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2020年12月議会 1)市立図書館について 2)新型コロナウイルス感染症の市民生活への影響について


◆6番(草島進一議員) 通告に基づき質問いたします。

 まず、市立図書館について質問します。

 鶴岡市立図書館は、郷土資料館と併設で、昭和60年に建設された蔵書数は40万4,515冊、年間入館者数は約18万9,000名、1日平均約631名の市民に親しまれている図書館であります。

 建設から35年経過し、以前はエアコンの故障がありましたし、建物も老朽化が進んでいるようです。蔵書数の割に、開架図書は約7万5,000冊と閉架図書の割合が多くなっていること、また館内が手狭となっており、併設する郷土資料館の資料は、廃校になった旧小学校などに分散保管されているとも伺っております。

 また、私はこれまでリニューアルした山形県立図書館をはじめ、米沢市立図書館「ナセBA」、秋田県立図書館、武蔵野プレイス、日比谷図書文化館、富山市立図書館「TOYAMAキラリ」、守山市立図書館などを訪れたり、図書館総合展などを訪れたりしました。

 今、全国的にも、県内にも新しいタイプの図書館が建設されています。その中には、開架図書を増やしたり、新しいまちづくりの市民ニーズを満たすようなWi-Fi環境や電源が整備されているワーキングスペースやカフェ併設型、また美術館併設型やスタジオ併設型であるような快適な滞在環境を整えた複合施設としての図書館が増えてきています。こうして新しい図書館を訪れたり、全国を見渡してみますと、人が集う図書館として、図書館に求める市民のニーズも変容していると思われます。

 こうした現状を踏まえて、現在の市立図書館が抱えている課題をどう捉えているか、まずお伺いしたいと思います。

   

◎教育部長(石塚健) それでは、現在の市立図書館の課題についてお答え申し上げます。

 議員御指摘のとおり、図書館本館は昭和60年3月に竣工した施設で、今年で35年が経過しております。これまで、経年劣化等により不具合が生じた際は、その都度修繕等を実施してまいりましたが、平成22年頃からは、電気設備や空調設備など大規模な改修工事を実施している状況にございます。

 今年度も、消雪設備のポンプの更新工事を実施しておりますし、今後も高圧変電設備の更新工事、屋根の防水改良工事や外壁改良工事、エレベーターの更新など、施設を安全で良好に維持していくための大規模修繕工事を実施していかなければならないと認識しているところでございます。

 次に、資料保存機能につきまして、当館は本館と5つの分館、そして本館に併設している郷土資料館が一体となって運営されており、現在合わせて約40万冊の蔵書と、郷土資料として約二十数万点の古文書も所蔵しております。

 本館の収蔵スペースの確保のためには、現在まで3階部分には移動式の書架を設置してまいりましたし、開架部分にも新たな書架を配置するなどいたしまして、収容能力の増強を図ってまいりました。

 しかしながら、本館内にこれ以上の収蔵スペースは見込めないことから、今後は他の施設内に収蔵スペースを確保し、分館、郷土資料館を含めた資料を適切に保管するための資料センター的な役割を担う場所を確保していかなければならないと考えております。

 また、利用者が図書館に求める機能が多様化しておりますのは、議員御指摘のとおりだと思います。資料の提供だけでなく、様々な情報を求められること、また憩いの場所としてのニーズも高まっており、現在の施設では、その提供が難しい部分も多いと認識しているところでございます。以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) 聞くところによりますと、2年後にはエレベーターの大規模修繕が必要とのことであります。

 また、総合計画の中では、この10年間で再整備を行うとなってきているわけですけれども、現代に求められる機能ですとか、場所の問題ですとか、十分な検討が必要と思われます。そこで、再整備の検討をし始めてはどうかと思いますが、見解をお伺いしたいと思います。

   

◎教育部長(石塚健) 図書館本館の再整備につきましては、第2次鶴岡市総合計画の中で再整備を検討すると明記しておりまして、この計画期間中に現在の施設の利用の仕方も含めまして、今後の進め方を整理していく必要があるものでございます。

 進め方といたしましては、現在図書館に求められていること、例えばゆっくりとした読書スペースが欲しいとか、図書資料だけでなく、様々な情報を求めることができる図書館であってほしいなど、市民のニーズを集約することから始めていくことが必要であると認識しております。その上で、新しい図書館に求められる機能に合った施設の再整備の検討を進めてまいりたいと思います。

 御指摘のとおり、近年再整備されております図書館は、本来の図書館機能だけでなく、様々な機能を持ちまして、まちのにぎわい創出を担うような図書館もございます。市民が求める図書館の姿が変わってきていると認識しております。そのような中でも、図書館は誰もが日常的に利用する施設でありますことから、ユニバーサルデザインを目指した施設にすることも大切であると考えております。

 本市といたしましては、様々な方が日常的に利用する施設といたしまして、市民が望むのはどのような施設であるのかを集約するとともに、本市にふさわしい図書館の在り方について、その先進事例なども参考にしながら検討を進めてまいりたいと思います。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 今、令和の藩校が打ち出されている城下のまち鶴岡将来構想策定委員会でも、図書館について一部触れられていました。現在、現状抱える図書館の課題を共有して、一緒に検討し始めてはどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。

   

◎教育部長(石塚健) 城下のまち鶴岡将来構想策定委員会におきましては、現在までに委員の皆様から様々な意見が出されており、その中には図書館に対する御意見も頂戴しているとお聞きしているところでございます。

 図書館の将来構想につきましては、このような様々な機会を捉えまして、市民ニーズの把握に努めてまいりたいと思います。またその際には、城下のまち鶴岡将来構想策定委員会の事務局でございます建設部とも情報を共有しつつ、庁内関係各課と横断的に連携を深めながら、検討を進めてまいります。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 ぜひこの図書館、文化施設として重要な施設であると思います。十分な機能を発揮する図書館として、検討のほどよろしくお願いします。

 次に、新型コロナウイルス感染症の市民生活への影響についてお伺いしたいと思います。

 まず、雇用の状況・維持についてお伺いします。

 新型コロナウイルス感染症が雇用に与える影響について、全国的には失業や雇い止めの情報が報道されておりますが、本市においては、大きな混乱を招くような失業や雇い止めはなかったとお伺いしております。

 この間、国では雇用調整助成金などに取り組んできたと思いますが、市としては雇用政策としてどのような取組を行い、その成果はどうだったのか、状況を伺います。また、今後の対応策についてお伺いしたいと思います。

 次に、生活困窮者の支援の状況についてお伺いしたいと思います。

 この間、市の受付件数をお伺いしましたが、緊急小口資金の受付件数は281件、総合支援資金は91件、市の追加貸付けは157件とのことでありました。

 また、今回生活困窮者自立支援体制強化事業、7月補正で増員された、くらしスの相談件数は247件とのことでした。

 そこでお伺いします。

 この相談件数247件とありますが、この相談の内容からはどのような傾向が見られるのか。市として、生活困窮者の状況についてどのように把握されているのか、お伺いをしたいと思います。

 また、米を支給する食の支援がありますけれども、この実態はどうか、お伺いしたいと思います。

   

◎商工観光部長(佐藤正胤) 新型コロナの市民生活への影響について、初めに新型コロナウイルス感染症に起因します雇用への影響について、商工観光部よりお答えをいたします。

 厚生労働省では、各都道府県の労働局の聞き取り情報や公共職業安定所に寄せられた相談・報告などを基に、雇用調整の可能性がある事業所数と解雇等見込み労働者数を集計し、公表しております。

 11月27日現在の全国の集計分では、雇用調整の可能性がある事業所数は11万7,002事業所、解雇などの見込み労働者数が7万4,055人となっており、そのうち山形県は3,120事業所、503人となっております。

 本市においては、5月以降、新型コロナウイルス感染症の影響による倒産や閉店の情報もございましたが、解雇となった従業員へのハローワーク鶴岡の早期の支援によりまして、再就職につながったと伺っておりますし、その後もコロナの影響に伴う就職相談については減少傾向にあると伺っております。

 また、12月1日に公表されましたハローワーク鶴岡管内の10月の有効求人倍率は1.40倍と、9月の1.36倍よりも上昇しております。25番議員の総括質問に対する市長答弁のとおり、管内の雇用情勢については回復基調も見られるというところでございます。

 御質問の雇用の施策についてでありますが、国では、企業の雇用維持のために従業員を休業させた場合に、休業手当に対して助成を行う雇用調整助成金が実施されております。助成率の拡充や上限額の引上げといった特例措置が4月の休業分から設けられ、対応期間についても、12月末までの期限が令和3年2月まで延長されることが11月27日に厚生労働省から発表されております。

 その間、本市において、5月から8月末まで鶴岡地区雇用対策協議会が主体となりまして、山形県社会保険労務士会庄内支部から御協力をいただきながら、専門家による無料相談窓口を開設いたしております。

 市内企業の雇用維持に向けた雇用調整助成金の積極的な活用とハローワークでの円滑な申請を支援するための窓口として、4か月間で121件の相談を受付しております。その後、助成金申請に必要な書類の簡素化や助成金の算定方法の簡略化などによりまして、7月中旬から相談件数も落ち着いてきましたために、窓口は8月末をもって終了いたしまして、その後、県との協調で雇用調整助成金申請代行補助事業を実施しております。

 この事業は、7月22日の臨時議会で御可決をいただきまして、予算額5,200万円を措置し、助成金申請代行に係る手数料に対しまして、1事業所当たり40万円を上限に補助をする内容となっております。令和3年2月12日まで受付をしております。11月末現在の実績といたしましては、40事業所からの申請を受理いたしまして、678万8,000円の補助金を交付しております。

 また、今年度で3年目となりますが、新型コロナによる雇用調整の影響を最も受けやすい非正規労働者の正社員への転換を支援する鶴岡市正社員化促進事業を行っております。初年度となる平成30年度の正社員の転換人数は7名、令和元年度は24名、今年度は11月末現在で25名と、年々増加傾向にございます。非正規労働者の雇用安定と優秀な人材確保と定着に資する事業として評価をしているところでございます。

 現在、全国的な感染拡大の第3波が続いておりまして、山形県内、特に庄内でも感染者数が増えている状況にございます。市といたしましても、引き続きハローワーク鶴岡と管内の雇用に関する情報交換を密にしながら、経済対策会議の開催等を通じまして、関係機関との情報共有により、市内の雇用情勢を的確に把握するとともに、国や県が実施する事業とも連携を取りながら、市内事業所の雇用維持に向けた事業を展開してまいりたいと考えております。

   

◎健康福祉部長(渡邉健) 生活困窮者の状況について3点ほど御質問をいただいておりますので、順次お答えを申し上げます。

 まず、生活困窮者自立支援体制強化事業の内容について御質問いただきましたので、お答えいたします。

 生活困窮者自立支援体制強化事業は、生活困窮相談を受け付けております鶴岡市地域生活自立支援センター、通称くらしスにおきまして、本年4月から6月における相談件数の累計が前年比で2.5倍と急増いたしましたことから、相談支援員4名体制で行っていたところ、7月から1名増員し、5名体制に強化したというものでございます。

 相談内容の傾向といたしましては、生活困窮相談における本年4月から10月末現在での新規相談件数は247件となってございますが、約半数の112件が住居確保給付金と総合支援資金の相談件数となっております。昨年度、1年間でゼロ件であり、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて増加したものと考えております。

 住居確保給付金は、収入等の減少により家賃の支払いが困難な方に、家賃相当分を最長9か月間支給する国の制度でございますが、支給実績といたしましては、10月末時点で74件となっております。

 給付相談される職業分類といたしましては、無職という方が一番多く、31件43%となっております。次に多いのが飲食業で7件9%、順に運転代行業5件、旅館業5件、理美容業4件などとなっております。

 無職の方につきましては、ハローワークと連携した、くらしスの就労支援も行っており、生活の状況をお伺いし、就労や増収の希望等についても相談をお受けすることとなりますが、状況に応じ同行するなど、伴走型やアウトリーチの支援も行っているところでございます。

 次に、2点目の市として困窮者の状況についてどのように把握しているのかという点でございますが、この点につきましては、緊急小口資金貸付の状況について御報告申し上げます。

 緊急小口資金貸付は、国の制度で、山形県社会福祉協議会が実施主体となりまして、収入の減少により緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合、10万円または20万円を上限といたしまして無利子貸付けを行うというものでございます。

 当市において、11月15日現在、281件の貸付けを受けられた世帯のうち、単身世帯が93世帯、2人以上の世帯が188世帯となっておりまして、2人以上の世帯が約7割を占めておりますことから、家族と同居されている世帯への貸付けが多い状況となっております。

 緊急小口資金貸付は、世帯単位での貸付けになりますが、申請者の年代別では40代の方の申請が75件と多く、50代60件、30代43件、60代43件などとなっております。働き盛りの40代の申請が多いことから、就労等の収入が減った世帯が多くいるものと見ているところでございます。

 また、もう一つ、困窮者の状況把握といたしまして、生活保護の申請数について御報告いたします。

 生活保護の申請数は、本年4月から10月までの累計で96件となってございまして、昨年の同時期113件より17件少ない状況となっております。これは、新型コロナウイルス感染症対策で臨時特別給付金や緊急小口資金貸付などの施策を講じた影響があるものと分析いたしておりますが、経済活動の停滞が長引くことによる生活保護申請数の変化など、今後も動向を注視してまいりたいと存じます。

 それから、3点目でございますが、米を支給する食の支援の実態についてお答え申し上げます。

 米を支給する食の支援事業は、県の補助事業でございますが、対象世帯は先ほど御説明いたしました緊急小口資金貸付を利用され、市に食の支援事業の申請を行った世帯が対象となっております。その内容といたしましては、60キログラムの山形県産米はえぬきについて、20キログラムずつ3回に分けて無料でお配りするという事業でございます。

 事業実施に当たりましては、鶴岡市農協と庄内たがわ農協の御協力を得て、11月15日現在になりますが、107世帯にはえぬきを配送しているというものでございます。以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) 生活困窮者の対策、状況として、報道などでは女性の雇用や生活がより厳しい状況に置かれているという報道がよくありますけれども、市としてはどんな状況でしょうか。1点お伺いしたいと思います。

   

◎健康福祉部長(渡邉健) 特に女性に限定したとか、そのような傾向は私どもとしては伺っていないところでございます。

   

◆6番(草島進一議員) いずれにしても、生活困窮者の対策として、十分にお一人お一人に寄り添った対策に努めていただきたいと思いますけれども、今後の対策についてはどのように考えているか、お伺いしたいと思います。

   

◎健康福祉部長(渡邉健) 今後の生活困窮者対策につきましては、引き続き生活困窮者の動向を見極めながらでございますが、国からもいろいろな対策が出ておりますので、そのようなものも活用しながら必要な対策を講じてまいりますが、まずは制度周知に努めるとともに、必要に応じ、こちらから訪問して相談に応じるなど丁寧に対応してまいりたいと存じます。

   

◆6番(草島進一議員) 市政の在り方として、誰一人として取り残さない十分な支援を求めてまいりたいと思います。よろしくお願いします。

 以上で終わります。



2020年9月議会 1)山形県鶴岡市風力発電事業について 2)荘内病院の経営について


◆6番(草島進一議員)

 1番目、(仮称)山形県鶴岡市風力発電事業について伺います。

 出羽三山の周辺に前田建設工業によるローター直径120メーター、最大40基建設予定の風力発電開発について、現在の計画段階環境配慮書についての縦覧が行われています。

 この計画では、月山の中腹、出羽三山神社の近くに風車がずらりと並ぶ景観になる可能性があります。建設予定地は、出羽三山地域の神域であります。日本遺産に登録された羽黒山伏の修験道の聖地であり、訪れる方々の心のよりどころであり、そのかけがえのない祈りの風景が破壊されかねないこと。自然生態系が厳しく管理されてきた磐梯朝日国立公園の隣接地であること。予定地南端の黒森山などの建設予定地は、標高500メートル以上にあり、工事搬出用道路を新たに造り、林道を拡幅するためには、一度失うと再生できない貴重なブナ林などの伐採が避けられないこと。事業地域は近年豪雨水害が頻発している藤島川、今野川、京田川の上流部であり、上流部の開発行為が中・下流域へ波及する。土地の改変により、川への水の流入量が変化する可能性があること。また、地域によるオーナーシップ、地域による意思決定、地域への利益還元を規定したコミュニティパワーの3原則というのがありますが、この事業がコミュニティパワー原則から見れば、それに完全に反する植民地型開発行為であること。以上などの点から、私はこの事業に断固反対し、風車を一本たりとも建設を許さない、絶対に阻止しなければならないと考えるものです。

