持続可能な鶴岡ブログ

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月別ア―カイブ: 8月 2006

最上川流域委員会 お知らせが前日!?



最上川流域委員会 が明日24日おこなわれるということが、突然今朝23日の山形
新聞に掲載されていました。

県の河川砂防課 菱沼氏に問い合わせ 尋ねると

明日24日、午後1時30日 山形県 山鹿市駅前 ホテルメトロポリタンで
おこなわれる。との事。
委員はいつ決まったのかを尋ねると、委員は、2年間の任期で、今年の3月で
きれて、最近まで決まっていなかった。
依頼文をだして委嘱したのが8月3日。国土交通省整備局長と知事の連名で起案しているとのこと。

今回の流域委員会の開催については、昨日 1時半から記者会見を行った。傍
聴は可能。とのこと。

こうした流域委員会が、会がおこなわれる3日前に突然記者会見で発表される
という事態、おかしいことだと私は思い、電話口で、抗議する。

また、先生方にご提出いただいた意見書については、流域委員会には、はから
れる事がないなどの発言を担当者である斉藤主査が示しました。

そこでも 「おかしい」「河川工学者2名が名前をそろえて提出された意見書
を無視するのですか」「流域委員会にきちんと提示されるのが筋なのではあり
ませんか」と抗議。7月7日まで来た意見などについては、流域委員会にはか
るなどとその担当者は発言。

その7月7日についても、県のパンフレットにだけ書かれているのみで、その
際は担当は、とりあえずの締め切りで、その後も受け付けるなどと言ってい
た。にもかかわらずである。

断固おかしいと抗議した。

その後、午後6時ぐらいに斉藤主幹より電話があり、「明日の流域委員会に意見書を提示します」とのこと。

どうなっているんだ!? この県の対応は???


とにかく、本日、最上川流域委員会。

午後1時半から、山形市ホテルメトロポリタン。行くべし。
その前に鶴岡市役所 慶応大学の今年度の補助金申請書が情報公開されるのでそれを受けてからである。よっしゃ。

靖国 言論弾圧


加藤紘一代議士の事務所放火事件について、市民の方から次なるご意見を頂戴しました。
以下、掲載します。
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「もの言えば唇寒し」の世相を憂う

 盆休みで賑わう山形・庄内地方は朝からの強い日射で気温もウナギ昇り。61年前の終戦の日を思い起こしていた。そんな日の夕刻、わが家の周辺がにわかに騒々しくなり、やがて消防車や救急車の警笛も聴こえてくる始末。外に出てみると近くの精三会館(加藤紘一代議士事務所と住宅)の屋根から火がふきあがっているのが目撃された。その後のマスコミ報道によれば、放火された疑いももたれているそうだ。山形県警を中心にした捜査で近く真相がわかるであろう。

 そういえば、この日は小泉首相の靖国参拝をめぐって朝からマスコミ報道や
その賛否について、政治家や識者のコメントが放映され、その中で加藤紘一元
幹事長は一貫して首相の靖国参拝に反対の立場を表明されていた。このことと
今回の放火事件との関連は定かでないが、靖国参拝反対に対する口封じのテロ
ではないかという声も聴かれる。もし、そうだとすれば言論に対する重大な挑戦といわざるを得ない。太平洋戦争前夜の重苦しい世相が気にかかる。

 ある新聞記事によれば、加藤事務所が放火されてから、靖国参拝にかかわる政治家・識者の発言がめっきり少なくなったとか。せっかく市民レベルで靖国の問題、戦争責任などの歴史認識が問われ、さまざまな論議が巻き起こった矢先であるだけに、今回の事件は残念であった。

 こうした世相だからこそ,各人が自由にものを言える社会を守ってゆきたいものである。
 
K.O.様より
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まさに同感です。 この靖国問題については、例えばこんな意見も提示されています。


A級戦犯合祀問題に留まらず、戊辰戦争、西南戦争を始めとして、
日本に暮らす者同士が戦った悲劇の、勝者のみが靖国神社には祀られている。
生きとし生ける者を尊ぶ日本の精神とは裏腹な、言わば“勝てば官軍”の理屈が、
国際社会に於いても理解されるのかどうか。
こうした点に関する冷静な国民的議論も行われぬまま、
首相参拝が8月15日に強行されたのは極めて遺憾である。
「公約」だから、と強弁するのなら、世論が二分する巨大公共事業も首都機能移転も
道州制も消費税も、全ては首相の一存で決定出来る話となり、
民主主義もへったくれもなくなってしまう。
新党日本は、一時の感情で国運が左右される事態を危惧する。

