穴あきダムは歴史的愚行 08年 今本先生 改めて
小国川につくられようとしている、穴あきダム。
現地に5回もいらしていただいている、元京都大学防災研所長の今本先生の2008年のオピニオン。を再度ピックアップします。
ここでも想定を越える洪水に耐えられない問題。が指摘されています。
この文章で触れられている川辺川ダムと大戸川ダムは中止になりダムに依らない治水策が進められています。
ーー山形の小国川で歴史的愚行をやるつもりなのかーーー 改めて問います。
朝日新聞 2008年7月17日 朝刊17面opinion
◆穴あきダム歴史的愚行に他ならない
いまもと ひろたけ
今 本 博 健 元京都大防災研究所長
ここ数年、従来の多目的ダム計画を、治水専用の「穴あきダム」に変更して推進しようとする動きが相次いでいる。国の直轄事業に限ると、淀川水系の大戸川ダム(滋賀県)や九州最大級の川辺川ダム(熊本県)など、地域の合意が得られていないダムを中心に、10件ほどを数える。補助事業を加えるともっと多く、長野県では前知事時代に「脱ダム」の象徴として中止が表明された浅川ダムが、穴あきで建設されようとしている。
穴あきダムには多様な形態があるが、現在推進されているのは、ダム下部の河床近くに直径数㍍ほどの穴をあけておき、普段は川の水をためずにそのまま流し、洪水時は一時的に貯留するタイプのものだ。従来のダムからの変更が相次ぐ理由は、①水の需要が減ったため建設目的が治水専用になり、水を常時ためる必要がなくなった②穴あきにすれば環境悪化への社会的批判の高まりをかわすことができる、という点に集約される。
私は河川エ学者として各地の住民から相談を受け、穴あきダムの実態を調べているが、いずれも「中途半端なダム」という印象をぬぐえない。
まず、事業者がうたい文句にする「環境に優しい」は本当だろうか。普段は水をためないので、水がよどんでアオコが発生するようなことはないだろう。だが、①魚が穴を通ってダムの上下流を自由に遡上・降下できる②土砂がたまらない、とする主張は極めて疑わしい。
国内の本格的な穴あきダムは2年前に完工した島根県の益田川ダムが最初だが、県が昨年公表した環境調査では、①アユの遡上が阻害されている②土砂の一部は流れずにたまる、などの点が明らかになった。
私は何度か視察したが、穴あきダムは、魚が自由に行き来する単純な構造ではない。洪水時に勢いよく水が流れるのを食い止める構造物「減勢工」がダムの下流直下にあり、魚が上って行くには、減勢工などを通って穴に向かわなければならず、これらが障害になっている可能性がある。土砂も予想以上にダムに堆積しており、下流への砂の供給が減ると、砂の中に産卵する魚の生態に影響が出る恐れがある。こうした点が何も検証されていないのに「環境に優しい」と言えるのだろうか。
治水についても、肝心の大洪水で役立たない恐れがある。特に洪水が間隔を置いて続くケースは危険だ。通常のダムは、職員がゲートを操作し、最初の洪水でたまった水を必死に放流して数日内に予想される次の洪水に備えるが、穴あきダムでは、小さな穴から自然に任せて少しずつしか放流できないため、最初の洪水を処理しきれないうちに次の洪水が押し寄せ、水がダムから一気にあふれて被害が拡大することが予想される。
また、大雨で山腹が崩壊すれば、流木や岩が絡み合い、穴をふさいでしまう恐れもある。
事業者は、穴あきダムを「逃け道」にして、ダム建設を強行しようとしている。だがそもそも、ダムに頼る治水は、計画を超える降雨があれば破綻する。いま急を要するのは、ダム神話の錯覚から目覚め、ダムに頼らない治水に転換することだ。
堤防の補強に加え、はんらんした水を輪中堤などで制御する持続的な方法を併用し、さらには避難対策の整備や危険地域の開発規制など、実現可能な対策を着実に進めることが重要である。こうした転換期に穴あきダムを建設することは「歴史的愚行」に他ならない。
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歴史的愚行から、かけがえのない、山形の清流を守るのは、
あなたです。
鮎に深刻なダメージを与える恐れ「穴あきダムなら環境にやさしい」への反論ー高橋勇夫先生
12月13日の景気雇用対策特別委員会で県土木部は「新事実でもなんでもない」と応えたのですが、
それは全く真実をとらえていません。以下は11月27日の高橋先生のレジュメですが、これだけ見ても、県のこれまでの委員会などをきちんと踏まえ、新事実を突きつけています。「緊急検証! 最上小国川」の模様はhttp://www.ogunigawa.org で usT録画放映しているのですから、当然県は映像も見ているはずです。
いずれにしても河川管理者としてまた、河川構造を改変し開発をする側の県は、責任をもってこうした県民や研究者の疑問や追求に応え、説明責任を果たして当然です。それができなければ、開発をやめることです。
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穴あきダムによるアユへの影響を考える
たかはし河川生物調査事務所
高橋勇夫
はじめに
