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水政策の新展開に期待する



本日は、ひさびさに鶴岡市役所前にて街頭演説。生物多様性などなどの話など。手を振って頂いたみなさん、ちょっとだけ耳をかたむけてくださったみなさん感謝です。
明日、鶴岡、羽黒にて東北自然保護の集いがあり、また日曜日は、昨年からコンソーシアムのメンバーとして参画させていただいている東京で東北大学大学院生命科学研究科生態適応グローバルCOEの講座での講義のための準備をしています。市民活動と議員活動を通じて調査、提案活動を続けている水制度やダム問題について、まとめています。

水制度、ダム問題といえば、
本日の毎日WEBにて、以前から関心を抱いていた水制度改革議員連盟や国民会議についての記事が掲載されておりました。長年 お世話になっている田中康夫衆議院議員や、今本博健先生もこの水制度改革国民会議の主要メンバー。こうしたところと連携してこれまで取り組んできた水政策ダム問題も一歩解決に向けて取り組んでいきたいと考えております。

http://mainichi.jp/select/seiji/forum/file/news/20101027org00m010017000c.html

超党派議連が「水循環庁」創設へ動き出す 一元化阻む省益の壁に政治主導が問われそう

 ◇水行政

 国際的に水ビジネスが注目を集める中、超党派の国会議員の間で、霞が関の水行政を一本化する「水循環庁」(仮称)の設立を模索する動きが出てきた。現在、水に関連した行政は、国土交通省や厚生労働省、経済産業省、環境省などバラバラ。縦割り行政の弊害を指摘する声が高まっていることが背景にある。ただ、一元化には、とかく国益より省益を優先しがちな霞が関の官僚の反発が必至。水を舞台にした行政改革がどこまで進むか、政治主導の本質が問われることになりそうだ。

 民主党代表選の告示を翌日に控えた8月31日午後。自民、民主など超党派の議員連盟「水制度改革議員連盟」が国会議事堂前の衆議院第1議員会館で会合を開き、現在は複数の省庁にまたがっている水行政を一元化するための「水循環基本法」の素案をまとめた。

 すぐ近くの別室では、菅直人首相や前原誠司国土交通相(当時、現外相)ら菅選対の閣僚や議員が集まり、代表選に向けた「作戦会議」を開いている最中だった。政権党の民主党内が政局ムードに包まれる中、超党派議連の会合は、霞が関改革を志向する議員らによるもう一つの「作戦会議」だった。

 議連のトップを務めるのは、自民党の中川秀直元幹事長。幹事長や政調会長などの要職にあった小泉純一郎政権以降、一貫して官僚制度改革など霞が関改革の必要性を力説している。議連内にも「中川さんが目指しているのは水を切り口にした省庁再編ではないか」「霞が関改革を目指すうえで心強い存在だ」との声が聞かれる。このところ表舞台での目立った動きがない中川氏だが、水政策をテコに与野党の扇の要として霞が関ににらみをきかせているようだ。

 超党派議連が目指すのは、縦割り行政による無駄の排除に向け、内閣府に新設する「水循環庁」。河川の流域に位置する自治体で作る「流域連合」を設置し、国の出先機関に代わって治水、保水を担ってもらうという構想だ。

 日本では、治水やダム開発が国交省、農業用水や森林保全が農水省、工業用水が経済産業省、水質汚濁対策が環境省など、水政策の所管官庁が分野ごとに分かれている。超党派議連は、こうした縦割り行政の弊害や無駄な公共投資を問題視し、議員立法による法案提出を目指し、水の専門家を交えて法案作成を進めてきた。

 議連がまとめた法案は全38条。地表水と地下水を「公共水」と定義し、政府には水循環の保全義務を課し、国民には水環境を享受する権利を付与する。国は流域治水対策や水循環系の再生・保存に向けた基本方針を策定し、流域連合はその方針に沿って河川ごとに環境影響評価(アセスメント)を実施して水循環計画を策定・履行する。また、国には内閣府に中央水循環審議会(仮称)を、流域連合には流域水循環審議会(仮称)をそれぞれ置き、計画の進展度をチェックする体制も整備する。

 しかし、実現に向けてのハードルは高そうだ。

 超党派議連は来年の通常国会への提出を目指すが、中央政府の権限を大幅に地方に移譲し、国の出先機関の廃止にもつながる内容のため、霞が関からは「中央省庁の再編につながりかねない」(経済官庁幹部)と警戒する声が早くも漏れ始めている。超党派議連に所属する議員の1人は「水行政の一元化は官僚に任せていては不可能だし、激しい抵抗があるのは確実。最初から閣法(政府提出の法律案)でできないことは分かっていたので超党派でやってきた」と語気を強める。

