下、酒田出身 佐高信先生のメルマガより抜粋します。

メディアもコントロールされている今、貴重な視座をご提供いただいているメルマガと思っています。

購読料は月864円です。

http://www.mag2.com/m/0001634907.html

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1・筆刀両断 自民党改憲案を徹底批判する小林節

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6月12日に東京は神田駿河台の連合会館で

「安倍‘壊憲‘政治をストップする!」集会を開く。

名うての改憲派の山崎拓(自民党元副総裁)と小林節(慶大名誉教授)が、

それぞれ、早野透(桜美林大教授)と私を相手に

「安倍晋三の大暴走に猛抗議する」対談をやるのである。

 

主催は憲法行脚の会。

 

 

ここに小林の「自民党改憲草案集中講義」というパンフレットがある。

『日刊ゲンダイ』の連載をまとめたもので、

かつて小林は自民党のブレーンだっただけに非常に説得力がある。

つまり、小林は改憲派だが、安倍流の壊憲には大反対なのである。

まず、自民党の改憲案は、要するに明治憲法に戻ろうとする

「時代錯誤」の一語に尽きると批判する小林は、

権力担当者を縛るのが憲法なのに、

国民全体を縛ろうとする憲法観が大間違いだとし、

まさに「大日本帝国の復活」を望む自民党の憲法マニア議員たちには

「自分たち権力者が憲法を使って民衆をしつける」

という姿勢が見え隠れすると指弾する。

小林はさらに、高名な「自民党の御用評論家」が

次のような発言をしている場に少なくとも3回同席した、と語る。

 

「日本国憲法には『権利』という言葉が20回以上も出てくるのに

『義務』という言葉はたった3つしかない。

この権利偏重の憲法が今の利己的な社会をつくった・・・」

商工会議所や青年会議所でも同じような発言を聞いたが、

これは大きな間違いである。

 

そもそも憲法は国家権力の濫用から

国民各人による幸福追求を守るためのものであって、

そこに「権利」の規定が多く、

国家に従う「義務」の規定が少ないことは当然なのである

と説く小林の試験を受けたなら、

自民党などの改憲派ならぬ壊憲派はすべて落第ということになる。

 

これは憲法観の違いなどではなく、

憲法のイロハさえ知らぬということなのである。

 

 

法と道徳を混同している落第生たちは改憲案で

「家族は互いに助け合わなければならない」と命ずる。

 

しかし、これは余計なお世話で、憲法でこう規定したら、

離婚は明白に憲法違反になってしまう。

イロハさえ理解していないから、

珍妙なことを大真面目に強調するのである。

 

彼らは、わが国の憲法改正条件が特別に厳しいなどと言うが、

これについても小林は次のように一蹴する。

 

「わが国の改憲手続き条件は他国と比較して特に厳しくはない。

現に、アメリカ合衆国憲法では、

上下各院の3分の2以上による提案に加えて、

全米50州の4分の3以上の州の承認を個別に得ることを条件としている。

これは明らかに日本より厳しい」

 

そして小林は付け加える。

自民党の改憲案のお粗末さに改めて驚かされた、と。

 

「憲法の意味がわかっていない」というか、

「わかろうとしていない」のである。

だから逆に恐ろしいのである。

—————————-以上、引用ーーーー

ものすごく解りやすく、憲法の本意を伝えて下さっていると思います。

「そもそも憲法は国家権力の濫用から

国民各人による幸福追求を守るためのものであって、

そこに「権利」の規定が多く、国家に従う「義務」の規定が少ないことは当然なのである」

ここが大事なところだと思います。国民各人による幸福追求を守るための憲法が

根本から覆そうとしている。これが今自民党がおこなおうとしている改憲。

再びこの絵を使いますが、憲法解釈

たまたま、権力をにぎった政権が、変なことをしないように、特に国民の基本的な人権や主権者であるということを乱さないように、国民が縛りをかけておくための憲法。立憲主義とはまさにそのことであるにもかかわらず、このこと自体が全くわかっていない人達が改憲と騒いでいるのだと考えます。