小国川に建設されようとしている穴あきダム(流水型ダム)は、環境への負荷が小さいと評価され、アユや生態系への影響も小さいとされている。しかし、穴あきダムは事例が少なく、アユへの影響を正確に予測することは難しい。さらに、山形県が公開している最上小国川流域環境保全協議会の資料(ホームページ)を見る限り、穴あきダムの影響について当然検討すべきことが検討されていなかったり、検討されているものについても、検討がまだ不十分と考えられる点は少なくない。
ここでは、最上小国川ダム事業に係わる流域環境保全協議会の検討内容の問題点を整理するとともに、穴あきダムによるアユへの影響について検討した。
1. 穴あきダムがアユへ及ぼすと予想される影響
ダムが建設されることにより発生するアユへの影響は図1(次のページ)のように多岐に及ぶ(他にも水質の変化などの影響因子が存在する)。穴あきダムは水を貯留しないため、ダムに懸濁物質(濁り)や土砂か溜まりにくい。そのため、貯水型ダムで問題となっている濁りの長期化や下流河川の河床材料の粗粒化は起きにくく、貯水型ダムと比べるとアユへの影響はかなり小さくできる(図1の点線で囲んだ部分が軽微になる)と予想される。
穴あきダムによるアユへの影響を考えるとき、一番問題となるのは洪水のピークカットによる下流河川の攪乱強度、攪乱頻度が低下することである。既存の貯水型ダムの下流では、攪乱強度、攪乱頻度の低下によって、①ツルヨシが水際まで繁茂して砂利河原が失われる、②カワシオグサ等の大型糸状藻類や蘚苔(コケ)類が河床を覆い尽くすように繁茂する(図2左)、③カワニナなどの貝類が異常繁殖する(図2右)、④アユの餌となる付着藻類の質量が変化するといった現象が観察される(以上は図1の点線で囲っていない部分)。そして、このような現象が見られる河川では、アユが正常には生息できなくなることがあり、深刻な漁業被害が起きることもある。
図2 ダム下流河川では攪乱強度・頻度の低下により大型糸状藻類や蘚苔類の繁茂(左)や貝類(カワニナ)の異常繁殖が観察され、深刻な漁業被害が出ることがある
図1 ダムによるアユへの影響と穴あきダムによって軽減される(であろう)影響
2. 流域環境保全検討会で検討されたアユへの影響の問題点
1) 影響が想定されながらも検討されていないもの
穴あきダムの目的は洪水のピークカットにあるため、下流河川の攪乱強度、攪乱頻度が低下することは間違いなく、最上小国川流域環境保全協議会においても「ダム下流の攪乱の現象、流況の変化」が起きることが想定されている(第4回資料13p)。しかしながら、協議会においてその影響が検討されたのは主に陸上の動植物へのもので、水域の生物に関しては、付着藻類の生育状態の変化がアユにどのような影響を及ぼすのかが検討されているにすぎない。つまり、先にあげた①~③のような水域の生物相がどのように変化するのか?そして、そのことがアユや漁業にどのような影響を及ぼすのかについては、残念ながらまったく検討されていない。
ダム下流河川の攪乱強度、攪乱頻度の低下にともなう生物相の変化が確実に起こるとは言えないが、起きる可能性は十分あり、仮に起きた場合、穴あきダムはそれを制御するすべを持たない(貯水ダムで行われているフラッシュ放流のような対策が行えない)。そして、そのことが将来への潜在的なリスクとなる。
2) 影響検討が不十分と考えられるもの
最上小国川流域環境保全協議会において、アユへの影響がすでに検討されているものについても、検討内容が必ずしも正しいと言えないものがある。
(1) 濁りの影響
穴あきダムによって発生する濁りの濃度と継続時間は、「ダムなし」と比較して若干の差異が発生(シミュレーションの結果)するが、「アユへの影響は小さい」とされている(第7回資料)。そして、各治水対策を評価する中で穴あきダム案のみが「アユや生態系への影響も小さい」とされている(第8回資料)。
しかし、最新の知見*では、アユに対する濁りの影響がより詳細に検討されており、その実験結果から判断すると、穴あきダムによる高濁水(1000mg/L以上、粒径20-55μm)の発生時間の延長がアユに対して大きな影響(死亡)を及ぼすことが十分考えられる。この知見は穴あきダムによる濁水の影響検討が行われた後に出たものであり、検討時点での評価は仕方ないものではあるが、今後新しい知見に基づいて再検討されなければならない。
(2) 土砂移動の影響
穴あきダムの土砂の移動に関しては、最上小国川流域環境保全協議会では「ダムなしの状況と全体量がほぼ同じに移動すると考えられるが、土砂の移動する継続時間が変化することが予想される」 とされている。
しかし、島根県益田ダム(穴あきダム)では、洪水時に形成される貯水池の流入点付近に大粒径の礫が大量に取り残された状態となっている(現地調査した研究者への聞き取り)。この事実は、「洪水時に運ばれてきた土砂はその全体量が『ダムがない状態』とほぼ同じに移動する」という県の判断のようには移動せず、貯水池でふるいにかけられ、比較的粒径の小さいものが選択的に下流に流される可能性があることを示唆している。その場合、下流河川の環境は変化することになる。
3) 判断が不適切と考えられるもの
「各治水対策案の評価((第8回最上小国川流域環境保全協議会資料)」において、改修工事など各種の治水対策が穴あきダムとともに比較検討されている。その中の「生物多様性の確保及び流域の自然環境全体への影響」
小国川ダムの議論ー県は説明責任を果たせ!