 そこで質問します。

 市長は、重大な懸念、取り下げてほしいなど撤回を表明されておりますが、改めて市の姿勢、問題認識を伺います。

 また、月山山麓では、南部黒森山の周辺で他業者であるユーラスエナジーホールディングスが風車の風況調査を行っています。今のままでは、風力発電銀座になりかねないと考えます。

 月山、出羽三山の地域は、全体で禁止区域を設定するなど、ガイドラインや景観条例などで規制することはできないか伺います。以上です。

 

 

◎市民部長(五十嵐浩一) それでは、風力発電開発について、2点ほど質問をいただいたと思っております。

 今議会でも答弁をした内容もございますので重複するかもしれませんけれども、順次お答えをさせていただきます。

 このたび、前田建設工業株式会社が計画しております(仮称)山形県鶴岡市風力発電事業につきましては、これまで8月21日の定例記者会見、また、26番本間議員の一般質問に対する答弁でも市長が考え方を述べておりますが、市といたしましては、このたびの事業計画は日本遺産に認定された出羽三山に近接しており、山岳信仰の聖地であるとともに、市の観光振興にとっても重要な場所における計画となっておりますことから、事業の推進には重大な懸念を持っているところでございます。

 また、この事業計画につきましては、現在反対の署名活動が行われるなど、市民の間に混乱が起きていること、また、地元との合意形成などに問題があると思われることから、この段階で事業者からの事業の取下げを望むものではありますが、まずは書面では本日まで、またホームページでは9月14日まで配慮書を縦覧されておりますので、これに対して県より9月28日まで意見書を提出するように求められておりますので、今月17日には景観審議会、18日には環境審議会、文化財保護審議会を開催する予定でおりますので、専門家の方々からも御意見を伺いながら、市の意見書を提出してまいりたいと考えております。

 続いて、出羽三山に関わる地域、景観条例などによる規制についてということでお答えをさせていただきます。

 景観法及び本市景観条例では、その対象を全市域とし、一定以上の建築物及び工作物の新築等の際には、事前の届出が義務づけられており、このたびの事業での風車建設についても届出の対象となるものです。

 他自治体の環境分野における規制の例といたしましては、秋田県にかほ市や岩手県盛岡市などでは、景観計画において風力発電設備等の立地を制限する区域を定め、景観条例に基づく届出に対する審査、指導等を行うことで、良好な景観を維持することとしている事例もございます。

 また、環境省では、風力発電事業は、地球温暖化対策を推進する上で重要な事業と位置づける一方、騒音、バードストライク等の環境への影響や住民等の反対が顕在化するとして、平成28年度から地方公共団体の協力を得て、風力発電に係るゾーニング導入可能性検討モデル事業を実施し、平成31年3月にはモデル事業の成果を踏まえ、風力発電に係る地方公共団体によるゾーニングマニュアルを取りまとめております。

 このマニュアルでは、環境保全と風力発電の導入促進を両立するため、関係者間で協議しながら環境保全、事業性、社会的調整に係る情報の重ね合わせを行い、総合的に評価をした上で区域を設定し、活用することとされております。

 市といたしましては、先日の5番加藤議員の一般質問への答弁のとおり、良好な景観を保存するため、ゾーニングを含めたガイドラインの改定を検討してまいりたいと考えております。

 また、この区域設定に当たりましては、環境省のマニュアルですとか、他都市の先進事例を研究するとともに、専門家の方々の意見もお聞きしながら検討を進めてまいりたいと考えております。以上です。

 

 

◆6番(草島進一議員) これに関しては、現在、意見書の提出や署名活動が行われております。

 この開発を止めるにはどうしたらいいか。まずは市としても市民も、この業者の環境影響評価報告書の作成の前に徹底的、また効果的な意思表明をすることだと思います。

 今、ゾーニングのこともありましたけれども、ぜひこれは効果的に、止めることに作用するように検討していただいて、意思表明などを行っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

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 次に、荘内病院の経営についてお伺いします。

 令和元年度決算書から分かることは、約17億5,200万円が一般会計から繰り出しが行われていること、また収支差引きが2億6,071万円の純損失となり、前年度に比べ2億307万7,000円の損失増加となったということ。累積欠損金は128億9,679万2,000円となったと、前年に比べて増加しているということでありました。赤字体質となっているのではないか。この状況についてお伺いします。また、今後の見通しはどうなっているのか教えていただきたいと思います。

 また、元年度稼働病床利用率が76.9%となっていました。100床以上空いているということであります。その要因は何か、今後の見通しはどうかお伺いします。

 

 

◎荘内病院事務部長(佐藤光治) 荘内病院の経営についての御質問に順次お答えいたします。

 初めに、議員御案内の累積欠損金について申し上げますと、これは過去の単年度損益が積み上がった結果であり、資金の収支とは異なるとともに、借入金の累積を表すものではないものでございます。

 赤字体質となっていないかという御質問ですが、単年度の損益計算には、長期前受金戻入や減価償却費など現金を伴わない収入、費用が含まれております。そのため、議員御案内のとおり令和元年度決算では、万円単位で申し上げますと、2億6,071万円の純損失のうち荘内病院の純損失は2億4,866万円でありますが、現金を伴うものだけで計算する実質的収支は約3,800万円の黒字となっており、資金不足によって赤字経営に陥っているというものではございません。

 次に、実質的収支の状況についてでありますが、近年の状況を申し上げますと、平成25年度から平成29年度までの5年間は赤字の決算となっており、資金が減るという状況でありましたが、平成30年度は約7,200万円、令和元年度は約3,800万円の黒字となっており、改善傾向にあります。

 実質的収支の赤字が直接的な病院経営における資金不足に影響するため、まずは実質的収支の黒字化を目指し、資金確保に努めてまいりたいと存じます。

 なお、近年続けての消費税率引上げに伴い、医業外費用のうち控除対象外消費税の負担が増えており、実質的収支の結果に影響していると捉えております。

 次に、今後の経営見通しでありますが、令和2年度の現状については、11番議員の総括質問、25番議員の一般質問の答弁で申し上げたとおり、新型コロナ感染症の影響もあり、4月、5月の収益は大きく減収しました。6月以降、入院の診療単価が上がったこと、また病床稼働率や患者数がやや回復してきているものの、第2波も懸念されるため、収支を大きく改善させることは大変厳しいものとなっております。まずは、院内の感染対策を強化して、一般患者診療の維持に努め、併せて診療報酬の加算の取得や経費の見直しに取り組むとともに、国からのコロナ感染症専用病床に対する空床補償料なども申請し、財源の確保に努めてまいります。

 次に、令和元年度の病床稼働率が低下した要因についてでありますが、令和元年度の11月から3月までの入院患者数を見てみますと、対前年度同期に比べ1万575人減少し、年度全体の減少の約9割に相当します。これは、インフルエンザ等の季節性感染症の患者が少なかったことや、国内で新型コロナ感染症が発生したことが受診行動に影響を与え、結果として病床稼働率の低下につながったものと捉えております。

 今後の見通しについて申し上げますと、コロナ禍の影響を強く受けた今年4月から7月までの入院延べ患者数は3万9,898人で、前年度同期に比べ8,962人、約18.3%の減少となっており、これは不急の手術・検査を延期したり、患者自身が受診を控えたことによるものと考えております。

 このような影響は今後も続くと予想されますが、手術前等の患者のスクリーニング検査を行うなど、感染防止対策を強化し、一般診療を維持できるよう努めてまいりたいと考えております。

 

 

◆6番(草島進一議員) ありがとうございました。

 再質問ですが、経営面の今後の見通しについて、病院建設の償還ですとか、医業収益の見通しですとか、繰出金の見通しですとか、令和2年までの中期経営計画ではどうなっているのか。また、その後の計画策定、見通しはどうかお伺いしたいと思います。

 

 

◎荘内病院事務部長(佐藤光治) 再質問いただきました令和2年度を最終年度とする中期経営計画の状況と今後の見通しについてお答えいたします。

 今年度の元利償還額は総額で約13億4,300万円、このうち新病院建設に係る償還額は約10億500万円となっております。この新病院建設に伴う償還額は、令和12年度より順次減少し、令和15年度が最終の返済となっております。

 医業収益の見通しについてでありますが、先ほど申し上げたとおり、今年度はコロナ禍の影響により、中期経営計画で目標にしていた黒字化は大変厳しいものと捉えておりますが、今年度以降、現金を伴わない支出である減価償却費はかなり減少し、収支の改善に作用していくと見込まれます。まずは、先ほど申し上げたような対策に全力で取り組んでまいります。

 一般会計の繰出金については、20番議員の総括質問への答弁のとおり、総務省の基準により整理され、市と病院事業会計の状況により金額が決められております。なお、その金額は借入金の償還に対する部分が大きく影響するものであり、看護学校への繰出金を除く荘内病院への繰出金は、令和2年度は約16億7,800万円となっておりますが、繰出金の約六、七割は後年度に交付税措置されるものであります。

 コロナ禍による今年度の収支状況を踏まえ、今後とも病院経営の継続に必要な繰入れについて、市と協議が必要になるものと考えております。

 令和3年度以降の中期経営計画については、引き続き収入の確保、投資の規模、償還の平準化などを加味した新たな計画を策定し、経営基盤の安定化を目指してまいりたいと存じます。以上でございます。

 

 

◆6番(草島進一議員) 令和2年度以降の中期計画についても今お話しされていましたけれども、地域医療構想で掲げている2025年、大幅な人口減少、また患者数の減少、庄内二次医療圏の病床数が600床過剰となることが見込まれているわけですけれども、そうしたことを踏まえた見通しというのはどういうふうになっているのでしょうか。

 

 

◎荘内病院事務部長(佐藤光治) 今、議員がおっしゃられました地域医療構想における病床数の余剰につきましては、次に計画する経営計画につきまして、今般のコロナ禍における専用病床の確保ですとか状況を見ますと、今すぐ余剰を減らすという状況については、慎重を期す必要があると思います。

 一方で、人口の減少ということは続いていくと思われますので、当地域の人口、そして急性期、回復期、慢性期、そうした病院の役割ごとに必要な病床というものをよく見極めて、慎重に対応、検討を行ってまいりたいと考えております。

 

 

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 この地域医療構想を考えると、これまでの延長線上で考えることだけではなくて、鶴岡と酒田の連携だとか、あとは統合だとか病院再編なども視野に入れて踏まえていかなければいけないんじゃないかと思いますけれども、その辺についてはいかがでしょうか。

 

 

◎病院事業管理者(三科武) なかなか難しい問題だと思っておりますけど、地域医療構想で示された病床数が果たして本当にちょうどいい病床かどうか。鶴岡地区におきましては、当院が新たに病院を建設したときに、我々のところは30床ぐらい減らしているんですね。今回、この地域医療構想が明らかになって、昨年あたりまでにこの地域としての入院病床はかなり減りました。それは、うち以外の病院ではあるんですけど、減っているわけです。全体として鶴岡地区の病床数は減少しております。

 今回のコロナのときに、我々のところに専用病床を確保しました。じゃあ、そこを空けるために患者移動が必要になりますと。どこへ行くかといったときに、かなり転院先が限られるというか、少なくなって大変であるというふうに思います。

 地域医療構想で適切な病床数を今後2025年までに決めなければいけない、あるいはそれを達成する必要があると言われますけど、果たして今回の災難を考えますと、本当にそれがちょうどいいのかどうかというのは、ちょっと疑問に思うところがあります。

 あと、この地域における病院の機能、確かに人口は減りますけど、お年寄りが増えてくるのは確かです。失礼ながら団塊の世代が今後どんどん増えていくんです。お年寄りが増えていって、患者数、有病率が増えますので、疾病構造が変化するとは思いますけど、ということで、病院の機能をある程度変化する必要はありますけど、全体としての病床数をどうするのかというのは、もう少し考えていかなければならないなと私は思っているところです。

 それに備えて病院の機能をどう変化するかについては、詳細に考えていきたいなというふうに考えております。以上です。

 

 

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 コロナ禍の中で経営は大変だと思いますけれども、今後ともしっかりとやっていただきたいと思います。

 終わります。



2020年6月議会 1)新型コロナウイルス感染症への市の対応について ●介護施設への対応●荘銀タクトへの振興策 2)インバウンド観光について 3)デジタルガバメントについて


◆6番(草島進一議員) 新型コロナウイルス感染症への市の対応について4点伺います。

 まず、介護施設への対応についてです。

 新型コロナウイルス感染症対策が進んでいますが、介護の現場では今後予想される第2波、第3波、長期化に備えた対応が求められています。依然として緊張した状況が続いていると考えます。そもそも介護は密着しての業務であり、常に感染のリスクと向かい合わせで、密になりやすい環境を抱えております。

 市内の高齢者介護事業所から伺いました。集団感染の不安を理由にデイサービスやショートステイの手控えというケースがあるとのこと、また面会制限があり、家族も本人もつらいとのことであります。

 また、コロナを過剰に恐れ、利用者がサービスを拒否する事例もあり、状態が悪化した方もいる。そして、施設は売上げ減であるとのことでありました。

 そこで質問をいたします。

 現在、マスク、防護服、手袋、消毒薬などの支給などは潤沢に行えているでしょうか。

 2つ目、高齢者施設での集団感染は地域の介護基盤を大きく揺るがします。集団感染が発生した場合はもちろんですが、現状、検査が必要と判断された利用者、介護事業者が迅速にPCR検査を受けられるようになっているかお伺いします。

 次に、感染のリスクを負いつつ、厳しい職員体制の中で利用者の生活を支えている介護事業所、介護従事者への財政面などの支援強化が必要だと考えてきましたが、今般、国の第2次補正で1人当たり5万円などの慰労金が支払われるということでありますが、現状把握と支援の在り方について伺います。

   

◎健康福祉部長(渡邉健) それでは、新型コロナウイルス感染症と市の対応についてというところでございますが、健康福祉部から福祉・介護施設への支援状況についてお答え申し上げます。

 まず、第1点目の介護事業所へのマスク、消毒液等の支給状況についてお答え申し上げます。

 国では都道府県に対し、介護施設等へ配付する消毒液等の一括購入に必要な費用を助成しており、県では市内事業所に対し、消毒用アルコールについては3月末と4月末の2度にわたり、必要量の全量に当たる延べ710リットルを配付しております。

 また、マスクにつきましては、施設職員と利用者、入居者宛てに国及び県で布マスク1人1枚ずつを配付しており、加えて不織布マスクを県で3月末から6月上旬までに11万3,000枚、それから市で5月下旬に4万6,800枚を配付いたしております。

 マスク等につきましては、需要調査を行いながら支給してきたということもございまして、潤沢に支給しているというところまでは言えないまでも、一定の必要量については賄われているものと認識しております。

 それから、2点目でございますが、高齢者施設で検査が必要とされた利用者、介護従事者が迅速にPCR検査を受けられるようになっているのかといった点についてお答え申し上げます。

 医療・介護等の施設従事者のPCR検査についてですが、5月25日の国の緊急事態宣言の解除の際に発出されました新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針においては、特に感染が疑われる医療・介護等の施設従事者及び入院患者等に対しては率先して検査を受けさせるようにすることが示されております。この点について庄内保健所に確認いたしましたところ、医療・介護等の施設従事者等が感染した際の社会的リスクを考慮し、これまでも優先して実施してきたということでございます。

 それから、3点目でございますが、介護事業所、介護従事者への財政支援などの強化が必要と考えるが、現状把握と支援の在り方についてといったところにお答え申し上げます。

 市内の介護サービス事業所におかれましては、感染予防対策に細心の注意が必要な中、各事業所と職員の皆様には大変な御苦労があったものと存じます。

 感染の不安に伴うサービス利用控え等により、介護事業所の収入減少の実態があるとのお話でございましたが、この点について複数の事業所に確認いたしましたところ、3月から4月にかけては新型コロナの出現により多少の利用控えの実態があったと伺っております。

 通所サービスについては、その代替のサービスを提供した場合には相応の介護報酬の算定が可能になるということが国から示されておりますので、そういったことも紹介しながら相談に応じております。

 しかしながら、複数の事業所を経営している大規模法人に比べ、小規模な通所介護事業所や訪問看護事業所のみを行っている法人につきましては、この利用控えの影響を受けやすく、収入減少につながっているものと存じます。

 この点につきまして、今般、県において、各事業所に対し、介護サービスの利用控えによる介護事業所への影響調査を実施することとなりましたので、市といたしましても、その結果を注視してまいりたいと存じます。