                                                                       新党日本代表 田中康夫」

様々な論調の中で、私が思う事は、果たしてこの靖国神社というものが、「社会を狂わせ、罪のない人間を犠牲にしてしまった、戦争の反省というものをしっかりと受け止めた存在として慰霊しているのか」という点です。様々な重要な議論をおきざりにしたまま、「いついっても同じだから8月15日に行く」などということは、たとえ小学生であっても「おかしい」と思うのではないでしょうか。

僕は、15年前に叔父のドキュメンタリーの撮影の手伝いでこの神社を訪れたことがあり、そのとき祭ってある戦車や大砲を見て「うわっ」と思ったことを記憶しています。
今、「聖戦」などというものは私は存在しないと思っております。
改めて、もう一度、この神社に行き、その様子を確かめてこなければと思っています。


月山、湯殿山に感じること。


19日は京都造形芸術大学のスクーリングで、月山を案内した。毎年月山から湯殿山への山駆けをスクーリングに採用されている、大学教授、宗教学者の鎌田東二先生のお誘いである。

20代から60代まで、様々な芸術のコース在籍の方々28名。早朝に羽黒山頂を出発し、月山頂上。そして、湯殿山へ。その後、「美しさと公共事業」といった題目で話した。湯殿山ホテル宿泊。20日午前中に注連寺と大日坊。昼過ぎに駅前のネットコミセンで、感想を話し合った。

主なものは以下のとおり。

●信仰がいきているなあという感じがした。
● やりとげたな。という感じ
● 廃仏毀釈 すごかったのだなという印象。文化大革命
お寺を燃やした話。
● 神仏習合 の懐の深い山を駆けて、日常と非日常との狭間を駆け抜けた。命のエネルギーを受けた。
● 仏教 神道の受け止め方 これまで、間違った受け止め方をしてきたのではないか。教えの解釈の中で発展しているが、神道は、自然というものが母体なのだなということ。それを行を通じて体感した。体で体感した事。
● 修験道の知識 キリストと仏教との接触交流 仏教と神道の 交わり。
山を実際にのぼって、自然の中で肉体を鍛錬することは自然の行為なのだろう。と。日本人の原点を感じたような三日間だった。
● 宗教と環境 本来のあるべき姿とは何なのか、。
● 闇の質感 出発点 本 東北の闇 羽黒山の風車の色。お地蔵さんの赤ずきん 原色系の赤 と東北の闇のコントラスト。闇をもう一度認めたい。
● 山の神様の信仰が残っていて、それが身近だったので、神様は、何か、枠にはめられたものだったと思っていたのだけれど、それとは違う、大きな存在なのだということがわかった。感謝の心の大切さのようなものを書きたいと思います。
● 何も考えないで、月山のスキー場の夏の状態を見たいと思ってきたが、山を縦走してみて、仏も神道も、自然といかに共存できるかということを語っているのではないかと思う。
● 日本の私たちが、自然や宗教行事を含めて何を失ってきたのかという視点で書きたい。
● 東北が初めてでどうかと思ったが、杉とかブナを歩く清々しさ 景色の良さなどがとてもよかった。地元沖縄と 旧盆との気持ちが似ていてその比較を買いてみたい。
● 月山に白い装束を着てのぼっていく姿が印象的だった。新鮮な思いをもった。森が荒れている話。一方で、森を使わないために自然に対する感謝の気持ちが薄れる。ということがある。
● ゴミが落ちてなくてすごくよかった。それは、山自体が愛されている。信仰 の対象になっているからだなと思った。信仰と自然保護というのが密接に関係していることを感じた。
● 伊勢神宮 は、すがすがしい思いがした。今回いろんなお話を聞いて、ダークな面だとか、2つの住職の話でも対立が感じられるものがあって、お山にのぼっておりるときも、大丈夫かと思いました。
伊勢神宮とここは、光と闇のような感じがした。
● 修験道は、人間の生まれ変わり ということを初めて教わった。人間の生まれ変わる根拠 
●初日の雨から感動した。山を駆けてみてその自然のすばらしさを感じた。
地元の人たちの信仰を通してのつながりの強さを感じた。
山で飲んだお水がおいしかった。体が要求する水というものを初めて感じた。
うけたもうという精神を日頃、ずいぶん忘れていたなということを感じた。
たくさんの感動を受けた。自分の中の再生の糸口として活かしていきたい。
● 自然保護のためには、一定の経済合理性を妥協しながら、経済的な圧力に負けてしまうんではないか。
● 奥の細道の奥 ではないかという話もありましたが、あの山は、人間がすむところではない。神のみが住んでいるところ。ではないかという思いがした 。登山道が整備されているのに、ほっとする時間がなかった。最後の最後まで踏みしめて山を駆け巡った。
●出羽三山の山伏の方々の白装束で駆け上る姿ですが、 自分のためにいのるのではなく、感謝の心というものを感じ取るということなのだということを感じた。
● 亀井さんという方に出会った。みなさんの荷物。ご自分の小さな車に荷物をいっぱいにして、送ってくれた。鷹匠の話、水の味が変わった話などいろいろ教えてくださった。ご親切にびっくりした。感動しました。
●月山の水というものについても興味を魅かれた。五重の塔などのところで感じたものと、ダムや高速道路を見て感じたこと。をまとめてみたい。
神なる自然 を失いかけている。
● この月山に来て、自分が小さいところから持っていた自然への畏敬の念ということを心から感じた。
●おみやげになったものは、竜が大好きで、昇り龍と下り龍
月山をのぼるとき、感じたものは、雑音とかがなくなって、
純粋な信仰と政治的な話は違和感があった。しかし、
月山ダムを見たときに、湖 視界が開けて、ここに、こんなものがあっちゃいけないよ。と思った。景観的に、違和感をもつものを排除しなくちゃいけないんではないかと思った。