昨日おこなわれた景気雇用対策委員会の質疑内容です。
(メモなどから書き起こしさせていただいております)
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最上小国川ダムについて
今般11月27日に行われた、県民による緊急検証についてでございますが。
県はドタキャンされておりまして、、科学者により県の推し進める流水型ダムによる治水が適切との根拠に2つのウソと、河川管理上極めて大きな問題である1つの真実が明らかにされました。
2つのウソとはなにか。
「温泉の湯脈に著しい影響を与えるから河床掘削できない」
「流水型穴あきダムであれば、アユに与える影響はほとんどない」
という県の主張でございます。又、一つの真実については、
一軒の旅館の温泉を確保するためだけに、県がつくった堰あるいは落差工、床止めにより、土砂を堆積させ、河床があがり、周辺を危険にしていたという真実です。
2つのウソの前者については、
「温泉の湯脈に著しい影響を与えるから河床掘削できない」には、県が調査を依頼した川辺教授によって、完全否定されまして、一軒の旅館の温泉に対して対策を施しさえすれば、問題なく河床の掘削ができるということ。更に河床掘削による河川改修は温泉宿のお湯の確保の点でも有利になると論証されました
第二の「流水型穴あきダムであれば、アユに与える影響はほとんどない」
には、県の見解に対して、「アユへの影響が想定されるべき事象が評価されていない」「影響が小さいとはいえない」と高橋勇夫 先生(たかはし河川生物調査事務)が反論した。穴あきダ ムとて環境に影響を与える可能性が十分あり得ることが論証された。
ダムについては、流水型、であっても、本質的に洪水のピークカットするわけですが、それにより河川を攪乱する度合いが減少する。それにより河床がアーマー化 すし、大型糸状藻類が繁茂する。カワニナ等が異常繁殖する。など、下流河川の生物相、生態系に悪影響を及ぼす事が実際、事例からわかっております。
アユへの影響の議論で最も重要視しなければならない点でありましたが、これまでの最上小国川流域環境保全協議会では全く検討していなかったことが判明したのであります。
県は「環境やアユにほとんど影響ないので想定外」としていたが、環境悪化に依る損失をコスト比較にいれる必要がある。ということが立証されました。
3)又、今般明らかになったのは、一軒の旅館の温泉を確保するためだけに、県がつくった堰あるいは落差工、床止めにより、土砂を堆積させ、河床があがり、周辺を危険にさらしていたという真実でございます。
県作成の河道縦断図を見ても、県が造った落差工、床止めの部分で河床が異常に上昇している。河床本来の河床に設置されるはずの床止めが、この場合は別の目的(つまり一軒の旅館の温泉のために水位をあげるコトじゃないかと推測される)のために設置されていることがわかる。河川管理者としての県の管理責任が問われる問題だ。と桑原英夫、水文学者、元山大教授 、大熊孝 新潟大名誉教授 今本博健 元京大防災研所長 河川工学者、が論証しております。
要するに、県がつくった床止め、落差工をはずし、河床の土砂除去、掘削をおこなうことが先決ではないかということが論証されたわけです。
改めて科学的に検証されたこの論証大きく3点、について、県は科学的に反論できなければならない。ということです。
まずお尋ねしますが、高橋先生から電話があった、「県がわざわざ高知まで行って、高橋先生に説明をしたい」と連絡を受けたそうであります。
これ、何をしようとしているんですか。応えてください。
工藤河川課長
只今の質問ですけども、えっと、私は聞いてなかったんですが、具体的にどういった話だったんでしょうか。
草島
高橋先生から 山形県の職員が行って説明をしにいきたい。と連絡を受けたそうであります。1月10日に来るということでありました。どういうことなんですか。何のためにくんですか。応えてください。
工藤河川課長
只今の話ですけれども、私も把握していません
草島
重要な論証をされた方に、県がわざわざ説明しにいくと実際に本人から聞いているんですが、これ部長把握されていないんですか。
鹿野部長
すいません、私も聞いておりません。
草島
職員が勝手にやったことだということですか おうかがいします。
工藤河川課長
うちのほうのダム担当の職員が連絡をとったわけでありますが、何の趣旨か詳しいことはわかり
非常に重要な論証をされた方にわざわざ県が説明に行くなんていう
お金とひまがあったら、公開の場で、高橋先生を招聘して、県依頼の石田さんと共に再検証されたらどうですか。