 次に、介護事業所、介護従事者への財政支援についてでございますが、まず事業所に対する支援といたしましては、国の持続化給付金の対象となりますほか、これを補完する市の経営継続支援事業でも支援対象とするところでございます。

 また、介護従事者への支援では、国の2次補正におきまして、感染者が発生または濃厚接触者に対応した事業所に勤務する職員に20万円、それ以外の事業所に勤務する職員に対しては5万円の慰労金が支給される予定となっているところでございます。以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

 支援の体制として、2次補正での慰労金はよかったと思います。今後も現場の声を酌み取って、有効な支援に努めていただきたいと思います。ありがとうございました。

 次に、荘銀タクト鶴岡の振興策について伺います。

 市民の芸術振興の要である荘銀タクト鶴岡ですが、コロナ対応のために実質的に利用できない状況であります。

 現在の取組や今後どのように事業展開をして再開させていくのか、自主事業、貸館事業、それぞれについてお伺いしたいと思います。

   

◎教育部長(石塚健) それでは、荘銀タクト鶴岡、現在の取組や今後どのような事業展開かということでお答え申し上げます。

 荘銀タクト鶴岡は、5月11日から段階的に再開しておりますが、政府の基本的対処方針を踏まえました山形県対策本部決定のイベント等の開催に関する基本方針に基づきまして、現在はイベントの開催におきましては、屋内では100人以下、かつ収容定員の半分程度以内の参加人数に制限されているため、自主事業の公演や貸館での利用は中止・延期となっているところでございます。

 このような中で、少しでも市民の皆さんを明るい気持ちにする取組といたしまして、館内の壁に桜の花びらでありますとか、こいのぼりなど季節のイラストのライトでありますとか、あと新型コロナウイルス感染症の対応に尽力されておられます医療従事者に感謝するブルーのライトを投影いたしまして、外からも眺められるようにしておるところでございます。

 さらに、自主事業の新しい試みといたしまして、荘銀タクト鶴岡のユーチューブチャンネルを開設し動画配信を行ったところでございます。

 内容は、舞台設備の裏側を紹介したり、鶴岡市民歌に振りつけをして、職員が大ホールのステージなどを使い市民歌の紹介をいたしたものでございます。チャンネル開設後は荘銀タクト鶴岡のホームページのアクセス数が伸びるなど、改めましてタクトの取組を紹介することができたと認識しているところでございます。

 今後は取組を紹介するだけでなく、市民の皆さんの発表の場として活用いただけますように、そのような企画を検討してまいりたいと考えております。

 イベント開催制限の段階的緩和によりまして、6月19日以降は1,000人以下、かつ収容定員の半分程度以内の参加人数まで緩和されますので、大ホールも500名程度までの催しが開催できますことから、自主事業につきましてはクラシックの小編成の公演のような500名程度の観客でも採算の取れる公演について検討してまいりたいと考えております。

 また、市民参加型事業でありますピアノリレーコンサートや、育成事業としての公共ホール現代ダンス活性化事業など、これらは昨年度に引き続きまして今年度も実施する予定でございます。

 貸館事業につきましては、7月までは公演の中止や延期などで大ホールの利用はございませんが、8月以降の利用につきましては、これまで延期していたものにつきまして再度の問合せがありまして、再開の動きが見られるところでございます。

 さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして市民の皆さんの文化・芸術活動が制限されている状況にあるため、この活動の継続に向けた取組を支援し、文化・芸術活動の振興を図るために荘銀タクト鶴岡をはじめ市が所管する施設の施設使用料及び冷暖房料の一部減免について検討しているところでございます。以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) 説明ありがとうございました。

 芸術に親しむ市民も芸術団体の皆さんも心待ちにしていることと思います。段階を追っての再開とのこと、難しい運営かと思いますけれども、着実に進めていただきたいと思います。

 次に、観光についてですけれども、相当重複がありますので、インバウンド観光だけについてちょっとお伺いしたいと思います。

 インバウンド観光ですが、先日発表された山形県内への昨年の外国人旅行客は延べ37万588人とのことでした。今回、コロナの問題で大変なダメージになっていることはうかがえますけれども、影響と現在の市の取組、今後いかに取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。

   

◎商工観光部長(佐藤正胤) インバウンドの状況につきましてお答えをいたします。

 本市では、第2次総合計画に国際観光都市の実現を目指したインバウンド誘客と認知度の向上を掲げ、情報発信の強化や外国語パンフレットの刷新及び2次交通の確保など受入れ環境整備に取り組み、インバウンド誘客の推進を図ってまいりました。

 本市の令和元年度の外国人延べ宿泊者数は1万2,000人を超え、5年前の平成26年度と比較いたしまして3倍に増加しております。

 また、昨年度の本市の観光案内所の外国人来所者数約1,300人のうち欧米諸国が約6割を占め、出羽三山や即身仏へのニーズが高い状況であることから、市といたしましては出羽三山を中心テーマに欧米諸国に向け、重点を置いた情報発信を行っているところでございます。

 これまでの情報発信によりまして世界中のメディアからの注目が高まり、昨年10月には世界的に人気が高い旅行ガイドブック「ロンリープラネット」の2020年訪れたい旅行先の第3位に東北がランクインいたしまして、その中でも出羽三山が東北の一番の体験として紹介をされております。

 しかしながら、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大による海外からの出入国の制限等によりまして、令和2年3月の日本国内への訪日外国人は、対前年同月比では93%減少しております。本市の外国人延べ宿泊者数は82人でございました。前年実績933人から91.2%減少しております。現在も入国制限が継続されていることから、海外からのお客様をお迎えするのには困難な状況でございます。

 市といたしましては、DEGAMで運営しておりますSNSアカウント「Tsuruoka:Land of Dewa」でありますとか、多言語版の鶴岡市観光情報ウェブサイトtsuruokacity.comなど多様なメディアを活用しながら、世界的な感染収束を見据え、継続的な情報発信をDEGAMと連携いたしまして取り組んでまいりたいと考えております。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございました。

 情報発信は大事なことだと思いますので、引き続き続けていただきたいと思います。

 インバウンドですけれども、戻り始めるまで1年から1年半ぐらいとか、新薬やワクチン開発、また集団免疫の獲得による安心感の醸成がされるまで厳しいというような状況だといろんな方が評論されておりますけれども、こういった時期に何をするかということが問われていくわけですけれども、こういった長期化するウイズコロナ期における旅の在り方として、車で60分以内に行けるエリアでの観光、マイクロツーリズムを重要視すべきだとは星野リゾート代表の星野佳路さんの発信であります。

 地元を巡る旅行を通して、地元の方に地域の魅力を知っていただくということは大事で、将来インバウンドが戻ってきたときに、地域の全体が地域の文化にプライドを持っているということは観光地の太さにつながると。いいネットワークをつくる時間でもあるのでということであります。これは参考にしていただければと思います。

 じゃあ、インバウンドについてはこれで終わります。ありがとうございます。

 次に、今後のまちづくりについて、デジタル・ガバメントなどについて質問をします。

 新型コロナウイルス感染症対策を踏まえて、企業はテレワークでの在宅勤務、大学ではオンライン授業が推し進められ、小・中学校では当市でもGIGAスクール構想が普及し、学校に来ることができないときはオンラインで課題・指導を出すことなどを進めようとしています。

 また、国の専門家会議が示した非接触で3密を回避する新しい生活様式の中では、市民がSNSで情報を得たり、Zoomで情報交換する人と人とをつなぐリモート会議などのほか、家などにいながら様々な行政手続を効率的に進めることができる政府のデジタル・ガバメントの動きなど、オンライン化やデジタル化の重要性が高まっていると思いますが、市としてはこうした動きをどういうふうに捉えているのか。積極的に支援し、まちづくりに活用してはいかがでしょうか、お尋ねします。

   

◎企画部長(阿部真一) 新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた今後のまちづくりについてお答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症を契機といたしまして、非接触や対面を避けるなどの生活の行動変容を求められる中、政府が定めた新しい生活様式の実践例には、働き方の新しいスタイルといたしましてテレワークやローテーションでの勤務などが推奨されております。

 ウイズコロナを踏まえ、職場や家庭におけるテレワークやIoT、高度移動通信の5Gの活用など、様々なデジタル技術を活用したオンライン化は今後ますます普及していくものと考えております。

 これに対しまして、国では厚生労働省の働き方改革推進支援助成金にテレワークコースを設けまして、職場にテレワーク用通信機器の導入を促す対応を進めております。

 また、昨年12月に閣議決定された社会全体のデジタル化を進める政府のデジタル・ガバメント実行計画では、マイナンバー制度の活用等により様々な行政手続の簡素化などを今後急速に進める予定としております。

 本市におきましても、国のGIGAスクール構想による児童・生徒1人1台のパソコン等の配置を図るため、小・中学校のデジタル化整備に関する補正予算案を今定例会に上程しており、子供のときからオンラインの環境になれ親しんでおくことも将来的には重要なことと考えております。

 また、昨年12月に本市と株式会社野村総合研究所では、デジタル化による構造改革事業に連携して取り組むことを定めた基本合意書を締結しております。

 本市では、この合意書に基づきましてデジタル化の一層の推進と市民生活の利便性向上を図るため、デジタル・ガバメントの構築とスマートシティーの推進を進めることとしております。引き続き、国のコロナ対策の動向やデジタル・ガバメント計画の実施状況を注視しながら、市民・企業等におけるオンライン化などの普及を支援し、さらなる市民生活の利便性や企業活動の生産性の向上に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございました。

 デジタル・ガバメントについて、先日この議会でも指摘されたデジタルディバイドの課題もあろうかと思いますが、その解消も含めて充実を願うものです。

 ウイズコロナ時代のまちづくりとして鶴岡で積極的に推進されることを望みまして質問を終わります。ありがとうございました。

 



2020年3月議会 1)ギガスクール構想について 2)SDGsの普及について


6番(草島進一議員) 6番草島進一です。通告に従い、質問いたします。若干重複もありますが、よろしくお願いします。

  2020年度からプログラミング教育が小学校で必修化となります。先日の答弁でも、当市でも4年生、5年生、6年生での実践を進めていくことが示されておられました。情報活用能力の育成のためにはICTの環境整備が重要です。今般は、この環境整備について質問いたします。

  小中学校のICTの環境整備についてですが、先週の答弁にもありましたが、現在当局では2018年度、文部科学省の教育のICT化に向けた環境整備5か年計画の地方財政措置を受け、整備を進めているとのことでした。普通教室、特別教室、体育館をカバーできる校内LANの整備、小学校6校、中学校7校の整備が終了し、24校が未整備ということでした。現状についてもう少し詳しく伺いたいのですが、今はパソコン端末1台につき何名の状態でしょうか、お伺いします。また、現在抱えている課題についてお伺いします。

  さて、2019年12月に閣議決定された2019年度補正予算案に、GIGAスクール構想実現に向けた事業費2,318億円が盛り込まれました。GIGAスクール構想とは、Society5.0時代を生きる子供たちにとって、教育におけるICTを基盤とした先端技術などの効果的な活用が求められるこの令和の時代のスタンダードとして、1人1台端末及び高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する、そして多様な子供たちを誰ひとり取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させることを目指すというものであります。市では、国から示されたロードマップに従い、できる限りの整備を行いたいとのことでありましたが、こちらもお伺いしたいんですが、もう少し詳しく整備方針や考え方などをお伺いしたいと思います。まず、お願いします。

 

 

◎教育部長(石塚健) それでは、最初に市内小中学校におけるICT環境整備の現状と課題についてお答え申し上げます。

  議員御案内の教育のICT化に向けた環境整備5か年計画に基づきまして、本市でも第2期鶴岡市ICT教育機器整備計画を策定いたしまして、デジタルコンテンツなどを提示する教材提示パソコンや授業をする場ならどこでもつながる校内LAN、あとはパソコン室の学習者用パソコン等の整備を進めているところでございます。2018年度よりこの形での整備を始めまして、2年間で小学校26校中6校で、中学校11校中7校で整備が終了しております。

  一方、課題といたしましては、まず第1に全国的な整備不足が挙げられます。さきの5か年計画においては、児童生徒3人に学習者パソコンが1台程度の整備という、そういう水準を目標として掲げておりますが、文部科学省の調査では平成31年3月時点で1台に割り当たる人数が全国平均ですと5.4人でありまして、本市も5.8人と全国平均まであと一歩といったところではございますが、全国的に目標には届いていないのが実情でございます。

  課題の2つ目といたしましては、ICT機器をパソコン室で1学級のみが使用することが前提となっておりますことから、全ての学級が普通教室で日常的に使用できない環境にあるということでございます。また、これまで取り組んできましたICT活用推進事業におきまして、各校で核となる教員の参加を想定した研修会を開催してまいりましたが、先生方が実際に授業の中でICT機器を活用できる場や時間は限られておりますことから、校内に広めることが難しい状況にあると、こういったこともこの3つ目の課題として認識しているところでございます。

  続きまして、GIGAスクール構想の捉えとそれを踏まえた今後の整備方針についてお答え申し上げます。GIGAスクール構想は、1人1台端末及びそれをストレスなく使用することができるための高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する施策でありまして、端末に関しましては1台につき4万5,000円、ネットワーク構築に関しましては2分の1を国が助成して整備を推進するものであります。そうすることで全国的な整備の格差をなくし、今後ICTを基盤とした先端技術等の効果的な活用が求められますSociety5.0時代を生きる子供たちに、公正に一人一人のニーズに応じた学びを提供するために出された施策であると認識しております。

  その一方で、新学習指導要領においてはICT機器を適切に用いて基本的な操作技能を身につけたり、情報を生かしたり、情報モラルを遵守したりする情報活用能力が言語能力などと同様に学習の基盤となる資質、能力と位置づけられまして、教育課程内で確実に育むこととされました。この情報活用能力を身につけていくためには、ICT機器の十分な活用が不可欠でございます。特にOECDの生徒の学習到達度調査における読解力の低下について、これはコンピューターの使用に不慣れだったことが一因とされていることを踏まえ、文部科学省は令和4年度には全国学力・学習状況調査でも端末を使用する方針を打ち出しておりまして、学校におきましてもICT機器の使用に慣れ親しみ、使いこなすことが求められております。

  しかしながら、子供たちの日常生活を取り巻く環境にはスマートフォンやゲーム機器等、ICT機器があふれているにもかかわらず、本市の課題にあるように学校のICT機器を日常的に活用する環境整備は遅れているのが現状でございます。国の財政措置が見込まれるGIGAスクール構想を活用しまして、1人1台のICT機器整備や高速ネットワークを整えることは、本市の学校ICT環境における課題を解決して、児童生徒の情報活用能力の育成が期待されますことから、本市といたしましても国から示されたロードマップに従いまして、できる限りの整備を進めていきたいと考えております。

  その一方で、教育委員会といたしましては、ICT機器はあくまでツールでありまして、その整備が目的ではなく、ICT機器を使用することによって身につけられるであろう情報活用能力の育成という目標を実現するためにどのように活用するのか、その活用イメージを具体的に想定した整備が重要であると考えておるところでございます。GIGAスクール構想を活用した校内ネットワーク整備は令和2年度までで、1人1台の端末整備は令和5年度までの限定された助成となっております。既に関係各課とは情報を共有しているところではございますが、この事業を確実に活用するために今後も連携を図りながら、鶴岡市の子供たちの情報活用能力を伸ばしていけるような整備になるよう協議を進めてまいりたいと考えております。

  以上でございます。

 

 

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。有意義な整備になることを願うばかりですけれども、先日文科省の2019年度日本ICT教育アワードを受賞された滋賀県草津市の行政視察をしてまいりました。人口12万、大体約1万2,000人の児童生徒のいるところですが、ここでは小中学校の全普通教室に大型展示電子黒板、それに3人に1台タブレット端末を平成26年に小学校3,500台、平成27年に中学校1,320台導入して、プログラミング教育ではペッパーなど小型ロボットやドローンを組み合わせるなど物理的な整備をはじめ、ICTの支援員の配置やICT教育スーパーバイザーを配置してICT活用による元気な学校づくりを推進しているという市でありました。ここの特徴的なところは教育情報化推進計画というのを作成しておりまして、ICT教育を担当する教員4名、退職校長1名、この方がICT教育スーパーバイザーとなっておりまして、行政職1名、事務職1名、計7名で構成する学校政策推進課というのを設置しておられました。こういうところが推進力になって様々な方策が展開されていました。当市でもこうした事業を進めるにおいて、こうしたここでいう学校政策推進課のような部署を設置するなど検討してみてはいかがかと考えます。いかがでしょうか、お伺いします。

