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月別ア―カイブ: 8月 2009

湯浅誠さんの講演会


 世界を股にかけて、海峡を泳いでわたる、チャネルスイマー、 五十嵐憲さんが、今年は、北海道 焼尻島から羽幌間を横断するということで、壮行会に。

その後、楽しみにしていた年越し派遣村 村長の湯浅誠さんの講演を聞きにいく。現場の声を元に、貧困の真実を語りかけてくる。そして、社会の問題の軸をあぶり出してくる。雇用保険でカバーできない。そして生活保護でもカバーできない。結果、滑り台のように「貧困」におちていく。その結果、4つ、1、自殺、2、犯罪、3、ホームレス、4NOといえない労働者 という状況に陥ってしまう。4のNOといえない労働者が増加するために労働条件がどんどん引き下がっている。年越し派遣村は、こうした「すべり台からおとされた人に階段をつくっていったのです。と話しておられた。シェルターと総合相談。そして緊急小口貸し付け、生活保護、アパート、そうした本物の階段をつくっていくこと。
竹中、小泉の偽りの構造改革の中で、この社会が何を失ってしまったか。教育課程、企業福祉、家族福祉、公的福祉から排除され、その結果、自分自身の存在価値や将来への希望を見つけられなくなる、自分自身からの排除に陥る。貧困スパイラル。これを救うために自治体のセーフティネットとして何が必要なのか。とても大事な示唆をいただいた講演会だった。社会のイノベーションたる、本来の先駆的なNPO法人としての文化を見せていただいたようにも思えた。
 神戸での活動の時、代表の山田の意向もあり、しばしば大阪の釜ヶ崎の炊き出しの応援にいったものだ。被災者救援と貧困に陥っている人の救援は、社会システムにかけているところを市民の力で解決していこうというところで同じなのだな。と考えさせられた。湯浅さんが発する真実の日本の問題を受け止め、行動をおこしていきたい。

広島 平和宣言。


8月6日。原爆の日。朝、街頭でもちらとお話をさせていただいたが、64年前に実際にこの日本でおこなわれた事の真実をみつめ、そしてそのときの犠牲の教訓は今生きているか、改めて問う日だ。

秋葉市長の平和宣言を噛み締めたい。

平 和 宣 言

人類絶滅兵器・原子爆弾が広島市民の上に投下されてから64年、どんな言葉を使っても言い尽せない被爆者の苦しみは今でも続いています。64年前の放射線が未(いま)だに身体を蝕(むしば)み、64年前の記憶が昨日のことのように蘇(よみがえ)り続けるからです。
 
幸いなことに、被爆体験の重みは法的にも支えられています。原爆の人体への影響が未(いま)だに解明されていない事実を謙虚に受け止めた勇気ある司法判断がその好例です。日本国政府は、「黒い雨降雨地域」や海外の被爆者も含め高齢化した被爆者の実態に即した援護策を充実すると共に、今こそ省庁の壁を取り払い、「こんな思いを他(ほか)の誰(だれ)にもさせてはならぬ」という被爆者たちの悲願を実現するため、2020年までの核兵器廃絶運動の旗手として世界をリードすべきです。
 
今年4月には米国のオバマ大統領がプラハで、「核兵器を使った唯一の国として」、「核兵器のない世界」実現のために努力する「道義的責任」があることを明言しました。核兵器の廃絶は、被爆者のみならず世界の大多数の市民並びに国々の声であり、その声にオバマ大統領が耳を傾けたことは、「廃絶されることにしか意味のない核兵器」の位置付けを確固たるものにしました。
 
それに応(こた)えて私たちには、オバマ大統領を支持し、核兵器廃絶のために活動する責任があります。この点を強調するため、世界の多数派である私たち自身を「オバマジョリティー」と呼び、力を合せて2020年までに核兵器の廃絶を実現しようと世界に呼び掛けます。その思いは、世界的評価が益々(ますます)高まる日本国憲法に凝縮されています。
 
全世界からの加盟都市が3,000を超えた平和市長会議では、「2020ビジョン」を具体化した「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を、来年のNPT再検討会議で採択して貰(もら)うため全力疾走しています。採択後の筋書は、核実験を強行した北朝鮮等、全(すべ)ての国における核兵器取得・配備の即時停止、核保有国・疑惑国等の首脳の被爆地訪問、国連軍縮特別総会の早期開催、2015年までの核兵器禁止条約締結を目指す交渉開始、そして、2020年までの全(すべ)ての核兵器廃絶を想定しています。明日から長崎市で開かれる平和市長会議の総会で、さらに詳細な計画を策定します。
 
2020年が大切なのは、一人でも多くの被爆者と共に核兵器の廃絶される日を迎えたいからですし、また私たちの世代が核兵器を廃絶しなければ、次の世代への最低限の責任さえ果したことにはならないからです。
 
核兵器廃絶を視野に入れ積極的な活動を始めたグローバル・ゼロや核不拡散・核軍縮に関する国際委員会等、世界的影響力を持つ人々にも、2020年を目指す輪に加わって頂きたいと願っています。
 
対人地雷の禁止、グラミン銀行による貧困からの解放、温暖化の防止等、大多数の世界市民の意思を尊重し市民の力で問題を解決する地球規模の民主主義が今、正に発芽しつつあります。その芽を伸ばし、さらに大きな問題を解決するためには、国連の中にこれら市民の声が直接届く仕組みを創(つく)る必要があります。例えば、これまで戦争等の大きな悲劇を体験してきた都市100、そして、人口の多い都市100、計200都市からなる国連の下院を創設し、現在の国連総会を上院とすることも一案です。
 
被爆64周年の平和記念式典に当り、私たちは原爆犠牲者の御霊(みたま)に心から哀悼の誠を捧(ささ)げ、長崎市と共に、また世界の多数派の市民そして国々と共に、核兵器のない世界実現のため渾身(こんしん)の力を振り絞ることをここに誓います。
 
最後に、英語で世界に呼び掛けます。
 
We have the power. We have the responsibility. And we are the Obamajority.
Together, we can abolish nuclear weapons. Yes, we can.
 
2009年(平成21年)8月6日
                    広島市長 秋 葉 忠 利