カテゴリー: ダム問題
最上小国川
2008.10.31 pm 3時40分。草島事務局長 山形県最上総合支庁を訪問。支庁長 正木徹氏、建設部長 高橋健一氏 最上小国川ダム建設室長 亀井浩之氏にお会いし、ちらしを手渡し、11月9日のシンポジウムへの参加依頼をおこなった。亀井裕之氏が「誰かいかせる、私はいかない」などと対応したため、「あなたに来ていただきたいため直々に来たのです」と告げ、参加を依頼する。元淀川水系流域委員会、元京大防災研究所長を歴任した、現在も治水論でトップを走っている京都大学名誉教授の今本先生がいらっしゃるのである。特に県の河川砂防課の担当幹部、職員は全員参加していただきたいものである。
11月9日、緊急シンポジウムのお知らせ。
この間。諸々構想してきた穴あきダムで揺れる最上小国川ダムに関する緊急シンポジウムを11月9日、話題の川辺川から矢上元相良村長と淀川から今本京大名誉教授 防災研究所元所長という豪華ゲストを招いておこないます。どうぞよろしくお願いします。
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2008年11月9日(日)緊急シンポジウム
山形の“守るべき宝”とは。
最上小国川の“真の治水”を考える。
〜川辺川(熊本県)のダム中止、淀川水系流域委員会(大阪、京都、滋賀県)の視点から〜
今年9日11日、熊本県の川辺川ダム問題では蒲島熊本県知事が「球磨川そのものが、かけがえのない財産であり、“守るべき「宝」”ではないか」とし、ダム計画の白紙撤回を発表しました。同じく話題となっている「淀川水系流域委員会」問題では、滋賀県の嘉田知事が、県営ダムにダムではない「代替案」を出し、淀川水系全域に「NOダム」の方向性が出されています。自然や文化的要素の多く残っている自然河川、小国川を、流域の幸せのためにどのように生かしていくのか、また、真に「生命と財産を守る」ための治水策を、再び議論します。
● 基調講演 1 今本博健
元「淀川水系流域委員会」委員長 元「京都大学防災研究所」所長 京都大学名誉教授
「『淀川水系流域委員会』で問われている“河川の自治”と治水代替プラン」
新河川法の趣旨にもとづき、日本で最も開かれた議論を展開してきた淀川水系流域委員会。今本先生は、その委員会の初代委員長であり、「穴あきダムは歴史的愚行」との見解を示されております。真に流域の「生命と財産を守る」治水の考え方、淀川、滋賀県の代替プランについて、ご紹介いただきます。
今本博健氏プロフィール
1937年大阪生まれ。61年京大工学部卒。現京大名誉教授。京大防災研究所長を歴任。専門は実験水理学・河川工学・防災工学。河川・湖・海洋の流れに関する水理模型実験、国内外の水害調査等に従事。前・淀川水系流域委員会委員長。著書に「水理学の基礎」、「防災学ハンドブック」(共著)など。
● 基調講演 2 矢上雅義
前・相良村村長 元 衆議院議員
「熊本県知事は、なぜ川辺川ダムに“NO”といったのか」
矢上氏は相良村長だった2006年11月に、「子供たちに清流を手渡したい」と川辺川流域町村でいち早くダム反対を表明しました。また07年川辺川ダム反対を争点に熊本県知事選に出馬。そうした行動が、今回の熊本県知事発言のきっかけとなりました。
矢上雅義氏プロフィール
1960年生まれ・1983年 上智大学経済学部卒業 卒業後 ホテル業
1993年7月から平成12年2000年6月まで、日本新党、新進党など2期衆議院議員 2001年11月22より相良村村長就任(2期)2008年2月6日相良村村長辞任 2008年3月熊本県知事選挙に出馬「川辺川ダム反対を訴える」
●報告
赤倉温泉の治水対策にダムなしの“代替プラン”は可能だ。
国土問題研究会
2007年度、国土問題研究会に所属する河川工学者や温泉の専門家が現地の調査、河床掘削などをともなう代替プランを作成しました。ダムに拠らない治水案をお話いただきます。
● パネルディスカッション
「最上・小国川流域の“守るべき宝”」とは
進行:天野礼子 アウトドアライター
今本博健
矢上雅義
地元から。
総合司会 草島進一 最上小国川の真の治水を考える会 事務局長
ウォーターワッチネットワーク代表
日時11月9日 午後1時半開会
場所 お湯トピアもがみ(赤倉温泉公民館)