この科学的な論証に対して説明するなり、反論する公開の場を設け、説明責任を果たすということは重要なことだと思うんですが、部長どうなんですか。おうかがいします。
鹿野部長
今、高橋先生に対して、県のほうがどういう言い方をして、何をしようとしているのかっていうのをちょっと把握していないものですから、それと公開討論の場というのがどういう関係になるのか、ちょっと今、整理できておりません。
それはちょっと事実確認をした上で、お応えしたいと思います。
委員長 草島委員、先に進んでください。
草島
委員長 そしたら、まずね、皆さん把握していないということ自体がおかしい、それと、高橋先生にそういう連絡をされているのは事実ですから、何をしようとしているのか、きちんと説明してくださいよ。それと3点、今般、科学的な論証されたわけですけども、これについて反論できますか。反論できるのならどうぞ。
工藤河川課長
反論というわけではないんですけれども、これまでですね、私どものほうでやってきたことをですね、もう一回ですね。お話していきたいと思います。一応何点かですね、質問有ったかと思いますけれども、まず一つは温泉旅館の湯脈に影響があって河床掘削ができないということについてはですね、これについてもこれまでも何度もですね、お話しましたけれども、川辺先生もですね、一応、同意をされてですね。結果的に報告書になっているものでありまして、その内容ですけれども「河床の岩盤掘削を伴う工事は、現在の湧出機構の微妙なバランスを崩してしまい、河川水位を回復させても、温泉
小国川ダム議論ー景気雇用対策特別委員会にて
本日の景気雇用対策特別委員会。
今、エネルギー戦略懇談会については、2つの要望。
1)懸念材料として、来年7月の固定買い取り制度をにらみ、「植民地型エネルギー開発」にならぬよう、地域の自然エネルギーは地域は地域のために優先的に利用できる。また、お金が地域にまわるしくみができるかが鍵。このシクミの構築をおこなうこと。
2)卒原発の山形にふさわしい、目指すべき「持続可能な社会」を見据え、バックキャスティングアプローチのシナリオを描いて、突き進んで欲しい。
との要望をいれ、小国川ダム問題をやりました。
使ったメモを記載します。
最上小国川ダムについて
今般11月27日に行われた、県民による緊急検証について。
県はドタキャンしたわけだが、科学者により県の推し進める流水型ダムによる治水が適切との根拠に2つのウソと、河川管理上極めて大きな問題である1つの真実が明らかにされた。
2つのウソとは
「温泉の湯脈に著しい影響を与えるから河床掘削できない」
「流水型穴あきダムであれば、アユに与える影響はほとんどない」
という県の主張であり、又、一つの真実については、
一軒の旅館の温泉を確保するためだけに、県がつくった堰あるいは落差工、床止めにより、土砂を堆積させ、河床があがり、周辺を危険にさらしていたという真実です。
2つのウソの前者については、
「温泉の湯脈に著しい影響を与えるから河床掘削できない」には、県が調査を依頼した川辺教授によって、完全否定され、一軒の旅館の温泉に対して対策を施しさえすれば、問題なく河床の掘削ができること。更に河床掘削による河川改修は温泉宿のお湯の確保の点でも有利になると論証した。
第二の「流水型穴あきダムであれば、アユに与える影響はほとんどない」
には、県の見解に対して、「アユへの影響が想定されるべき事象が評価されていない」「影響が小さいとはいえない」と高橋勇夫 先生(たかはし河川生物調査事務所)が反論した。穴あきダ ムとて環境に影響を与える可能性が十分あり得ることが論証された。
ダムについては、流水型、であっても、本質的に洪水のピークカットするわけだが、それにより河川を攪乱する度合いが減少する。それにより河床がアーマー化 する、また、大型糸状藻類が繁茂する。カワニナ等が異常繁殖する。など、下流河川の生物相、生態系に悪影響を及ぼす事が実際の事例からわかっている。
アユへの影響の議論で最も重要視しなければならない点だが、これまでの最上小国川流域環境保全協議会では検討していなかったことが明らかになった。
県は「環境やアユにほとんど影響ないので想定外」としていたが、環境悪化に依る損失をコスト比較にいれる必要がある。
3)又、今般明らかになったのは、一軒の旅館の温泉を確保するためだけに、県がつくった堰あるいは落差工、床止めにより、土砂を堆積させ、河床があがり、周辺を危険にさらしていたという真実だ。