先日、「母べえ」がテレビで再放送されていました。治安維持法で 思想犯として捕らえられた、帝大の教授が牢屋にいれられ死んでいく。血も涙もない社会がそこにありました。隣組で隣を監視しあって反する者があれば憲兵に引き渡す。権力者たちは横暴を尽くす。完全に狂った社会がそこに映し出されていました。「狂った社会」を良しとする人たちが戦争を引き起こそうとする。そしてそれを決めた人達は絶対に死なないところが確保されている。戦場に放り込まれるのは、普通の幸せを求める普通の市民です。絶対に二度とあんな社会をつくってはならない。監督の山田洋次さんをはじめあのディテールを演じた方々が心の底で訴えたに違いないと思います。以前、市議会時代、今も解決していない治安維持法の犠牲者の方々の権利を訴える討論で、僕は「母べえ」をとりあげました。請願者からは感謝のお手紙をいただきました。

 僕が妻と出会って一緒に初めて見に行った映画が母べえでした。重い映画だったが、なんだかとても打ち解けた事を覚えています。

幸せを追求する弱い立場にある国民、市民を、権力の横暴から守る事が憲法の役目。

私たちは、やはり彼らに憲法を守らせないといけないのだ。と思うのです。

 

 



出羽三山神社 祈年祭へ


出羽三山神社 祈年祭へ。

市議会時代から県議会と毎年欠かさず参加させていただいている祭りだ。

今日は実にいい天気、月山が輝いていた。

伝統のお田植え神事と田舞。田舞は春日大社から伝えられたものであるとのことである。

写真はご神事が終わって山をおりるときに撮影したもの。

Exif_JPEG_PICTURE受付が間際になってしまった私の不徳もあって、玉串奉奠が叶わなかったことは残念だった。

いずれにしても今年の庄内地方の五穀豊穣、皆様にとって実りある年であります事、お祈り申し上げます。

本日はすぐに戻って諸々やるべき事があって、直会はご遠慮させていただき、

持ち帰り券で直会のご馳走を2つ頂く。一つは実家へ届け一つは自宅で頂いた。ごま豆腐に

筍、山菜、口細かれい。今の時期の斎館のご馳走も格別だ。これぞ庄内の食文化。
しまった、この写真を掲載するんだった。

修行の足りぬ私はとにかく現世修行の日々であります。

お田植え神事で蒔かれた籾を、神棚の米の上に。五穀豊穣、国土安寧を祈願し。

2015.5.8

 

R0011822

 



憲法を改めて学ぶ


日本の憲法学者、伊藤真先生が語る憲法。大変解りやすいです。

ぜひご覧下さい。「私たち国民は憲法を守る側じゃない。国に憲法を守らせる側なんです。」


https://www.youtube.com/watch?v=5X69Fq_DxWM

以下、英語バージョン What is The Constitution of Japan ?

https://www.youtube.com/watch?v=Ujb_AwvYu-k

以下、韓国語バージョン

https://www.youtube.com/watch?v=NvaA4S2ygO0


日本国憲法誕生のストーリー  

その1

https://www.youtube.com/watch?v=u9k_ElZGYsM

その2

https://www.youtube.com/watch?v=CEYbrdaI98w

 

 

 



持続可能な社会づくりと日本国憲法


おはようございます。本日は憲法記念日です。

自然と共生し、いのち優先の持続可能な社会を目指す政治を、私はなんとしても日本社会に実現したい。その信念は揺るぎません。

本日は、持続可能な社会を目指す際、日本国憲法を如何に考えるかについてお伝えします。

 

サスティナブル(持続可能)といえる社会を実現するには、

スウェーデン・ナチュラルステップの定義によれば、持続可能な社会の定義として

3つの環境要件(1.枯渇性化石燃料からの脱却、2.化学物質生成の抑制、3.生物多様性の尊重、そして4.人間の基本的なニーズを妨げないことが必要です。

この中で、4つ目の社会的要件、経済学者マンフレッド マックスニーフが提唱する人間の基本的なニーズ(human fundamental needs )では、生命維持、愛情、保護、理解、自由、参加、創造、アイデンティティ、休息 この9つのニーズを満たし、一つをとっても妨げないようにすることが重要とされています。