最上町大字富沢赤倉温泉2344
電話 0233-45-2424
会費 500円
主催 最上小国川の“真の治水”を考える会
協力 小国川漁業協同組合 神室山系の自然を守る会 山形県自然保護団体連絡協議会 最上小国川の“真の治水”を求める対策会議
パタゴニア日本支社 環境助成プログラム
メールで申し込み受付しております。
草島 stern8@mac.com まで。
最上小国川河床の調査。
最上小国川の河床の調査の報告を県がおこなうとのことで現地へ。漁協、真の治水を考える会の皆さんと一緒に調査手法などを観察する。いままで、ずっと県は「湯脈に影響を与える可能性があるから掘削は絶対にできない」といって、調査をすることすらも拒み続けてきた。しかし、今般、こうした調査ができた事は一歩前進といえる。実際、岩盤の割れ目から水温の高い地下水が湧出するところをみた。熱源に川の水で水圧のかかった地下水が触れてお湯になる。調査された先生方は「現在、コンクリートで蓋をしている場所を観てみないとよくわからない。それを再調査する必要がある。」とおっしゃっていた。
それと、掘削が可能かどうかの最終的な判断は、この調査の報告を待っての話になるわけであるが、この調査の段階でも、この岩盤にいきつくまで相当量土砂が堆積していることがわかった。川辺川の問題でも、人吉市や、相良村流域では川床掘削により随分贈水時の水位が低下したことを聞いているし、滋賀県では県が代替プランを提示して国と闘っている。そうした方向性でいえば、より慎重に、この地域でのダムではない治水の可能性をもっともっと考えてみる事が必要だ。この調査はいいが、判断に至るまで不当なことがおこなわれないように監視していくことが重要だと考えている。
自然こそ宝。ー川辺川ダム 中止へ。
ー以下、9月12日朝日新聞朝刊より。
政府は11日、熊本県の蒲島郁夫知事が川辺川ダム建設に反対する考えを表明したことを受け、ダム建設に代わる案があるかどうかも含め、県側の意向を踏まえながら対応する方針を固めた。知事が「白紙撤回すべきだ」と明言したことから、現状の建設計画をそのまま進めることは困難と判断した。
福田首相は同日、記者団に「どういう状況で地元の意向が示されたか、よく検討した上で最終判断すべきだと思う。いずれにしても地元の考え方は尊重されるべきだ」と語った。
町村官房長官も記者会見で「知事があそこまで強く言われた以上、国として知事の意向を無視して進めることは無理ではないか。地元がイエスと言わなければ、工事は進められない。地元の理解を得てやるのが当然だ」と述べ、県側との協議なしで計画を進めることはないとの考えを示した。
一方、ダム建設を所管する国交省の春田謙事務次官も同日の会見で「ダムなしでやっていくべきだという投げかけを受け止め、きちんと検討していかなければならない。(球磨川水系の)治水対策全体を見直す」と強調。省内には「何十年も検討してきたのに急に別の選択肢があるわけではない」との慎重論もあるが、ダム建設の中止も視野に、新たな治水対策を模索することになりそうだ。
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近づく選挙戦を意識してか、自民党らしくない発言がつづいているようだが、
この9.11の川辺川ダムの判断は、今後予期される衆議院選挙などで大きな議論を巻き起こすだろう。
今、まだ国土交通省は150ものダムを計画している。2690もの巨大ダムを造って清流をはかいしつづけておいて、未だに。である。
川辺川ダムの計画も途中で「穴あきダム」に変わった。小国川ダムとダブる。
「流域住民にとって、球磨川そのものが守るべき財産であり宝。そうしたローカルな価値観を尊重したい」ために、蒲島知事は、国土交通省の「ダム至上主義」に同意しないことを決めた。そして「川床掘削や遊水池などハードと、緊急避難システムなどソフトの対策を進めたい」とする蒲島知事の姿勢は現実的だと朝日の社説にもあった。同感である。
それに比べて、日本有数の清流で若鮎の里、最上小国川の場合はどうか。
まさに、国土交通省の「ダム至上主義」に迎合する斎藤県知事によって、「日本一環境にやさしい穴あきダム」などと、住民が情報操作され、穴あきダム「最上小国川ダム」がつくられようとしている。
山形の自然が。我々の真の宝が、消失されようとしている。