  また、草津の事例では、市内にある立命館大学と連携して出前授業や、あとベネッセと連携して共同ソフトの導入、またICT支援員の配置、それからソフトバンクグループの社会貢献プログラムへの参加などが行われておりました。ICTの活用として、こういった大学や企業とのネットワークというも重要なものと考えます。そうした外部とのネットワークづくりについて、どのようにお考えかお伺いします。また、各校におけるリーダー教員の育成も重要と思いますが、見解をお伺いします。

 

 

◎教育部長(石塚健) それでは、ICT教育を担当する部署の設置について初めにお答え申し上げます。

  草津市の学校政策推進課につきましては、学校における情報化教育の全体像である推進計画の遂行を設置の目的に掲げまして、スーパーバイザーの配置による学校への指導、助言や各校におけるリーダー教員の育成等の役割を担っているものと、そういうことで認識しているところでございます。本市におきましては、この学校政策推進課のような学校のICT機器の活用を支援する、または環境整備を専門にする部署とか人員の配置は行っておりませんが、これまでもICT機器の保守管理やICT活用研修会など、その時々の学校や教員のニーズに応える支援を行ってまいったところでございます。しかしながら、さきの5か年計画の目標としております水準の一つには、4校に1人のICT支援員の配置がございます。また、現在市内小中学校に約1,200台の学習者パソコンが整備されておりますが、今後GIGAスクール構想を踏まえ、仮に1人1台端末を整備することとなれば、教職員のパソコンも含め、全市の小中学校が所有する端末は1万台を超えることになり、適切な管理はもとより、活用方法はこれまでと大きく異なってくることが予想されますことから、端末管理や研修の重要性も今後とも高まってくると認識はしているところでございます。

  また、ICT教育における大学や企業との連携についてということでございますが、各大学や企業におけるICT教育への支援につきましては、今回のGIGAスクール構想、また新学習指導要領における小学校プログラミング教育の必修化を受けまして、全国的な傾向として、その数、内容ともにますます充実してきており、そのような機関と連携していくことは、ICT教育をよりよいものにしていくための一つの方法であると考えております。特に本市におきましては、山形大学農学部や国立鶴岡工業高等専門学校、慶應義塾大学先端生命科学研究所等のこういった高等教育機関や研究施設が充実しておりますので、そういう意味では連携しやすい環境であると、そういうふうに認識しております。

  さらに、各校におけるリーダー教員の育成ということでございますが、先ほども申し上げましたが、ICT機器活用のリーダーになり得る教員の育成につきましては、本市の課題の一つとしては認識しているところでございます。そのような教員を育成するためにも、GIGAスクール構想を活用した日常的に使用できる機器整備を進めていきますとともに、日々の授業において狙いに迫るためにどのように機器を活用するのかを具体的に学び会うための研修会等をこれまでと同様に充実させまして、ICT機器の活用を広める人材を継続的に育成できるよう取り組んでまいりたいと考えております。

  以上でございます。

 

 

◆6番(草島進一議員) ありがとうございました。ぜひハード面でも、それから人的配備などソフト面でも先進地に負けない、より有意義な整備に努めていただければと思います。以上でこの質問は終わります。

  次に、SDGsの普及についてお伺いします。誰ひとり取り残さない持続可能な社会の実現のための2030年国際目標、17のゴール、169のターゲット、SDGsについてでありますが、企業セクターでは今ESG投資など今後の投資先になるための必須条件としてSDGsを掲げ、取り組む企業も見受けられるようになってきました。自治体の地方創生という上でもSDGsを融合させた取組により官民のパートナーシップを図ったり、部局横断の問題解決ができるとも評価されております。持続可能なまちづくりや地域活性化に向けて取組を推進するに当たって、SDGsの理念に沿って進めることにより、政策全体の全体最適化、地域課題解決の加速化という相乗効果が期待でき、地方創生の取組の一層充実、深化につなげることができるとされております。市としては、総合計画での1プロジェクト、地域国際化SDGs推進プロジェクトがつくられて進行されていること、あるいは昨年9月策定の鶴岡食文化創造都市推進プランでは、実際にSDGsをインジケーターとして使用していることは大変有意義だと思いますが、私のほうからは市民へのSDGsの普及という面でお伺いしたいと思います。市民への具体的な普及をどう図ろうとしているのかお伺いしたいと思います。それから、またユネスコ創造都市として鶴岡版ESDモデルの構築と新年度予算についてありましたけれども、どのように取り組んでいくのかお伺いしたいと思います。

  以上です。

 

 

◎市民部長(渡会悟) それでは、私からSDGs、市民への普及、理解促進をどう図っていこうとしているかという御質問にお答えいたします。

  SDGsに取り組むための初めのステップといたしましては、SDGsは企業や団体等でも取組が浸透しつつあるといったことで、広くSDGs自体は市民の目に触れるようになった一方で、SDGsの特徴をどう理解し、取り組み、それぞれの行動にどうつなげていくかが課題であるというふうに認識しております。そのため、官民ともに理解促進に向けた普及啓発は大変重要であると考えており、取組を検討、実施しているところでございます。具体的なSDGsの理解促進、普及啓発の取組の事例を御紹介いたしますと、大山の自然学習交流館ほとりあで関係者を対象としたSDGs学習会を開催し、ほとりあで湿地再生を進めている都沢湿地の保全、再生活動をはじめとした各種事業をSDGsにひもづけることで、広く市民や企業参加を促す取組などについて意見交換をいたしました。

  また、三瀬地区自治会では平成28年度から環境省の補助事業の採択を受けながら、SDGsを核とした三瀬地域木質バイオマスエネルギー自給自足活動に取り組んでおり、地域の環境課題と社会問題を同時に解決するための活動が進められております。地域の森林資源を活用したこの取組は、化石エネルギー資源の代替と低炭素化、省資源化のほか、健全な森林の維持、地域への経済効果や雇用機会の拡大が期待されるところでございます。市といたしましても、こうした地域の先進的な取組などに対して、今後も継続的に関わりを持ち続けながら支援するとともに、SDGsの取組事例の実績やノウハウなど情報発信していきたいと考えております。自治体のSDGs推進のためには、市民や市内企業など多様な関係者、いわゆるステークホルダーの参加が不可欠であるため、市民や市内企業の積極的な参加を促せるように、官民ともにSDGsについて学び、理解を深めるための学習機会の創出や分かりやすい情報発信、工夫や強化に努め、さらなるSDGsの理解促進、普及啓発に努めてまいりたいと考えております。

 

 

◎企画部長(阿部真一) 2点目の御質問、鶴岡版のESDモデルの構築はどのように取り組んでいくのかという御質問でありました。ESD、持続可能な開発のための教育は、2005年に我が国が国連に提唱したものであり、現行のSDGsにおきましても持続可能な社会づくりの担い手を育む教育が目標達成の有効な手段とされております。本市には食料を保存する知恵、あく抜きや塩漬けなどそのままでは食べられない食材を食べるための技術、焼き畑に代表される自然と共生する食品生産方法など、先人たちが積み重ねてきた食と食文化の知恵や工夫、そして技術が豊富であります。この鶴岡の食文化や取組自体がSDGsに貢献するものであり、これを全ての市民に分かりやすく伝えるとともに、正しく後世に伝承していくべきものと捉え、今年度より食と食文化を切り口とした鶴岡型のESDモデルの素案づくりに取り組んだところでございます。これまでもユネスコ食文化創造都市の役割として、世界の課題と鶴岡の食文化を考えるSDGsパネル展の開催や、小学生を対象とした食文化自由研究教室を通じ、本市の食文化の理解促進とSDGsの理解普及に努めてきたところでございます。また、試験的な取組といたしましては、ESDを既に実践している海外の料理人を講師に迎え、持続可能な地域の食や食文化の在り方、料理人としての心構え、取組など、本市の料理人を対象としたESD国際食文化研修を行っております。今後は、SDGsのさらなる推進を図るため、料理人教育だけではなく、食育事業、食文化継承事業につきましても持続可能な社会の担い手育成を取り入れた鶴岡型ESDとしての構築を図っていきたいと考えております。この食と食文化を活用したESDにつきましては、検討段階から専門機関や研究者等を交え、食や食文化の普遍的な価値の洗い出しを行い、その内容がSDGsに貢献するものかどうかの精査・検証を行いながら、国内外のそれぞれの地域でも実情に応じて応用可能な鶴岡型モデルとしてまとめていきたいと考えております。

  以上でございます。

 

 

◆6番(草島進一議員) 鶴岡版ESDモデルの構築、大変有意義なものだと思います。ぜひ進めていただきたいと思います。

  あと三瀬地区のような取組ですけれども、SDGs、問題の同時解決型のモデルとして注目されているわけでして、まさにそれを実践しているところだと思います。こういった取組が横に広がっていくことが望まれるんじゃないかと思いますので、今後のこうした普及が行われることを求めまして質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。



2019年12月議会1)気候危機について 2)有機農業政策について


◆6番(草島進一議員) 6番草島進一です。通告に従い質問いたします。なお、生物多様性地域戦略については割愛させていただきます。

  まず、気候危機についてです。ことしも、昨年の西日本豪雨に引き続き、90名もの人命が失われた台風19号、台風15号の被害など、日本国内でも前例のないような洪水被害が起こり、気候の異常を実感した年となっています。この9月23日にニューヨーク国連本部で、国連気候行動サミットが開催されました。周辺では、16歳のグレタ・トゥーンベリさんらの呼びかけで、世界160カ国、400万人もの若者たちがデモ行進や学校のストライキを起こし、世界の地球温暖化対策の強化を訴えました。このサミットは、2020年に枠組みが始まるパリ協定を前に、世界各国にそれぞれの温室効果ガス削減目標を引き上げ、対策を深掘りするようにと開催されたものです。既に世界の平均気温は産業革命前に比べて1度上昇しており、早ければ2030年には1.5度の上昇に達すると予測されています。国連のグテーレス事務総長は、これを気候危機として捉え、気温上昇をパリ協定の努力目標である1.5度に抑えるために、2050年までに実質ゼロにすること。そのために、各国の削減目標を引き上げるか、少なくとも対策を強化することを求めていました。具体的には再生可能エネルギーへのシフト、炭素税の導入、石炭火力発電所を閉鎖し、新規の発電所の建設中止、脱炭素型の産業へ公正に雇用移行、この4つの呼びかけでした。

  サミットでは、65カ国とEUが2050年までのCO2実質ゼロを宣言しました。しかしながら、我が国はその宣言に至らず、石炭脱却ができておらず、炭素税の導入も進まずといった状況で、首相の演説の機会すら与えられませんでした。現在スペインで行われているCOP25では、NGOから化石賞という不名誉を受けています。

  今、国に先んじた自治体の動きが世界中で際立ち始めています。米国ではカリフォルニア州が、また国内では東京都、横浜市を含む世界102の都市が2050年までにCO2排出実質ゼロを目標とすることを表明しました。また、13番議員も指摘しておられましたが、気候非常事態宣言の動きが世界中で広がり、国内でも長崎県壱岐市、神奈川県鎌倉市、このほかに長野県白馬村が宣言しました。また、この12月6日には長野県が都道府県として初めて宣言しました。

  さて、質問ですが、まずはこの昨今の気候危機、地球温暖化の認識について伺います。

  また、地球温暖化については市民が幅広く情報を共有し、行動することが必要と思いますが、そのためには環境教育の充実が必要と考えます。市としての取り組みを伺います。

  また、パリ協定が来年からいよいよ動き出すわけですけれども、鶴岡市のエネルギービジョンや地球温暖化対策の行動計画等、パリ協定や今回の一連の動きにコミットして見直しや修正を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いします。

   

◎市民部長(渡会悟) 初めに、昨今の地球温暖化の認識について、議員からもお話ありましたが、13番議員との答弁とも一部重複しますが、お答えいたします。

  議員御案内のとおり、近年、地球温暖化が原因とされる猛暑や台風、集中豪雨など異常気象により、国内のみならず世界各地で大規模な自然災害が頻発し、人命や財産、農作物などへ甚大な被害をもたらしております。気候変動に関する政府間パネルの第5次評価報告書によりますと、世界平均地上気温は1880年から2012年の期間に0.85度上昇しており、また20世紀半ば以降に観測された地球温暖化の主な要因は化石燃料の使用による二酸化炭素などの温室効果ガス排出など、人間活動の可能性が極めて高いと報告されております。我が国においても熱帯夜や降雨日数の増加、熱中症患者の増加、動植物など生態系への影響の拡大、農産物の品質低下、その他、社会的、経済的な影響が懸念されているところです。

  気候変動適応情報プラットフォームで公開されております気候変動に関する政府間パネルの第5次評価報告書内のシナリオを利用した山形県の将来予測は、21世紀末において平均気温が上昇するだけでなく、日本一の天然の森林面積を誇るブナの潜在生育域の減少や災害である斜面崩壊発生確率の上昇、熱中症搬送患者の増加、感染症に関するヒトスジシマカの生息域の拡大など、さまざまな分野への影響が考えられております。

  こうした地球温暖化の現状や将来予測を受け、本市といたしましても気候変動危機に対する行動が求められていると考えており、本市地球温暖化対策実行計画の中では温室効果ガスの排出を抑制する緩和策だけでなく、気候変動の影響に対する適応策として、自然災害への備えや熱中症など健康被害の防止に関する注意喚起など、国や県と連携して取り組んでいるところでございます。

  ことし9月の国連気候行動サミットの開催を契機に、世界中で気候変動が要因となっている地球温暖化防止対策の強化を求める運動が、特に若者を中心に活発化しておりますが、本市といたしましても温室効果ガス排出削減に向けた取り組みを着実に推進していく必要があると認識しております。

  次に、関連する環境教育の取り組みの状況についてお答えいたします。議員御指摘のとおり、地球温暖化はさまざまな分野に関係する非常に重大な問題であると認識しており、そのためには行政だけが対策に取り組むのではなく、事業者、市民個人においても、できる範囲で取り組む必要があり、その考えるきっかけとなる環境教育は重要な施策であると考えております。

  環境教育の取り組み状況といたしましては、市民が環境問題について楽しみながら学び、体験することができ、できることから始めようと環境問題への理解を深め、行動するきっかけやヒントを見つける場として、毎年継続して環境フェアつるおかを実施しており、市民や事業者に対して意識啓発を行っております。ことし9月に開催した第21回環境フェアつるおかでは、「豊かな海をいつまでも~とめよう温暖化、なくそうプラごみ~」をテーマに掲げ、広く環境に関する取り組みを実践している市内の企業、団体からも出展いただき、3,000人を超す来場者に対して意識啓発を実施しております。

  また、気軽に楽しくできる地球温暖化防止対策として、グリーンカーテンづくりを普及促進しており、ゴーヤやアサガオの種及び栽培用ネットを毎年4月に無料配布、あわせてグリーンカーテンコンテストを実施し、優秀な取り組み事例を紹介して、情報共有を行っております。

  子供たちに対しても地球温暖化を含む環境問題について学んでもらうために、鶴岡市こども環境かるたの絵札及び読み札を募集し、それを用いて環境かるた大会を実施し、楽しく遊びながら普及啓発している状況であります。

  また、地球温暖化対策などについてわかりやすく情報共有、啓発できるように、環境に関する子供向けの普及啓発冊子「エココミ」を平成31年2月に作成し、市内小学校の3年生から6年生全員に配布しており、環境教育に役立てていただいております。

  また、広報「つるおか」とともに、年3回全戸配布しております環境広報エコ通信や本市のホームページにおいて、地球温暖化対策に資するあらゆる賢い選択を促す国民運動、クールチョイスの推進やごみの分別、食品ロス削減などの意識啓発、環境にやさしい店の活用など、市民に対して情報提供を継続して行っております。

  なお、地球温暖化の影響のある自然環境に関しましても、ラムサール条約登録湿地の大山上池・下池の豊かな自然を活用する鶴岡市自然学習交流館ほとりあを初め、市内には自然をフィールドに環境学習を提供する場所が多数ありますことから、自然環境の豊かさやとうとさを学ぶ機会についても提供しているところでございます。

  次に、パリ協定を踏まえた関連する計画の見直し、修正についてでございます。2020年以降の温室効果ガス排出削減などのための新たな国際枠組みであるパリ協定を受け、我が国においては令和元年6月にパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略が閣議決定されております。また、平成28年5月に閣議決定されました地球温暖化対策計画が今年度に3年経過しましたことから、見直しが検討されております。