県作成の河道縦断図を見ても、県が造った落差工、床止めの部分で河床が異常に上昇している。河床本来の河床に設置されるはずの床止めが、この場合は別の目的(つまり一軒の旅館の温泉のために水位をあげるコト)のために設置されていることがわかる。河川管理者としての県の管理責任が問われる問題だ。と桑原英夫、水文学者、元山大教授 大熊孝 新潟大名誉教授 今本博健 元京大防災研所長 河川工学者、が論証している。
要するに、県がつくった床止め、落差工をはずし、河床の土砂除去、掘削をおこなえば、内水災害も治める等、危険箇所を安全にすることができる。
改めて科学的に検証されたこの論証大きく3点、について、県は科学的に反論できなければならない。
まずお尋ねする。高橋先生から電話があった、「県がわざわざ高知まで行って、高橋先生に説明をしたい」と連絡を受けたそうだが、
「何をしようとしているのか」
そんなコトをするのなら、公開の場で、高橋先生を招聘して、県依頼の石田さんと共に再検証したらどうか。
この科学的な論証に対して説明なり、反論する公開の場を設け、説明責任を果たされなければならない。
どうか。
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質疑内容は後日アップします。
ご期待ください。
本日、県知事への申し入れ内容。
本日、午後3時30分に、山形県知事宛提出した要望書です。対応は県庁11階の県土整備部で河川課長が対応してくれました。私の仕切りが甘く、申し入れが交渉の場で1時間も費やし、記者会見会場に行くことがなかなかできませんでした。報道機関の皆様、大変失礼いたしました。

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2011年12月6日
山形県知事 吉村美栄子 殿
最上小国川の清流を守る会
共同代表 川辺孝幸
共同代表 高桑順一
共同代表 草島進一
山形県自然保護団体協議会 幹事団体 出羽三山の自然を守る会
大田道徳
「最上小国川ダム」建設の説明責任と見直しを求める要望書
私達は、11月27日に開催した「県民による緊急検証 最上小国川ダム」において再検証した結果、最上小国川ダム建設に大義なし。治水対策は河川改修を優先すべしという結論に至りました。
アユ踊る日本屈指の清流 最上小国川は、東日本大震災の津波や放射能汚染でダメージを受けた東北に残る生命の源。山形の宝、日本の宝であると私達は考えます。
最上小国川、最上川流域住民の生命と財産を守り、持続可能な流域を叶えるためには、穴あきダム建設は清流環境を失うリスクが大きく、不要であり、河道掘削、拡幅などによる河道改修による治水対策を優先するべきです。
山形県には、以下の新事実たる論点への説明責任を果たすべく、早急なる公開の説明会の開催と、小国川ダム建設計画の見直しを求めます。
論点。
1)県が主張していた「赤倉温泉の湯脈に著しく影響するため、河床掘削はできない」は、実際に県が温泉調査を依頼した川辺孝幸山形大学教授によって完全に否定された。そもそも県の調査は「温泉調査」が目的で河床掘削できるか否かが目的ではなかった。調査員3名が確認したのは温泉と川の水位が関連しているということのみで、工事期間の補償を含めた影響を除去する対策の検討を十分におこなわずに,「『工事が温泉宿の湯船のお湯に影響を与える』から河川改修はできない」と、県がダムを優先するために創作した推論でしかなかった。
河川を掘削しても、対策を施せば全く問題を生じない。現在も河川水と温泉水が混合して湯船に流れ込んでいるシステムで現在の温泉宿の湯船に流れ込むお湯は成り立っている。時々河川の増水や渇水で温泉の利用ができなくなる状態であるが、河川掘削工事に伴ってより効率的な混合システムをつくることによって安定的にお湯を供給できるようになるなど、むしろ河床掘削による河川改修は温泉宿のお湯の確保の点でも有利になる(川辺孝幸)
2)現在、赤倉温泉地域の河床は、県が設置した堰や床止めによる土砂堆積のために上昇し、それが洪水のたびに水害をもたらす原因になっている。一軒の旅館(阿部旅館)の温泉を維持するために、県が設置した堰、床止めによって河床上昇し、危険をもたらしている。県や国はそうした構造物を除去し、それを原因に堆積した土砂を除去する事がダムよりも先決である。
(桑原英夫 大熊孝 今本博健 )
3)「流水型ダム(穴あきダム)は環境にやさしい」「鮎に影響がほとんどない」と山形県は主張し、流域住民に流布し続けてきた。しかし類似の流水型ダムは何れも上流にダムがある流域につくられた島根県の益田川ダムと石川県の辰巳ダムのみであり、小国川のような清流環境につくられた試しはなく「環境影響の実証」はないに等しい。
