持続可能な鶴岡ブログ

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スウェーデン 2)




草島です。
スウェーデン視察は、北部の4日間の後。そして、ストックホルム1日、また、今日は、ストックホルムからバスと電車で2時間ぐらいの、スウェーデン南部のJarnaのコミュニティセンターに行き、そこでおこなわれている有機農業というか、シュタイナー教育のアンソロポロソジーに基づいたバイオダイナミック農法、そこで営まれる経済を支えるECOBANKEN (http://www.ekobanken.se/)、そして、チリから今回のエコ自治体国際会議に参加のために来られたチリのマンフレッドマックスニーフの講演を聴き、ディスカッションしました。
昼食も、そこの地場産 オーガニック率100%のオーガニック、レストランで食べました。(これが最高でした!今回のこれまでのナンバー1かもしれません)

その後、アンソロポロソジーベースでパン作りをしている現場、ストックヤード、カフェ、売店、などなどを視察しました。今、スウェーデンでは、有機野菜がほとんどのCOOPなどに並び、中でもここのバイオダイナミック農法でつくられた製品は人気があるそうです。
 
なお、31日のフォーラムのからみで、メールをいただいておりましたので、以下のようにお返ししました。シェアしておきたいと思います。

確かに、地方分権が進み、権限や予算が自治体にあることは日本の社会と大きく違い、これは重要な違いではあると思います。しかし、分権したって、持続不能な社会を継続する社会に陥ってしまう自治体だってあるでしょう。エコ自治体を巡って感じるのは、分権のみが重要なのではなくて、持続可能な社会に向けて、きちんとディテールを創り出していることです。その判断基準として、ナチュラルステップの4つのシステム条件が機能しているということを感じています。

 北部のロベルトフォルシュはエコ自治体構想5.0がEUの支援も受けてはじまっており、鶴岡の講演でグンナルさんが紹介してくれたように、教育の分野では小学校では、持続可能な管理計画の元で、オーガニック率60%以上という、学校が運営されておりました。
 北部ツアーは、今度オリンピックが開催されるカナダのウィスラーの市長と北部はご一緒したのですが、カナダだって中央集権が進んでいるのに、ウィスラーは全ての政策の基本にこの4つのシステム条件を考えて機能させているということでした。
 
 「霞が関主導から市民と密着した自治体議員主体の環境政策決定のシステムへ」は確かにそのとおりなのですが、確実に持続可能な社会を形成するためにも、持続可能な社会を4つのシステム条件をベースとした包括的な計画のやり方を学び、それを実行することが必要だと感じています。
 科学的な原則に基づいた羅針盤があって、そして、「包括的」Holisticというところがとても重要かなと感じています。僕からいわせれば、「地方分権」だけではたちいかず、、、というフレーズが正しいとこちらで感じています。

 十分な予算を持ち、とことん議論をし、そこから新しい方策をつくりだす。その指針のベースがナチュラルステップの掲げるシステム条件なのだということです。

あと、自治体の現在の議員が、どれほど市民に密着できているかということも大事な課題だと思います。なんか、こちらの議員たちに会っていると、実にフランクでぶっちゃけ話ができるんですね。日本の場合よりも。悩んでいてもきちんと悩んでいるままの答えが返ってくるし、二枚舌の感じが全然ないんですよね。

とにかく、日々、ぴたりと心にタッチされる、希望の光を浴びている感じがしています。


本日はアースデイ!