 もともと霞が関の中には自らの権限や裁量を縮小する改革への理解者は少ない。国交省が先に公表した出先機関改革でも、業務の大半を国が引き続き担当するのが適当とする仕分け結果となった。全国知事会など地方の要求に対する事実上のゼロ回答で、移管には道州制など広域的な「受け皿」が必要と理由を挙げている。

 こうした中、水行政の一元化を後押しするのが、縦割り行政の改革を訴えている民間人や大学教授ら有識者で作る「水制度改革国民会議」(理事長・松井三郎京都大学名誉教授)だ。9月9日に東京都内で「水制度改革を求める国民大会」を開き、議連がまとめた行政の一元化の必要性を訴え、水循環基本法の制定を呼び掛けた。

 大会の冒頭、同会議の稲場紀久雄常務理事が「国民の共有財産である水は、縦割り行政によって危機にひんしており、行政の体制を見直さなければ健全な水循環は守れない」と述べ、現在の縦割り行政の弊害を指摘した。

 超党派議連代表の中川氏も駆けつけ、「水は国民の共有財産。将来にわたって守っていく必要があるが、現在の縦割り行政ではそうした公共性の判断ができなくなってきている」と強調。共同代表を務める民主党の前田武志参院議員は「水循環基本法はこれまでの制度や体制をひっくり返すようなものであり、簡単に実現できるものではないが、どうにか成立できるよう努力していく」と訴えた。

 一元化に向けて官の抵抗を抑え込むには、菅政権の政治主導の力量が問われるが、今回の内閣改造が微妙に影響しそうだ。政府内では、国交省が来年度の組織・定員要求の中で水管理・防災局(仮称)の設置を要求。まずは省内の水関連行政を一元化する方針を打ち出している。しかし、この組織改変は前原前国交相の肝いりで進んだ計画。前原氏は「上下水道の一元化は本来の姿だ」と、上水道を所管する厚労省との調整に言及していたが、内閣改造で外相にスラ

デビッドブラウアーの遺言と生物多様性    なぜ僕は川を守りたいのか。


9月15日、某環境関係の学校の講師として、一時間半、ダムと公共事業の話をしました。
月山ダムのと鶴岡の水問題、埋められた井戸の事。日本のダムの問題。世界のダムと治水の事、ダム撤去の話などなど、前日まで、資料を手繰っていって一冊の本と再会しました。そして、1遍の詩に出会いました。

川の音楽に  耳を傾けなさい

あなたの目で 川を見て

あなたの手で 川に触れ

そして

ふたたび、人間になってください。

                                     D ブラウアー

 本は  岩波ブックレット、長良川から見たニッポン   天野礼子 Dブラウアー
この本は、1992年に長良川を訪れた当時八〇才のデビッドブラウアー氏が、当時、長良川河畔でおこなった講演をまとめたものです。
 ブラウアー氏は、当時の講演で、四五億年の歴史の、天地創造と破壊の文脈の中で長良川問題をとらえていました。そして、1938年からのダムとの戦いについて語っています。当時二三才の彼は、一人でその闘いをはじめ、ついにはグランキャニオンにダムをつくることを止めさせることに成功します。
   
 ダムによってどれだけの川が破壊されたか。堆砂で結局機能しないダムの問題。文明が続く限り、ダムは無用の長物と化してしまうということが明確に述べられています。そして我々はどのような成長をおこなうべきか。又、当時、リオのサミットで主流となった「持続可能な発展」「サスティナブルディベロップメント」についても彼は、「発展」というのは矛盾していないか。これまでの破壊の状況を考えたら、持続可能な社会を求めて「回復」「RESTORE」の時代なのではないか。と。問いかけています。
 そして、二〇〇〇年にドイツ、ハノーバーで開かれようとしている万博の事について話し、その時に 「開発を持続させる」のではなく、人類と社会を持続させる事を目的とした万博としてハノーバー原則を唱え、その原則が、日本の当時の社会や未来に、そして長良川にどのように適用できるか考えてみて欲しいと問うています。
このハノーバー原則が、その後どのような扱いになって世界に広がったかはわかりませんが、このことは「ナチュラルステップ」の持続可能な社会の定義を僕に想起させてくれました。

そしてデビッド氏は、生物多様性の事に触れて講演をしめくくっています。
彼が唱える生物多様性の節は、とても心惹かれるところがあり、重要と思われますのでここで引用しておきたいと思います。

