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一般質問2、地下水政策について
水道水源について
水道水源が、地下水100%から月山ダムの水に切り替わってもうじき7年になります。 旧鶴岡市で昭和8年に当時最高の技術で地下水をくみ上げる井戸を集約して水道施設をつくり、それ以降地下水100%の水道水を供給してきた赤川に隣接する水源地の界隈には、浅井戸の他、28本の深井戸がありました。2001年、10月の月山ダムへの水源切り替えから、市は、我々の制止の声を無視したまま、次々と21本の井戸を埋め戻したため、現在は7本の井戸を残すのみではありますが、その井戸でダム水へのブレンド、災害時の緊急水源、又、地下水販売所のための計1万トンを確保し、現在も使用されております。
最近になって、赤川沿いの水源地周辺、斎藤川原、砂利採取がおこなわれております。以前は砂利採取は水源地隣接地では自主規制のようなかたちで、おこなっていなかったわけですし、現在も災害時用の水源の隣接地であります。砂利採取は農業委員会が設置する砂利採取協議会で決定されると聞いていますが、その中で水道水源への影響についての判断は水道部が意見を述べていると伺っています。水道部は、何を判断規準として砂利採取を許可されているのか。うかがいます。
● 水道部長
はじめに地下水政策についてですが
議員、お尋ねの趣旨は、現在、鶴岡水源周辺で砂利採取がおこなわれていることから、地下水への影響を懸念してのものと思いますので、そうした観点からお応えをさせていただきます。
平成13年、10月20日、県、広域水道用水受水までの本市水道事業の主な水源は、伊勢横内地区を中心とした周辺域の地下水で、その取水は、市有地の他に民有用地の一部をお借りしておこなっておりましたが、農地に設置された井戸が農作業の際、じゃまになるなどの理由から早期撤去を求められ、また、水源保護のため、周辺農家の方々から協力をいただき、自主規制とする、田所改良のための砂利採取についても、農業機械の大型化にともない、耕版の浅い水田などでは、ロータリー歯の破損や、摩耗が多いことから、早期改良が求められていたのであります。しかし、早くに計画されていました、広域水道用水の共用が遅れましたことから、当初、水源周辺農家の方々と約束しておりました、借地の早期返還、田所改良のための自主規制の早期対処についても遅れていたのが実情であります。
そうこうしている平成13年、10月20日、ようやく念願でありました、広域水道用水からの受水が実現し、安定した水量と、水質が確保されましたことから、平成14年には、砂利採取の自主規制を解除し、同年12月には借地井戸の撤去と、借地変換をおこなったところでございます。こうした成果を踏まえて、自主規制解除後、これまで鶴岡水源周辺におきましては、何件かの砂利採取がおこなわれておりますが、以前、水道部が依頼しました、鶴岡水源拡張計画の調査報告によりますと、地下水は地下何層かの水脈によって構成され、その間にはこれまた何層かにわたる不透水層、これは、水を通さない、もしくは、通しにくい粘土、シルト、岩盤の層でありますが、存在しているとされています。こうした中、鶴岡水源で最も上層に存在する不透水層、いわゆる第一不透水槽でありますが、これが下層の方にいきますと、第二、第三、第四、第五とゆう不透水槽でありますが、この第一不透水槽は、おおむね、10メートルを超える深さに存在しているとの報告がされておりますので、これを元に、水道部といたしましては、本市、砂利対策協議会の場において、砂利採取の深さを第一不透水槽にいたらない、10メートル以内にとどめていただくよう、お願いしているところであります。