  こうした国際的な動きや国及び県の動きを踏まえ、本市における地球温暖化に関係する計画などの修正、見直しを進めてまいります。具体的には鶴岡市環境基本計画が令和3年度で計画期間終了を迎えますことから、これまでの計画進捗状況を調査及び評価を行い、国際的な動きや国や県の動きと連動できるように内容を見直し、第2次計画を作成してまいります。あわせまして、令和5年度からの第2次鶴岡市地域エネルギービジョンの策定や第3次鶴岡市地球温暖化対策実行計画の中間見直し、さらに地球温暖化の影響も踏まえた、仮称とはなりますけれども、鶴岡市生物多様性地域戦略の策定についても検討してまいります。

  以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) 詳しく御説明ありがとうございました。このパリ協定以降のことについての見直しというのは非常に重要だと思います。それと同時に、13番議員も申し上げました気候非常事態宣言、これについて私も早急に取り組むべき課題ではないかと思います。これについては、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。以上でこの地球温暖化については終わります。

  次に、有機農業政策についてお伺いします。消費者に食の安全、安心を届けるために、また農産物の一定の価格帯を維持するなど、将来にわたっての持続可能な農業のためには、循環型農業、有機農業などの取り組みは重要であると考えます。本市は、市として有機JAS認証の認証機関を有する全国2つの自治体の一つでもあり、現在でも米やだだちゃ豆での有機農業に取り組む熟練の生産者が、まさに有機農業のたくみとして頑張っている地域であります。今般は、SEADSやショウナイルーツという有機農業を中心とした新たな取り組みが打ち出されていますので、その周辺についてお伺いしたいと思います。

  まず初めに、循環型農業についてですが、今般の総合計画には、循環型農業の振興が柱の一つとして示されています。市としては、循環型農業について、これからどのように取り組んでいこうとされているのか、目指す方向性についてお伺いします。

  また、特に有機農業の推進について今後取り組んでいこうとされていることをお伺いします。今回発表され、準備が進んでいるSEADSやショウナイルーツについて、有機農業を中心とした計画となっているようですが、これらの事業を推進する上での市としての狙いをどのように考えていらっしゃるか、お伺いします。

   

◎農林水産部長(高橋和博) それでは初めに、循環型農業の方向性についてお答えいたします。

  第2次鶴岡市総合計画では、1つとしては、優良堆肥による土づくりを基本にした耕畜連携による有機や特別栽培の生産拡大、2つ目としては、安全、安心な産地としての情報発信を強化することで、消費者に信頼される農産物の生産、さらに3つ目として、地域内で資源と経済が循環する鶴岡版循環型モデルの構築などを目指しております。

  また、循環型農業につきましては、2015年9月の国連サミットにおいて採択されたSDGs、持続可能な17の開発目標にも合致する、将来を見据えた農業の姿でもあると考えております。循環型農業を推進するための主な取り組みとしては、有機栽培などに不可欠な優良堆肥の安定供給や安全、安心な農産物の生産に向けたGAPの取得推進、さらには山形大学農学部等と連携した地域内で資源と経済が循環するスマート・テロワールを実現するための取り組みを進めてまいります。

  こうした循環型農業を実現するため、総合計画の実行計画でありますつるおかアグリプランでは、目標値として平成29年度を現状値とした目標値を立ててございますけども、令和5年度までに堆肥の供給量を現状の1.1倍、具体的には8,972トンから9,800トンに、有機米の作付面積を1.3倍、これも62ヘクタールから80ヘクタールに、GAPの取得件数を2倍にと、5件から10件にする数値目標を掲げております。

  次に、本市の有機農業の取り組みについてお答えします。本市の有機農業の現状についてですが、国は有機栽培の面積を平成30年度までに耕地面積の1%にすることを目標としておりますが、現在公表されております直近のデータでございます平成29年度の実績では0.5%と、目標の半分になってございます。本市の有機農業は、平成30年度の栽培面積が98ヘクタールであり、耕地面積の0.6%ということになってございます。その内訳につきましては、主食用の水稲が68ヘクタール、野菜が25ヘクタール、大豆等が5ヘクタールで、水稲が全体の約7割を占めております。こうした有機栽培が普及しない理由としましては、1つに、除草剤を使用できないため、除草などに労力や資材コストがかかること、2つ目に、収量や品質が不安定であること、3つ目に、期待している販売価格水準となっていないこと、4つ目に、販路が十分確保されていないことなどが挙げられております。

  有機農業の推進に向けましては、本市では平成30年度から学校給食への有機米提供を実施し、児童生徒や保護者の有機農業に対する理解を深める取り組みを推進しております。また、農林水産省では、ことしの8月に有機農業と地域振興を考える自治体ネットワークを設立しておりますが、現在本市を含む29の自治体が参加しております。今後は、参加自治体との情報共有に加え、ほかの自治体と連携した取り組み等を検討することにより、有機農業のさらなる推進につなげてまいりたいと考えてございます。

  また、本市独自の新たな取り組みといたしましては、有機農業を中心に、農業経営を学ぶことができます、農業経営者育成学校SEADSの開校を来年4月に予定しております。平成28年度の農林水産省のデータによりますと、新規参入者のうち27%が有機農業に取り組んでおり、新規参入者は有機農業を目指す人たちが多いという実態がございます。こうした状況から、SEADSについては有機農業に取り組む人材の育成機能に加え、全国の有機農業を目指す方々の受け入れ拠点としても期待しているところであります。

  加えまして、有機農産物の付加価値の高い販売に向けた新たな取り組みとしては、JAやYAMAGATA DESIGN社と連携し、有機農産物などのブランド化を図るための新ブランド、ショウナイルーツを立ち上げております。有機農産物については、労力やコストに見合った価格で販売することができないことが多く、生産拡大の課題の一つとなっております。こうした中で、ショウナイルーツは、地域全体で有機農産物などの統一基準を設定し、生産コストに見合った価格で販売を目指しており、生産者所得の向上に結びつくものと考えております。こうした所得の向上がさらなる生産拡大と品質の安定につながるという好循環の仕組みが形成されることも期待しております。さらには、ショウナイルーツの販売収益の一部はSEADSの運営経費に還元することになっておりますので、農業人材の育成強化にも寄与するものと考えているところでございます。

  以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) 御答弁ありがとうございました。

  ショウナイルーツについてですけれども、統一基準というのがありました。これは、今まで有機認証とか、いろいろあったわけですけれども、そういうものとの整合性についてはどのようにお考えになっていますか。

   

◎農林水産部長(高橋和博) ただいま議員からございましたように、有機農産物については有機JASというようなことがございます。これが基本になるものというふうに考えてございますけども、一方でこの有機JASの制度については消費者にとってわかりづらいというふうなことがいろんなところで言われてございますし、もう少し有機農業を親しみやすい、わかりやすい規格もあわせて提供していくというのがショウナイルーツというふうに考えているところでございます。

   

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

  じゃ、今後の有機農業の生産あるいは、あとはショウナイルーツの今後の展開について、市場規模という意味ではどのようにお考えでしょうか。

   

◎農林水産部長(高橋和博) まず、ショウナイルーツ等の市場規模というようなことでございますけども、一応想定しているようなものはありますけども、ただこれから基準づくりだとか、プロモーションを進めてまいりますので、具体的なショウナイルーツとしての市場規模は、今後明らかになっていくというふうに思ってございます。

  一方で、有機農産物自体のマーケットについて若干お話をさせていただきたいというふうに思います。国のほうでは、農林水産省で平成29年に消費者アンケートの結果をもとに推計してございます。その推計では、国内の有機食品の市場規模は1,850億円とされております。これは、21年より550億円ふえているというようなこともございます。一方で、これから農産物輸出ということも当然想定されるわけですけども、世界の市場規模を見ますと、有機食品の売り上げが年々増加しているというふうなことで、平成29年は全世界で約10兆7,000億円となっております。このうちアメリカとヨーロッパで全体の9割というようなことで、残念ながら日本は全体の1.5%というようなことで、世界では13番目、アジアで見ると中国に次いで第2位というふうなマーケットになってございます。こうした状況を踏まえて、新たなそういったマーケットをつくり出していくというふうな動きでは、農林水産省では、環境と調和した持続的な生産と消費というようなことを進めていこうというようなことで、持続可能な生産消費形態のあり方検討会というのをことし立ち上げてございます。ことし11月からその検討が始まっておりまして、本市の皆川市長もそのメンバーとして入ってございます。こうした検討会での議論も踏まえて、日本においてもこういった有機農産物等を初めとした持続可能な農林水産物の消費拡大という動きが加速してくるというのを期待しているところでございます。

  以上でございます。

   

◆6番(草島進一議員) 循環型農業の中で、地域内で資源と経済が循環する鶴岡版循環型農業モデルということをうたっております。ぜひ今回の動きがそういうものにつながっていくことを御期待して、質問を終わりたいと思います。

 



2019年9月議会 一般質問1)水道水質について 2)公文書管理条例について


 

1)水道水質について

なお、山形県沖地震への対応については、これまでの回答で答えを得ることが出来ましたので割愛をいたします。支援については、引き続き被災者に寄り添った支援に努められますようお願い申し上げます。

 

まず水道水質について質問いたします。

美味しい水は、食文化創造都市鶴岡を支えている一つの大きな要だと考えます。これは全国的な傾向のようですが、夏になりますと水道水の温度が上昇し、カルキ臭などを感じやすくなり飲み水として水道を敬遠しやすくなる傾向があるようです。そうしたこともあって、全国的にも市内でも飲用の水はペットボトルのミネラルウォーターだとかmそうした水や井戸水を汲みに行ったり、また浄水器などを使う水道離れが進んでいるようであります。今、、東京や大阪など、大都市を中心にこうした飲用水の水道離れを解決しようと水道水質を高めようとする方策がおこなわれております。例えば東京都水道局では、国で定めた水質基準の他に都独自のおいしさに関する水質木ひょいウを定めており、その中にカルキ臭の項目にカルキ臭の原因物質であるトリクロラミンを0を目標に、また残留塩素濃度を0.1から0.4を目標に取り入れ取り組んでおります。当市でも新たな項目を設けて取り組んではどうかと思いますが、特にトリクロラミンなど美味しい水を求めるためにどういった取り組みをしておりますでしょうか。お伺いします。

 

上下水道部

水道水の水質についてお答えいたします。

初めに、水道水の水質基準について申し上げますが、水質基準は水道法により微生物や重金属、無機物質、一般有機化学物質、消毒副生成物、色、味覚、においといった区分により51項目で基準値が定められております。本市の水道水もこの基準をクリアした安全な水をお客様に提供しておりますが、水のおいしさといった場合はこの基準とはまた別に昭和60年4月に厚生省、現在の厚生労働省でありますが、この国の諮問機関であります美味しい水研究会がまとめた美味しい水の要件では水温、残留塩素、高度、これはカルシウム、マグネシウムの量であります。それから、蒸発残留物、遊離炭酸、過マンガン酸カリウム消費量、これはいわゆる渋みに関するものでございますが、その他ににおいといっったこの7項目でそれぞれの要件値を設定いたしまして、水道法による水質基準値よりもより厳しい基準とした目標値として公表されてございます。このうち過マンガン酸カリウムス消費量につきましては現在有機物の量、TOCというものに統一されてございますが、一般的に水が美味しいと感じられるのはおいしくする西部つん、これはミネラルや炭酸ガスなどが適度に含まれてこの含有成分に加えて最も大切な要因が水温とされておりm20度以下が望ましいとされているところでございあす。議員からご紹介ございましたが、東京都水道局では厚労省の美味しい水研究会が公表した目標値とはまた違った独自の目標値を設定し、取り組んでございまして、おいしいイズ研究会では味に重点を置いて項目を設定しているのに対し

東京都では臭いに重点を置いて項目設定をおこなっている等の特徴が見受けられるところであります。なお、この水温については制御が困難であることから、東京都では目標値として採用していないという状況もあります。東京都が設定したおいしさに関する水質目標には残留塩素や臭気強度など、美味しい水研究会の美味しい水の要件と重複する項目もございますが、水道法の水質基準値の項目にないトリクロラミンという、いわゆるカルキ臭の主な原因ぶってぃすつの一つとされております物質に注目し、要件項目に加えて水質目標おw設定しているというのが特徴的な取り組みと思います。しかしながら、このトリクロラミン似つきましては測定方法が統一されていないということ、また性質上、不安定な物質という特性も重なってこの数値の判断がなかなか難しいということもありまして、千葉県の企業局では独自に美味しい水の目標値を検討する中でもトリクロラミン単体での目標設定を見送った経緯もあるようでございます。議員から本市においてもおいしさに関する水質目標を定めてはどうかとご提言をいただきました。私どもも議員からこのトリクロラミンの情報をいただきました2年前から東京都水道局のほうと情報交換をさせていただいておりまして、試験的にではありますが、朝日浄水場の出口と高坂の鶴岡量水所、それから上下水道部の庁舎内、それから鶴岡市下清水の軽4箇所でこのトリクロラミンの測定検査を実施したところであります。この検査につきましては

、地元の検査機関でもおこなったことのない検査ということもございまして、東京都のほうからも情報をいただきながら実施したものでありますが、測定機器自体の測定精度をかなり上げていかないと非常に難しいという課題が明らかとなりました。また、検査結果では他の都市で行動浄水処理をした水と同レベルの数値が検出されました、国が定めた基準がないことから、この数値の判断も難しいと言う状況にあります。鶴岡市としての美味しい水の目標値の設定につきましては、県企業局からの受水が市全体の排水量の約87%を占めているという状況でございますので、県企業局と連携してこの取り組みを進めたいと考えておりますが、水道法などによる基準が定められていないということもございますので、まずは先進事業体の取り組み状況や研究報告などを参考に引き続き研究してまいりたいと考えております。本市の水道水につきましては、平成30年度の検査の結集でございますが、高坂の鶴岡両水書での数値は美味しい水の要件とされる残留塩素濃度が0.1から0.4m/lとされているのに対しまして、平均0.6mg/lとなってございます。水温では、冬場2.9度から夏場では20.6度ということでこの残留塩素濃度と夏場のこの水温以外のほかの項目につきましては全てこの国のおいしい水の湯王権をクリアしているという状況にございます。なお、この塩素濃度につきましては水道法にjおいて末端での蛇口での基準が0.1mg/lと高めに設定しているところもございまして、この残留塩素濃度の管理につきましては上下水道部庁舎内でも毎日測定してございますが、最小値で0.3,最大で0.4mg・lという結果ですので、総合的には本市の水道は夏場などの水温を除けば、美味しい水と言っても良いと考えております。

次に、美味しい水への取り組みにつきましてでございますが、このカルキ臭に関わるトリクロラミンにつきましては消毒に使用する塩素が水中のアンモニアと反応して生成されることがわかっておりますが、塩素濃度もやはり気温や時間によって消費されてきますので、今後の取り組みといたしましては残留塩素濃度の低減化に向けて配水池などと、それから給水区域内における末端蛇口での残留塩素濃度を測定し、その傾向を分析するということと、それから先ほども申し上げましたが、県企業局との連携、協力のもとにこのトリクロラミンについても先進事業体の取り組みを含めて研究してまいりたいと考えております。また、水質確保の取り組みにつきましては水道管自体の老朽化対策も大変欠かせないということもございまして、今後も定期的に水道管の洗浄をおこなうなど、適切な維持管理に努めますとともに、施設管理の管路施設の更新等により濁水やさびによる赤水の防止を図ってまいりたいと存じます。

以上でございます。

 

草島進一

大変丁寧なご答弁ありがとうございました。また、先駆的なトリクロラミンについても取り組んでいただいてありがとうございました。引き続きこのおいしさに関する努力重ねて進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

2)公文書の管理について

次に公文書の管理についてお伺いしたいと思います。公文書の管理については、まず昨年11月に鶴岡市文化会館建設に関する第三者調査検証委員から市長に対し答申が出され、今後の業務遂行の改善に資する提言が示されています。その提言の中で行政文書として保存されている決裁文書では、意思決定の結論を示すのみで結論に至る意思決定の過程を説明できる資料は行政文書としてはほとんど保存されていなかったなどと指摘があり、公文書管理法の趣旨を踏まえた適正な文書の作成と管理をおこなうべきであるとされておりました。また、先般のお新ゴミ焼却施設の売電の問題でも前市長の下では関係部署から前市長に報告があったかどうかについても文書がなく、わからなかったとしておりました。これらは前市長の失政であったと思います。