生物の多様性は、私たちの生存を可能にし、また私たちが祖先から敬称してきた遺産でもあります。日本もそうですが、人類は、生物種の多様性を重視しなくなってきています。しかし、あなた自身の中にこういった野生、多様性があることを認識しなけれななりません。
 あなたは、今、私の話を耳で聞いておられます。あなたは、人間の耳の構造を見れば、その複雑さや優れた機能に驚かれるでしょう。あなたの口、ここには一億二〇〇〇万もの電極があります。朝食を食べると、無意識のシステムによって消化されていきます
貴方が食べた食物は、何兆もの細胞に送られて、消化されていくのです。実にすばらしい流通システムです。考えたり、人を愛したりする能力、二つの目が絶えず計算して物を立体的に見る能力、 このような能力をふくめて、私たちの身体のどんな小さな一部分をとってみても、そこには、生命の誕生に始まる三五億年の地球の歴史が刻まれているのです。三五億年前に誕生した生命の奇跡、生命のマジックが現在まで引き継がれて、みなさんが今日あるのです。他の生物もそうです。あなたに引き継がれている遺伝物質が、この事を可能にしたのです。どのような科学技術でもなしえない奇跡が、この歴史のなかに脈々と流れているのです。

そして彼はゲーテの言葉を引用し、講演を終えています。

誰しも夢を見ることができる

夢から始めよう。

大胆さこそ力であり、

天才であり

奇跡の源である


この宇宙のなかで、奇跡が起こったのはこの地球だけです。私たちは、この地球に新たな責任を負っています。あらゆる努力を方向けて、地球を回復させなければなりません。それを可能にしてくれるのは、皆さんの誇りと技量なのです。
ここに居る誰しもが大胆さをもっています。現在ほど、それが求められているときはいまだかつてありません
あなたがた一人一人が、奇跡を起こす力を持っているのです。

                          出典 「長良川から見たニッポン」天野礼子 Dブラウアー  岩波ブックレット 313

僕は、当時、カヌーデモの現場で、遠くから、熱心にビデオカメラを回しながらデモに参加しているデビッドさんを見ているだけでした。でも、この美しい一本の川ぐらいは守りたいという思いは共有していたと思います。

その後、デビッドさんとは1998年、私が米国のInternational rivers network にインターンしている時に再会しました。
  ブループラネット賞受賞で来日されたとき、「世界最強の環境保護活動家」と紹介してニュース23に取り上げて頂き、映像にして頂いた物が残っています。www.youtube.com/watch?v=cZdestjQwmI
    2000年の年末に彼は天国に召されました。

僕らが地球のために動くとき、いつも彼が天国から見守っていてくれる。いつも彼のスピリットが胸にある。そんな思いでこれまでも運動をしてきました。そして、今取り組んでいるナチュラルステップについても、実は彼がブループラネット賞の受賞記念講演で触れていたものだったのです。

改めて今、彼の想いに再会し、私も原点をかみしめることができました。

長良川のカヌーデモで知り合った仲間達と、デモの前日や終わってから、中流域をカヌーで下りました
その時の透き通った川。川面と空の合間がわからないようになって、空中遊泳しているような錯覚に陥るような瞬間をカヌーの上から、体感しました。大量のアユがザッとのぼってくるのが川面から見えました。
郡上八幡の吉田川の川ガキたち。漁師さんからうまいアユをたくさんいただきました。
楽しかったなあ  そうだ。当時は野田さんや、椎名さんら、あやしい探検隊なる怪しい大人たちもいたんだっけ。
長良川の事を思い出すと、今でも心躍りますし、僕は、あの清流での体験が原点となって、これが本来の川の姿なのだ。んじゃ、このうすら汚れた川はなんなん

改めて、鶴岡の水問題を問う。その1、2007年の論文より。


暑い日が続きますね。こんな暑い日になると、蛇口からひんやり、おいしい水がでてきていた一昔前の水道を僕は思い出します。日曜日のパル、一昨日、昨日と街頭で、改めて水問題のお話をさせていただきました。私の政治に関わる大きな原点の一つであり、これこそ、これまでの政治が引き起こしてしまった、鶴岡の大問題だと考えています。
改めて、鶴岡の水問題ですが、まずは全体象を把握していただくために、長年、ダムと広域水道問題に取り組み、「水道がつぶれかかっている」築地書館 などの著者であるジャーナリスト保屋野初子さんと2,007年に、共著で発表した書籍に載った文章を掲載しておきたいと思います。
  この状況は、この時より3年を経過し、更に深刻さを増しているといっていいと思います。これは、八ッ場ダムの問題でも指摘されている「利水」面の問題です。鶴岡の水道問題を考える上での基本的な問題として、改めて共有したいと思います。

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ダムの化身、「広域水道」に呑み込まれた
山形県鶴岡市水道のいきさつとゆくえ
草島進一(鶴岡市議会議員)
保屋野初子(環境ジャーナリスト)