鎌田先生はむすびとして、以下のような事をお教えくださった。
● 出羽三山と、熊野三山
明治時代の宗教政策が、 問題だった。悪しき改革だったということ。

● 光と闇。文化特性 道の奥 王家の力があまり及ばない、
塩竈神社 大和朝廷 太平洋側の拠点は、塩竃神社 日本海側が羽黒。
神社 「延喜式」という文献が最も詳しい。
日本的な法制度。中国をモデルとしているが、神をまつる神祇官
中国の体制 神祭りの部署 神祇官の祭司。のりと、仏教の事も考えている。
御妙真の規定。儀式的な側面 

● 全国の3132座の神様がまつられている。
月山 はやちね 縄文時代からある。

1300年の伊勢神宮 吉野 中央よりも、もっと根深いものがあるよというのが、蜂子の王子1400年の歴史。もっと違うものがあるよ。という教え。

蜂子の王子 信仰は、江戸時代以降ではないか。
自分たちの文化の根っこにあるものは、

明治5年に修験道が廃止される。
廃仏毀釈運動。強い地域、沖の島 偽装神社。
信仰を守るために、
実質は修験を
社殿の様式も、形式的には神社形式にするとういびつな構造にしなければならない。

● 出羽三山にあって、伊勢神宮などにも絶対ないのは、先祖崇拝が強烈に残っている。 
日本の先祖崇拝根強く残っている。
神道でも 原色の風車が飾られたりしている。
清水 激しい原色の世界

20日は、有機だだちゃ豆を食べる会。


荘内 安全な食と農を考える会では、20日(日)午後6時から、覚岸寺の母屋で、有機だだちゃ豆を食べながら交流会を行う。
大人ビール付き2000円 ジュース付き1000円の会費。

ざっくばらんな会です。おいでになる際はご一報を090ー4388−3872

よろしくお願いします。




大名行列から一転



月山高原牧場で迎え火を焚き、ティピーで眠る。15日午前11時。ジョンレノン のイマジンをかけ、平和を祈り、会を閉じる。終戦記念日。二度と狂った社会をつくってはいけない。と思いつつ。

その後、鶴岡。3時半からの荘内大祭大名行列を役所前で見、内川沿い、三雪橋で復活の踊りを見終わった頃に、黒い煙が、、、。
思わず自転車で追っかける。旧二小のあたり。加藤紘一代議士の母屋と事務所が火に包まれ、消防隊が必死に消火作業を続けていた。
 何があったのか。信じられない事態がおこっている事を目の当たりにした。

 小泉首相の靖国神社参拝を否定する発言。僕はそのとおりだと思ったし、ある意味、こうした発言をされる加藤氏をこの件では支持したい。と思っている。

その後、諸々調査が進み、右翼関係者による放火とのことがわかった。

 なんという卑劣な言論弾圧!