どこまでも、官尊民卑な山形県土木部長の態度。
本日は8時15分発の山形行きバスに乗り、県庁。
最上小国川の真の治水を求める対策会議の皆さんと一緒に高村土木部長と意見交換である。10時と聞いて僕も駆けつけた。1時間の約束をしているという。最上町から、舟形町から、新庄市から、会のメンバーやその関係者が車で10時をめがけて中には30分も前について準備をしていた。
10時。16階の会議室のようなところに通されたのはいいが、肝心の高村土木部長が来ない。県の土木部担当者が「来客のため遅れます」などと言う。
「県民の、ダムの案件で揺れている現場の住民が、何週間も前から時間を設定して、直前に県から9時半だ、10時だといわれて、10時ならば1時間時間がとれるということで来ているのに、、、、」と隣にいた代表格の方がつぶやいた。
「何分かかるのか?」と問うと、「少々お待ち下さい」などと5流レストランのような対応だ。
どうなっているのか?とムラムラと怒りに満ちてくる。「官尊民卑」という4文字が浮かんでくる。今回、問題になっている漁協の情報のまさに人権侵害というべき取り扱いの内容に対して、あれだけ批判を浴びているというのに、更にこのような態度とは。
そして10分も待たせて高村土木部長はやってきた。僕は「10分遅れたんだから11時10分までにしなさいよ」と言うと、意に介さずといった対応で、一言目に「用事があるので45分ぐらには失礼する」などといった対応だった。
僕は冒頭から頭に来た。「まあ、会ってやろう」みたいな態度なのだ。
「官尊民卑=山形県」僕は心に刻んだ。
僕はスウェーデンの環境省の地球温暖化の説明をしてくれたいわば官僚の実に丁寧、はっきりとした対応を思い出して、なおさら頭にきた。こういう人たちが日本を醜くしているのだと思った。
申し入れは、高嶋代表によって理路整然におこなわれた。
今回の会からの申し入れのポイントは、まず、治水策というが、赤倉で発生している洪水被害は、川からの水によるものではなく、田圃から来る排水被害のバックウォーターによるものだ。ということ。
また、今般温泉の湯脈についてのメカニズムについて、県としてしっかりと調査をすることを申し入れた。
これに対して高村氏は「検討する」と答えた。しかしながら、どんな調査をするのかはまだ未定だ。
言葉のはしばしに、肝心のダムの事については触れないような対応だった。
僕からも一つ、質問と意見を投げかけた。
「昨年末に申し入れをしているが、県は最上町住民に対して、「日本一環境にやさしい穴あきダム」などと、完全に情報操作といえる内容で情報提供をしている。
県はあたかも穴あきダムならば、全く環境に影響がないような言い方をする。しかし、私は最新型の穴あきダムである益田川ダムを視察している。とてもあれが環境にやさしいなどといえるものではない。周辺の方々に聞けば、ダム工事中の10年間は水が濁り全く魚の姿はいなくなっていたと聞いている。そして出来た後も環境の影響ははかりしれない。この最上町には、まさに自然資本、ナチュラルキャピタルに富んだ場所と思う。このダムによって、この自然資本が破壊されるその損失について、県はどう考えているのか。」と問うた。「きちんとシミュレーションして示してください」と僕は更に問うた。
これに対して高村氏はほとんど答えらしい回答をしなかった。
県の担当が「湯脈の調査をするとき、漁協さんにもボーリング調査に応じてもらえるようにしてもらえますか」などと言った。そのとき、僕から念を押したが、「ボーリング調査というと県はダムのためのボーリング調査を平気でやろうとする可能性がある。認めるとしてもあくまで湯脈の調査のためだけのボーリング調査だ。その際は、調査者は誰で、専門家は誰で、ボーリング調査をするとしたら、ダム建設のためではなく、あくまで湯脈の調査をするボーリング調査なのだと情報共有をすべきだ」と念を押した。
立ち会った県の担当者の名前を記しておく。
山形県土木部 河川砂防課 河川砂防課長 野川 厚 023-630-2620
山形県土木部 河川砂防課 ダム整備管理主査 庄司尚三 023-630-2619
山形県土木部 河川砂防課 課長補佐 鈴木 崇 023-630-2686
山形県土木部 河川砂防課 河川調整主幹 古山穀彦 023-630-2686
疑問のある方は問い合わせしましょう!