4)「穴あきダム」は、ダムの上流で斜面崩壊や土石流が発生した場合、流れてきた樹木や土砂・砂礫によって穴が詰まって、「穴あきダム」の機能を失ってしまい、逆に被害を拡大する可能性をもっていることが、山口県防府市の老人ホームの土石流被害などの同様な形状の場所で実証されている。(川辺孝幸 今本博健)
5)県の見解に対して、「アユへの影響が想定されるべき事象が評価されていない」「影響が小さいとはいえない」と高橋勇夫 (たかはし河川生物調査事務)が反論した。穴あきダムとて環境に影響を与える可能性が十分あり得ることが論証された。(要旨別紙)小国川のアユの経済効果は、年間22億円、環境悪化で年10億円ずつの損失(2011近畿大 有路研究室調べ 別紙)と推論されている。これについて、県は「環境やアユにほとんど影響ないので想定外」としていたが、環境悪化に依る損失をコスト比較にいれる必要がある。それを加味すれば、河川改修のコストがダム建設よりもはるかに低廉である。(高橋勇夫 有路昌彦)
6)年間1億3千万円(2009年実績)の漁獲高を誇る小国川漁協は、組織をあげて穴あきダム建設に反対を貫いている。漁業権をもつ漁協が反対しているダム建設は、本体着工が不可能であることは川辺川ダムで実証済みである。川辺川のように、本体着工の了承がとれぬまま周辺工事を進め、結局本体着工できなければ、公金のムダだけが残る結果となりかねない。
()内は論証する科学者 承認者 敬称略
以上
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本日の朝日新聞に国土交通大臣交渉が
本日の朝日新聞より
昨日の大臣交渉が朝日新聞二掲載、
論点は明快。
最上小国川ダム予算凍結を 反対派、国交相と面会 山形
2011年12月3日00時36分
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山形県が最上町に計画している最上小国川ダムの建設に反対する「最上小国川の清流を守る会」代表の川辺孝幸・山形大教授と小国川漁協の沼沢勝善組合長は1日、東京の国土交通省で前田武志国交相と面談し、河川改修による治水対策を訴え、ダム建設を補助する政府予算の凍結を求めた。
面談には草島進一県議、田中康夫・新党日本代表、今本博健・京大名誉教授らも同席。(1)「赤倉温泉の湯脈に影響するので河床掘削はできない」とする県の主張はうそ(2)県が設置した堰(せき)や床止工(とこどめこう)によって河床が上昇し危険(3)「穴あきダム」は土石流などで流れる樹木や土砂で穴が詰まり、被害を拡大する可能性がある(4)アユへの影響の損失コストを考えれば河川改修の方が安上がり――などと説明し、河道の掘削や拡幅などによる治水対策を求めた。
草島県議は面談後、「大臣は『国交省も持続可能性を大事に考えている』などと理解を示してくれた」と話した。同ダムは政権交代後の見直し対象になったが、国交省は今年8月、県の方針を受け入れて事業継続を決めた。(三浦亘)
最上小国川 赤倉温泉地域の治水方策への考察。
赤倉温泉地域の治水について

(県がつくったと認めた堰から上部にかけて土砂堆積している。)
これを除去することで河床を下げることができ、河道の流下能力を下げることができる。
県は、「河道掘削すると温泉の湯脈に影響を与えるので、河道掘削できない」と主張し続けてきた。しかし、それは県が温泉調査を依頼した川辺教授により完全に否定された。川辺教授は、そもそも県の調査は「温泉調査」が目的で河床掘削できるか否かが目的ではなかった。調査員3名が確認したのは温泉と川の水位が関連しているということのみで、工事期間の補償を含めた影響を除去する対策の検討は十分におこなわれなかった。そして、「『工事が温泉宿の湯船のお湯に影響を与える』から河川改修はできない」は、単に県がダムを優先するために創作した推論をおこなったものであることが論証された。
河川を掘削しても,対策をきちんととれば問題ないことや、現在も河川水と温泉水が混合して湯船に流れ込んでいるシステムで現在の温泉宿の湯船に流れ込むお湯は成り立っていること。
さらに、現状では河川の増水や渇水で温泉の利用ができなくなる状態であるが、河川掘削工事に伴ってより効率的な混合システムをつくることによって安定的にお湯を供給できるようになることや、更に、河床掘削による河川改修は温泉宿のお湯の確保の点でも有利になることを、川辺教授は論証した。
● 治水方策として優先されるべきこと。