こうした行為は許せない。そして、こういう弾圧にめげず、主張してこそ政治家だと思う。加藤氏の勇気ある言論を支持するし、小泉もポスト小泉の多くも、「いついっても同じだから15日に行くって?」なんというごまかし発言なのだろう。

いよいよおかしくなってきたこの日本! という感じの事件である。

8月6日ショックに続き、15日もショック!である。

 





国の治水策の転換! 


朝日新聞 トップ記事より。———————————-

あふれさせる治水へ、住宅周囲に堤 国交省方針
2006年08月13日08時44分
 国土交通省は、伝統的な水防技術「輪中堤(わじゅうてい)」や「二線堤(にせんてい)」を活用し、河川の水があふれることを前提として洪水から住宅地を守る「洪水氾濫(はんらん)域減災対策制度」(仮称)を来年度から創設する方針を固めた。次の通常国会で関連新法の制定をめざす。これまで国の治水政策は、あらゆる河川に堤防を築き、上流にダムを建設して洪水を封じ込める手法に重点を置いてきた。これに対して公共事業費が減り続ける中、記録的豪雨が頻発する近年の傾向を踏まえ、川があふれても住宅被害を最小限にとどめる新しい治水の仕組みづくりを本格化させる。

  

 新制度は、堤防整備が遅れている川の流域のうち、過去に浸水被害にあった地域が対象。住宅密集地区と田畑の境にある道路や鉄道の線路などをかさ上げするなどして二線堤を築き、住宅地を洪水から守る。また、二線堤で守れない地区は、住宅地の周りに輪中堤を造り、浸水が中に及ばないようにする。

 事業対象地域の川沿いの堤防は、本格的改修の時期までは小規模なまま(小堤)にとどめ、豪雨の際に川の水が安全にあふれるようにする。あふれた水が流れ込む地区は、氾濫時に果たす遊水池的な機能を損なうことのないよう、建物の敷地での盛り土や開発を規制する。

 二線堤や輪中堤を活用した治水は80年代以降、肱川(ひじかわ)(愛媛県)や吉田川(宮城県)などで先行的な事例があるが、自治体独自の取り組みだったり、国道整備を兼ねていたりし、事業の対象地域を決める手続きの統一的な規定がなかった。

 対象地域は、川を管理する国や都道府県が地元の同意を得て指定する。選定をめぐり不公平感を持たれないよう、計画策定の際には住民などの意見を聴く機会を設ける。

 明治以来の河川改修は、下流から上流へ続く堤防を築き、堤防で洪水を防げなければ、ダムを造るのが基本。多額の費用と時間がかかるため、中上流域の整備は遅れがちで、各地で浸水被害が繰り返されてきた。

 一昨年、全国で大規模な水害が相次いだことから、国交省は昨年から洪水の「封じ込め」から「減災」へと治水政策を転換。新制度はこうした考えに基づく。

 一方、治水上の安全度の「格差」が固定化する可能性があることから、不安視する農村部選出の与野党議員らの抵抗も予想されるなど新法制定への障害も少なくない。

 国交省は「流域すべてを洪水から守る目標を捨てるわけではないが、完全な改修には時間がかかる。氾濫が頻発する農村部では、あふれるのを前提とした治水を一つの手法として採り入れたい」としている。

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まさに、今本先生や大熊先生が提唱されている「真の治水」の方向性をようやく国土交通省が打ち出し始めたということだ。
これをトップ記事として採用した朝日新聞にも拍手を送りたい。

ようやくさいた





県に意見書提出。


最上小国川のダム問題。

7月24日のフォーラムでの今本博建 京都大学名誉教授の発言を受け、蒼々たる研究者の皆さんが意見書を作成してくださり、アウトドアライター天野礼子氏がわざわざ来山し、意見書を提出。

