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カテゴリー: 憲法を語ろう

持続可能といえる社会を目指すにも、憲法を守れ!安倍政治を許さない!


本日8月6日、広島原爆投下の日。

安保法制=戦争法案の参議院の議論が続いています。「法的安定性は関係ない」などと堂々と言及した磯崎補佐官。今週冒頭のあのような答弁で幕引きはないと思います。

国会では法案上で、4日に他国軍への後方支援の際、自衛隊が提供できる「弾薬」について、政府は法律上、ミサイルも提供できるという考えを示しました。

そして5日は、核兵器、化学兵器、毒ガス兵器は輸送可能か」と問われた中谷氏は、「法律上は排除していない」と答弁。内閣法制局長官は「憲法上、核兵器を保有してはならないことではない」と答弁。

非人道兵器をなんでも運べる法案が今般の戦争法案であるということが明らかになった。ということです。

全くとんでもない話。憲法違反だらけの安倍政権は退陣を。

そして、市民社会の運動をもっと前へ。

今、改めて憲法前文を僕らはもう一度かみしめましょう。

 

日本国憲法前文。

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものてあつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

 

本日は広島の日。一瞬のうちに命を奪われた14万人もの命への黙祷とともに、憲法を改めてかみしめる日に。

 


法的安定性が関係ない!?何て?


 

安倍総理の磯崎補佐官の発言

なんだろう。この発言は!? そしてこの自信ありげの態度は。

首相補佐官の演説。この姿勢こそ安倍政治。

「憲法で書かれていないから大丈夫」という、外見的立憲主義。

そして「法的安定性は関係なし」とは?

完全に法治国家の政府の発言ではなくなっている。

参議院28日の質疑で民主党の福山参議院議員が「更迭すべき」と追求。行政府の人間として法的安定性は関係ないなどという発言は、閣議決定違反ではないか。とも伝えている。当然だ。憲法の法的安定性を行政府が保てないとしたら大問題。憲法違反の磯崎補佐官はただちに更迭すべきだ。

 

 

 

 

 

 


安保法案は違憲。立憲主義の視座ーわかりやすい長谷部教授の論。


 

 

以下、安保法案について、6月4日の衆院憲法審査会で「集団的自衛権の行使は違憲だ」と発言した自民党参考人の長谷部恭男・早稲田大学教授に高知新聞がインタビューした記事です。

実にわかりやすいし、これこそ立憲主義の視座であると感じました。

 

ぜひご一読を。

 

 

集団的自衛権丸ごと違憲 高知新聞が長谷部・早大教授にインタビュー

2015年06月10日07時58分

解釈変更の拡大懸念 

 国会で審議中の安全保障関連法案について、6月4日の衆院憲法審査会で「集団的自衛権の行使は違憲だ」と発言した自民党参考人の長谷部恭男・早稲田大学教授(58)が高知新聞のインタビューに応じ、「憲法9条があるのに集団的自衛権の行使を認めることはあり得ない」と述べた。行使には憲法改正が必要と強調し、解釈変更によって進める安倍政権の動きを「末期的だ」と厳しく批判した。 

 長谷部教授は集団的自衛権の行使に従前から反対している。 

 インタビューの中で長谷部教授は、安全保障関連法案の成立を目指す自民党の推薦ながら国会で「違憲」と述べた理由について「聞かれたから、自分が思う通りに話した。集団的自衛権に関しては丸ごと違憲だ」と語った。 

 現行憲法では集団的自衛権が行使できないのは「歴代の政府が言ってきたこと。(今回の安保法制は)次元が全く違う。まっとうな手段じゃない」と反対の立場を強調し、「安全保障環境が以前より危険だというなら、日本の限られた防衛力を地球全体に拡大するのは愚の骨頂だ」と指摘した。 