なお、水道部では、鶴岡水源の水質と水位について、水道法にもとずき、定期検査と観測を現在も続けて行っておりますが、砂利採取前と、その後とは、変化がないことは、確認しておりますので、砂利採取の影響はないものと考えております。
▽
▽ まず地下水資源についてですけれども実際に今、掘削されている場所は深度が10メートルであります。
で、この場所で隣接する水源にある井戸のストレーナ(つまり穴ですが)の位置は深さ11メートルからとか、12メートルでありまして、これが干渉しないという根拠はどこにもありません。
それから、昭和55年に発表された柴崎レポートによれば、この地域は水源地今、7本ですけれどもこの井戸に向かう地下水のこの第一帯水層の水の流れで計算するとですね、上流部からはいってくる。まさに、今、掘っているところからはいってくる水をこの図は示しております。それから、赤川から来るものだけではないということもこの図は示していると思います。
このレポートには、砂利採取時の地下水の汚濁および、埋め戻しに使用した土砂の性質によっては、地下水を汚染する可能性が十分ある。現に、神奈川県、座間市の水道水源井戸では、周辺の砂利採取後の埋め立て土の影響で、水源に、鉄、マンガンが多量に含まれるようになり、水質処理に高額の費用を投ずるようになった事例がある。
水源地上流部の砂利採取は好ましいものではなく、規制が必要だ。と当時からご指摘いただいております。
このレポートで述べられている事を勘案しても、現在の水道部の判断は非科学的で乱暴なものであると私は思います。
この水源地で採取できる地下水は、鶴岡市内、赤川扇状地で最も良質な水源であります。対岸の企業がこの水をそのままボトルにつめて、ボトルドウォーターとして全国販売しておりますし、外内島にある今や全国的な人気店であるレストランもこの水源と同様の地下水あってこそ、食の都鶴岡にふさわしい料理ができるのであります。
更にこの水源は一部をとっても25万トンの持続性補給量があると推定された水源です。今、良質で大量の地下水が採取できる、この地域の貴重な地下水資源を失いかねない、行為がおこなわれはじめていると私は思います。
私は、この地下水資源こそ、先人から受け継いだ、市民の暮らしを支え、産業を支える、まさに、今後の持続可能なまちづくりに貢献する、この地域ならでは大切な資源であると考えます。
そこで、提案をしますが、
予防原則にもとづいて、水源地から、特に上流部、隣接地数キロの周辺での砂利採取は規制する。
また、掘削深度を、現状10メートルのところを地下水に影響を及ぼさない範囲。3メートル以内にするなど、そうした規制が必要と思いますがいかがですか。
▽ また、こ の地下水については、今般策定されている総合計画の上でも、とりあげられておりますけれども、
「環境被害を未然に防止する」としておきながら、今、現状は、環境破壊になりかねない現状ををかかえているということです。
現状ではこの地下水の持続可能な利活用について、この地下水源について長年調査をおこなってきた学識者も伴わず、地下水盆の継続的な調査もしないで、時には今般の水道部のような非科学的な判断が下されている現状と思います。
下流域と上流域が連携をして、地下水の涵養や保全につとめ、時には「農を守って水を守る」として農業者が地下水の涵養に努める。こうした熊本市をはじめとする地下水政策が進んだ地域と比べると、全く管理されていない。実に恥ずかしい状態であります。次の世代にこの地域の優秀な資源を手渡すためにも水文学者、又、地下水の水収支の研究者などをいれ、実際の調査も含めながら、この地域の、総合的な本質的な、地下水管理をすることはまさに次世代に対する我々の責務であり、急務であると思いますが、いかがですか。これをお尋ねします。