本日、4月22日はアースデイ。地球の日。
八文字屋前のつじ説法からスタートしました。
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地球の、真実の声に耳を傾け、そして一人一人が行動する日。それがアースデイととらえています。

アースデイにちなんで、こんなイベントを鶴岡で行います。ぜひ皆さん、ご参画の程を。
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△4月24日(木)「地球を吹く」と出羽三山、庄内の文化を語る。

「地球を吹く」は、世界的に活躍しているトランペッター、近藤等則さんが、16年前、イスラエルのゲネブ砂漠を皮切りにおこなっている、世界中の自然の大地や聖地に対峙し、エレクトリックトランペットを吹くという取り組みです。
 今年2月24日には、「地球を吹く」in Japan 出羽三山と称し、厳冬期の出羽三山五重塔で200名の観客を前にしたライブ演奏をおこないました。また、その日を前後して月山の周辺、湯殿山スキー場の頂上付近、朝日、満月の夜、自然や雪と対峙して演奏しました。

これに、撮影クルー4名が、月山、出羽三山の自然、文化とそれに対峙し、トランペットのピストンが凍えて動かなくなる程の(事実!)吹雪の中で演奏する近藤氏や出羽三山山伏の姿、新体道創始者 青木宏行氏をとらえ、映像に結集しました。

今回、全国に先駆けて本邦初公開の映像上映会を鶴岡で行うものです。
映像に先立ち「地球を吹く」実行委員会、郷右近、星野、また、庄内映画村の平野克己氏を交え、トークライブをおこないます。

出羽三山・月山の新しい姿、そして山伏勤行とコラボレーションする近藤等則のパフォーマンス。地球のバイブレーションを感じにおいでください。

4月24日(木)午後6時半から
会場は 東北公益文科大学院 鶴岡タウンキャンパスホール(鶴岡公園となり)
入場無料。http://www.gassan.jp
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△4月27日(日)午前9時から
第10回 アースデイ・ビーチクリーンアップ
1998年より毎年行っているアースデイビーチクリーンアップです。
国際的に取り組まれている、調査シートを使って、おこなう調査型クリーンアップです。
海岸ゴミから私たちの「暮らし」が見えてきます。ぜひご参加ください
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◎北極の氷が解けてこの最近、年間アザラシが数十万頭、溺れて死んでいるといわれています。こんな地球の真実の声に耳を傾けること。
裸電球を蛍光灯電球に変えるだけで消費電力が4分の1になったりします。
アースデイ。みんなで地球を持続可能にするために行動しましょう。
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写真は98年、アースアイランドインスティチュート代表だったデビッドブラウアー氏と、バークレイ シェパニーズの前で。
地球がなくなったらどんな経済も成立しない。
地球の声に耳を傾けよう。このすばらしい音楽を理解するためにすべての人間は創造されたのです。

水。月山ダム。


この2日間。青学の4年生で環境NGO A SEED JAPANのスタッフであるKさんが来鶴し、鶴岡の水の現状を取材していった。案内しながら改めて昨日、月山ダムや浄水場、井戸の現状を一緒に見学をし、質問をした。
 月山ダムについては、次の質問をして回答がきたので掲載する。

1)月山ダムの堆砂量
・・・383千m3
※貯水から5年間(平成18年まで)のデータです

2)月山ダムの維持費
・・・平成19年度の総事業費 711.3百万円

ということだ。年間7億円の維持費がかかるということ。この内の7.4%だから、
5261万が、水道料金に毎年かぶさってくる。維持費だけでである。
建設費の1780億円の内、131億円を市は償還し続ける。その他に、毎年5千万円の維持費 ということだ。
年間7億、10年で70億。大変なカネがかかるものだ。

堆砂量。5年で、38万t。結構たまるもんだ。手前の梵字川ダムは、完成から15年でほぼ堆砂で満杯になったと聞いているが、この値は予想どおりなのか、予想外なのか。
ちょっと多いような気がするがどうだろう?

浄水場。薬品費が年間2千万円。と聞いた。トリハロの値が、今年の夏、結構高い値。
基準値はもちろんカバーしているが、0.05を超えることがあったということ。
発ガン物質のトリハロメタンは、原水中のフミン質と塩素が化合することによって発生する。
地下水には原水中のフミン質はきわめて少ないので、ほとんどトリハロは発生しない。
夏場の水質の違いは、このあたりが原因しているのだろう。

地下水販売所。11月に故障したきりで、1ヶ月も閉鎖状態。これはどうしたものか。
早く直せよ!