 解釈変更で事実上の憲法改正を進める現政権の動きを「異常だ。変な国になる」と強く反発。仮に集団的自衛権が行使可能になったとしても、「イスラム国の掃討作戦には参加しない」とした首相発言に対し、「今の首相がそう言っただけ、という話になる」とし、時の権力者によって解釈変更が拡大する懸念を示した。

 ホルムズ海峡にイランが機雷を敷設するという想定も「考えられない。全くのファンタジーだ」と述べた。 

 長谷部教授はさらに「憲法が再び根本的に変われば大戦争が起きる可能性は常にある」「憲法のことを日々考えずに済む国民は大変ハッピーだが、今回は根幹を変える話。いずれ日々考えるようになるかもしれない」と述べた。 

 また、審査会後に与党から「人選ミス」との声が出たことについては「99%の憲法学者が違憲との立場。(人選ミスと言うなら)合憲だという学者を探してください、という話。立憲主義について語る素養があって、かつ、合憲だと言える人がどこにいるのか」と強く反論した。 

 取材は8日、東京の早稲田大学で行われた。 

  はせべ・やすお 憲法学者。憲法学の権威と言われた故芦部信喜・東大名誉教授の門下生。1979年東大法学部卒。学習院大教授、東大大学院教授などを経て、2014年から早稲田大学法務研究科教授。議論を呼んだ特定秘密保護法には賛成し、特定秘密保護法案の国会審議では自民党推薦の参考人として意見を述べた。著書に「憲法と平和を問いなおす」「憲法とは何か」など。広島市出身。58歳。 

異常な解釈改憲 

 「集団的自衛権の行使は違憲です」。憲法学者の長谷部恭男・早稲田大学教授(58)は高知新聞のインタビューの中で、4日の衆院憲法審査会と同様、集団的自衛権行使を可能にする安全保障関連法案を「違憲」と断じた。一内閣の解釈変更によって憲法を事実上変えていく動きを「異常」とも言う。衆院審査会での発言の真意や安全保障関連法案の問題点、立憲主義とは何かなどについて、じっくり語ってもらった。  

▼集団的自衛権 9条で認められず 

 ―4日の衆院憲法審査会に自民党の参考人として出席し、安全保障関連法案については「集団的自衛権の行使が許されるとした点は憲法違反だ」と述べました。自民党側から(発言内容に関して)何か事前に要請はありましたか。 

 「あまり知られていませんが、参考人が何党の推薦を受けているのかは、実ははっきりと分からないことが多いのです。(衆院の)事務サイドから連絡が来るので。特定秘密保護法のときも参考人として(国会審議に)出席しましたが、自民党の推薦だと言われたのはその場です。今回も『自民党かもしれない』ぐらいのことは、ぼんやりとうかがっていましたが」 

 ―長谷部さんは以前から、著書などで集団的自衛権の行使に反対していました。 

 「その点は変わっていません。今回の安保法制も、集団的自衛権に関しては丸ごと違憲です。条文の形になっているのは法案の一部ですが、核心的部分ですからね」 

 ―具体的には。 

 「自衛隊法改正案がそうです。『存立危機事態』でも防衛出動を命じることができる、というのは、明らかに集団的自衛権の行使を想定しています」 

 ―「後方支援」についても、戦闘地域と非戦闘地域の線引きがなくなる、と言われています。 

 「従来の政府見解として、いわゆる『大森4要素』があります。現場指揮官がその場その場で判断するのは困難なので、『戦闘地域』と『非戦闘地域』に明確な線を引き、後者の範囲内で活動すると。そうすれば武力行使との一体化の恐れはないとされてきました」 

 「今は国会で『弾薬も提供する』とか、『発進中の航空機の給油もする』とか言われますが、常識的に考えれば一体化してますよね。『戦闘現場でのみ自衛隊は後方支援活動をしない』と言うだけでは、一体化を避けるのは無理です。戦争とは生き物。どんどん動きますから」 