1)現状で水害要因をつくりだしていると思料される落差工、床止めを除去し、河床掘削すること。
2)一軒の旅館(阿部旅館)について、湯量を維持する工作をおこない、影響がないように配慮し工事すること。
3)県は、河川水と関係のない「内水被害」で浸水していた箇所を殊更に強調してダム建設の理由に利用していた傾向があるが、この解消策は河床掘削で河床を下げることである。
4)温泉排水などの垂れ流しを止めること。
等をおこない、清流に面した美しい温泉街を再生しつつおこなう「まちづくり治水」こそ有効な治水対策である。
小国川流域で人口が密集する瀨見温泉地域、月館地域は、1/50確率の治水が完成している。赤倉温泉地域でこうした河川改修に伴う治水対策をおこなうことによって、人命を守る治水を叶えることができる。
河川改修を下流からおこなわねばならないので、河川改修で72年かかると検証の場で論じられていたが、通常の河川整備も暫定確率を設けて段階的に整備するのが通常である。「検証」の場において、ダムが有利と言いたいがために、全ての河道(つまり農地など)についても人家と同様の1/50確率の治水対策を下流からおこない、堤防内から水が逃がさないのが当然というような主張がおこなわれていたが、総合治水管理の流れからいえば一昔前の治水対策である。ゲリラ豪雨が広範囲で降る傾向がある近年、(今年9月の和歌山の豪雨災害がよい事例)、遊水池や田んぼダムなど、流域の氾濫原対策を加味するなどの方策を考慮に入れるべきである。
12.1 前田武志 国土交通大臣への申し入れ。

昨日午前2時20分から15分にわたりおこなわれた、前田武司国土交通大臣への申し入れについて。
以下の文書を申し入れいたしました。
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2011年12月1日
国土交通大臣 前田武志 殿
最上小国川の清流を守る会
共同代表 川辺孝幸
共同代表 高桑順一
共同代表 草島進一
小国川漁業協同組合
組合長 沼沢勝善
「最上小国川ダム」建設中止を求める要望書
私達は、11月27日に開催した「県民による緊急検証 最上小国川ダム」において再検証した結果、最上小国川の治水対策は、穴あきダム建設ではなく河川改修にすべきという結論に至りました。
アユ踊る日本屈指の清流 最上小国川は、東日本大震災の津波や放射能汚染でダメージを受けた東北に残る生命の源。山形の宝、日本の宝であると私達は考えます。実際に小国川のアユは被災地岩手県の河川の放流用種苗になっています。
山形県の最上小国川、最上川流域住民の生命と財産を守り、持続可能な流域を叶えるためには、最上小国川の治水策として、穴あきダム建設は不要であり、河道掘削、拡幅などによる河道改修による治水対策を求めます。
よって、「穴あきダム建設を治水対策」とした国家予算の凍結を求めます。
論点。
1)県が主張していた「赤倉温泉の湯脈に著しく影響するため、河床掘削はできない」は、実際に県が温泉調査を依頼した川辺孝幸山形大学教授によって完全に否定された。そもそも県の調査は「温泉調査」が目的で河床掘削できるか否かが目的ではなかった。調査員3名が確認したのは温泉と川の水位が関連しているということのみで、工事期間の補償を含めた影響を除去する対策の検討を十分におこなわずに,「『工事が温泉宿の湯船のお湯に影響を与える』から河川改修はできない」と、県がダムを優先するために創作した推論でしかなかった。
河川を掘削しても,対策を施せば全く問題を生じない。現在も河川水と温泉水が混合して湯船に流れ込んでいるシステムで現在の温泉宿の湯船に流れ込むお湯は成り立っており、時々河川の増水や渇水で温泉の利用ができなくなる状態であるが、河川掘削工事に伴ってより効率的な混合システムをつくることによって安定的にお湯を供給できるようになるなど、河床掘削による河川改修は温泉宿のお湯の確保の点でも有利になる(川辺孝幸)
2)現在、赤倉温泉地域の河床は、県が設置した堰や床止めによる土砂堆積のために上昇し、それが洪水のたびに水害をもたらす原因になっている。一軒の旅館(阿部旅館)の温泉を維持するために、県が設置した堰、床止めによって河床上昇し、危険をもたらしている。県や国はそうした構造物を除去し、それを原因に堆積した土砂を除去する事がダムよりも先決である。
3)「穴あきダムは環境にやさしい」「鮎に影響がほとんどない」と山形県は主張し、流域住民に流布し続けてきた。しかし類似の穴あきダムは何れも上流にダムがある流域につくられた益田川ダムと辰巳ダムのみであり、小国川のような清流環境につくられた試しはなく「環境影響の実証」はないに等しい。