クジラ号、ラジエターリザーブタンク修理。1.5万円也。うーむ。



ゆーたうん


旧櫛引町の温泉施設ゆーたうんはいい。ひさびさに行った。
羽黒のゆぽかもいいけれど、こうした温泉施設の中では僕は最も気に入っている。
気に入っている大きな要因は水だ。爽快感が他とどうも違う。

ここのサウナからでた後の水は飲める。「はー?」と思う方もいらっしゃるかもしれないが、「地下水です。検査の結果飲料できます」とサウナのとなりにある水風呂の蛇口に書いてある。実はここの地下水は元の鶴岡水道の水源だった地下水源とほぼ同じものだ。ちょっと上流だけれど。下流域のものはブルボンで採取して全国販売されているわけだから水のおいしさはお墨付きなのだ。
 ここに来る方の常連客には、ペットボトルや20リットルぐらいのポリタンクを持参して、このサウナ隣の水を汲んでいく方が結構いる。
 考えてみれば、こうした水風呂に入れる場所というのは全国見渡しても少ないのだ。
都会のサウナのほとんどは実に塩素臭い。あれで爽快感は半減する。

 ここのサウナは別格だと思う。今日、久々に行ったのだけれど、「あれれ」と思うところがあった。サウナ用のタオルだ。サウナに入る時、お尻に敷くやつ。それが今までは無料で入り口にどんと山積みで置いてあって、自由に使うことができたのに、今日はそれがなかった。なんでも入場する際に2枚手渡されるといった方式になったとのこと。それを知らない僕はそれから受付のところに一度もどらなければならないことになった。こうなったのは。一人で何枚も何枚も使う人がでてきたから。ということだが、こんな事をケチったからってどうなるのか。と利用者のひとたちと盛り上がった。
 クリーニング代が、、、等と言い訳されたらしいが、こんなタオルを業者のクリーニングに出す必要があるのだろうか。ドラム型の乾燥機一体型の洗濯機でも置いたらどうか? いやにいつになく力がはいるが、疲れた体を癒しに来る利用者のせっかくのささやかな楽しみが奪われるのはいかがなものか。ということだ。ちょっと調べてみよう。
 

うれしい記事 緩速濾過


10/20 水源切り替えデイにふさわしい記事が届いた。—————————

朝日新聞 長野版より
よみがえる旧式浄水場 須坂市が復活へ

2006年10月20日


 80年前の大正末期に建設され、取り壊しを免れていた浄水場を、須坂市が「現役復帰」させる検討に入った。人口減などで水の需要も減り、新型浄水場の運営コストが重荷になってきた。しかも「旧式」は微生物の力を借りて水の臭みなどを取り除くことから、薬品を使う新型浄水場より「安くておいしい水」が期待できるという。昔の浄水施設の復活は全国的にも珍しく、財政難の地方自治体による「妙手」としても注目を集めそうだ。(浜田陽太郎)

 復活するのは1926(大正15)年に完成した「坂田浄水場」。底に砂を敷き詰めた濾過(ろ・か)池に、市内を流れる灰野川の伏流水を引き込み、砂の中に生息する微生物などの働きで汚れを分解する。これは「緩速濾過」と呼ばれる方法で、1日あたり3400立方メートルを処理する能力があった。

 急速な人口増が続くことを見込んで、市も約27億6千万円を負担した県の豊丘ダムが完成したのに伴い、1日9500立方メートルの処理能力を持つ最新式の「塩野浄水場」(事業費28億円)が96年に稼働。「坂田浄水場」は10年間、使用を休止していた。

 だが人口は、冬季オリンピックのあった98年の約5万4800人をピークに、05年までに1100人以上減った。96年に4万2千立方メートルと設定した1日当たりの計画給水量も、04年には3万2600立方メートルに下方修正された。「塩野」1個分の需要が減った計算だ。