 ―これまでも憲法解釈を通じて自衛隊活動は広がってきました。過去の問題と今回の安全保障関連法案は、どう違うのでしょうか。 

 「全く次元が違いますね。憲法9条によって(日本の)武力行使は原則ゼロになっています。しかし国民の生命、財産も守れない、というわけにはいかない。それはどこの政府も最低限やる活動だろうということで、『9条の範囲でどこまで許されるのか』で個別に法律を作ってきました。その際も9条があるから、認められるのは個別的自衛権。わが国が外国から攻撃されて、ほかに手段がないときは最低限の実力行使は認められるという話でした。これは憲法の原則が広がったことを意味しません」 

 「しかし、集団的自衛権は早い話、他国の防衛のために武力行使をすること。9条があるのに、これを認めることはあり得ない。いや、これは私だけが言ってるんじゃなくて、歴代の政府がずっとそう言ってきたのです。集団的自衛権を行使するなら憲法を改正しないと駄目だ、と繰り返し確認されてきた話です。解釈を変えるのは、まっとうな手段とは言えません」 

 ―長谷部さんは「現行憲法に改正すべき点は見当たらない」と著書で述べています。 

 「今のところはそう。与党の皆さんは『安保法制が通れば日本はより安全になる』とおっしゃるけど、そんな保証は全くない。仮に安全保障環境が以前より危険だと言うなら、日本の限られた防衛力を地球全体に拡大するのは愚の骨頂。サッカーで自陣のゴールが危ないのに選手を敵サイドに分散させるチームがありますか?」 

 「米国に軍事協力をすれば、日本の安全保障にも参加してくれると希望的観測を抱く人もいるようだけど、それは甘い。米国は自分の国のためにしか軍隊を動かしません。どこの国もそうです。さらに米国は本格的な軍事行動に連邦議会の承認が必要で、大統領制下では議会が政府の言うことを聞くとは限らない。日本の国会承認とは全く違うものです」 

 ―安全保障関連法案が成立すれば、軍拡競争につながるという懸念の声もあります。 

 「与党の方々は『抑止力を高める』とおっしゃるが、こちらが高めると、向こうはさらに軍備を増強するかもしれない。第1次世界大戦も第2次世界大戦も、抑止力競争の結果として始まりました。『抑止力を高めれば平和になる』というのも希望的観測です」 

 ―歴史を振り返っても抑止力競争の行き着く先は、戦争ということでしょうか。 

 「抑止力を高めても安全になる可能性はない、とは申しません。より危険になる可能性も少なくとも同じ程度あるということです。日本周辺の安全保障環境はそんなに変わっていないはずですがね」 

  【大森4要素】 自衛隊の海外派遣に際しては、他国軍の武力行使と一体化するのではないか、との懸念がある。その一体化に関する政府の判断基準を示したもので、1997年に大森政輔・内閣法制局長官が国会で答弁した。「大森4要件」とも呼び、①自衛隊と他国軍の地理的関係②自衛隊の活動の具体的内容③他国の武力行使に当たる者との密接性④協力相手の活動の現況―の四つを総合勘案し、個別に判断するとの内容。憲法9条の下で、海外へ自衛隊を派遣する場合に用いる、とした。 

▼平和主義 憲法の根幹変わる 

 ―憲法改正をめぐっては、いかに適正な手続きを踏んでも、改正できないものがある、との考えがあります。例えば、人類が積み上げてきた基本的人権の尊重などです。 

 「それはそうだと思います。(どんな改正があるにせよ)平和主義の原則は入るべきでしょうね」 

 ―集団的自衛権の行使を可能にする憲法改正は。 

 「それはできます。集団的自衛権はアメリカもイギリスもフランスも行使していますしね。極めて限定的なものなら、集団的自衛権も平和主義の大原則と両立する、と言う人もいるかもしれません。国民投票で承認を得ようとするなら、過去の戦争の歴史も含めて一生懸命説明し、それで集団的自衛権を行使しようとなれば、憲法学者がどうこう言う話ではありません」 