● 砂利採取の影響はないということでお話したわけですが、なお、議員は採取を規制する必要があるのではないか。深さは3メートル以内にすべきではないかということでありますが、まず根本的に、この砂利採取を規制する。現在の法律では規定されておりません。あくまでも自主規制ということで、水道部はお願いをしてきたという経過がございます。あともうひとつ。埋め戻し材の関係でございますが、これについては砂利採取法の中でその埋め戻しをする際には、赤土、岩土で地下水の影響がない条件が付されていることをご理解をお願いしたいと思います。
自然こそ守るべき宝。ー川辺川ダム中止。
9.11 2008 同時多発テロから7年だが、歴史的な日だ。
川辺川ダム計画に、蒲島熊本県知事が、「現行計画を白紙撤回し、ダムに依らない治水計画を追求すべきであると判断した」と述べ。建設中止を求めたのだ。
僕は、予算委員会が終了し、議員控え室にもどって昼のニュースをみていたら、そのニュースになり、飛び上がった。小国漁協、関係者らに伝える。
嘉田滋賀県知事に続き、蒲島熊本県知事が、国から手厚い補助金がくる、ダム利権がおいしいしがらみよりも、自然こそ次の世代に手渡すべき宝」と判断した。「地域の自然資本こそ今失ってはならない宝」という明確な姿勢がみてとれる。勇気をもってこの判断をくだした知事と、これまで運動にかかわった皆さんに、拍手を送りたい。
9月議会開催!ーチームワーク
鶴岡市議会 9月議会がはじまった。
その朝、羽黒高校の教頭先生のお話を聞いた。先生はバレーボール部の監督をされている。生徒たちをいかに指導するか。ご自身、中学、高校、大学時代バレーボール浸けの中でみいたした指導方法。チームワークの手法。とてもいい示唆をいただいた。
すこしいただいた資料から抜き出しておこう。
チームモットー、「人間力」個々の能力を高め結び合う 心と心をつなぐ。技と技をつなぐ。特徴を磨く。チームワークとは、技術と技術。心と心がバランスよく、且つ強く結びつき、悪条件を良くするカバーリングできる集団のことである。
「パスしたら、自分の仕事終わり。で知らんぷりをしている。なーんていうことをさせないようにしています。パスしたらフォローにまわる。そこから、最後のアタックにチーム全員の力が宿り、神が微笑む力がでるんです。」とのこと。
現在、羽黒高校バレー部の目標は全国大会出場、ベスト8入賞。それに向けて常にコミットさせるシステムと技術。なにより指導者のものすごい情熱を感じた。「生活の乱れが運を逃す。勉強の怠けが将来をつぶす。栄養の不足が体を壊す。自己の限界を知り、それを乗り越えたとき自信が生まれる。限界を伸ばす。苦しんで苦しんで得たことが血となり肉となる。」これはすべての仕事に通ずること、そして人生に通ずることだと思う。うむ。山伏道にも続くかな。
さて、9月議会。総括質問。市長の答弁が諸々続いた。なんか、なにかを感じないな。
http://www.city.tsuruoka.yamagata.jp/gikai/
で議会中継が見れます。
私の一般質問は10日午後4時ぐらいからです。傍聴歓迎!
街頭演説ー動けば変わる。
八文字屋前に立つ。ここに立ちはじめて、かれこれ9年を超える。ラッシュアワーの車から手をふってくださる方がいらっしゃる。今日も終わりかけたとき「今の政治だば変えねばだめだ」と待ってくださる方がいらっしゃった。
その後、峰中あけのヒゲをそり、
今日は慶応大の鶴岡セミナーの発表会に参加。出羽三山の羽黒山、即身仏と対峙し、内藤先生のお話を聞いた学生の皆さんがまとめたプレゼンを聞いた。
諸々興味深い要素あり。こうした機会はとてもいいと思った。
様々な知性や感性をもった学生諸氏が、この三山と対峙し、新たな価値形成をする。
地元民も「へえ、そんな考え方もあったのかあ」と気づく。
そんな気づきあいが大事なのだと思う。
9月議会が明日からはじまる。そのヒアリングが続いた。
9月10日は僕の一般質問。よっしゃ!