今は前段の第三者委員会の提言を受けた際の市長の訓告などによって公文書管理の内部規則は徹底されていると思いますが、この3月議会では公文書管理のあり方について公文書管理条例をすい宮かに策定することを要請すると決議文が採択されております。私も、公文書はその本質として市民の物でアルという視点に立てば、行政の内部規定である規則ではなく、条例においてその仕組みや基準を定めることが必要であり、文書のライフサイクル全般に渡る適正管理のため、公文書管理条例の策定が必要と考えてきました。こうしたことを踏まえた市の姿勢として公文書管理条例の検討状況は如何でしょうか。お伺いします。

 

 

総務部長 公文書管理条例の検討状況についてお答えいたします。

 公文書管理条例につきましては、昨年の新文化会館建設に関する第三者調査検証専門委員の答申を受けまして、国、県、他市町村の対応状況を調査研究しつつ、制定の必要性について検討をすすめてまいりました。地方公共団体の文書管理については、公文書などの管理に関する法律、いわゆる公文書管理法においてこの法律の趣旨にのっとりその保有する文書の適正な管理に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施するよう努めなければ成らないと定められており、地方公共団体においても適正な文書管理をおこなうため、公文書管理条例を制定する動きがございます。公文書管理条例を制定しているのは、国立公文書管館野調査によりますと、平成31年1月現在で全国で6都県、16市町村とおり、平成31年3月には山形県が公文書管理条例を制定しております。本市においても本年の市議会3月定例会において、速やかな公文書管理条例の策定に関する決議がなされたこと、また、公文書は市民共有の知的資源であるという認識を具現化するには条例を定めることが有効であると考えられることなどを踏まえまして条例案の策定に向けて検討を進めているところでございます。条例案の具体的については、現在調整中でございますが、需要例案の策定に当たりましては公文書管理法や山形県の公文書管理条例などを参考としており、公文書管理法や県条例と同様に文書の作成から保存、廃棄に至るまでの文書のサイクル全般について管理の基本的な事項を定める予定としております。条例制定案までの今後の進め方でございますが、条例のの策定に当たっては市職員だけでなく、市の外部の方のご意見を反映するため、外部の有識者からもご意見をいただきながら条例案を策定していきたいと考えております。また、議会の皆様にも事前にお示し申し上げまして、ご意見を頂戴出来ればと考えております。そして、いただいたご意見を踏まえながら条例案を整えまして、なるべく早い時期に議会にご提案申し上げられるよう検討を続けてまいりたいと考えております。

草島進一 ありがとうございました。

やはり外部の有識者の検討委員会を設けていくことだと思います。いろんなこの公文書管理条例を持っているところでは文書館を設置したり、そういうところもあるわけですけれども、例えばこの歴史的公文書を保存し閲覧などをおこなう公文書館、もしくはそれに準ずる施設などについては今、どのようにかんがえていらっしゃるかちょっとお伺いできますか。

総務部長 公文書館の視察に関するご質問にお答えいたします。

 まず、公文書館と言うことですが、公文書管とは公文書館法に定められた施設であり、歴史資料として重要な公文書等を保存し、広く閲覧に供するとともに、これに関連する調査研究をおこなうことを目的とする施設のことでございます。国と地方公共団体が設置することができるとされておりますが、施設や配置する職員の問題もあり、平成29年10月時点の統計出見ますと政令市を除く市町村における設置数は前1271団体中全国で97団体、5.6%

にとどまっております。同様の理由から本市でも現時点では公文書館の設置についての具体の検討はおこなっておりません。歴史的公文書管を設置せず、他の施設や庁舎に併設し、その業務をおこなっている例もありますことから、公文書管理条例策定の検討の中でそのような事例も参考にしながら歴史的公文書の保存、利用のあり方についても検討してまいりたいと存じます。先ほど私全国の団体数1271団体と申し上げてしまったようです。全部で1721団体と中97団体と訂正させていただきます。

草島進一

ありがとうございました。公文書管理条例について、これまでの市政の大きな課題を解決するものだと思いますのでぜひ有意義な条例になることを心からご祈念申し上げますし、これからの議論に期待したいと思います。以上で終わります。

 

 



2019 6月議会 1)風力発電所の課題について 2)ゴミ焼却施設の売電問題について


6番(草島進一議員) 6番草島進一です。通告に従いまして質問いたします。

  2番目の共生型サービスについては割愛をいたします。

  まず、風力発電開発について、三瀬八森山で4月25日起工した風力発電所について、まず着工までに至ったことに対し関係者の皆様のこれまでの御尽力に敬意を表します。今般の開発を踏まえ質問させていただきます。まず、環境アセスメント関連ですが、絶滅危惧種の猛禽類クマタカの5つがいへの影響について県の環境影響評価審査会で専門の先生方から指摘がありました。その影響を回避するためと調査書にありましたが、計画段階で風車のタワーの数が7基だったものが5基に減っています。5基にすれば影響は回避できるとの解釈をされたということでしょうか。今般の風力開発への市としての自然保護の捉え方をお伺いします。

  また、市の取り組みとしてこの風力発電建設にはどのような協力関係で進めてきたのでしょうか。

  また、この風力開発から地域や市に何がどのように還元されるのでしょうか。市としての捉え方をお伺いします。

 

◎市民部長(渡会悟) それでは、風力発電に関する質問にお答えいたします。

  本市におきます風力発電事業につきましては、平成25年5月に制定いたしました鶴岡市地域エネルギービジョンに基づき、地域の活力をもたらす再生可能エネルギーの一つとして円滑な導入に努めております。御質問の三瀬八森山周辺における風力発電事業につきましては、ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社を代表とする合同会社JRE鶴岡八森山が事業者となり、八森山の尾根沿い、南北約2.5キロに定格出力3,400キロワットの風力発電機が5基設置され、推定されます年間発電量は約1万216世帯分の年間電気使用量に当たる約3,678万キロワットアワーとなっております。

  議員の御紹介のとおり、ことし4月25日に起工式が行われ、令和2年12月に商業運転開始に向けて、現在伐採と作業道路の造成工事が行われております。このように大規模な風力発電事業は当市では初めての事業であり、環境負荷の小さい風力発電所の稼働によるエネルギー自給率の向上と持続可能な地域社会の発展に大きく寄与するものと期待しているところでございます。

  風力発電における自然保護につきましては、本市のガイドラインにより生活環境や自然環境などの保全の観点から自主的に遵守すべき事項や調整手順を明らかにしております。特に環境影響法に基づく環境アセスメントが必要となる大型の風力発電施設については風力発電施設の設置などによって自然環境に与える影響を可能な限り回避するよう十分配慮し、必要な措置を講じるよう求めております。このたびの風力発電事業においても計画段階配慮書や環境影響評価方法書、環境影響評価準備書の確定前に市の意見を県知事に提出しており、その内容は環境影響評価書に反映されたところでございます。また、着実な事業実施と施設等の適正な維持管理に関しましては、市と事業者の間において環境保全協定書を昨年12月に締結しております。

  議員より御指摘ございました希少猛禽類でありますクマタカにつきましては、環境調査において対象事業実施区域周辺に5つがいのクマタカが確認され、実施区域の北側に分布していることが判明したことから、北側に設置予定だった4基を3基に、南側に設置予定だった3基も2基に減らすとともに、設置場所もそれぞれ極力南側に設置することとされたものでございます。

  また、環境調査ではクマタカ以外にもテングコウモリやニホンリスなどの重要な種も確認されたことから、送電線の地下埋設やブレードの塗装のほか、鳥類を誘引しにくいとされる閃光灯、フラッシュ灯の採用、クマタカの営巣期に配慮した工事時期の調整など、動物への影響を回避、低減するためのさまざまな環境保全措置が講じられることとなっております。

  さらに、改変区域内に生息する重要な植物であるコシノコバイモやヤマシャクヤク、ヤマトアオダモ、リンドウ、イイヌマムカゴについては、生息地と同様の環境へ移植を行われます。市といたしましては、これらの環境保全措置により実行可能な範囲内で環境影響が回避、または低減され、国及び地方公共団体が定める環境基準や環境目標などの維持達成に支障を及ぼすことのない事業計画であると認識しております。今後風力発電事業につきましても生活環境や自然環境などの保全の観点から、環境アセスメントにおける調査や予測、評価について実行可能な範囲内で環境影響を回避または低減するよう事業者に対して引き続き意見してまいりたいと考えております。

  このたびの八森山風力発電事業につきましては、平成29年3月に策定した鶴岡市における風力発電施設の設置などに係るガイドラインに基づき、市から事業者に対して生活環境や自然環境の保全の観点から、先ほどの繰り返しになりますが、自主的に遵守すべき事項や調整手順を明らかにし、事業者と市民の相互理解のもと、事業が実施されるよう求めてまいりました。これに対しまして事業者では三瀬地区自治会を初め、周辺地域を対象とした意見交換会や説明会をこれまで7回開催し、地域住民の事業に対する理解を深めるとともに、意見を伺う機会を設けてきております。また、事業者が保有する酒田市の風力発電所のイベント、酒田ウインドデイに地域住民を招待することで風力発電に対する理解を深めてまいりました。さらに地元三瀬地区で開催されるイベントに事業者の社員が参加するなど、地域の方々との積極的な交流が図られ、良好な関係が育まれていると認識しております。

  本市による地域や市に対する還元などの波及効果につきましては、想定されるものを幾つか御紹介させていただきます。1つ目といたしまして、風力発電所の搬入路兼管理用道路が整備されることによりまして、現在木材の搬出が困難となっている地域での伐採等が行われることとなり、林業の活性化が期待されます。また、搬入路の一部を展望スペースとして整備されることによりまして、日本海や鳥海山といったすばらしい眺望と風車を間近に鑑賞したり、トレッキングの際の休憩場所として利用することも可能となります。三瀬地区では平成28年度から2カ年環境省の地域活性化に向けた協働取り組みの加速化事業、これの採択を受け、木質バイオマスによる地産地消について取り組み、さらに昨年度からは同じ環境省の持続可能な開発目標SDGsの採択を受け、木質バイオマスを含む地域の課題を同時解決する取り組みを進めております。このたびの搬入路整備が三瀬地区における木質バイオマスの取り組みにさらなる発展をもたらし、2つの再生エネルギーの取り組みの相乗効果による地域の活性化が期待されるところでございます。

  2つ目に、風力発電所の運転開始後には、既に酒田市の風力発電所で開催されている見学会等のイベント開催のほか、定期的に地元の小中学生や高校生、地域の方々を対象とした環境学習の場としての利用も検討されております。

  3つ目に、事業の工事期間中は地元業者による工事の実施のみならず、工事終了後の運転や管理業務についても数名の地元雇用が想定されております。既に発電所完成後の運転管理業務を見越し、平成28年4月に鶴岡工業高等学校の卒業生がジャパン・リニューアブル・エナジーに1名採用されており、現在酒田風力発電所で運転管理業務に携わっていると伺っております。

  さらに本市といたしましては、固定資産税の増収による一定の財政効果も期待されているところでございます。

  以上でございます。

 

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。さまざまな還元の効果があると、事務所を立ち上げ、地元採用の社員を雇っていただけるようなことも聞いておりまして、それはすばらしいことだと思います。ぜひ企業の方々も関係住民として地域とよりよい関係を続けていただきたいと思います。

  昨今、庄内地域全体では、遊佐町で一昨年地元企業が目的会社をつくり、地元の銀行が31億円ものプロジェクトファイナンスを認め、建設し稼働した風車があります。これは、地域の風を地域の企業が地域のお金を動かしてつくった風車であります。また、旧立川町時代から全国初でみずから風車を建設した庄内町では、現在農山漁村再生可能エネルギー法のもとで基本計画をつくり、計画段階から町、農林漁業者、民間事業者等が連携する協働型へ誘導し、地域活性化を図るとし、3つの地元企業が協力して13基の風車を建てようと計画されております。また、酒田市のように自治体みずからが建設しようとしている風車もあります。これらの開発では、売電収益等が地域に還流する仕組みを一生懸命取り組んでいることを感じます。風力開発には世界風力エネルギー協会が認めた参画原則、コミュニティパワー三原則というのがあります。1、地域の利害関係者がプロジェクトの大半もしくは全てを所有している。2、計画の意思決定はコミュニティに基礎を置く組織によって行われる。3、事業の社会的、経済的便益の多数もしくは全ては地域に分配される。オーナーシップ、意思決定、便益分配の三原則であり、少なくともこのうち2つを満たすことがコミュニティパワーであると定義づけられています。

  鶴岡市は、現状風力発電への行政や市民のこうしたかかわり方としては比較的薄いように思います。今般の風車の出資者は外資系の大手企業であります。地域を豊かにする循環型経済のためにも、鶴岡市として今後の風力発電の開発に対してこうした原則をできるだけ踏まえて展開いただきたいと思っているのですが、見解をお伺いします。

 

◎市民部長(渡会悟) 今後の風力発電開発につきましては、まずは本市のガイドラインに基づき市全体や周辺における生活環境、自然環境、さらには景観の保全に配慮するとともに、地域住民理解に努めていただくよう事業者に求めながら、鶴岡市地域エネルギービジョンに定めた環境と調和し、地域に豊かさをもたらすエネルギーの導入と利用を推進してまいりたいと考えております。

  また、議員より御提言ございましたコミュニティパワーにつきましては、再生可能エネルギーの自給率を高め、温室効果ガスを削減するとともに地域の主体的かつ幅広い参加のもとで地域が意思決定を行い、便益が地域にもたらされる地域経済の活性化も期待させる取り組みであると認識しております。市といたしましても先進事例を参考にしながら、地域を豊かにする再生可能エネルギーのあり方について今後調査、研究をしてまいりたいと考えております。

  以上でございます。

 

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。市としてもあるべき姿をぜひ意識づけをして推し進めていただきたいと思います。

  次に、ごみ焼却施設の売電の問題について質問いたしますが、5番、10番議員の質問でほとんどカバーされた感がありまして、重要なポイントだけ質問させていただいてよろしいでしょうか。

  まず、情報共有の課題であります。前市長への報告の時点、皆川市長就任の際の引き継ぎの際の部課長対応、あと部長同士の引き継ぎの際など十分な認識に立っていなかった。部内の情報共有にとどまっていた問題があり、そして組織として対応が後手に回ったところだと報告がありました。なぜ組織的な対応につながらなかったのか、どうあればよかったのかということについて、ちょっと改めてお伺いできませんか。

 

◎総務部長(高橋健彦) これまでの経過、要因につきましては、先ほど10番議員の御質問にお答えさせていただいたとおりでございますが、やはりその中で申し述べましたとおり、関係する職員全体に基本的な専門理解、これが十分でなかったと、これが根底に起因としてございまして、その要因が安易な見通しの甘さを引き起こしてしまったと、こういう認識で総括させていただいておるところでございます。

 

◆6番(草島進一議員) ありがとうございます。

  あと、委託していたコンサルタントが機能しなかったという問題もありました。これも重大な問題だと思います。今後、また調査されると思いますので、よろしくお願いしたい。よりよろしくお願いしたいと思います。

  これ問題の背景には、やはり5番議員もおっしゃっていたように国の電力系統の接続の問題があります。再エネや資源循環型のごみ焼却施設の接続を優先接続できないという問題、電力系統増強が必要なときは再生可能エネルギー業者が負担しなければいけないという問題。この問題は、例えばドイツでは再生可能エネルギーは火力などのほかの電源に優先して接続されて、送配電事業者は系統増強の義務を負い、その増強費用は送配電事業者が負担するものとなっているということなんで、このあたりのやっぱり国の制度が変わっていかないと問題は解決できないのかなというふうに改めて思っているところです。今回の解決策に向けては、国のエネルギー政策への働きかけだと思いますので、これから当局、また頑張っていただきたいと思いますし、私たち議会も一緒にこれ働きかけをしないといけないかと思います。

  あと、もう一つですが、発電した電力売らずに自己消費するプランも一考されてはということでお伺いしたいんですが、自己託送という仕組みで、ごみ処理施設を保有する市が、市が保有する公共施設へ電力供給ができるという制度があります。こうしたことの検討というのはいかがでしょうか。お伺いします。

 

◎市民部長(渡会悟) ごみ処理施設を保有する市が、市が保有する公共施設へ電力供給できるという制度かと思いますが、ごみ処理施設への電力供給用の接続契約の範疇内で、あくまでも自己消費するための系統連系ができることについての検討を御提案いただいたのかなというふうに思っています。