 「塩野」では年間、ポンプで水をくみ上げるだけで電気代が700万円、濁りを沈殿させる「急速濾過」に使う薬品代に290万円、沈殿した泥を産廃処理するのに120万円かかる。さらに今年度予算では泥を集める機械の修理費に420万円も計上。税収が減っている市にとって軽い負担ではない。

 一方、「坂田」はこうした運営費がほとんどかからず、現役復帰によって水道料金引き下げの期待も出てくる。浄水場すべてが緩速濾過方式の上田市の場合、1立方メートル当たりの供給単価は須坂市に比べて30円以上安いという。三木正夫市長は「人口が減少する状況では、費用対効果を考えるべきだ」と話す。

 「坂田」が稼働を始めれば、「塩野」はトラブルがあった場合の「バックアップ用として維持することも選択肢」(市水道局)という。水道行政を所管する厚生労働省は「急速濾過の施設を休止し、緩速濾過を復活させる例は聞いたことがない」(水道課)としている。

 市は、緩速濾過(生物浄化法)の第一人者である中本信忠・信大教授に依頼し、「復活」に必要な作業の調査に乗り出す。中本教授は「財政難に直面した市が、業者任せにせず自ら考えて、緩速濾過の良さに気づいた意義は大きい。こうした自治体は今後、増えていくのではないか」と評価している。

 坂田浄水場の開設80年周年を記念し、市は20日午後2時から、市シルキーホールで中本教授の講演会などを開き、緩速濾過の意義などを市民に伝えることにしている。

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この記事に登場している中本先生は、2003年の鶴岡での水郷水都全国会議でおいでいただいている。塩素は毒。緩速濾過や地下水の水は安くておいしい。微生物の濾過によって安定した水質になる。真摯に古くて新しい技術 緩速濾過の浄水場について力説する先生。高崎の歴史ある濾過池にもご案内いただいた。

 須坂市のこの取り組みのようなことこそ、今、最も大事なことだと思う。国の言い分を鵜呑みにして、高コストでまずい水と住民に批判されるより、本当に知恵を絞って安くておいしい水を提供する方が絶対にいい。低廉で良質な水を提供するのは水道法で決められた水道事業者の責務なのだ。ところが今はそうなっていない。
ダム利権。水道浄水場利権。などなどなどにがんじがらめになっているのだ。
 
 中本先生にももっともっと活躍してもらいたいものだ。僕も地下水や微生物浄化の復権を脱ダムとともに唱えていきたい。



国際海岸ゴミワークショップ 実践編


朝8時にスタッフで集合し、国際ビーチクリーンアップの準備、国外3カ国のNGOや政府関係者を含む100名で宮野浦海岸で調査型クリーンアップのワークショップをおこないました。
   30M×70Mの区画、30分をかけてゴミを拾った後、分類。重量の計測で昼過ぎまで。

  ゴミを拾ってきれいにしようと思っても到底全部はできません。調査型のクリーンアップを通じて海洋ゴミの実態を知ること。そして排出を抑制するために何をしなければいけないか。を考え、行動に移すこと。
  当日はjeanの小島さん、酒田パートナーシップオフィスの金子さんらの働きかけにより自民党の中で海岸ゴミ対策の委員会を立ち上げていただいた委員長、加藤紘一代議士が現場にいらっしゃり、海岸ゴミの実態を知っていただくととに、これからの対応策として、政府への働きかけを行うことをしっかりと宣言していただきました。
   