秋の峰をあけて、、、。
羽黒山古修験道 秋の峰 業の7日間が明けた。午後6時半。2003、2007、2008と3度目の参加であり、3度位昇進。太多須嬉を授かる。
羽黒山、月山の、月読命をはじめとする八百万の神々の宿る拝所をめぐり、その神々に対して勤行を唱えながら様々感ずるところ、思うことがあった。今年も北は北海道から南は福岡まで、全国から163名の方がいらして胎内ともいえる峰中堂で一汁一菜、寝食をともにしながら業を積んだ。向き合うのは自分。今回自分でも驚いたのは南蛮いぶし中に勤行を声をだして読めるようになったこと。きついところから、今やっていることにフルにコミットして無心におこなっていると弱々しい殻を突き破って、力がみなぎってくる。
そんな体験を積ませて頂いた。
明けて、そのままの姿で、産土神である鶴岡、山王神社、荘内神社に参拝。
家族とともにひさびさの肉、魚料理を食す。
などとやっていたら、福田総理、退陣のニュースが流れた。
国の政治はもはや末期状態。
全国から、この体験を求めて人がやってくる羽黒山伏の修験道文化。
自然ー神ー仏ー人。その中にはまさに自然と人との共生の姿があった。これを背骨として、僕はわが鶴岡市を描きなおしたい。
今、政治は国民に絶望をまた投げかけた。政治は希望をつくるもの。
さて、鶴岡から、一歩、一歩。希望の社会をつくるのだ。
動けば変わる。
県知事への質問と新しい治水の常識。
先般、知事との夢未来トークで僕が問うた内容を記す。以下のふたつだ。
● 慶応大学先端生命科学研究所誘致の見通し。
鶴岡市は、毎年3億1千5百万円、山形県は、3億8500万円、毎年、
合計で7億もの公費を研究費用として投じている先端生命科学研究所でありますが、これまで7年間。50億円以上の公費を投じている。他の研究機関などにいきますと「ちょっと異常なのでは」という声も聞いておりますが、
市民、県民への還元について、どのように考えているか。
バイオ産業の見通しを、知事はどう考えているか。
● 最上川について世界遺産の運動をおこなっていることを紹介しておられました。最上川の環境を考えるものとして、支流の最上小国川についてうかがいますが、先般朝日新聞7月17日に、元京都大学防災研究所長の河川工学者、権威でいらっしゃる今本先生という方が、「穴あきダムは、歴史的愚行に他ならない。」という論を提起し、まさに、山形県が主張する「穴あきダムは環境にやさしい」といった主張に対して反論を呈しています。
● また、河川の治水に対して、例えば、徹底的にダムに拠らない治水のあり方を議論している淀川の流域委員会に対して、最上川の流域委員会の議論は、あまりにも議論不足であり、その中で知事は判断してしまいました。
県が、自然資本の真の意味を踏まえ、代替案まで真摯に作成して真の治水を議論している滋賀県、嘉田知事の姿勢と比べ、あなたの姿勢は、もうしわけありませんが、改革派知事とはいいがたい状況であると思います。
まず、穴あきダムによって、破壊される清流の、まさに自然資本の経済的な損失について、知事はどのように考えているのでしょうか。また、世界遺産たる最上川の支流の治水対策について、ダムによらない真の治水策についてもっとしっかり議論すべきと思いますが、いかがでしょうか。
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と問うた。この根拠には、以下、朝日に紹介されているような、真の治水のあり方についての流域委員会の議論が、淀川と最上川で全く違うということだ。
そして元国土交通省の技官。宮本氏が真実の治水のあり方について提起されている。
こうした議論こそ、真の公益的な治水の議論だと思う。
以下 引用す。宮本氏に大きな拍手を送りたい。
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朝日新聞関西版 2008年08月20日
【なぜ、どうしてもダムなのか 〜宮本博司〜】
(1)住民無視 情けない
6月18日、淀川水系流域委員会と近畿地方整備局が関係正常化のためトップ会談し、宮本委員長(左)と谷本光司・河川部長(中)が会見に応じる。