これを踏まえた時、基本的な人権の尊重、国民主権、平和主義という3つの柱を満たしていることは最低限必要条件であると考えます。

個人の人権を保障するために、権力行使を憲法で制限するという考え方を立憲主義といいますが、日本国憲法により、この3つの柱を守らせるべく、時の権力者や、とたえ民主主義社会においても、多数派勢力にも歯止めをかけ、縛りをかけている、立憲主義が基本的に保たれているからこそ、国民の基本的ニーズが保たれると考えます。

したがって、持続可能(サスティナブル)な社会を目指す政治のベースには、現行の日本国憲法を守り、立憲民主主義を守ることは最低限必要と考えます。地球が失われたら、どんな経済も成立しない。とともに、平和が失われたら、持続可能な社会は全く成立しません。

 

持続可能な社会づくりを目指すならば、先ずは我々が日本国憲法を守る。そして政府に憲法を守らせる。これは私は大原則であると考えています。

 

70年たって、「憲法は古くなった」と言う方がいます。「基本的な人権の尊重」は、普遍的な価値ですから古いも新しいもありません。又、自民党改憲草案では憲法で「権力者を縛る」のではなく「国民を縛る」ものになっていたりしています「縛る対象を変えて平気」これは、立憲主義そのものがわかっていない。はっきりいってめちゃくちゃな論調です。

立憲主義国家では法律によって国民は国家より制限を受けますが、憲法はそもそも国民のものであり、権力を縛る道具が憲法です。

昨年9月発行の議会報告に示した絵を貼り付けておきます。

憲法解釈

これが立憲主義国家の大原則です。このたがが外れるとナチス政権や70年前戦争に突き進んでいった我が国の暴走につながる可能性があります。

「空気」で流され、それに水を差そうとした者が逮捕、拷問を受け命をおとす。狂った社会の中で戦争に突き進んでいった大戦の猛省を受けて、二度とその過ちを繰り返さぬように、そして、真の民主主義を求めてつくられた、日本国憲法。本日ご一緒に改めて噛みしめたいと思います。

それと、憲法の真意、立憲主義については、以下、伊藤真先生の講義は大変参考になると思います。

https://www.youtube.com/watch?v=1sMvl8sD3no


 

 

日本国憲法
(昭和二十一年十一月三日憲法)



  日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
 

   第一章 天皇

 

第一条  天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

 

第二条  皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範 の定めるところにより、これを継承する。

 

第三条  天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

 

第四条  天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
○2  天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

 

第五条  皇室典範 の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

 

第六条  天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
○2  天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

 

第七条  天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
  憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
  国会を召集すること。
  衆議院を解散すること。
  国会議員の総選挙の施行を公示すること。
  国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
  大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
  栄典を授与すること。
  批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
  外国の大使及び公使を接受すること。
  儀式を行ふこと。

 

第八条  皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。

   第二章 戦争の放棄

 

第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
○2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

   第三章 国民の権利及び義務

 

第十条  日本国民たる要件は、法律でこれを定める。

 

第十一条  国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

 

第十二条  この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

 

第十三条  すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 

第十四条  すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
○2  華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
○3  栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

 

第十五条  公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
○2  すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
○3  公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
○4  すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

 

第十六条  何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

 

第十七条  何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

 

第十八条  何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

 

第十九条  思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

 

第二十条  信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
○2  何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
○3  国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

 

第二十一条  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
○2  検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 

第二十二条  何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
○2  何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

 

第二十三条  学問の自由は、これを保障する。

 

第二十四条  婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
○2  配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

 

第二十五条  すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
○2  国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

 

第二十六条  すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
○2  すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

 

第二十七条  すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
○2  賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。
○3  児童は、これを酷使してはならない。

 

第二十八条  勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

 

第二十九条  財産権は、これを侵してはならない。
○2  財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
○3  私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