鶴岡市の水道事情・2007年

鶴岡市内の生協店舗や大手スーパーのほとんどに専用のボトルで水を購入できる水自販機が置いてある。混んでいる時は、空のボトルを2つ、3つ抱えた主婦が、自販機に列をなしている。一方、旧市街にある小料理屋の女将さんは、「毎日6缶の水を地下水の自販機から買って運んで来るのよ」と訴える。こちらの自販機とは、鶴岡市水道の水源が地下水からダム水に切り替わった翌年の2002年4月、市がそれまでくみ上げていた水源井戸の近くに「井戸水販売所」をつくり、10リットル100円で売り始めたものだ。女将は「鶴岡本来の食の美味しさを保つには、今の水道水では絶対にダメ。だから毎日通って水をもってくるしかない」と話す。
 
2001年10月1日は鶴岡市民にとって忘れることができない日だ。その日から、水をめぐる鶴岡市民の生活は一変した。朝日村に完成したばかりの月山ダムの水を受け入れた最初の冬、市民のほとんどがまず「氷のように冷たい水道水」に悩まされた。「風呂を沸かすのに倍ぐらい時間がかかるようになった」「朝、冷たくて顔も洗えない」といった声があちこちから届いた。実際に蛇口の水の水温を計ると2℃、3℃。地下水源だったときは年間ほぼ13℃で一定。冬はぬくく、夏はひんやり。その水とはまったく別物の水道に変わってしまったことを市民は実感した。
同時に市民は、水道料金の大幅値上げにも遭遇していた。地下水源の水道時代は、月20立方メートルで2037円。それが1998年の前倒し30パーセント値上げで2457円に、そして広域水道受水時の2001年に3439円となり、さらに2004年に3727円となった。5年間で約2倍(1.83倍)に水道料金がはね上がったのである。

月山ダム計画と庄内南部の広域水道
庄内南部に月山ダム建設の動きが高まったのは、かれこれ40年前の1967年のこと。もともと治水目的のダムに、鶴岡市はじめ周辺町村の水道用水も貯める多目的ダム計画としてはっきりしたのは1977年だった。異例なことに、厚生省環境衛生局みずからが「山形県庄内地区広域水道計画調査」を行っている。これはちょうど水道法が改正され国の「広域水道」政策が制度化された誕生時期であり、庄内南部だけでなく山形県全体がそのモデルにされたものと推定できる。
この「調査計画」によって、現在の鶴岡市民を苦しませる水道問題を招くこととなった数字が固定化された。ダムからの「取水11万8000トン」「一日最大給水量10万9700トン」という計画値である。1市6町1村のダムからの給水対象のうち最大の鶴岡市は、ダムからの最終的な1日最大給水量は66.18%パーセントにあたる7万2602トンと割り振られた。この量は、今日に至るまで破られない過去最大記録、1997年の実績5万1000トンより2万トン以上も上回るものだった。
 当時、その過大な数値の根拠を厚生省と山形県は、目標達成年の2005年に鶴岡市の給水人口が11万5000人、1人1日あたりの最大水使用量はなんと716リットル(!)になる、という“予測”に置いたのだ。そのために鶴岡市だけで月山ダムから7万2602トンを取水する必要があると。ここで、その計画値がどれほどのものだったかを理解するため、客観的な実績数値を挙げておこう。2006年の旧鶴岡市域の人口は9万7664人、1日あたり水使用量実績3万6200トン、一人一日あたり370リットル。1日あたり最大水使用量は46865リットル。一人あたりで480リットルである。計画値は、開発したいダムのサイズから逆算したとしか考えられない。
  
 問題は、1980年に鶴岡市議会が、この過大計画値に対し、過大であることを心配しながらも満場一致で受け入れたことだ。今になって市財政に災禍を招いている財政負担が、最大の懸念材料だったのだ。1980年当時、国、県から提示されていたダム建設費用は780億円、その7.56パーセントにあたる58億円が水道にかかる1市6町村の負担分だった。さらに導水管や浄水場を含めた用水供給事業に230億円かかると見積もられた。結果的に、ダムが完成し広域水道がスタートする時点でダム建設費総額は1780億円に膨れ上がり、水道分も510億円となった。当初予定の2倍以上である。懸念は的中した。