なお、今般の模様は近日中に動画公開します。お楽しみにー。
その後、帰路につく車に便乗し、赤倉温泉にて打ち合わせ。新庄経由で帰路。
バス代2400円 電車代1110円。うむ。車を使うよりいいな。公共交通、公共交通!
新庄も大変だ。ー公共事業を問う。ー
新庄市の財政破綻寸前状況の話がテレビタックルにでていた。実質公債費比率30%オーバーはかなりきつい。そのきっかけはやはり新幹線を受け入れる駅周辺の整備事業などだろう。この新幹線だって「これをやれば駅前がうるおう」「観光客がどっとくる」
「最上川観光の起爆剤」などなど、いろいろ持ち上げられていたのだけれど、実際は、新幹線で新庄にいる人の商圏が拡大し、地元商店街で買い物をせず山形・仙台へ。ということになり、観光客はどうかといえばそんなに増えた訳ではない。そして建設時にかけた起債の償還が重しになる。、、。などということになる。
こうした事は箱ものや道路、そしてダム事業など、大型公共事業にはつきものの話だ。真に市民の望むものなのか、ただ「箱もの」をつくりたいひとにぎりの人のための事業なのか。改めて突きつけなくてはいけない。
つくる前の幻想と、負担を強いられる現実がどれだけギャップがあるのか。そこのところをきちんと事前に説明していないといけない。道路についても、つくれば維持費がかかる。ダムだって、たとえば月山ダムなんかは年間維持費が8億円弱かかっている。そうしたことがなかなか表にでない。
県の発表だが、道路暫定税率廃止によって、318億円の税収が減るという。本当かなあ?分析が必要だと思う。
小国川ーー河道掘削は可能。
6日、最上小国川ダムの問題でミーティングす。
共産党の国土研が調査にはいり、明確に河道掘削は可能。と報告していただいた。
温泉の湯脈に影響するーーなどということが山形県の「掘削できない言い訳」になっていたが、温泉、地質学の専門家がはいって調査をしてメカニズムを解明。河道を掘削しても影響を及ぼさないプランがいくらでも可能だということだ。赤倉温泉地域で1Mも掘削をすれば、100トンもの水が流せるということである。
それと、やはり、全国共通だが、340トンという基本高水はあまりにも過大な数値になっていることが示された。ありえない値でダムを誘導しているということである。
更に、昨年、ダムに踏みきる際に知事は「地球温暖化」により、、、、と説明していたが、だとしたらダムを造ったって超過洪水が十分に考え得るということだ。穴あきダムに超過洪水がきたら、大変危険なことになる。ということ。
1年前、今本先生らと僕らは代替プランを発表している。現在、その肉付けを急いでいるところであるが、このプランでいけば、旅館のセットバックも必要ないということになる。
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年頭より実に意義のあるミーティングができた。笹山県議に感謝である。
最上小国川ダム 国の予算 採択
最上小国川ダムへ国の予算が採択された。2億4千万円。設計費とか。
さくらんぼテレビで放映された映像より。
以下、真の治水を考える会事務局長としてプレスリリースした。
07/12/20 17時14分47秒
報道機関各位
最上小国川ダム建設事業についての国の予算の採択について
最上小国川の“真の治水”を考える会
事務局長 草島進一
●先ず、今般、国が受け止めたのは、本当の民意ではない。でっちあげられた民意。であるといいたい。ダムありきで進めた流域委員会、「日本一環境にやさしい穴あきダム」などと、根拠も示さずに、(未だに県から回答がないが)情報を操作し、住民会長などによって強制的、強圧的に集められた署名は本来の民意とは異なる。
●川辺川同様。漁業権を有する小国川漁協の反対の中で、今年度も調査の際、河道内に手を一本もふれられない状況の中でよく採用したものだと思う。
●世界遺産の運動が進む最上川支流の中で、唯一ダムのない清流である小国川である。天然鮎が数多く溯上し、子供たちが喜んで泳げる川は県内、他に見当たらない。次の世代に手渡したい「山形の遺産」というべきこの清流環境をもつ川を、県民・国民の税金で破壊して、本当に失ってしまっていいのか。税金を支払っている。県民のみなさんにもう一度、考えていただきたい。