4)また、「穴あきダム」は、ダムの上流で斜面崩壊や土石流が発生した場合、流れてきた樹木や土砂・砂礫によって穴が詰まって、「穴あきダム」の機能を失ってしまい、逆に被害を拡大する可能性をもっていることが、山口県防府市の老人ホームの土石流被害などの同様な形状の場所で明らかになっている。
5)県の見解に対して、「アユへの影響が想定されるべき事象が評価されていない」「影響が小さいとはいえない」と高橋勇夫 (たかはし河川生物調査事務)が反論した。穴あきダムとて環境に影響を与える可能性が十分あり得ることが論証された。(要旨別紙)小国川のアユの経済効果は、年間22億円、環境悪化で年10億円ずつの損失(2011近畿大 有路研究室調べ 別紙)と推論されている。これについて、県は「環境やアユにほとんど影響ないので想定外」としていたが、環境悪化に依る損失をコスト比較にいれる必要がある。それを加味すれば、河川改修のコストがダム建設よりもはるかに低廉である。
6)年間1億3千万円(2009年実績)の漁獲高を誇る小国川漁協は、組織をあげて穴あきダム建設に反対を貫いている。漁業権をもつ漁協が反対しているダム建設は、本体着工が不可能であることは川辺川ダムで実証済みである。川辺川のように、本体着工の了承がとれぬまま周辺工事を進め、結局本体着工できなければ、公金のムダだけが残る結果となりかねない。
以上
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前田国土交通大臣への申し入れは田中議員、又、小国川を五回も踏査していただいている今本博健先生との同行の中で、終始おだやかに進められた。
交渉内容は再アップします。
明日、国土交通省大臣に申し入れと八ッ場ダム 討論会
明日、11.27をうけて、国土交通大臣宛、最上小国川の清流を守る会代表、漁協とともに、ダム反対の申し入れに参ります。
なお、11.27の模様はwww.ogunigawa.orgに映像をアップしていますので、どうぞご覧下さい。
明日、申し入れのその後は、以下。随分お世話担っている先生方が勢揃い。
しっかと勉強してきます。
ちなみに、12月2日は県議会本会議です。
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緊急! 科学者たちの公開討論会
「八ッ場ダム検証は
これでいいのか?」(仮題)
日時:12月1日(木)17:00~19:00
会場:衆議院第一議員会館地階 大会議室(300人収容)
「ダム推進ありき」の国交省関東地方整備局による八ッ場ダムの検証報告が
大きな波紋を呼んでいます。
さる11月1日、行政主導の八ッ場ダムの検証に危惧を抱いた科学者80名が
「八ッ場ダム検証の抜本的なやり直しを求める声明」を野田首相、
前田国交大臣に提出。さらに同じ呼びかけ人11名人が18日、
「ダム検証のあり方を問う科学者の会」を立ち上げ、
ダム推進を容易にするダム検証のしくみを定めた国交省の
有識者会議メンバーらに対し、公開討論会を申し入れました。
国交省の有識者会議に挑戦状を突きつけたともいえる今回の申し入れに対しては、
122名の研究者が賛同の意思を表明しています。
「科学者の会」では、有識者会議のメンバーらが公開討論会に応じない場合でも、
八ッ場ダム検証を徹底討論するとしており、来週の院内集会を予定しています。
議員、市民の皆さんもぜひご参集ください。
主催:ダム検証のあり方を問う科学者の会
—–ダム検証のあり方を問う科学者の会呼びかけ—–
今本博健(共同代表・京都大学名誉教授・河川工学)
川村晃生(共同代表・慶応大学教授・環境人文学)
宇沢弘文(東京大学名誉教授・経済学)
牛山積(早稲田大学名誉教授・法学)
大熊孝(新潟大学名誉教授・河川工学)
奥西一夫(京都大学名誉教授・災害防災学)
関良基(拓殖大学准教授・森林政策学)
冨永靖徳(お茶の水大学名誉教授・物理学)
西薗大実(群馬大学教授・地球環境学)
原科幸彦(東京工業大学教授・社会工学)
湯浅欽史(元都立大学教授・土質力学)
関 良基
11.27の再検証をUST中継しています 県土木部必見!
11.27の模様をUST しています。当日出席を依頼していたが、理由なくどたキャンした山形県土木部は良く見るように。
http://www.ustream.tv/channel/%E6%9C%88%E5%B1%B1-tv
28日山形新聞、読売新聞、29日本日、朝日新聞に紹介いただきました。感謝します。
現在、県国への申し入れ文書を作成中。