市民による見直し運動の展開
 鶴岡市民は、ただ大人しくこの理不尽な水道計画を受け入れてきたわけではない。1999年3月の「どうなる?月山ダムの水道料金、水はおいしいの?」という国・県・市の担当者と反論者との5時間にもわたる討論会を起点に、何度も集会を開いて見直しを呼びかけたものの埒が明かないため、2000年には「鶴岡水道住民投票の会」が10月、「広域水道受水の是非を問う 住民投票」のための直接請求署名活動を展開した。月山ダム計画見直しを訴えて市議会議員になっていた筆者の一人(草島)も、この運動に中心的にかかわった。
署名期間中には、市の与党自民党議員が受任者名簿を情報公開させ受任者に圧力をかけて辞退させる事件や、「月山ダムの水はおいしい」「署名をするな」といった街宣活動をするといった執拗な妨害があったが、市民は1万4725通(有権者の14.4パーセント)の署名を集め、住民投票条例の設置の是非を問う議案が鶴岡市議会で審議するに至った。しかし、賛成7対反対28で否決され、住民投票にまでたどり着けなかった。この

自然観察会と「句集 孟宗」


午前中は、山形教育フォーラムの由良の自然観察会助手。由良海岸は、実は海浜植物の宝庫。父が作成した「海の花カルタで50種類の海浜植物をとりあげているのですが、そのカルタの解説の冒頭で述べられているのですが、砂浜などの過酷な条件で根を深くのばし、懸命に生きている海浜植物は、高山植物のに匹敵するに美しさがあります。この日も、ハマナシ、ハマニガナ、ハマエンドウ、ハマヒルガオ、ナミキソウ、スナビキソウ、スカシユリなどが見られました。植物観察の後は磯場での生き物観察。貝類や、ヤドカリ、アメフラシ、他にはクラゲを捕まえた子も。アカクラゲ(毒あり)、、、。毎年なにか新しい発見がある観察会でした。

最上小国川ダムの説明会 これじゃあ意味がない。


説明会に出羽三山の自然を守る会の皆さんといく。
説明1時間半、あいかわらずの姿勢。情報操作が見え隠れする説明内容。質問時間30分。せっかく集まって質問をする県民に対して、「時間がないのでお一人一問だけ」とかからはじまり、かっちり30分だけの質疑でやめる。県は今まで通りの主張をするだけの説明会。2時間の説明会で1時間半を説明で費やし、質疑が30分。
「時間がありませんので」といって質疑はそれぞれ一問だけにしてください。とか、簡潔に。とか、制限の多いものでした。

私も質問。これまでの流域委員会などの議論が、ダム推進の河川工学者のみの参画で、いかにダム推進論だけになり、「ダムに依らない治水」の議論をほとんどしてこなかったかということは明らかだ。国も再検討しているんだから、これまで全くといっていいほどやってこなかった、ダムに依らない治水方策を真面目に検討してください。
また、穴あきダムについて県はよく「環境にやさしい」というけれど、それを詳しく聞くと、「貯留型ダムよりも環境にやさしい。という始末。実際、益田川ダムでは、工事中の10年間、川は濁水が続き、とても釣りどころの話ではなかったと地元住民から聞いた。また、益田川は、下流部では工場廃液も流れており、小国川などのように漁業権がある川ではなく、清流環境を穴あきダムで維持しているなどということにはならない。巨大構造物のために、いろんな箇所で水がよどみ、土砂堆積による長期濁水の可能性、また、ヘドロ堆積による水質汚染などの心配があるし、また、実際に新潟水害の際、穴あきダムのあった川で死者を伴う水害を発生させている。治水安全上でも問題が指摘されている。

こういうことを全く県は説明しないでこれまできた。 こういう指摘に対して、ぜひ説明してください。
とやりました。県はこれについて全く答えずに次の質問者へと移りました。