 ―現状はその過程を飛ばし、解釈で事実上の改正をしようとしています。 

 「憲法とは、そのときたまたま首相になった人の考えで、やたら動かしてはいけない。そのための憲法です。だから、なかなか変えにくくしているのです。安倍首相は今のサミット(先進7カ国首脳会議、ドイツ)で『人権、民主主義、法の支配を守る』とおっしゃったけど、法の支配を守るなら、今の憲法を守るべきです。自分で破っておいて『守る』とは。言ってることと、やってることが違います」 

 ―長谷部さんは「戦争とは憲法と憲法の戦い」だと述べています。 

 「憲法が違うと、最悪の場合、戦争が起きるのでね。どの国と仲良くするかを決めているのは憲法なのです。かつて、憲法の違いから(日本は)アメリカと戦争をして、ポツダム宣言で『戦争を終結したいなら憲法を根本的に変えろ』と言われたわけです。憲法が再び根本的に変われば、大戦争が起きる可能性は常にあります」 

 ―一方、私たちは日常生活で、そこまで憲法を深く意識していません。 

 「日々の生活との関係は薄いし、もっと大事なことだってあるでしょう。『夕飯の献立の方が大事だ』と。私もそう思います。実は、憲法のことを日々考えなくて済むのは大変ハッピーな国民なんですよ。ただ、安保法制は憲法の根幹を変えるという話。いずれ、憲法のことを日々考えることになるかもしれない。今は夕食の献立が大事だけど、5年後はそんなこと考えていられない、となるかもしれません」 

 ―選挙で政治家を選ぶ際の基準も、憲法は上位ではありません。 

 「まず経済。どこの国もそうです」 

 ―経済に引っ張られて最終的に憲法が変わり、国が変わったという例はありますか。 

 「まさにヒトラーがそう。政権を取って景気が良くなりました。大規模な公共工事をやって、失業率はどんどん下がった。でも、日本では国民1人当たりの所得はここまで上がっているので、再び独裁制になるとは思いません」 

 ―それでも、ふと気付くと、深刻な変化に気付くことはあり得るのでしょうか。 

 「ああ、あのときだったか、とね。今回は一つのポイントだと思います」 

 ―憲法の事実上の改正を解釈変更によって行うことが、なぜ駄目なのか。あらためて聞かせてください。 

 「要するに『変な国』になっちゃう、ということ。憲法は他国と交渉する際の、最後のよりどころです。『憲法にこうあるから無理だ』と言えてきたのを『いや、それは自己都合で変えられる』って天下に示したわけですから。今後は『じゃあ解釈を変えればいい』と言われますよ」 

 ―憲法のありようは私たちの内面と関わっているのでしょうか。 

 「人の生き方、考え方はそれぞれだから、それを公平に認めようというのが今の日本国憲法です。しかし残念ながら、与党にはその考え方自体が気に入らないという方々がいらっしゃるようです。だから憲法を変えて、人々に同じ考えをしてもらおうとするのは困ります。また戦争をしないといけなくなるので」 

 ―人の心を縛るような改正もあり得るということですか。 

 「人の内面を縛るのは一種の革命信仰です。制度を変えれば人民の精神を革新できる、皆が『正しい人』になるという信仰は、実はどの時代にもどの国にもあります。マルクス主義もフランス革命時のジャコバン独裁も、ナチズムもファシズムもそうでした。そんなに珍しくなくて、特にエリートの中に結構いるんですよ」

 ―憲法審査会で参考人が全員「違憲だ」と主張し、自民党委員が党幹部に「人選ミスだ」と怒られたとか。 

 「かわいそうに。『だったら、あなたが探してきてくださいよ』という話でしょう? そう簡単には見つからないはずです。立憲主義について語る素養があって、かつ合憲と言える人って、どこにいるのか、という感じですから」 