  午後は、参加者のエスカーションとして加茂水族館などを視察した一行。クラゲの展示は韓国、ロシアのメンバーを驚かし、みんなとても評価されていたようです。
   
  一段落して男女共同参画のフォーラムに参加。
 
   六小のゆりのきフォーラム、残念ながら参加できず。ごめんなさい。
  

海岸ゴミを考える。国際 ICCワークショップ


鶴岡市議会本会議終了後、僕は酒田に車を走らせました。
昨日から日本、韓国、中国、ロシア4カ国のNGOや政府関係者が集まって、International Coastal Crean upのワークショップがおこなわれました。
昨日は日韓NGOの会議を北川元三重県知事らのシンポジウムの後に傍聴、本日はホールでのシンポジウムの後、参加スタッフと交流会。
 ロシアのNGOスタッフとは、松尾芭蕉の話やロシアでも大流行中の村上春樹の短編小説の話でもりあがり、また、韓国のNGOのスタッフからは、2次会で友好の証として即興の詩が朗読されたり、となかなか心に残る交流となりました。
  海岸、海洋ゴミの問題をこの日本海を囲む国々でどう考えていくか、それぞれの立ち位置を確認できたとともに、同じ思いでこの作業に取り組んでいる市民がいることを確認。とても興味深いシンポジウムでした。

水道ビジョン委員会 傍聴して


金曜日、市役所内であった水道ビジョンについての委員会傍聴。
委員の市民から次なる発言
「最近は水道の蛇口からそのまま水がのめなくなった。薬臭くて。沸かして飲むしか無いという人はまわりに多い。それに水道のまわりが黒ずんでくると言う声を多く聞いている。これはどういう事か?」
水道部は、「塩素の事かと思いますが、これは基準を満たしているので問題ない。黒ずんてくるのは水道のせいではないと思います」
などと応えた。

はあ? この水道ビジョンだが。「利用者の声に耳を傾け信頼できる水道」などとうたっている。しかしながら、水源切り替え以降全く市民アンケートも、モニタリング調査もやっていない。

 人口減少時代に突入して、広域水道のつじつまがあわなくなっている。これを行政の責任を全く放り投げておいて、住民と上っ面の会議をやっているだけ。というのが今の実情なのではないか。
 受益者負担である水道事業が本来すべき事をやってこなかった。そして失敗もしている。その失敗のツケを一方的に住民に負担をさせながら、きれいごとのビジョンをつくる。どうも全く納得いかないのだ。
 

県知事との夢みらいトークで発言。


酒田市公益文科大ホールでおこなわれた「県知事と語る夢みらいトーク」に出席して会場から発言しました。

3点、問題提起をしたい。

1つは、全国で最も高い水道料金と悪名高き、水道問題の事。2001年の10月の広域水道への切り替え以降、鶴岡市民の水道をめぐる環境は一変している。「水道が高くなって、まずくなった」「ペットボトルを買って飲まざるを得ない」など。多くの市民の声がある。私が不思議なのは、県が施策をすすめておきながら、住民の声をもとにした事業の評価をしていないということだ。住民の声に耳を傾けていない。
そこでこの5年間をへた現状の水道のモニタリング調査を実施してほしい。

2)ダム事業の陰で、赤川扇状地の地下水資源が無視されている現状がある。月山からの赤川扇状地には、52年から55年まで東海大柴崎先生と山形大との共同で調査し、当時のシミュレーションで25万トンの持続性補給量があるとされる水源がある。
これが現在、県や庄内支庁のビジョンで無視されている現状である。
「食の都」を支えるのはおいしい水だ。これこそ、ここならではの資源であり、こうした資源を無視していることは許されない。地下水源について県としても水収支を再調査するなどし、有効に生かす姿勢をみせてほしい。

3)最上川の環境にも影響することなので、ここであえていうが、
最上川の上流に最上小国川という川がある。
 この川は、年間鮎つりに3万人の人が訪れ、150万匹もの鮎が天然遡上する川で、最上川とともに私たちの財産。特に、ここでとれる松原鮎は全国に誇れる山形ならではの食の文化だと考える。