● 治水の代替プランは全くの検討不足のままであり、多くの可能性がある。県、国は先ず「ダムありき」で突き進み、根拠もなく「穴あきダムは環境にやさしい」などと広報して、河川環境の影響を認めない。こうした県、国の姿勢は許せない。 財政難の中、まさに目先の利権に集う形で、旧体然とした公共事業というべきダム事業を押し進めて平然としている斉藤県政、また地元国会議員を私たちは許さない。
● 今後、漁協と力を会わせて、また、国内外のNGOのネットワークや心ある国会議員、研究者らとともに運動を強化する。私たちは、次の世代に、美しい清流を活かした、真に持続可能な経済を育む地域を手渡したい。
「利権に集う方々」と「理念に集う僕ら」が、いかに闘っていくか。これからが正念場だ。
県へ情報公開
本日は先日公開質問状への回答で納得のいかなかったダム関連の情報公開請求したものを受け取りに県へ。希望したものと、県の用意したものが違っていたり、また、膨大なデータ資料をCDではなく、紙に打ち出したものを資料提供する仕組みのため、高水関連資料だけで500頁ぐらいになっており、唖然。結局9600円程かかって960枚、箱一箱の資料を入手。やれやれ。
他の県の情報公開制度では、CDデータであればCDのコピーをおこなって資料提供したり、また、資料の紙資料をPDFやワードにしてCD-Rに焼いて開示提供するところもあると聞いている。
以前、こんなニュースもあった。
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電子データとして記録されている公文書は印刷しないと開示できないとした決定は、時代遅れで無駄だとして、松山市の地図製作会社が水戸市を相手取り、決定の取り消しなどを求める訴えを水戸地裁に起こした。データをCD—ROMなどに複製して引き渡すよう求めている。同社は同様の訴えを栃木、岩手県でも起こしている。(毎日新聞)
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この会社の主張はある意味で正しいといえる。
「情報は、民主主義の通貨である」とは米国消費者運動 緑の党党首ラルフネーダの古い言葉だ。
アメリカでは、一九六六年に「情報自由法」が制定され、一九六六年に電子情報についての運用上の諸問題に関して改正した。目的は、連邦政府の電子情報への公衆のアクセスの拡大と公開請求処理の遅延の改善、つまり、インターネット等、電子情報の使いやすさを増し、処理の遅さを改善する点にあり、要点は以下の五点にまとめられる。
(1) 情報の定義に「記録」(record)の一項を追加し、電子情報を含むことを明記。
(2) 自動的公開義務が課されている、行政機関の最終意見・命令、政策声明・解釈などについて、1999年末までに、コンピュータ通信手段により利用できるインデックスを作成し、さらに1996年11月1日以降に作成された行政機関の最終意見などは、1年以内に、コンピュータ通信手段その他の電子媒体によって利用できるようにした。
(3) 公開の媒体は請求者が希望する形式・フォーマットで変換することが容易であればその形式・フォーマットで公開することを明記した。
(4) 電子情報の一部公開の場合に、削除した情報の量を明記し、技術的に可能ならば、削除した箇所も明示した。
(5) 公開請求の手引きとなる資料やガイドを作成し、公衆の利用に供する様規定した。
The Freedom of Information Act の説明より引用。
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山形県の情報公開、せめて電子データをそのままCDコピーで開示できるように改正すべきだ。まずは。
帰路。月山道は雪。マイナス1度。湯殿山スキー場にも恵みの雪か。
役所は今日が仕事納め。皆様良いお年を。来年もよろしく。
嶋津さんの指摘。河川行政の民主主義
朝日新聞に以下の意見が掲載された。最上川水系流域委員会にも共通した、「非民主主義的な流域委員会」を指摘したものであるので参考まで転載する。