6月19日、会社で仕事をしていた私のところへ、新聞社から電話がかかってきた。「国交省が明日、流域委員会の最終意見が出るのを待たずに、4ダム建設を盛り込んだ計画案を発表するそうです」
あぜん、とした。
7年前、「住民の意見を河川計画に反映したい」と、住民の代表や学者らでつくる「淀川水系流域委員会」を作ったのは国土交通省だ。それが委員会の意見を無視して、一方的に計画案を発表するというのである。
昨年8月に委員会が再開して以降、担当職員が委員の質問にまともに答えなかったり、黙り込んだりが繰り返されたあげくの見切り発車。憤りも通り越して情けなくなった。
◆かたくなな国交省
私は元々、国交省の職員としてダム建設に携わってきた「ダム屋」である。流域委ができた当時は淀川河川事務所長。淀川の責任者として、琵琶湖や淀川をどう再生するのか、住人の安全を守るにはどんな方法がベストなのか、ダムは必要かどうか、流域委とキャッチボールを重ねた。一昨年に国交省を退職し、今度は一住民として淀川にかかわろうと、委員として話し合いに加わった。
最初は、流域委も国交省も同じ認識だったのだ。
「ダムは他に実行可能な方法がない場合に、環境影響について慎重に検討し実施する」。これは、04年に国交省が出した文書である。長良川河口堰(かこうぜき)建設に対する全国的な批判を契機に河川法が改正され流域委ができたのだから、効果もあるがマイナス面も大きいダムの建設はみんなで慎重に考えようというのは当たり前のことだった。
だが流域委が「ダムは原則建設しない」と提言し、それを受けて05年、国交省が大戸川など2ダムの建設凍結を発表した後から流れが変わる。「川のことは国交省が一番よく知っている。本気でそこまで住民や学者の意見を聴くのか?」との反動だったのか。
流域委は突然休止され、国が委員を選び直して再開。07年、大戸川ダム建設が復活。「何が何でもダムをつくる」とひた走る国交省と流域委の議論はかみ合わなかった。
5月には「流域委は予算を使いすぎている」と審議打ち切りの話が出てきた。「なぜ、どうしてもダムを造りたいのか」と委員から疑問の声があがる中で打ち切りに向かっていった国交省は、どこまで本気で住民の意見を反映しようとしているのか。説明責任を放棄し、住民意見の反映を拒否したとみなされてもしかたがない。
◆600回開催の流域委
だが「国交省が強引に進めると言ったからもうどうしようもない」と引き下がるわけにはいかない。ことは住民の命にかかわる問題なのだ。
そのことを一体、どれくらいの方が認識しておられるだろう。
もしかすると皆さんは、こんなふうに考えているのではないだろうか。
「国交省には批判もあるが、これだけ治水事業をやって、たくさんダムも造ってきたおかげで、もう洪水で人がたくさん死ぬ心配はない」
「ダムがいらないと言っている人たちは、人間の命より魚や鳥の命を優先しているのではないか。確かに自然環境も大事だが、人命より優先するものはない」
こうした考えは、とんでもない誤解である。
ダムにこだわる国交省の洪水対策のやり方を変えない限り、3年前に「カトリーナ」の上陸で1千人以上が亡くなったニューオーリンズの悲劇は他人事(ひとごと)ではない。
流域委員会が600回の会合を重ね、調べ、話し合ってきたことを、改めてみなさんにお知らせしたい。そのうえで、果たしてどうしてもダムに頼らなければならないのか、他の道を探るべきか、考えていただければと思う。
◇
みやもと・ひろし 京都市生まれ。78年に旧建設省に入
月山でのスクーリング。鎌田東二先生と
京都造形芸術大学の月山でのスクーリング「環境文化論」の講師をつとめる。今回は22日から24日までの行程で約30名の方々が全国からこの講座にいらっしゃった。歴史遺産、写真、絵画、いろんな専攻の方々で、年齢もさまざま。僕は23日早朝から、羽黒山→月山山頂→湯殿山の山駆けのガイドと湯殿山ホテルでの講義を担当した。
この講座も今年で5年目。午前中は晴れていたが、昼ごろから雨と風。なかなかタフなコンディション。多くはその中下山し、湯殿山の参拝まで。僕は最終尾で足が不調になった方に付き添いながら、降りてくると午後6時をまわっていた。その後、夕食をとりながら皆さんの感想に耳を傾ける。花はウメバチソウ、ハクサンフウロ、ハクサンシャジン、チングルマ、ハクサンイチゲ、ミヤマリンドウ、ニッコウキスゲ、などを見た。