ここに県は今、穴あきダムとうことを計画しているが、これは、まさに従来型の公共事業の構造そのものだと思う。

 また、流域小委員会の持ち方も、先日ある紙面に「清流・最上小国川に無用なダム建設を推進する非民主主義的な会議の現状」として紹介されていますが、こうした旧態然とした公共事業のやり方だ。知事は改革断行といっているが、公共事業の姿勢は変えないんですか。ということだ。
 長野では「ダム建設費用全体の約80%が国庫負担。されど国からの手厚い金銭的補助が保証されているから、との安易な理由でダム建設を選択すべきではない。よしんば、河川修復費用がダム建設より多額になろうとしても、100年、200年先の我々の子孫に残す資産としての河川の価値を重視したい」という趣旨の脱ダム宣言をおこなった。私は、こうしたスタンスこそ、こども夢未来宣言につながることであり、ここならではの環境資源を未来に手渡すことができる方策だと考える。

山形県内で、ダムのない中流河川はこの小国川一つ。せめてこの一本の川にこそ、ダムによらない治水を実現してほしいと思うがどうか。

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小国川の事。


小国川漁協、神室の自然を守る会、出羽三山の自然を守る会のメンバーの皆さんと懇談。
穴あきダムの問題。以前、新聞クリッピングしたように、全国でブームのようである。

水を貯留するダムよりも流水型ダム(穴あきダム)の方が生態系に影響がない。
と推進派は言う。

しかし、水温が1度でも違っても、鮎には影響がある。水量が変化して石が泥で覆われる月山ダム建設後の赤川のようになれば、鮎は成長が遅れ、そして良質の苔を食べている鮎とは全く違った味になる。

それに穴あきダムだったら、全く土砂やヘドロが堆積しないのだろうか。小国川ダムの場合、現在示されている値では2.5m×2.5mの穴があいているだけなのだという。
ダムと堆砂、ヘドロの件については、富山の出平ダムや宇奈月ダムで訴訟問題がおきている。

以下、最新の取り組みがちょうどメールにて流れて来たので転載します。
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黒部川の排砂問題に関心を持つ皆さんへ
「黒部川排砂ダム被害支援ネットワーク」よりお願い(転送歓迎します)

□5月29日〜31日 公害等調整委員会の証人・本人訊問に傍聴をお願いします。

 弁護団報告にあるように今月29〜31日の3日間連続して証人・本人尋問が行われま
す。これは今回の公害等調整委員会そして、第一審の最大の山場になると思われま
す。6人の弁護士が弁護団を組み排砂と漁業被害との因果関係について最大限の立証
を進めてきましたが、本件の審理を担当する委員長は、「よみがえれ有明海訴訟」の
原因裁定で因果関係を否定した委員会の委員長と同じ方でであり予断は許されませ
ん。多くの傍聴者に集まっていただき、今回の裁判や公害等調整委員会に世論の関心
が高く厳正な判断を求めている事を示していかなければなりません。委員会の場に足
を運んでいただき、原告や証人の方を励ましていただきたいと思います。みなさん、
ぜひお越しください。

●場所…東京都千代田区霞が関3−1−1
      中央合同庁舎第4号館10階1045室
     公害等調整委員会審問廷

●スケジュール
5月29日 13時15分〜
 ・青海忠久福井県立大学教授
 黒部川と河口沿岸の海底調査結果、ヘドロの与える悪影響について
 5月30日 10時30分〜
 ・田崎和江金沢大学理学部教授
 黒部川と河口沿岸の海底調査結果、ヘドロの与える悪影響について
      13時〜
 松本英二名古屋大学教授
 被告側の主張全般
 5月31日午前10時30分〜
 ・証人審問 藤田大介氏
 04年、05年の入善沖海底調査の結果。それまで見られなかったヘドロが多く見
られたこと等。



□なお、この間の裁判の経過と今回の証人・本人訊問の位置づけについて弁護団報告
を転載する。


黒部川排砂ダム被害事件の経過
         出し平排砂ダム被害弁護団報告

1 公害等調整委員会での原因裁定手続きの経過
  2004年8月3日に富山地裁から国の公害等調整委員会(千代田区霞が関3
−1−1中央合同庁舎第4号館10階。以下「公調委」)に対して、因果関係につい
ての原因裁定(公調委で因果関係の有無を判断する手続)を行うことが嘱託され、原
因裁定手続きが始められため、裁判の方は、3〜4月に一度その進行状況を確認する
ための期日がもたれるだけで、専ら公調委で次の事件の手続きが進められている。
   平成16年(ゲ)第3号 原因裁定嘱託事件関係 
   原告 井田隆三外13名,被告 関西電力株式会社
 裁定委員委員長加藤和夫,委員平石次郎,同田辺淳也

2 原告らの主張・立証活動のポイント
 1991年以後の出し平ダムによる排砂と漁業被害の間の因果関係について原因裁
定を求める、この公調委における審問での主張・立証活動が最近の弁護団の中心的活
動であった。
 この間金沢大学田崎和枝教授及び福井県立大学青海忠久教授らによる調査・研究活
動の成果を受け、被害発生のメカニズムを主張・立証することに力を注いできた。地
質学及び海洋資源学の専門家による論文等各種専門論文を証拠として提出して裁判官
や行政官出身である委員長らに説得的に主張・立証することは思いの外困難な作業で
あった。また、事件の直接の被害者は「いなくなった」「魚」であり,なおさら困難
が伴う。しかし、研究者、被害者、そして弁護団、支援者による検討の結果、被害発
生のメカニズムが、相当わかってきたと思われる。それは (1)ダムによってでき
た人工的涸沼内にダム周辺から枯死木,落 葉,表土などが流入,沈降し,ダム底に
堆積した。ダム底質は貧酸素状態であり、堆積物中の嫌気性微生物の働きにより還元
的状態となり有機物は半分解状態になっていく。また、ダム湖底では有機物などを抱
え込む性質を持つ粘土鉱物のスメクタイトが大量に存在しており、半分解状態の有機
物と混ざって大量に堆積している。
(2)通常ならこれら有機物や粘土はダム湖底にとどまるが、出し平ダムでは排砂
ゲートから排出されることにより,これら大量の有機物及び粘土を含む土砂が一挙に
黒部川を伝って富山湾に流れ込んだ。本来ダムがない状態であれば相当の期間にわ
たって、少しづつ海に流れ込む有機物が、ダムのために湖底に堆積されて半分解状態
になり、これが排砂によって一挙に大量に粘土類とともに海に放出されることにな
る。1回の排砂で出される有機懸濁物質の量は大阪湾全体に1年間で堆積する量の5
分の1ないし4分の1にまでのぼる。
(3)当該有機物を含んだ大量の土砂は,富山湾の西から東に向かう潮流,季節に
よって異なる海水の混合特性や水温、海底の地形などの要因のもとで、主として黒部
川河口北西部の海底のくぼみや谷すじに堆積する。堅く堆積した大量の有機物は貧酸
素状態のもとで微生物の働きで、半分解状態のために急速に魚に有害な硫化水素やア
ミン類、アルデヒド類などを発生させるとともに、海底直上水を貧酸素状態にする。
これにより,魚や底棲生物が斃死したり、忌避行動を起こすなどの悪影響を及ぼし
た。これら堆積物は,その起源分析によりダム由来物であることが判明している。
 また、排砂時の浮泥や、一旦海底に堆積した粘土類、有機物が波浪などによって再
浮遊したものなどが、海藻や海藻が付着する岩石の表面を覆 い、その生育に悪影響を
及ぼし、養殖ワカメの漁獲を激減させ、海藻の減少のために小魚や魚の餌となる生物
がいなくなり、魚の生育環境を奪った。
というものである。

3 公調委での審問の状況
  昨年は合計5回の審問が開かれたが、ほぼ裁判と同様の形の主張及び立証が求め
られた。その中では、海底がヘドロ化したというが、過去の海底の状況はどうだった
のか、どう変わったのか主張立証せよという困難な問いかけがあったり,もともと黒
部川以西は今回問題となっている黒部川以東に比べ泥質であるが,そこでは漁獲高が
減っていないのではないか,刺し網漁業者が主として取っていた「ひらめ」について
は漁獲量が激減したと言うが,全国的にも同様の漁獲減少傾向にあるのではないか
等,多種多様な反論もなされ,排砂と漁業被害との因果関係の存在をいかに認めさせ
るか弁護団会議で議論を闘わせてきた。
 ただ、昨年秋以降県東部で例年にないヒラメの豊漁が報じられたが、豊漁だったの
は黒部川河口の西側だけで、以前ははるかにヒラメ漁獲が多かった東側では漁はな
かった。これも有力な根拠になると考えている。

4 損害立証の困難性
 また,因果関係の解明が中心となる公調委の手続きではあるが、排砂とその結果と
して生じた被害、損害との間の因果関係が問題になる以上,魚が忌避ないし斃死した
という被害が生じていることを証明しなければならない。そのため漁業者の操業場所
における漁獲量が減少したことを主張・立証しなければならないが,これも容易な作
業ではない。そもそも刺し網漁業者には,従前は漁獲高・漁獲量を裏付ける資料を保
管するという必要性はなかったため、そのような習慣もなかったし,1991年に初
回の排砂が行われた時点や、その後数年間は,現在のような壊滅的な被害の発生を予
想しえなかったから、漁獲量の推移を記録したり、保存したりしていなかったためで
ある。また、漁業者の漁獲状況を把握しているはずの周辺の漁協も、排砂を認める県
漁連の影響のためか、協力的ではなく、原告らが尋ねても協力が得られる状況ではな
い。そのため弁護団として公調委に、周辺の漁協や魚市場に対して漁獲状況調査を実
施するよう働きかけるなど損害立証につき,さまざまな角度からの立証作業を試みて
いる。

5 被害者の誠実性と関電の不誠実性
 当初から刺し網漁業者の方は,お金の問題ではなく、失われた漁場の回復を何とか
してほしいと一貫して訴え続けてきた。漁場さえ回復すればいくらでもやり直せる
し、富山県民の財産である「キトキト」の魚が戻るからである。そのため活動の中心
は,漁場回復を求める点にあり,それは現在も変わらない。
 これに対して、被告関西電力は,「環境に配慮した排砂を目指したい」等と言いな
がら実際には、自らが組織している排砂評価委員会に被害者を参加させず、委員から
調査方法について疑問が出ても対応せず、極めて不十分な調査しか行わないで、調査
結果のデーターを盾に、排砂は影響を与えていない、との態度を崩さず現在に至って
も排砂方法の抜本的見直しや被害漁場回復のための方策をとっていない。
6 今後の手続きの見通し
 公調委ではこれまでに9回の審問期日が開かれ、排砂と漁業被害との因果関係・科
学的メカニズムについて詳細な主張を求められてきた。こうして、因果関係に関する
主張が整理され、いよいよ5月29日から三日連続で田崎教授、青海教授、藤田教授
の研究者参考人と原告らの本人尋問が行われる。また、今後、専門委員による海底底
質調査が行われる見込みである。2003年以降の排砂量は9万、25万、51万
(各立方メートル)であったが、今年は3万立方メートルを予定しているとのことで
ある。排砂量が少ないことは富山湾の環境にとっては好ましいことではあるが、これ
は、公調委による底質調査を見越し、汚染データを出させないための関電側の策では
ないかと考えられないこともない。
 最後に、初回排砂から約15年が経過し、漁の少ない中で大変な苦労をして漁業を
続けてこられた原告の方々も高齢になり,時間との勝負の面もある。最近の原油高は
漁業の継続にいっそうの困難をもたらしかねない。弁護団としても一丸となって早期
の解決に向け努力していく所存であり,引き続き支援をお願いする次第である。
                           以 上

発信先…排砂被害支援ネットワーク事務局長  金谷 敏行