以下のもの。

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平成18年8月11日

意見書

山形県知事    斉藤 弘  殿
山形県土木部長  池田 隆  殿

京都大学名誉教授  今本 博健
新潟大学教授    大熊 孝
法政大学教授    五十嵐敬喜
アウトドアライター 天野 礼子


 私たちは、この度、ダムのない天然アユ溯上河川・小国川を愛する 人々の要請で小国川を訪問し、貴職らが進められていますダム案よりも、ダムに頼らない“真の治水”を地元住民らと考えるべきであるという想いに達しています。
 しかしながら、最上川水系流域委員会最上地区小委員会(大久保博座長)は、平成18年5月23日付にて「最上小国川の治水対策として現制度の下では穴あきダム案に依るほかないと考えられる」との報告を最上川水系流域委員会委員長に提出されています。
 最上小国川は、「松原アユ」で知られます全国屈指の清流であり、ダムの計画地点下流には赤倉温泉と瀬見温泉が存在しています。もし仮に穴あきダムが建設されたとしますと、松原アユをはじめとする自然環境に重大な負の影響が及ぶ恐れがあるうえ、計画規模を超える洪水に襲われますと壊滅的な被害が発生する可能性があります。したがいまして、穴あきダム以外の“真の治水対策”を採用すべきであると確信いたしまして、本意見書を提出いたします。

 以下に、穴あきダムの問題点と真の治水対策を説明いたします。

 穴あきダム(流水型ダムともいう)は、堤体底部に放流口をもち、平常時は水を貯めないので、魚や土砂の移動が妨げられず、環境への影響は軽微であると説明されています。しかし、穴あきダムにはつぎのような問題があります。
 平常時の上流からの流れは、暗くて長いトンネル状の放流口を抜け、流れの勢いを弱める減勢工(エンド・シル)に空けられた狭い隙間を通って、下流へと出ていきます。隙間での流れは非常に速く、魚の溯上が妨げられます。
 洪水時の流れは、一時的とはいえ、ダムの上流に貯められますので、土砂の堆積が発生します。この土砂は洪水の引き際に水の流れとともに排出されますが、かなりの部分がそのまま残ります。このため穴あきダムにも堆砂容量が設定されるのです。土砂流出の多い最上小国川の場合、総容量630万m3のうち実に24%の150万m3が堆砂容量です。
 また、洪水時の流れは泥水ですので、樹木などに泥が付着し、枯れる恐れがあるうえ、その後の降雨で付着した泥が洗い流され、下流は濁流 となります。沈殿していた有機物が徐々に溶出し、水質が悪化する恐れもあります。
 計画規模を超える洪水が発生した場合、洪水はダムを越えて流れますので、下流での洪水流量が急激に増え、逃げ遅れなどにより被害を激甚化する恐れがあります。
 さらに、穴あきダムは中小洪水をほとんど調節しませんので、自然環境にとって重要なダイナミズムは確保されますが、別の支川の流域に降雨が集中して下流が危険状態となっても、それを緩和することができません。
 穴あきダム完工後の湛水試験では、数か月という長期間にわたって水を貯めますので、水没した動植物が死に絶える恐れがあります。
 周辺の景観が劇的に改変されることはいうまでもありません。

このように、穴あきダムは、洪水調節機能に欠陥があるうえ、自然環境 に及ぼす影響を無視できません。

 現在の治水計画は基本高水を河道とダムに配分するようにしており、超過洪水に対する配慮がなされていません。洪水は自然現象ですので、 超過洪水が発生する可能性はつねにあります。したがいまして、いかなる大洪水に襲われようと、少なくとも壊滅的な被害を避けるようにすべきです。
 また、「これからの治水は、まちを安全にするだけでなく、まちを活性化するようにすべき」です。それが“真の治水”です。
 最上小国川ダムは赤倉温泉の治水には一定の効果がありますが、まちの活性化にはつながりません。したがいまして、まず河床掘削と拡幅によって河道の流下能力を増大することを優先的に実施すべきです。河道内の建物は再配置し、清流に向き合った温泉街をつくることで、まちが活性化します。矢板やソイルセメントを用いた止水壁の設置により、河床掘削の湯脈への影響を防止することができます。河道の流下能力を超える洪水が発生した場合は、早期避難によって人命の損傷を防ぎ、高床式などの建物耐水化によって物的被害の軽減を図るべきです。

 山形県におかれましては、一時しのぎの「穴あきダム」を採用することなく、“真の治水”を実施して、地域に永続的な繁栄がもたらされるように、可及的速やかに勇気ある英断を下されますよう要望いたします。

以上
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ダムよりも真の治水。そして持続可能な赤倉温泉のまちづくりが提案されている。実に秀逸な意見書だ。

最上川流域委員会で無視されないようにワッチしていかねばならない。



あーあ


酒田は公募委員50人で総合計画策定 鶴岡は 公募委員なし この差は協働のありかたとして 大きいと思う。