何のための説明会なんだかわからない。という惨状。こんなことをいくらやっていてもダメなのだ。

地下水の危機−WWN 12年。




斎藤川原 付近。3月14日撮影。1月の終わりに、福島大学の教授と訪れた場所の近くでまたも砂利採取がおこなわれていた。この界隈は、鶴岡市の上水道で使っていた地下水の井戸がある水源地の場所から約1Km上流にある、一昨年の議会で僕は市議会でこうした砂利採取の問題について指摘した。そもそもこの水源地付近には、元々、28本の井戸があって、100%地下水ベースの鶴岡の水道水として使われていたのだが、鶴岡市は、21本の井戸を埋めてしまった。しかし、今でも、緊急用の水源としてこの水源地にある井戸7本でこの地下水をくみ上げ、1万トンを確保することになっている。 「柴崎レポート」では、こうした砂利採取が、地下水の水脈に影響を与えることが指摘されている。水道水としてこの水源を使っていたときには、自主規制のようなかたちで、砂利採取がある程度規制されていたのだが、どうもそのたがが外され、杜撰な管理になっているように思える。以前、実際におこなわれ、問題視されたところがあるが、埋め戻すものに産業廃棄物や建築廃材など変なものが混じらないようにきちんと監視、管理されなければならない。
  砂利採取でとれる砂利は、コンクリートの骨材になる。道路開発や建築物のためにつかわれるのだろうが、特に水源地の近くでそれがおこなわれるとすれば、開発行為に関わる環境破壊の一つとして考えていいと考える。このようなことは、持続可能な社会を目指すインジケーターのひとつとしてとして「地下水の保全や持続可能な利活用」を掲げている北欧諸国では、ありえない事だ。2年前、スウェーデンのヘルシンボリ市の地下水100%の水道水供給施設と水源地を視察した。その際、井戸の周辺がいかに徹底して管理されていたか。またその土地がもつ自然の浄水、浄化機能をいかに管理をする人々が大事に尊重していたか。を思う。そうすると今、鶴岡でおこなっていること、それから市がこれまでおこなってきたことが、あまりにも愚行とも、暴挙とも思えてくるのだ。
  鶴岡の命の源を守るためにも、本来の食文化を守るにも、この地下水を守りたい。地下水とつながり続けてきた文化を次世代にも渡したい。
 改めて、この現場で強く思った。
月山ダム の開発のために、こうした、本来、この地域がもっている自然資本が失われてしまう大きな矛盾と向き合うところから、僕自身の活動もはじまった。ウォーターワッチネットワークは、12年前の本日、3月14日、この問題に向き合って桑原英夫先生の講演を開くところからはじまっている。
  2000年の住民投票運動  2001年の水源切り替え、そして井戸の強制的な埋め立て。そして砂利採取。
市政を含め、鶴岡周辺の政治の状況は、ダム開発を「正当化」したいがためか、これまでの鶴岡の地下水の文化を消滅させたいが如くの状況ではないか。
  改めて、僕はこの水の問題と向き合い、改めて鶴岡周辺、庄内地域の水資源について光とあて、本物の持続可能な社会形成のためのライフラインとしての水資源のあり方を追求し、政策として叶えていきたい。また、改めて日本の本来の水の文化を復権することに力を注いでいきたいと考える。

先日、「ブルーゴールド」という映画についてご紹介した。今やグローバル資本が、良質な水源を買い占める時代になっている。また水道事業体そのものを民営化の名の下に、そうした資本が国を超えて支配し、「命のための水」が「カネのための水」というかたちで利用される。そのために、世界中で悲劇が生じている。
  原則論で言えば、地域に一番近くにある水資源を、まさに「治産地消」というかたちで利用し続けることこそ大切なことといえる。そもそも鶴岡も日本の都市、集落のはじまりは、そこで井戸水が飲めたからだ。鶴岡のはじまりは、赤川の伏流水からの良質の井戸があったからなのだ。その良質の井戸があるところに人が住み着き、集落が広がっている。その町のおこりのようなことを、僕らは忘れてはならないと思うのだ。

 今、スーパーに行くと、水道水を浸透膜フィルターに通した水の自動販売機から、市民が次々と水を汲んでいく光景が見られる。町をまわって聞いてみると相当の数の家庭で、浄水器をつけている。10年前には考えられなかった話だ。水道料金は、約2倍となり、更に今後も料金上昇が避けられないような悪循環に陥っている。この問題を、真正面からとらえ、その解決のために僕は行動を起こしていきたい。

2010年、3月14日、Waterwatchnetwork 12周年の日に。

ドキュメンタリー映画「ブルーゴールド」、自主上映会を4月25日前後で計画中。鶴岡界隈で「見たい」、上映会を一緒にやりたい 協力できる。 という方を求めています。メールstern8@mac.com まで、ご連絡くださいませ。


 


心、食、自然。


Bs で佐藤初女さんの一年を追った特集。思わずじっくり見入ってしまった。
おいしいとか、おなかがいっぱいになるということだけではなく、心が満たされたり、元気になったりする食。
丁寧に心を傾けて、素材の声に耳を傾けながら、つくる。

「今、社会には、受け入れてくれる人がいない、だから今、多くの人が悩んでいる。私は、無条件でお会いする。それだけ。それと、食を通して、、、
それほど心をストレートに 食べておいしいと感じたときにそのときにすぅっと変わっていくんですね。」
と語る初女さん。八七歳。

地球交響曲第二番でその活動を知り、家族で訪れたことがあった。1997年夏。当時僕は神戸の仮設住宅支援で一人暮らしのお年寄りにお米を届ける活動をしていた。帰省も兼ねての夏、その活動の東北キャンペーンと称して各県を回りつつ、妹や家族ととに、弘前、森のイスキアを訪れたのだった。
   日差しが強い夏の日だった。あたたかく迎えてくれた初女さん。「一緒に食べましょう」といってスイカを一緒にいただいた。食べながら、お茶を飲みながら、お話をした。その時だ。初女さんは僕に、「東北の自然を本当に本気で守ってくれる人がいたらいいのにね」と一言お話になった。今日、テレビでそのイスキアを巡る初女さんの営みを見ていて、そのときの情景がぱあっと頭に浮かんできた。僕はその時一つの大きな使命を与えられたような感じがしたのだ。
    神戸から鶴岡に戻って活動をする。その原点を今、噛みしめさせられている。
「思いをもって行動すれば、同じ思いをもつ人たちとつながり、必ず、社会をより良く変えることができる。」
がれきになってしまった社会に笑顔を一つ一つつくりだしていく市民の力を僕は現場で強烈に感じ、その力に突き動かされるようにして僕は生きてきた。