一人一人の様々な経験や境遇が、月山の山駆けの中で、試される。タフなコンディションだっただけに、自分自身としっかり向き合った人、一行の間での思いやりや絆、感謝の気持ちが増幅するような体験をされた方が多かったようだ。
月山で足裏で山を感じながら、風にあおられ、霧にまかれる。雨風で寒い、少々つらい思いをする。湯殿に降りる急坂の金はしごを越える。最後は湯殿の赤い岩の前に立ち、そしてそれに登り、お湯を体感する。死と再生を疑似体験するには、天候に恵まれていたのではないか。とお伝えした。
その後、9時から10時半ぐらいまで講義。柴燈祭、月山炎のまつり。神戸元気村、水問題。月山ダム、地下水問題、井戸つぶし、持続不能な社会から持続可能な社会へ。
スウェーデンでかいま見た社会のシステム。水の常識の違い。ナチュラルステップ。「地球を吹く」、自然資本。こんな流れか。鶴岡にご親類がいらっしゃるという生徒さんもいらして、「来るたびに、変化していて、、、」とお嘆きの様な声も受け止めた。
これを企画して下さっているのは、宗教哲学者の鎌田東二先生である。先生とは神戸で出会い、月山炎のまつりの際に毎年おいでいただき、大変ご尽力いただき、様々な教えをいただいてきた。
先生は今年、「京都大学 こころの未来センター」の教授となられ、古神道や山伏文化などと、日本の古来の宗教や文化と環境の問題、こころの問題をリンクさせ、その解決の道を探るなど、とても貴重な研究をされていらっしゃる。
今後、また新たな連携をしていこうと、諸々お話ができた。またも感謝である。
ありがとうございました。
穴あきダム対決。ー朝日の論点より
本日の朝日新聞に穴あきダム賛成論者で、山形県最上町でもダム推進の集会で講演をしていた角氏の穴あきダム容認論が掲載されていた。
以下、転載
_________________
穴あきダム 自然に近い利点を生かせ
京都大准教授(水工水利学) 角 哲也
7月17日の「私の視点 ワイド」に今本博健氏の「穴あきダム 歴史的愚行
に他ならない」が掲載され、課題が多いと主張された。このダムは大きな洪水時のみ貯水し、ふだんは川の流れを変化させない形式である。河川上下流の生態系の連続性を維持し、流入する土砂をほとんどため込まないので埋まることが少なく、持続可能性が高い。
私は従来の「貯水型ダム」と異なる長所を持つダムとして理解を広め、治水対
策に有効に活用すべきだと考える。国土交通省は「流水型ダム」と呼ぶことを推奨して
いる。
流水型ダムの歴史は古く、18世紀にフランスのロワール川に縦スリット形式
の治水ダムが建設され、米国では80年以上前に誕生している。ライト兄弟の故郷であるオハイオ州デイトン市に建設されたダム群は、これまで1600回以上の洪水調節を行って市の発展に大きく貢献してきた。ダム下流を人工の淵のような水路構造とし、洪水時のダムからの放流水の勢いを抑えるとともに、平常時の川の流れをスムーズにし、魚の遡上や降下に効果を発揮している。洪水時に水がたまるダム上流の区域は80年の間に樹木が成長し、公園や野鳥保護区となって良好な環境が創造されている。
今本氏は、日本の代表的な事例である島根県益田川ダムを取り上げて「土砂の
一部は流れずにたまる」「アユの遡上が阻害される」と指摘しているが、これら課題
は今後の改良で十分に解決できると私は考えている。
貯水型ダムでは流入土砂の大部分がダムに堆積する。一般に100年間にたま
る砂の量をあらかじめ計算して、大容量のダムが建設される。流水型ダムは流入した土砂を洪水時に自然に排出でき、鉄分など森林から供給される栄養分などもほとんど通過させる。流水型ダムも完成直後はある程度の土砂は堆積するが、それ以降は洪水時に土砂が順次入れかわって次第に流入と流出のバランスがとれる状態に近付くはずだ。益田川ダムは現在その途中段階にある。
益田川ダムは、ダム直下に副ダムと呼ばれる小さな堰堤を設置して洪水の勢い
を抑える方式を採用した。土砂や魚の通過を考慮して、これにスリットが設置さ
れている。
スリット幅が小さいと平常時も水流が速くなり、確かに魚にとってはやや厳し
い環境になるかもしれない。流水型ダムの流れの設計は今後の技術開発テーマであり、
米国の事例も参考に、より自然に近づける工夫が出来よう。