 ―そんな法案が国会で審議され、与党側はなお「合憲」と主張しています。 

 「末期的ですね。何の末期かは分かりませんが」 

▼審査会参考人 学者の99%「違憲」 

 ―衆院憲法審査会の後、政府・与党側から参考人の「人選ミス」との声が出てきました。安全保障関連法案を合憲という憲法学者もたくさんいる、と。実際、いるんでしょうか。 

 「圧倒的多数、99%の学者は違憲の立場ですよ。少なくとも集団的自衛権はそう。残る1%はどんな人かと? 私の口からは申し上げられない。あまり付き合いもないし、学会でも会わない…。かなり偏った立場です」 

 ―国会議員や閣僚には憲法99条で憲法の尊重擁護義務があります。その人たちが自らその枠をはみ出そうとしています。 

 「異常です。憲法の枠を外そうとして、それがどこまで広がるかも分からない。枠自体をなくす法案の審議は今までにないことです。例えば、集団的自衛権が認められれば、自衛隊はホルムズ海峡で機雷掃海ができると言う。しかし、それ以上のことはできないかというと、その保証は全くない。安倍首相は『イスラム国の掃討作戦には参加しない』とおっしゃったけど、今の首相が今そう言っただけ、という話になります」 

 ―ホルムズ海峡の機雷掃海は個別的自衛権で対処できる、という主張もあります。 

 「あり得ます。(4日の衆院憲法)審査会でそう発言した小林節先生(慶応大名誉教授)に対し、北側一雄さん(公明党副代表)が『国際法はそういう使い方はしない』とおっしゃっていたけど、これは日本国憲法の問題です。日本の憲法で個別的自衛権だと考えられているものだけが認められる、という話。日本を防衛している米国艦船が外国から襲撃を受け、日本が反撃するのは当然ありですが、それを『集団的自衛権だ』と言う人が『だから使えるように』という議論は全く説得力がありません」 

 ―ホルムズ海峡の一部はイランなどの領海です。他国内に置かれた機雷を、自国の個別的自衛権によって除去する行為は無理ではないのですか。 

 「両論あり得ると思います。ただ、イランが機雷を敷設する可能性はない。イラクで『イスラム国』掃討の力になっているのはイランの革命防衛隊です。今後、アメリカはイランと協力することはあってもけんかは考えられない。『日本に原油が来なくなったら?』なんて、全く非現実的なファンタジーです」

  「合憲という学者、どこにいるのか」と強調する長谷部恭男・早稲田大学教授(東京都新宿区の早稲田大学)

 

 


憲法を考えるー佐高信先生のメルマガより


以下、酒田出身 佐高信先生のメルマガより抜粋します。

メディアもコントロールされている今、貴重な視座をご提供いただいているメルマガと思っています。

購読料は月864円です。

http://www.mag2.com/m/0001634907.html

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1・筆刀両断 自民党改憲案を徹底批判する小林節

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6月12日に東京は神田駿河台の連合会館で

「安倍‘壊憲‘政治をストップする!」集会を開く。

名うての改憲派の山崎拓(自民党元副総裁)と小林節(慶大名誉教授)が、

それぞれ、早野透(桜美林大教授)と私を相手に

「安倍晋三の大暴走に猛抗議する」対談をやるのである。

 

主催は憲法行脚の会。

 

 

ここに小林の「自民党改憲草案集中講義」というパンフレットがある。

『日刊ゲンダイ』の連載をまとめたもので、

かつて小林は自民党のブレーンだっただけに非常に説得力がある。

つまり、小林は改憲派だが、安倍流の壊憲には大反対なのである。

まず、自民党の改憲案は、要するに明治憲法に戻ろうとする

「時代錯誤」の一語に尽きると批判する小林は、

権力担当者を縛るのが憲法なのに、

国民全体を縛ろうとする憲法観が大間違いだとし、

まさに「大日本帝国の復活」を望む自民党の憲法マニア議員たちには

「自分たち権力者が憲法を使って民衆をしつける」

という姿勢が見え隠れすると指弾する。

小林はさらに、高名な「自民党の御用評論家」が

次のような発言をしている場に少なくとも3回同席した、と語る。

 