  議員御案内のとおり、自己託送制度とは、市がごみ焼却施設で発電した電気を電力会社の送配電網を使用して市の別の施設に送る際に電力会社が提供する送電サービスのことで、電力の自家消費になることから、市有施設の管理経費の削減に効果が見込まれるものであります。一方、送電する際には電力会社の送配電網を使用しますことから、送電に必要な接続環境については電力会社との確認が必要となります。このようなことから、議員から御提案いただきました件につきましては、なお調査、研究させていただきたいと存じます。市といたしましては、まずは先ほどの繰り返しになりますが、系統連系の申し込みを行いながら東北電力との協議を継続し、国、県の指導を仰ぎながらできるだけ売電ができるよう、売電が実現できるように取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いしたいと思います。

 

◆6番(草島進一議員) わかりました。ぜひ引き続き国への働きかけしっかり努めていただきたいと思います。

  以上で終わります。

 



2018年12月議会一般質問 1)文化会館問題について2)地域経済循環を高める取り組みついてに ●観光DMOについて ●低炭素化について


2018年12月議会 草島進一 一般質問

 

1)鶴岡市文化会館の問題について

 

文化会館の問題。今般の答申を踏まえて 質問します。
私は昨年の当時、監査請求を提出した当人であります。当時請求したのは2点でした。議決を経ないで設計変更の発注がおこなわれていた事が、地方自治法第96条第1項第5号に抵触し違法または不当ではないか。と言う点と、建築デザインを優先させ、難工事の結果として予算の倍増や更なる設計変更に伴う予算増、等は、地方財政法4条の最小経費最大効果の原則に違反していまいかという点です。

平成27年6月26日から指示書によって設計変更発注がおこなわれているが、屋根下地の仕様変更、 屋根重量の増加の為の構造変更3億800万円は、大変重大な変更であり、必要が生じた段階で議会に付すべき案件ではないか。

鶴岡市長は、こうした設計変更を「軽微な設計変更」として 議会に付すことなく、行政内部で決裁を行い、業者への指示書が出されていた。3億円超の設計変更にもかかわらず、必要が生じた27年6月時点で議 会に諮らず、契約変更の手続きをせず、金額の記載も一切もない指示書で指示されている事には甚だ疑問をもつ。 このことは鶴岡市条例、地方自治法第96条第1項第5号に抵触し違法または不当ではないか。 と問うています。

当時の監査の結果は、当該設計変更は、「軽 微な設計変更であり、構造・工法・位置・断面等の変更で重要なものには当 たらないもの」と判断し、国土交通省ガイドラインの規定に基づき、工期の末に契約変更を行った、と説明。

契約の変更議決については、変更の必要が生じた場合、遅滞なく仮契約を締結し、速やかに議案を提出しなければならないことは原則ではあるが、国土交通省の取扱いや前述の事項を勘案し、更に設計変更に係る契約変更の時期 について明示されていない地方自治法及び市条例に鑑みると、本請求の対象 となった行為は、必ずしも違法又は不当な行為とは言えないものと解する。 よって、地方自治法及び市条例に反し違法・不当であるとする請求人の主張は理由がないものと判断し、請求を棄却する。当時はこのように棄却されているわけですが、今般の答申では、議会の承認を得ずに指示書で増額となる変更工事をおこなったことは違法である。と名言し、しかし後に議決しているから瑕疵は治癒されるとなっている。私は、地方自治法第96条第1項第5号について当時の榎本市政下の監査の認識と今般の「違法」の認識は異なるように思えるのですが違うでしょうか。

 

当時29年4月26日施行された「議決を要する建設工事の契約変更に係る議会への事前協議ガイドライン」では、議会への事前説明などの協議を定めているものの議決については規定していませんでした。

 

私は当時の監査請求の意見陳述の場で「このガイドラインについて、議会への説明は明記されているものの、増額補正の際は議会を止めて議決すべきとなっていない事は問題ではないかと指摘していました。当時、米沢市に尋ね「必ず一度止めて議決しないと次に進まない」とうかがっておりましたのでその点を指摘していたものです

 

 

先般皆川市長が総括質問であきらかにした平成30年1月内部規定では、増額補正の際の議決が必然になっています。また、契約変更の際の決裁文書、手続きの詳細が定められています。

 

これは、今般の第三者委員会の答申を待たずに30年1月に策定しているようですが。

 

この内部規定の策定まで、どのような経緯、があったのか。うかがいます。

 

総務部長

それでは、平成31年1月施行の鶴岡市建設工事の契約変更の手続きの内容規定について、その経緯と内容ということでのお尋ねでございました。

まず、今回の第三者委員の答申では、変更の指示が実質的な変更契約に当たるため、議会に諮った契約であればその変更も議決を要することとなるため、その議決がなされないことが違法とされたということ、ただいま議員ご指摘のとおりでございます。そして、お尋ねの契約約款においては増額する場合、その増額分にかえて減額分として設計図書を変更することができるということが取り交わしております契約約款で規定、これ通常されておるものでございます。このたび策定した内部規定においては、増額の指示をする際には指示書に設計図所の変更により契約金額に見合う工事に調整するという旨を記載し、いわゆる増減をなくするということをお約束する記載をすることによりまして、工事金額を変えない設計変更とすれば工事を進めることが出来る者という整理をいたした内容でございます。今般の問題は、こうした契約変更の解釈や事務取扱について明確でなかったことも、これ大きな一因と考えられましたことから、関係課で調整、検討を進めまして、今般の規定の骨子を定めまして、平成29年11月の入札制度検討委員会での協議を経て、平成30年1月に施行したものでございます。

 この内部規定では、これまで取り扱いについて不明瞭であった設計変更の決裁方法、これを改めて明確に示しまして、また設計変更の内容に誤りがないようにチェック機能をより働かせるために、複数の担当者のチェックをした上で上司による決裁をおこなうことなどの決裁区分の明確化、こういったこともあわせ含めまして設計変更、契約変更についての事務手続きを詳細に明確化することによって、今後の問題を生じないように未然に防止するということで制定したものでございます。

今後もルールに基づいた正確で確実な事務執行のため、事務執行の基本となる規則や内部規定などについてはさらにより改善を積み重ねて参りたいとかんがえております。

 

草島

答弁ありがとうございます。確認します。この自治法の取り扱いが皆川市政になって、もう11月の時点で解釈が変更になったというか、取り扱いが変わったという解釈でよろしいですか。ちょっと確認します。

 

総務部長

従来から議案に基づく変更が正しい取り扱いということではあったわけですが、その取り扱いを正しく事務上、実務上執行する部分について不十分であったことから、この規定によりまして改めて明確にさせていただいたと言うふうにご理解願いたいと存じます。

 

草島

今回の答申を待たずに、内部でも協議されてこれを定めたんだと思います。大変有意義な事だと思います。

2つめの質問にいきます。私は、当時発注に関する書面一切を情報公開し、取り寄せていましたが、今般の答申のように、金額の記載も一切もない指示書と図面しか提示されず、大変違疑問を感じていました。

 

今般の答申を踏まえて、公文書管理をどのようにしていくのかということは、総括質問などで多くの部署に共通する問題であったとし、市長の訓があったとお伺いしましたが、公文書管理の具体的な内容、方針を改めて、一歩踏み込んだ形がもう提示していただけるならぜひお伺いしたいと思います。

 

総務部長

公文書管理の具体策ということでのお尋ねでございました。適切な文書の作成と管理に関しましては、今般の答申における提言を受けまして、先ごろ発令されました市長の訓により起案文書への理由及び意志決定に至るまでの議論の経緯の記載、また会議の記録の作成、保存、上司への報告の記録の作成、保存、こういったことについて指示されております。これを受けて、このたび総務部長名の通知を発出いたしまして、指示内容の具体的な取り扱いを示しておりますので、ここではその内容に沿ってお答え申し上げます。

 まず起案文書の取り扱いでございますが、原則全ての起案文書には起案の理由を記載することとしております。また、特に重要な起案文書であると考えられます将来議会の議決に付すべき案件に係る起案文書につきましては、合わせて意志決定に至るまでの議論の経緯も掲載することといたしておるところでございます。

 次に、会議等の記録の作成及び保存についてでありますが、部長級以上の職員が加わる会議を対象といたしまして、会議での決定事項などを記載した概要書を作成し、会議資料とともに保存することとしております。また、その会議等が議会の議決に付すべき案件に係るものでアル場合は会議概要書に議論の経緯をあわせて記載することと、このようにいたしております。また、上司への報告の記録の作成、保存につきましては、それが議会の議決に付すべき案件についての報告である場合には、報告内容や上司からの指示事項を記載した概要書を作成し、報告に用いた資料とともに保存するといたしておるところでございます。

以上が、このたび通知いたしました公文書の作成及び管理の具体的な取り扱いでございます。今後これが徹底されるようにご指摘のありましたメールやメモの適切な取り扱いといったこととあわせまして、必要な指導等をおこなってまいりたいと考えております。また、訓によって指示を受けております公文書管理条例の制定についても必要な検討を進めて参りたいと考えております。

 

草島

ありがとうございます。しっかりとした姿勢がしめされているんじゃないかと思います。公文書管理条例についてはぜひ私も賛成しますのでぜひ前向きに取り組んで頂きたいと思います。

 

今回の答申ですけれども、踏まえて私の意見を申し述べます。とこの答申では、

「当初の事業予算の見込みが甘かったこと。加えて設計事務所は卓越したデザイン力は要していたが、実際の工事費の把握力に欠けていたと言わざるを得ない。とあり、積算金額の増額の原因は建物計上の特殊性からくる鉄骨工事や金属工事などの工事費及び仮設工事を含む共通費の増額率が大きいとありました。

今般、設計者はプリッツカー賞受賞の建築家であり、施工業者は業界大手でありました。それに対して当時の市長を先頭に当局がしっかりと監督できていたのか。

甚だ疑問を持つものです。屋根や壁の仕上げについて、当時施工ミスではないかと市民が抱く疑問や声を受け、またデザインに建設会社の施工技術が追いつかなかった、その結果のずさんな仕上がりではないかという、これは公共政策の大学の先生方からの声も受け、引き渡しの前に相当抗議をいたしました。市は、そうした声を設計者らに伝え、改善や説明をどれだけ求めていたのか、結局当時の市は設計者の言い分を広報するだけで、説明責任のあり方には相当疑問をもっていました。答申では設計、施行ミスには該当しないとありましたが、私は未だに納得できないところがあります。また1者入札で着工後1年も経ずに4.1億増額を伴う屋根下地の変更、大ホール天井取り付け補強の変更などを伴う設計変更に対し、委員から実施設計段階で対応するものであったとの答申が示されております。これしっかりとうけとめるべきであって、この増額について業者の言い分を追認し、議決も経ずに2年にもわたりほぼ指示書のみにで発注されていたことは、やはり重大な問題であったと思います。市長は、答申を受けての見解でも1つ目として建物形状の特殊性から建設工事を含む、特に共通費が増大したこと、2つめとして強度、遮音制を高めるための屋根下地の変更については実施設計段階で変更すべきであったと汲み取っておられるようであります。

建築としてはGA等の表紙を飾り建築界では評価を得たのかも知れません。しかし、なによりデザインを優先させたがために予算高騰し座席数の減少、見切り積の増、通路の狭さ、使い勝手の悪さなどさまざまな市民の声をうかがっております。雨音はホール内ではおさまったものの、楽屋などでは雨音がひびいてしまうという指摘、また客席では多々目の仕切り板が視覚に入り落ち着かないという声などを伺っております。今後維持経費など税を投入した公共建築部としてのあり方は問われ続けるように思います。

 

 今後、大型の公共事業がまだいくつか続きます。また私は今般の文化会館の教訓をどのように活かしてくのか。うかがいます。

 

 

総務部長

今後の大型公共事業について、文化会館の建設の教訓をどのように活かしていくかとのお尋ねでごあいました。今般の第三者委員の答申では、設計者の選定と設計のプロセス、手法につについてもご指摘をいただいており、設計者の選定のおいては今回の公募型プロポーザル方式は適切であったとの答申をいただいております。その一方で、総合評価方式にすればこれほどの金額の上振れはなかったとのご提言もあるところでございます。設計者や建設事業者の剪定については、これまでもプロポーザル方式や総合評価方式、条件付き一般競争入札や格ツ指定型一般競争入札など、工事や委託業務の内容によって適切な選定方法を選択し事業者の選定をおこなってきたところでありますが、今後もさらに入札制度の見直し、改善を図りながら適切に事業者の選定をおこなう様に努めて参りたいと考えております。

また、今後の公共施設整備におきましては、まずは既存施設の有効活用を図るため、鶴岡市公共施設等総合管理計画の方針である人口減少社会に対応した適切な公共施設の管理、コレを推進していく必要がございます。そのため公共施設マネジメントシステムの導入による施設データーの見える化など、具体的にこの官・での取り組みを推進してまいりたいと考えております。さらに新しく整備が必要な公共施設につきましては、後ほど議員からのご質問に答弁させていただきますが SDGsの基本理念や目標を考慮しながら取り組んで参りたいと考えております。また今般の答申の中では市民の説明、納得を得る機会を持つように努力することとのご提言をいただいておりますので、今後公共施設の整備を進めるにあたっては透明性公平性を持って、計画段階から関係者や住民の皆様への事業説明など丁寧におこない、情報を共有しながら進めて参りたいと考えております。

 

草島進一

ありがとうございました。しっかりと進めて頂きたいと思います。

次に地域経済循環を高める取り組みついていて質問いたします。 

皆川市長の公約に循環型経済を確立する産業政策への転換があります。

人口減少に立ち向かい、この鶴岡市の活性化を図っていくには極めて重要な観点であると思います。

●今般はDMOなど、観光の側面と低炭素化の側面から窺ってまります。

市は、出羽三山の修験道文化にはじまり日本遺産、加茂水族館、食文化、城下町など優れた地域資源に恵まれ、新潟県・庄内エリアDC、東京オリンピック・パラリンピックなどの好機を迎え、観光誘客をどのように地域活性化、地域内経済循環につなげていくかの視点が重要と考えます。

 

9月定例会の総括質問において、市長は、市観光連盟は、観光戦略により今後の事業展開を図ろうとする一方で組織面などで課題があり、連盟のあり方プロジェクトチームが発足しており、そこで検討されるあり方が、結果として鶴岡型DMOとなるのが好ましい旨述べておられます

そこでお尋ねします。現在の鶴岡市観光連盟プロジェクトチームでの検討は、どのような状況となっているでしょうか。

商工観光部長 阿部真一

鶴岡市観光連盟プロジェクトチームでの検討状況というご質問でございました。

鶴岡市観光連盟では、観光戦略の策定とDC本番を迎える好機ということで、さらなる事業展開を図るため、本年9月、会長が連名主要会員の中から7名の委員に委嘱いたしまして、鶴岡市観光連盟あり方検討プロジェクトチームを設置して、検討作業をおこなっております。これまで2回の会議を開催いたしまして、見直しの主な視点といたしましては、連盟の法人化、DMO登録について、それから新法人の業務内容、それから新法人と地域観光協会の役割分担として議論をすすめております。会議での主な意見といたしましては、DMOには地域の観光協会等では難しい情報発信、ブランド化などに期待する、また新法人の事業には観光データーの提供、研修など会員サービスなども盛り込むべきなどの意見がだされております。今月中旬にも検討会議としての報告をとりまとめる予定と伺っておりましてす。これを受けまして、連盟内の議論がさらに本格化するものと思います。その際には会員各位の意向の確認、民間と行政の役割分担の明確化など、十分に意思疎通、連携と図りながら市といたしましても、必要那対応、支援をおこなって参りたいと考えております。

草島

ありがとうございます。DMOといいましても、その地域によって様々な形態があって、どういうDMOにするのか、鶴岡版DMOと賞されていますけれどもどのような方向性、また考え方で地域活性化に結びつけようとしているのか、方向性をお伺いします。

商工観光部長

ただいま答弁申し上げまして通り、DMOの方向性につきましては現在プロジェクトチームで検討中でございます。市といたしましては、議論の推移を見守って参りたいと思います。

そうした中で、地域活性化におけるDMOの役割といたしましては、交流人口の拡大、にぎわいある地域づくりいを目指す観光振興の舵取り役として、一つとして多様な地域内の意見を調整すること。それから2つとしてm、観光戦略推進の担い手となることが期待されていおります。そして、認知度の向上、観光客の増加、また、消費支出増加と所得向上など、地域経済を発展させる大きな役割を担うことが期待されております。市といたしましては、行政と民間との連携で設立を目指す鶴岡型DMOにつきまして、おのおのしっかりと役割分担をしつつ、本市の観光振興に取り組んで行きたいと感が手織ります。