流水型ダムは、従来の貯水型ダムとは大きく異なる構造物である。常時は貯水
しないメリットを生かして新しい発想で取り組み、河川環境に適合した持続可能なダ
ムを目指すべきだ。
______________
彼が反論した、今本先生。(先生は、一昨年、我々が招いて3回山形県最上小国川の現場にいらしていただき、新庄市などでのフォーラムで発言されている。)の論は以下だ。ーーー以下転載。
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朝日新聞 2008年7月17日 朝刊17面opinion
◆穴あきダム歴史的愚行に他ならない
いまもと ひろたけ
今 本 博 健 元京都大防災研究所長
ここ数年、従来の多目的ダム計画を、治水専用の「穴あきダム」に変更して推進しようとする動きが相次いでいる。国の直轄事業に限ると、淀川水系の大戸川ダム(滋賀県)や九州最大級の川辺川ダム(熊本県)など、地域の合意が得られていないダムを中心に、10件ほどを数える。補助事業を加えるともっと多く、長野県では前知事時代に「脱ダム」の象徴として中止が表明された浅川ダムが、穴あきで建設されようとしている。
穴あきダムには多様な形態があるが、現在推進されているのは、ダム下部の河床近くに直径数㍍ほどの穴をあけておき、普段は川の水をためずにそのまま流し、洪水時は一時的に貯留するタイプのものだ。従来のダムからの変更が相次ぐ理由は、①水の需要が減ったため建設目的が治水専用になり、水を常時ためる必要がなくなった②穴あきにすれば環境悪化への社会的批判の高まりをかわすことができる、という点に集約される。
私は河川エ学者として各地の住民から相談を受け、穴あきダムの実態を調べているが、いずれも「中途半端なダム」という印象をぬぐえない。
まず、事業者がうたい文句にする「環境に優しい」は本当だろうか。普段は水をためないので、水がよどんでアオコが発生するようなことはないだろう。だが、①魚が穴を通ってダムの上下流を自由に遡上・降下できる②土砂がたまらない、とする主張は極めて疑わしい。
国内の本格的な穴あきダムは2年前に完工した島根県の益田川ダムが最初だが、県が昨年公表した環境調査では、①アユの遡上が阻害されている②土砂の一部は流れずにたまる、などの点が明らかになった。
私は何度か視察したが、穴あきダムは、魚が自由に行き来する単純な構造ではない。洪水時に勢いよく水が流れるのを食い止める構造物「減勢工」がダムの下流直下にあり、魚が上って行くには、減勢工などを通って穴に向かわなければならず、これらが障害になっている可能性がある。土砂も予想以上にダムに堆積しており、下流への砂の供給が減ると、砂の中に産卵する魚の生態に影響が出る恐れがある。こうした点が何も検証されていないのに「環境に優しい」と言えるのだろうか。
治水についても、肝心の大洪水で役立たない恐れがある。特に洪水が間隔を置いて続くケースは危険だ。通常のダムは、職員がゲートを操作し、最初の洪水でたまった水を必死に放流して数日内に予想される次の洪水に備えるが、穴あきダムでは、小さな穴から自然に任せて少しずつしか放流できないため、最初の洪水を処理しきれないうちに次の洪水が押し寄せ、水がダムから一気にあふれて被害が拡大することが予想される。
また、大雨で山腹が崩壊すれば、流木や岩が絡み合い、穴をふさいでしまう恐れもある。
事業者は、穴あきダムを「逃け道」にして、ダム建設を強行しようとしている。だがそもそも、ダムに頼る治水は、計画を超える降雨があれば破綻する。いま急を要するのは、ダム神話の錯覚から目覚め、ダムに頼らない治水
山形県知事ーー改革派とは、、、
本日、山形県知事と市民が語る「夢未来トーク庄内」というのがあって参加した。
参加者150人ぐらいだったろうか。何か、県職員、市職員などの顔が目立っていて、市民の参加の数が少ないように感じられた。そこで、2点、慶応大学の研究所の見通しと、最上小国川の穴あきダムの問題について質問をした。ーーー
県のプライマリーバランスを改善する姿勢や、情報公開度を高めたことの姿勢は認めるもののの、ディテールを見ていくと、今般の質問に対する応えも、嘉田知事などと比べると改革派知事とは言い難い」ということだ。
その訳がわかる内容詳細は、後ほど。お楽しみに。