そして、同時に関わり続けてきた長良川河口堰の問題、諫早湾干潟の干拓事業 の問題など、この数十年で破壊し続けてきた自然を更に破壊する。そうした現場の活動に直面し、問題を強く感じ続けてきた。

精神や心の問題を解決する、本来の人の元気の力は、本来の美しさをもつ自然とのつながりから生まれてくるものではないか。ということ。

そして特に、水の周辺の自然がこの数十年で大きく変容され続けてきたのではないか。いや、本来の水辺の風景、本来の日本の水の文化が破壊され続けてきたのではないか。ということを感じ続けてきた。

月山ダムの問題もあり、鶴岡の本来の食文化、生活を支えてきた、良質な地下水の利用を失おうとしていた。

そんな事を背景として 出羽の国から水を考える。WaterWatch Network を立ち上げ、「水から問う」活動を展開してきた。
  
   地下水100%の水源だった水道がダム水源に変えられる事への問題。庄内浜のプラスチックゴミの問題。ダムによる環境影響の問題など、諸々取り組んできたが、今、改めて、地域の水をこの地域の自然資本、自然資源として守っていかなければならないと考える。そして水辺の周辺から、この地域を見つめ直したいと考える。

そして、これは水問題、ダム問題などを抱える地域の問題に取り組みながら、いかにそれを扱う特に政治が不毛な状況なのかを痛感した。あんなに多くの市民が皮膚感覚で感じることを、無視し続ける政治が存在し続けている。そんな不毛であり続けてきた議論を、同じテーブル上で語り合えないだろうか。と希求し出会ったのが、「持続可能な開発」という思考であり、「持続可能な社会」を定義づけた国際的な環境NGO「ナチュラルステップ」の活動、そしてそれを「まちの政策基準」として掲げて歩む環境と経済を両立させた「エココミューン」の活動だ。要するに「中、長期的に地域の持続可能なまちづくりのための選択肢として、どちらを選ぶべきなのか」という視点をもっともつべきでありそれを、「目先の利権」や「前例踏襲のしがらみ」に負けないで、きちんと議論するための「判断基準」をもつべきではないかということだ。


ダムも原発も、ナチュラルステップの判断基準に照らすと、明快に「持続不能な方向に導く施策。つまり、選択すべきではない道」として定義づけられる。
   リオの環境サミットで「アジェンダ21」がこの「エココミューン」をモデルとして作成され、各国の環境先進自治体は判断基準としてそれを受け止め、まちづくりに活用されてきた。
   日本の自治体ではなかなかそうした情報が伝播しなかったように思える。

来年は国連の生物多様性年であり、日本でその国際会議がおこなわれる年でもある。特に、今ある自然が更に破壊される公共事業には、しっかりと目を向けていかねばならない。ダム事業はその最たるものだ。

生物多様性、地球温暖化、環境破壊。プラスチックゴミの問題。
先ず、東北の今ある自然を守り、こうした環境の課題を解決しながら、経済としても環境産業の方向性を徹底的に探る。地球の道に反しない社会インフラの整備を進めていく。そうした真の「持続可能」な社会のしくみづくりを、鶴岡をベースに展開する。政治的には、常に切磋琢磨するまともな社会づくりのための政治を実現する。これを改めて私の使命としてとらえ直したい。

「東北の母」佐藤初女さんの日々の活動に敬意と感謝を込めて


鶴岡の水道水が改善されました。県議会への請願の成果。


朝、交通安全協会の皆様とご一緒しながらつじ立ち。

以前、昨年2008年の6月30日に山形県議会に提出していた請願。
庄内広域水道の水道水の悪化を改善するため、トリハロメタン値を下げるものであったが、請願の紹介議員になっていただいた笹山県議から「県企業局の担当者が岐阜県にまで調整方法を学びに行き、改善がみられたので、12月議会への請願の取り下げを」とのお知らせをいただいた。