 

第三十条  国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

 

第三十一条  何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

 

第三十二条  何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。

 

第三十三条  何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

 

第三十四条  何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

 

第三十五条  何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
○2  捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。

 

第三十六条  公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

 

第三十七条  すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
○2  刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
○3  刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

 

第三十八条  何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
○2  強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
○3  何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

 

第三十九条  何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

 

第四十条  何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。

   第四章 国会

 

第四十一条  国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

 

第四十二条  国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。

 

第四十三条  両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
○2  両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。

 

第四十四条  両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

 

第四十五条  衆議院議員の任期は、四年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。

 

第四十六条  参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。

 

第四十七条  選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。

 

第四十八条  何人も、同時に両議院の議員たることはできない。

 

第四十九条  両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。

 

第五十条  両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

 

第五十一条  両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。

 

第五十二条  国会の常会は、毎年一回これを召集する。

 

第五十三条  内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

 

第五十四条  衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。
○2  衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
○3  前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。

 

第五十五条  両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

 

第五十六条  両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
○2  両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

 

第五十七条  両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
○2  両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
○3  出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。

 

第五十八条  両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
○2  両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

 

第五十九条  法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
○2  衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
○3  前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
○4  参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

 

第六十条  予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
○2  予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

 

第六十一条  条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。

 

第六十二条  両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

 

第六十三条  内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。

 

第六十四条  国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。
○2  弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。

   第五章 内閣

 

第六十五条  行政権は、内閣に属する。

 

第六十六条  内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
○2  内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
○3  内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。

 

第六十七条  内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
○2  衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

 

第六十八条  内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
○2  内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。

 

第六十九条  内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、十日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。

 

第七十条  内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。

 

第七十一条  前二条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。

 

第七十二条  内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

 

第七十三条  内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
  法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
  外交関係を処理すること。
  条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
  法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
  予算を作成して国会に提出すること。
  この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
  大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。

 

第七十四条  法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。

 

第七十五条  国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

   第六章 司法

 

第七十六条  すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
○2  特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
○3  すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

 

第七十七条  最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
○2  検察官は、最高裁判所の定める規則に従はなければならない。
○3  最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

 

第七十八条  裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。

 

第七十九条  最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
○2  最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
○3  前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
○4  審査に関する事項は、法律でこれを定める。
○5  最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
○6  最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

 

第八十条  下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。
○2  下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。

 

第八十一条  最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。

 

第八十二条  裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
○2  裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

   第七章 財政

 

第八十三条  国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

 

第八十四条  あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。

 

第八十五条  国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。

 

第八十六条  内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。

 

第八十七条  予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
○2  すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。

 

第八十八条  すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。

 

第八十九条  公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

 

第九十条  国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
○2  会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。

 

第九十一条  内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。

   第八章 地方自治

 

第九十二条  地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。

 

第九十三条  地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
○2  地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

 

第九十四条  地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

 

第九十五条  一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

   第九章 改正

 

第九十六条  この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
○2  憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

   第十章 最高法規

 

第九十七条  この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

 

第九十八条  この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
○2  日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

 

第九十九条  天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

   第十一章 補則

 

第百条  この憲法は、公布の日から起算して六箇月を経過した日から、これを施行する。
○2  この憲法を施行するために必要な法律の制定、参議院議員の選挙及び国会召集の手続並びにこの憲法を施行するために必要な準備手続は、前項の期日よりも前に、これを行ふことができる。

 

第百一条  この憲法施行の際、参議院がまだ成立してゐないときは、その成立するまでの間、衆議院は、国会としての権限を行ふ。

 

第百二条  この憲法による第一期の参議院議員のうち、その半数の者の任期は、これを三年とする。その議員は、法律の定めるところにより、これを定める。

 

第百三条  この憲法施行の際現に在職する国務大臣、衆議院議員及び裁判官並びにその他の公務員で、その地位に相応する地位がこの憲法で認められてゐる者は、法律で特別の定をした場合を除いては、この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によつて、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ。