どこまで市に裁量権があるのか。鶴岡市文化会館 設計変更増額問題
96億7600万円 鶴岡市新文化会館の問題。8億400万円の増額を如何に考えるか。
3月1日の市議会の質疑を書き起こしてみた。そして3月3日の一般質問の内容も踏まえた。
96億7600万円を総事業費
96億7600万円の内訳は、
旧文化会館青年センター解体費 3億9200万円
建物など建物本体、付帯工事 86億900万円
外構工事 1億5500万円
敷地測量 設計 など業務委託費 2億2500万円
本緞帳作成費を含めた備品 2億9千800万円。
H26年落札契約時 本体工事 78億9千万円 補償費 工事関係事業費全体で 85億7400万円
よって8億400万円の増額となった。
増額となる工事費関係事業費は
昨年2月に施行者に通知したインフラスライド 1億8700万円
現契約本体工事の変更見込額と、平成29年度に
新たに発注計画している建物本体に付帯する追
加工事をあわせた額 5億4000万円
この他、 外構工事費 7700万円
この中の特に5億4000万円の設計変更による工事が問題である。答弁によると
1)屋根工事についてホール客席やステージ部分を除いた金属屋根の下地をボードから、設計時の検討では困難とされた軽量コンクリートへ変更することとし、これにより耐久性が向上し、将来想定される修繕、改修工事費用の低減等を図ることができると考えている。
2)将来必要となる金属屋根の吹き替え工事期間中も文化会館全体の継続停止期使用が可能となる。
3)ホール客席部分 天井裏の点検フォローなどメンテナンス用設備の見直しにより定期点検や機器交換等の際の足場などを設置する仮設機の低減をはかる。
というもの。そしてこの設計変更によって施設耐用年数の目安である60年間で最大6億1800万円の経費節減が期待されると市は主張している。
設計を確定し施工者が決定した後、施行方法などについて改めて施工者、専門業者、メーカーを超え検討を平成27年1月に現場レベルで着手し 現場では試験施行などをおこない、工程上、最終の段階となる掘削道路の削減、山止めはいなど減額要素の変更など、 屋根の施行法の変更が検討されてきた。屋根の変更については関連する構造体の変更などとともに施工費の調整をおこないながら 市の担当技術者が判断をしてすすめておりますが、変更内容は基礎、壁、柱など構造部材とともに屋根にかかわる様々な部材など多岐におよぶため、工事の進捗と平行して検討を続けてきた。これらの検討結果の報告はH27年6月、 屋根下地をコンクリートに変更による工事費増額となる一方で 将来の維持管理費の減と必要な設計変更と考え、全体的な工事費のコストコントロールをおこなうことをあわせて判断したものであります。
昨年12月の段階で、新年度の予算の策定に向け、現時点での完成までの残工事量を踏まえ その見通しを検討したところでありますが、苦渋の決断ではありましたが、増額せざるを得ないと判断した
なおそれぞれの工事費の内訳については現在も請負者と協議中であり、また、新年度に新たに発注する工事もありますことから、個別の金額については現時点でお示す事は差し控えさせて頂きたいと思います。改めて協議が整いました時点で、すみやかに議会に対して説明をさせていただきその後、変更手続きをすすめ、6月に変更契約についておはかりをさせて頂きます。
として、5億4000万円の内訳は明らかにされていない。それぞれの値があったものを積算しているからこの数字になるのではないか。と思うが。疑問に思うのは、5億もの工事請負契約の変更を伴う設計変更について、行政内部と業者間で判断し、仮契約のようなかたちで工事を進行させ、後から議会にかけているということだ。市によれば契約については今回の議会にものらず、6月議会での契約承認を議会にもとめてくるのだそうだ。
こんな事をやっていると議会で決定した予算の意味はどこにあるのか。と思えてくる。
議会にもはからずに、鶴岡市長が独断で判断できる自由裁量権の範囲をどうとらえているのか。改めて尋ねたいものだ。
マイナス金利導入ー情報漏洩の疑惑とリスク。安倍首相の財政状況の無知。
2月3日の国会審議、財政リスクについて問いただした民主党 玉城議員の質疑。が興味深かったので取り上げます。
先ずは「日銀のマイナス金利導入情報が事前に情報漏えいされていた疑い。」について
ブルームバーグで以下、記事がでていました。貴重な記事だと思いますのでピックアップしておきます。
(以下ブルームバーグ):日本銀行は、1月29日の金融政策決定会合をめぐってマイナス金利導入をめぐる議論が発表前に報道されたことについて、事実関係の調査に入った。
黒田東彦総裁は3日の衆院予算委員会で、「憶測に基づく報道である可能性も含めて、現在、事実関係を調査している段階だ」と答弁した。具体的には「議論の内容を知り得た日銀の役職員、および政府関係者を対象として、決定会合開始から報道がなされた時刻までの間、当該報道機関の記者と接触した事実の有無を調査している」と述べた。麻生太郎財務相は日銀の調査を見守ると述べた。玉木雄一郎氏(民主)への答弁。
1月29日の金融政策決定会合の結果発表は午後0時38分だったが、日本経済新聞(電子版)は同0時31分の会合終了前に「追加的な金融緩和策としてマイナス金利政策の導入の議論に入った」と情報源を示さずに報道。原油安や中国経済の減速で世界経済の先行きへの不安が強まり、国内の景気や物価でも下振れ懸念が高まっているためとした。報道を受けて円の対ドル相場は急落、日経平均株価は急騰した。
日銀の熊谷任明広報課長はこれより先にブルームバーグの取材に対し、「まずは憶測に基づく報道であるかどうか含め、状況をよく点検していきたい」と話していた。日本経済新聞の広報担当者は、電話による取材には応じられないとして、質問をファクスで送るよう求めた。
米国では司法当局が調査も
会合には通常、黒田東彦総裁をはじめ政策委員9人と日銀事務方、財務省と内閣府から各1人が出席する。採決が済んで会合が終了すると、広報室に詰めている記者に発表資料が配布される。この日、記者に資料が渡されてから10分経過しないうちに結果発表となった。記者は解禁時間まで外部と連絡することはできない。
三菱東京UFJ銀行の関戸孝洋ジャパン・ストラテジストは情報漏れがあったなら「相当まずい問題だ」と指摘。UBS証券の青木大樹シニアエコノミストは、「こういった情報漏えいが続くと、マーケットの中でマスコミへのリークさえ見てれば良いという見方を構築することになる」と話した。
海外の中央銀行も情報管理をめぐって問題を抱えている。米連邦準備制度理事会(FRB)は2011年7月にガイドラインを出し、政策当局者は連邦公開市場委員会(FOMC)のほかのメンバーの見解を説明したり、非公開の会合について議事録で公表された以上の内容について発言しないよう求めた。
2012年10月のメドレー・グローバル・アドバイザーズへの情報漏れの事案では、少なくとも下院に加え、FRBと米司法省の共同調査が入る事態となっている。
以上、http://www.bloomberg.co.jp/bb/newsarchive/O1WXB66S972K01.htmlーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●この案件について玉城議員は、法整備について提案するも、麻生大臣は「道義的な話が一番、その上で法的に考えるなどと答弁した。
「マーケットの完全性が揺らぐことは我が国全体の金融市場の信頼に関わる。如何に管理するかが重要なことだ」と指摘。
更に、黒田総裁は、1月28日に国会で「マイナス金利」については検討しない」と、明確に答弁していたが今回の「導入」の発表となった事について指摘、
「日本銀行総裁はウソをついてもいいんですか?」との質問に対して黒田総裁は、ごにょごにょ言って全く答えなかった。
マイナス金利は、初日だけ機能したようだが、現在地方銀行の預金金利がさがるなど、地方経済への悪影響のリスク が懸念される。
更に、金利の見通しについても黒田総裁に質問。すると、「物価安定目標が実現されれば、長期金利は上昇する」と答弁した。
比較的短期の間に金利があがると地方金融に影響する。このままだと、無責任にばくちのような金融政策に国民を巻き込むことになるのではないか。と玉城議員は指摘した。
その後、税収の「上ぶれ」と「底上げ」について質問。 安倍首相はアベノリスク効果の「底上げ」について全く答弁せず結局「上ぶれ」「底上げ」の違いが全くわからなかった。
玉城議員は、「結局上ぶれといっているがリーマンショック以降下ぶれしたものがもどったにすぎないのではないか。」と指摘。法人税が増えているなどと首相は答えたものの、どのぐらい法人税が増えたかは答えられなかった。「底上げはいい加減」だと玉城議員は指摘。
更に第一次安倍政権の平成19年と現在とでどのぐらい社会保障関係費が違っているかを尋ねられた安倍首相はこれも全く応えられなかった。
玉城議員は以下のように結んだ。
「51兆円の税収が同様の内、平成19年 21兆円。今年32兆円と11兆円も増えている。そのうち消費税でカバーされるのは6兆円。そのほか、国債関係費3兆円増えている 子育て関連費0.3兆円見つけてこなきゃいけない。 TPP関連0.2兆円必要だ。ちょっと下ぶれしたから新しい歳出につかっていたら財政再建なんてできないじゃないですか。安倍総理は今のような答弁。あまりにも財政状況に対して無知であることがわかりました。」「 安定的な財源も確保しないで 歳出だけ約束するような事をやめないと日本の財政はよくならない」と。
この後、質問もされていないのに安倍首相は逆ギレして全く説明にもならない演説をして国会は騒然となっていた。
アベノミクスはアベノリスクといわれる。政治と金融が一体となって国民を騙し続けているような気がしてならない。
鶴岡市 新年度予算について。
3月2日からおこなわれる3月議会で審議される2010年の当初予算が22日、内示になったとのこと。
入手した資料から
1億円以上の重点事業でひろってみると、
先端生命科学研究所等支援事業 313956千円
先端研究産業支援センター拡張事業 481047千円
子育て支援医療給付事業 222958千円
生活習慣病対策 253386千円
消防本部、本署庁舎新築 1842750千円
庄内自然博物園整備事業 728817千円
西郷地区農林活性化センター整備 538650千円
障害者自立支援給付 1710776千円
各種扶助事業 1467900千円
保育サービス推進 2808600千円
児童手当および子供手当支給 2446070千円
通学対策事業 211890千円
小中学校改築事業 284474千円
公民館管理運営事業 125426千円
農林
経営体育成交付金事業 213776千円
農地・水環境向上 164285千円
商工業
金融対策事業 1152400千円
緊急雇用創出関連事業 386019千円
都市機能
都市基盤整備事業 125200千円
交通輸送対策事業 162207千円
幹線、生活関連道路 橋梁整備 801960千円
といったところ。
この予算の中でもあわせて8億円近い予算がついている慶応大学バイオ関連では、毎年投入され続けている研究費などへの補助金がほぼ満額ついている上に、拡張事業としてこの予算内に4億8千万円が計上されている。この他に、3月議会に提案される2009年度一般会計補正予算で‘拡張事業」の項目があり、4億1800万円が土地購入および実施設計費として計上されている。この22年度で10年間、慶応大学の研究所自体に毎年の補助金での支援の上、そのバイオ関連施設拡張事業について、更に市税を投入することへの説明は十分果たされなければならない。
まずは、これまでの成果。市民の還元。そして、新規に税の投入をすることへの成果目標。市民への還元の成果目標などが、行政側からしっかりと示されなければならないと考える。2日よりはじまる市議会を注目したい。
ーーーーーーーーーー予算の表組みなど、崩れていて申し訳ありません。ちょっと手法を検討してみます。ーー