本日、行沢にある企業局の浄水場へ行く。副所長、課長、担当の三名で対応してくださった。実際に担当職員の方が昨年6月の請願審議の後、21年3月に岐阜県の水道部を尋ね、調整の方法を学び、それを今年6月ぐらいから試験運用をしてきたとの事だった。浄水場の中で次亜塩素酸を注入する箇所は前、中、後の3カ所ある。これまでは前塩素をいれて0.2mg/lぐらいまで塩素濃度を上げてから凝集、沈殿をする手法だったが岐阜県の手法に学び、中塩素という濾過前の注入を多くし、前塩素注入をできるだけ止める手法をとることによってトリハロメタンを抑えることができたのだという。請願で指摘した平成一九年の9月には0.062という高い値をしめしたが、今年は、0.03まで抑えることができたとのことだ。
岐阜県では0.1の基準値の4分の1、つまり0.25mg/lに抑える努力がおこなわれているのだが、山形県でもようやくそれに準じる努力がおこなわれることになった。対応が幾分遅かったことはあるが、実際に岐阜県に職員が行き、学んできて実際に庄内の浄水場で活かしたことは評価したい。我々WaterWatchNetworkで提出した請願により、実際に庄内南部広域水道の水質改善、具体的に言えば、発がん性物質であるトリハロメタンの量を減らすことに貢献することができたことは一つの成果だ。
   ただし、地下水が原水だったころはこれより10倍ほど低い値なのだ。水質悪化していることには違いない。そのあたりは妥協することなく、今後も見守り、チェックをしていきたい。






以下、当時提出していた請願だが、一定の成果を得ることができたということか。詳細は再度アップデートします。

                                                                                                        2008年6月30日
請願趣旨         

                                                                          鶴岡市道田町21-29
                                                                          ウォーターワッチネットワーク
                                                                          鶴岡市議会議員
                                                                          草島進一  
趣旨
鶴岡で供給されている水道水のこの数年間の水質データをみると夏場、発ガン性が指摘されている総トリハロメタンの値が基準値0.1mg/lの2分の1を時には超える高濃度をしめしている。昨年19年度データでは、8月、馬場町で0.045mg/l,中山で0.053mg/l、11月、朝日、上田沢で0.050mg/lを示しており、地下水を原水とした櫛引上山添(かみやまぞえ)地域の0.003mg/lに比べて17.6倍も高い値を示している。このトリハロメタンの値は、より頻繁に検査をおこなっている広域水道朝日浄水場では昨年9月に0.062mg/lを記録している。
 つまり、夏場、月山ダム原水からの水道水質が悪化している。
このトリハロメタンについては、岐阜県の水道事業体では、低減下対策がとられ、基準値の4分の1におさえる努力がおこなわれている。
 そこで、トリハロメタン軽減策として以下の方策を提案し、請願するものである。

                                                                  記

1)庄内広域水道でのトリハロメタンをせめて岐阜県水道なみ(基準値の1/4)に、軽減すること。

水道管破裂



朝、6時半。大塚町の方からお電話をいただき現場へ直行。水道管破裂。昨日からちょろちょろと漏れていたが、連休中日ということもあって週明けの対応にしていたらしいが、今朝早朝ぐらいからひどくなったらしい。現場に着くと水道部関係者の姿。こうした破裂は2ヶ月に1度ぐらいの割合であるのだとか。道路をカッターと重機で切り裂き補修。この現場も10時半には終了したとのこと。水道管を維持していくこと。これひとつとってもなかなか大変だ。実感。


月刊誌 ソトコト 5月号に草島登場しています。どうぞご覧ください。



エコロジカル・ロハスな情報誌、月刊誌SOTOKOTO (ソトコト) の5月号のグリーンファイター特集に草島が登場しました。
http://www.sotokoto.net/sotokoto/

水と食を守る。と題して、6ページ大特集!
だだちゃ豆の名産地でも知られる木村充君の冬水田んぼ
http://www.yamagatada.com/2/
映画「おくりびと」にそのまんま登場する鶴乃湯、
竹の露酒造http://www.takenotsuyu.com/index2.htmlをめぐり、
アルケッチアーノhttp://www.ques.co.jp/alchecciano/の奥田君と対談。

書店に並んでいますので、どうぞご覧ください。木村君の冬水たんぼでつくっているお米、ご存じ「だだちゃ豆」の中でも限定品の「白山だだちゃ」。今年丑年ご縁年の出羽三山の主峰、月山を頂点とする扇状地の地下水と地元産の米からつくられる竹の露のお酒。今度銀座進出も果たすアルケッチアーノ の料理、どれもこの鶴岡の本来の資源を活かした逸品です。ぜひ、各ホームページにアクセスを。鶴岡の「底力」を味わってください。
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残年ながら、5月号は、バックナンバーになってしまいました。
大きな書店。また、以下HP からご購入になれます。

http://www.sotokoto.net/sotokoto/