草島

DMOでいろいろありますけれどもぜひやっていただきたいとと思うのがマーケティングであります。お客様の需要がどこにあってそれを取り込むにはどうすればいいかという戦略を持ち、常に見直せるようにする。先日気仙沼のDMOを視察してまいりました。気仙沼クルーカードというポイントカードを導入して現在1万5千名、旅行者のデータを収集するということをやっておりました。行動範囲ですとか、滞在の場所ですとか、いろんなデータが集積されて、またDMをつかってカード所持者に季節ごとに体験できるメニューなどをDMをおくったりしていましたけれども、これは世界的な観光地であるスイスのツエルマットの観客や地域経営を営むブルガーゲマインデをモデルにしているとのことでした。このポイントカードですけれども、今、湯布院のゆふカードですとか、いろんなところで広がっていると思います。DMOの今後の事業計画はこれからと思いますけれども、こうしたポイントカードについての見解をお伺いしたいと思います。

商工観光部長

DMOがおこなう重要な取り組みとしてデータの収集、それからマーケティング活動があります。そういった意味ではポイントカードは買い物などを通じて地域内での活動を把握できることから、効果的な手法と認識しております。一方で、ポイントカードの利用者は地域住民が中心になると思います。観光のデータ収集、それからマーケティングに活用するとすれば、例えば交通機関でも利用できる、お土産屋さんなど、観光客の立ち寄り先の特典をつくるなど、それ相応の仕組みがないと感応客のデーター収集につながらないのではないかという懸念もございます。そういったこともありますので、なお研究させていただきたいと思います。そして、現在本市では観光地での聞き取り調査などによりデータ収集をおこなっておりますが、例えばICT、情報通信に関する現代の技術を活用し、観光アプリの普及、スマホなどの位置情報などによる観光客の動向を把握するなどの様々な手法があると思います。今後関係者とデータ収集などの手法について検討していきたいと考えております。

草島

ありがとうございます。観光から地域経済循環拡大を実現させるためのキーワードというのは地消地産だそうです。地域で消費ニーズがあるものを地域でつくろうということであります。ぜひ取り組みを進めていた頂きたいと思います。

次に低炭素化について伺います。

低炭素化の取り組みは、地球温暖化防止に貢献するだけではなくて、地域経済循環を高めることにも直結いたします。ちなみに、観光賞発行の地域経済循環分析というのがあるんですが、鶴岡市でエネルギー代金の内、年間242億円が地域外に流出していると指摘されています。この省エネや再生可能エネルギー、低炭素化の取り組みは、この地域外に流出しているエネルギー代金を抑え、地域内に循環する経済に変える事になると思います。こうした低炭素化の取り組みについて現在の当市での取り組み状況をお伺いします。あわせて省エネについてもお伺いします。省エネについては、省エネ法が施行され新しい動きがあると思いますのでお伺いしたいと思います。

市民部長

炭素化の取り組み状況につきましては、温室効果ガスの排出を削減するために、市民屋事業所、それに公共施設において省エネルギー化と再生可能エネルギーの導入を推進をしております。今年度の取り組みといたしまして、環境省の地方公共団体カーボンマネジメント強化事業補助金の策定を受けて、市有地8箇所を対象に省エネ診断を実施しております。今後施設ごとに空調整備や照明設備等の状況を把握し、施設規模や利用形態、また費用対効果を勘案しつつ、設備の更新時期に合わせ、よりエネルギー公立の高い各種設備の導入を検討してまいりたいと考えております。また、市民や事業所に対しましては、地球温暖化対策に資する賢い選択を推奨する国民運動、クールチョイスの賛同を宣言し、節電や節水、ごみの減量を初め省エネ性能の高い家電製品への更新や住宅や事業所の高断熱化、省エネ化、再生エネルギー導入など、身近な生活の中でも取り組める炭素化の普及に努めております。本市におきましては、三瀬地区自治会が環境省のSDGsを活用した民間活用支援モデル事業の採択を受け、木質バイオマスで地域のエネルギーを自給自足する活動に取り組んでおります。

続きまして、公共建築の省エネの現状と国の建築物省エネ法についてお答えいたします。

建築物の省エネルギー化に関する基準は、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律、通称建築物省エネ法により定められ、本市の公共h施設においてもこの基準に従い整備をしております。現在工事中の鶴岡市立保育園移転新築工事を初めとする大型公共施設において、法で定められました基準に従いLED照明や高効率空調機の採用、外壁の高断熱化などエネルギー消費量を総合的に評価し設計しており、山形県から建築物省エネ法に適合しちえる判断をいただいた後に工事をおこなっております。また、大網地域交流センターでは激寒地という地域性を考慮し、アルミ樹脂複合サッシ+LOW_Eガラス の採用や壁や天井を高断熱化するなど省エネ性能を重視した設計を行い、冬期間でも快適な室内環境になるよう整備をしております。

 

草島

ありがとうございます。省エネの法律変わったんですけれども、しかしながら海外、EUとかと比べると相当まだレベルが低いといわれています。ぜひこれは、長野県のようにコンサルタントを招いて省エネの技術をしっかりと把握していただきたいて、今後の指針を決めて取り組んで頂きたいと思います。また再エネですけれども、ぜひ、市として再エネの導入、当市、地域熱供給、また自治体でのシュタットベルまで、ぜひ取り組みを強めて頂きたい。全市政まではなかなか取り組みが今ひとつだっったんじゃないかと思います。

皆川市長になって、地域の経済循環を高めるためにも再エネ、省エネ、自治体としての投資、そして地域の住民を巻き込んでの事業ぜひこれからより促進していただくよう、この条例などについても色々検討していただいて、取り組んで頂きたいと思います。ありがとうございました。

 

 

 



12月議会 市長給与等特別職給与条例案についての討論


12月議会 市長給与等特別職給与条例案についての討論

●鶴岡市特別職の給与に関する条例の一部を改正する条例について

原案に賛成の立場で討論いたします。

今般の新文化会館における市の第三者専門委員会が示した答申の中で、特に重視すべきは地方自治法96条第1項五号によって「議決を経て建築工事の請負契約を業者との間に締結した場合、その後契約の内容を変更しようとするときは、再び議会議決を経なくてはならない。この法例に沿った違法性、法例遵守の適正と考えます。

●答申では、その法趣旨から、平成27年6月の第1回の変更工事において工事費が増額されることが判明した時点で、議会に説明し承認をえるべきであったということ。

又、第1回から議決を経ないで契約変更の指示が、指示書のみで2年間にわたり7回もおこなわれた事は、それぞれの時点では契約上は無効であり、法的瑕疵が存在していた。と指摘されています。

また、最終的に議会の承認を得たとは言え、建築課では指示書で工事が増額となる変更工事をおこなうに際し、議会の承認を得ることを全く考慮しなかった点は当該地方自治法の趣旨に反し、市政の執行責任と言う問題である。と示されておりました。

 前市長やその時点で実務にあたった担当者の責任として、この地方自治法第96条第一項第五号の趣旨を踏まえ、議決に基づいて契約変更を正しく事務上、実務上執行する部分について、不十分な対応だった。市政の執行責任として問われる問題だった。と、答申や今般の質問に対する当局答弁から解釈するものです。

以上を踏まえれば、その時点での担当者を訓告とした判断は妥当と考えます。

又、副市長の給与月額の減額については、ご本人から申し出があり、当時監査委員であった事を踏まえ、関係職員を訓告とするにいたった結果責任に鑑み、減給にしたいということでありました。

監査請求への棄却については、問題はないものの、しかしながら「議会の承認を得ずに指示書で工事費が増額となる変更工事をおこなったことは、その時点では、当該地方自治法に照らして法的瑕疵があり、それを容認してしまっていた点において、職員を常に指導監督すべき常勤監査委員としてとして不十分だったとの事であり、これも妥当なご判断と受け止めます。

 この責任は議員選出の監査委員にも当てはまり、監査委員には、より法例遵守に立脚した指導監督が求められると考えます。私としては当面、議会選出の監査委員を当議会として自粛すべきではないか。と考えるものです。

市長の給与の減額については、選挙の公約として掲げられていたものであり、相当、身を切ることになりますが、自ら身を切る改革市長として堂々と進めて頂ければと思います。

今般一般質問でも確認しましたが、建設工事の契約変更の手続きについては、皆川市政下で平成30年1月施行で、増額を伴う契約変更の手続きについては議決を必須とすることを明確にし、不明瞭だった決裁方法を明確化した内部規定が作成され実行されています。前市政までの悪しき慣習からか、徹底していなかった地方自治法の「法例遵守」をいち早く行動に移して頂いたものととらえますし、今般の第三者委員会の調査、提言では、前市政までの公共事業に取り組む際の意志決定の過程を含む公文書の作成、管理の不徹底や、市民への説明責任の問題などがあぶりだされました。それらをしっかりと教訓として市政を正し、今後の公共事業、諸政策を進めて頂ければとおもいます。以上、原案に賛成いたします。

 



平成29年度鶴岡市決算についての討論、他ー9月決算議会


9月28日、9月鶴岡市決算議会最終日、以下のように討論しました。
ほぼ全文のメモです。

動画

 

平成29年度一般会計および特別会計歳入歳出決算について

○決算審査について 私は、本市の持続可能性を判断基準に審査いたしました。その結果、決算認定しかねますので反対の立場で討論をいたします。

平成29年度のわが国の状況を申せば、安倍政権下で安倍総理や総理夫人の関与が争点となった森友加計学園問題があります。この問題は単なるスキャンダルではなく、国家権力とその友人らによって血税を食いものにする悪しき政治そのものであります。公文書の改ざんを強いたり、官僚のみならず、メディアまで忖度を強いる公権力の暴走。先日前川喜平さんのタクト鶴岡の講演で言及されていましたが、総理大臣が明らかにウソをついている。国会でまかり通る答弁逃れやご飯論法。数の論理で強行採決された重要法案の中には地方政治と密接に関係するものもあり、「行政をゆがめる政治」の状況を早く打破せねばならないと強く思うものであります。

29年度決算はその政権の国会議員らが応援した榎本市長の下で編成された予算であります。以下、主な論点を取り上げてまいります。

 

 

○新文化会館 荘銀タクト鶴岡 の案件では当初計画45億円のはずが97億円に膨れあがる2倍の建築費の増大、特に5億円を超える設計変更について、議会にもはからずに予算執行おこなったことについては、住民監査請求もおこなわれました。

完成間近になって、異様なデザインや凸凹にしか見えない仕上がりについて疑問をもつ市民の声は大変大きかったのであります。 更に完成をしてみれば天漏れと音漏れという音楽ホールにしては最悪の事態が発覚をしまして、皆川新市長就任初の会見がタクトの天漏れ音漏れのニュースになってしまったのは記憶に新しいわけであります。選挙期間中には既に音漏れや天漏れが発覚していた疑念もあり、都合が悪い事は市民にお知らせしない前市政の姿勢が改めて浮き彫りになってくるのであります。
 いずれにしても、施工管理の行政責任が問われる重大案件であります。現在市の検証中でありますが、行政担当者、業者の何にどのような問題が生じていたのか明らかにしなければならないと考えます。

 

 

○駅前のフーデバー 事業はどうでしょうか。 開店1年も経たない内に1千万円以上の負債を抱え、今も店舗が入らない空のスペースが見受けられる。ディベロッパーとしての経営、運営が全く体をなしていない。とにかく選挙に合わせて駅前の賑わいを創出したいと考えた前市長の下での姿勢が災いしたのか、全く見通しの甘い運営、経営により今、多くの課題を抱えたままであります。

 

○ゴミ焼却場建設については、以前に生ゴミ処分のためのバイオマスプラントの提案がゴミ減量対策の審議会であったにもかかわらず、それは無視され、旧来型の燃やすだけのストーカープラントに固執するが為に、環境省の政策誘導に追いつけない実態が観られ、昨年の議会で行政の不作為ではないかと指摘をいたしました。新しい都市計画地域にコジェネと地域暖房を提言をしましたが、残念ながら不採用のまま旧来型の事業が進んでいるのであります。冬快適で光熱費負担が少ない、地域内循環経済や地域暖房、低炭素型モデル地域をつくるチャンスを無にしないで頂きたいと思います。

 

 

○建設事業についてですが29年度は鶴岡第三中学校建設事業がおこなわれました。先般完成をした現場をみましたが、欧州自治体では禁止になっている深夜電力をふんだんに使う電気蓄熱暖房を採用し、またガラスはローイーガラスは不採用。正直残念だと思いました。また躯体の断熱性能は十分でしょうか。学校建築をはじめ公共建築物については、パリ協定後の地球温暖化防止の観点から、ゼロエネルギービルなど、エネルギー性能の高さが求められています。それにより光熱費の削減だけではなく、公共施設の長寿命化、市民へのモデルケースの提供、地域の建設事業者の技術力向上などがはかられます。荘銀タクトについても環境性能は同様の事がいえると思います。発想の転換を強く求めるものです。

 

 

一般廃棄物最終処分場については、供用開始予定が平成33年10月となりました。榎本市政下での平成27年度の地質調査が遅れたことが結果として全体の事業進捗の遅れにつながりました。前市長の下での進行管理の不適切なやり方から結果として今般の12.5ヶ月民間処理委託料約2億1千万円ムダな市民負担を強いることにつながったことは事実であります。今般用地を決定するにあたって市長自ら住民と対話し、汚水対策として下水道の活用などを提示し道を開いた事は前市政にはなかった対話の市長市政が成し遂げた成果であると評価します。

 

最後に慶応大研究所への3億5千万円の決算についてですが、これまで市県あわせ約170億円の税が投入されてきました。ベンチャー企業の創出、まちづくりへの貢献などは一部認めるところですが、しかしながら研究の実態は大変不透明であり、市民がよく理解しないままの多額の投資事業がおこなわれているといった感じは否めないと感じています。今朝になってようやく29年度実績報告書を頂きましたが、実験機器購入、1億1千600万円。消耗品6千万円。人件費1億3800万円、旅費約1千万円。詳細は不明です。唐突に宇宙生物学の研究実績もあるようですが、研究員名が黒塗りで詳細が全くわかりません。こうした研究に対してどのような行政的なチェックとバランス、が図られているか全く不明のままであります。又、AO入試で慶応大に入学している事を成果の一つにしているようですが、市の教育行政として格差を助長するような案件を容認する姿勢にも疑問をもつものです。第一、教育政策としてのコンセンサスはとれているのでしょうか。

 

年1200人もの人口減の実状や700億円という限られた財政の中で破格の3億5千万円という予算を民間の研究所に投じる余裕が本当に我が市にあるのか。甚だ疑問であり認めることができません。千葉県かずさDNA研究所などの先例に習い、スピンアウトした企業から研究所を支える等、自治体の補助金依存体質から脱却をはかるスキームを早急に構築することを強く求めるものであります。現在来年度からの次の第5期をどうするかの検証、検討がおこなわれている時期でありますが、検証は県におまかせするでなく、13万市民の血税を預かる市が主体となって優秀なオンブズマンを伴いつつ、検証をおこなうべきであることを申し添えます。

 

また、今後の鶴岡の未来をつくる地方創生政策は慶応先端研への投資だけでいいのでしょうか。安倍政府や竹中氏は評価しているようですが、私にはこれまでの延長線のみで鶴岡市が持続可能になるとは思えません。旧態依然とした榎本市政の下での予算決算に反対する大きな理由はそこにあります。

 

今後は、クリエイティブシティを文字面だけにするのではなく、13万市民の当事者力を発揮させ、地域内経済循環など自給圏への舵取りなど大きな変革が必要な、歴史の峠というべき時に来ていると感じるものであります。

 

合併特例もなくなります。10年後、20年後、水道、下水道、等 公共サービスが果たして今のまま維持管理できるのか。またパリ協定後の地球温暖化対策、低炭素化の要件に如何にコミットできるか。2020年のオリンピックの際には各自治体の持続可能性が確実に問われます。2030年目標ののSDGsそれを如何に実現するのか。課題山積であり政策の大きな発想の転換が必要で有ることを皆川市政には求めたいと思います。

 

ぜひ持続可能な未来からバックキャストして本市のリーダーシップをとって頂きたいと思いますし私も議会議員の一人として切磋琢磨して参りたく存じます。以上、討論といたします。


他、請願討論について以下動画をご参照下さい。

2件あります。
1)市へクーラー設置をはたらきかけるもの

2)荘内病院と日本海病院でCT-スキャンなどのCDの料金が20倍も違うことの是正

どちらも賛成の立場で討論をさせていただきました。

2本目、請願について反対論者が紹介議員批判をしていますが、請願者提出の際に打ち合わせが出来ずに提出されてしまったのは、まさに不可抗力でした。