「日本国憲法には『権利』という言葉が20回以上も出てくるのに

『義務』という言葉はたった3つしかない。

この権利偏重の憲法が今の利己的な社会をつくった・・・」

商工会議所や青年会議所でも同じような発言を聞いたが、

これは大きな間違いである。

 

そもそも憲法は国家権力の濫用から

国民各人による幸福追求を守るためのものであって、

そこに「権利」の規定が多く、

国家に従う「義務」の規定が少ないことは当然なのである

と説く小林の試験を受けたなら、

自民党などの改憲派ならぬ壊憲派はすべて落第ということになる。

 

これは憲法観の違いなどではなく、

憲法のイロハさえ知らぬということなのである。

 

 

法と道徳を混同している落第生たちは改憲案で

「家族は互いに助け合わなければならない」と命ずる。

 

しかし、これは余計なお世話で、憲法でこう規定したら、

離婚は明白に憲法違反になってしまう。

イロハさえ理解していないから、

珍妙なことを大真面目に強調するのである。

 

彼らは、わが国の憲法改正条件が特別に厳しいなどと言うが、

これについても小林は次のように一蹴する。

 

「わが国の改憲手続き条件は他国と比較して特に厳しくはない。

現に、アメリカ合衆国憲法では、

上下各院の3分の2以上による提案に加えて、

全米50州の4分の3以上の州の承認を個別に得ることを条件としている。

これは明らかに日本より厳しい」

 

そして小林は付け加える。

自民党の改憲案のお粗末さに改めて驚かされた、と。

 

「憲法の意味がわかっていない」というか、

「わかろうとしていない」のである。

だから逆に恐ろしいのである。

—————————-以上、引用ーーーー

ものすごく解りやすく、憲法の本意を伝えて下さっていると思います。

「そもそも憲法は国家権力の濫用から

国民各人による幸福追求を守るためのものであって、

そこに「権利」の規定が多く、国家に従う「義務」の規定が少ないことは当然なのである」

ここが大事なところだと思います。国民各人による幸福追求を守るための憲法が

根本から覆そうとしている。これが今自民党がおこなおうとしている改憲。

再びこの絵を使いますが、憲法解釈

たまたま、権力をにぎった政権が、変なことをしないように、特に国民の基本的な人権や主権者であるということを乱さないように、国民が縛りをかけておくための憲法。立憲主義とはまさにそのことであるにもかかわらず、このこと自体が全くわかっていない人達が改憲と騒いでいるのだと考えます。

先日、「母べえ」がテレビで再放送されていました。治安維持法で 思想犯として捕らえられた、帝大の教授が牢屋にいれられ死んでいく。血も涙もない社会がそこにありました。隣組で隣を監視しあって反する者があれば憲兵に引き渡す。権力者たちは横暴を尽くす。完全に狂った社会がそこに映し出されていました。「狂った社会」を良しとする人たちが戦争を引き起こそうとする。そしてそれを決めた人達は絶対に死なないところが確保されている。戦場に放り込まれるのは、普通の幸せを求める普通の市民です。絶対に二度とあんな社会をつくってはならない。監督の山田洋次さんをはじめあのディテールを演じた方々が心の底で訴えたに違いないと思います。以前、市議会時代、今も解決していない治安維持法の犠牲者の方々の権利を訴える討論で、僕は「母べえ」をとりあげました。請願者からは感謝のお手紙をいただきました。

 僕が妻と出会って一緒に初めて見に行った映画が母べえでした。重い映画だったが、なんだかとても打ち解けた事を覚えています。

幸せを追求する弱い立場にある国民、市民を、権力の横暴から守る事が憲法の役目。

私たちは、やはり彼らに憲法を守らせないといけないのだ。と思うのです。