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私の視点「河川行政 住民参加の機運止めるな」
嶋津 暉之 (水源開発問題全国連絡会共同代表)
河川行政の民主化をめぐる国交省の姿勢が後退している。官僚主導を弱め、流域の自治を重視する先進例として注目を集めてきた「淀川水系流域委員会」を、委員の任期が切れる来年1月に「休止」させる方針を表明したが、私たちはその影響の大きさを危惧せざるを得ない。
民主化の動きは、利水計画が破綻したにもかかわらず、運用が強行された長良川河口堰の反省が契機となった。官僚主導の河川行政への厳しい批判を受けて97年に河川法が改正され、住民意見の反映が盛り込まれた。その後、河川整備計画を立てる際、審議に住民を加える手法が広がり、昨年秋の時点で、委員を公募した1級河川の流域委員会は全国で15に増えた。
そのモデルケースが、淀川水系の河川整備計画のあり方を議論してきた淀川水系流域委員会である。同委は国の計画案の追認ではなく、一から議論を積み上げ、発足から2年後の03年、五つのダム計画すべての中止を提言した。
提言に説得力があるのは、運営方法が民主的だったからだ。必ずしも公共事業に好意的とはいえない人を含めた第三者の有識者でつくった準備会議で委員を選び、一般公募の委員枠も設けた。事務局は役所に置かず民間機関に委託し、審議内容と資料は全面公開された。傍聴席からの発言も認められ、市民団体のメンバーが「利水上、ダムは必要ない」との主張をデータに基づいて説明したことが審議に影響を与えたとされる。
今回の突然の休止方針は、「『脱ダム』がほかの河川に波及することを恐れた、先進モデルつぶし」と考えざるを得ない。
住民参加の道を閉ざす国交省の姿勢がより強固になったケースも目立つ。
三つのダムや遊水池の大規模掘削などが計画されている利根川水系の河川整備計画づくりをめぐって、私たち市民団体は、流域の生態系や自然再生などに詳しい住民の意見を反映させるべきだとして、「淀川方式」をモデルにした流域委員会を設置するよう要望してきた。しかし、国交省からは「検討中」という返事しかなく、先月下旬に公表された委員の構成は、河川工学などの専門家と地元のマスコミ関係者だけが選ばれ、名称も「有識者会議」となった。
住民の意見を聴く方法として、国交省は「公聴会を開催する」としているが、公聴会は意見を述べるにとどまり、国交省案を変えていくのに必要な科学的議論はできない。住民が議論に直接参加できるよう保障することは、改正河川法の生命線ではないか。
今月4日の初会合では、委員からも「改正河川法の趣旨にそぐわない」などと批判が相次いだ。18日の第2回会合では、公聴会の回数を増やす方針が示されたが、議論を封じる公聴会方式のままでは基本的に何も変わっていない。
国交省の姿勢が後退している背景には、長良川河口堰で苦い経験をし、その後中枢を担った官僚が次々と退職していることも影響しているようだ。住民と一緒に河川行政を進めていく機運を、ストップさせてはいけない。河川法が改正された原点に立ち返り、「淀川方式」を広めていく方向に舵を戻すべきである。
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以前にも指摘したとおり、淀川流域委員会の委員長の今本先生は、最上小国川ダムの件で、土木部長と折衝した先生である。
「たった6回の小委員会、本委員会も2回のみ。議事録をみてわかったが、小委員会も治水論について議論したのはたったの2回だけ。そんな最上川水系流域委員会は形骸化した委員会そのもの」と先生は言及された。
5年間500回もの議論を積み重ねていた淀川流域委員会の真摯な姿勢。これは長良川を教訓に生まれたこの国の新しい宝だと思う。治水論をめぐるこうした議論の積み重ねに比べれば、山形県や知事判断の不真面目さが浮き彫りになってくる。
今本先生は「これだけのすばらしい川をめぐる議論として、本当に情けない」ともおっしゃってらっしゃった。私たちは、知事に、こうした流域委員会の常識を伝えるために知事面談を申し入れていたのだけれど、「会う気すらない」ような姿勢を見せ、国土交通省のデータだけの情報で判断したことに僕は怒り心頭なのである。